[ 2014年09月 ] の記事一覧

2014.09.20

3大学合同ゼミ合宿

17~18日の2日間、同志社大学のN宮先生と龍谷大学のM永先生、そして私を含めた3大学のゼミで合同ゼミ合宿を開催しました。

N宮先生とM永先生とは、同じスポーツマネジメントを専門領域とするだけでなく、大学時代からの長い(笑)つきあいで、3名がせっかく、京滋の大学で教員となり、再び集まったので、次世代を担う学生を一緒に育てることができないか…という想いで3年前から合同でゼミ合宿をするようになりました。
我々も若い頃、つまり学生だった頃に恩師や恩師の同僚の先生方、またそのもとで研究する大学院生の方々にお世話になり、育てていただいたので、その受けた恩とたすきを学生に渡したいという想いで始めたものです。

3大学が持ち回りで幹事を務めるのですが、ちょうど今年、立命館大学が幹事校となりました。
3大学のゼミ生が少しでも早く打ち解けられるよう、自己紹介を兼ねたアイスブレーキングをしたり、また「“スポーツ+○○”でシナジー効果を創造せよ!」というブレインストーミングをしたり、さらには、チームビルディングでよく用いられる「マシュマロチャレンジ」というグループワークをしたり、金融や経済の仕組みを知るとともに、疑似マネーや他人が持ってきた不要物に価値を生み出して取引し、利益を上げる「楽市楽座」という体験型ゲームを行ったり…











その他にもアルティメットフリスビーや各ゼミの活動報告会、またなかなか夢を抱いたり、描いたり、それを語ったりする機会が少ない学生に、自分の夢を語るような機会を設けたり、さらには2日目の午後からは、アウトドアスポーツの専門化志向やツーリズムの研究に手掛けるN宮先生の指導のもと、琵琶湖に出向き、カヌーやスラックラインといった普段では味わえないアウトドアスポーツを学生は体験しました。


人を育てるのが年輩者の使命であり、大学の使命…
我々教員の意図は、「次世代を担う学生に、人を育てることの大切さと、その想いを伝え、たすきを渡す…」ということです。
日常での学習活動でもそうですが、日常とは異なる場所とメンバーと、そして異なる体験や刺激を受け、その意図をくみ取った学生は、いずれこのようなたすきを誰かにまた渡してもらいたいと思います。

Jin

2014.09.19

“地域で生きる”とは?

先週、北海道・浦河にある「べてるの家」という精神疾患の人たちが働き、グループホームなどで暮らす施設を見てきました。
http://urakawa-bethel.or.jp/index.html

元々は1978年に浦河赤十字病院の精神科を利用する統合失調症等をかかえた当事者達による活動が端緒となっています。2002年に法人化した社会福祉法人浦河べてるの家、小規模授産施設、共同住居、グループホーム、有限会社福祉ショップべてるなどが活動としてあります。そこで暮らす当事者の方にとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を持っています。

3度の飯よりミーティングという合言葉があり、朝のミーティング(体調などの報告)から始まり、午前の活動報告会、終わりの報告会に加え、とにかくよく話します。仕事は、昆布詰め、グッズ(織物、Tシャツ)制作など担当の仕事を自分の体調に合わせ行い、働いた時間は自己申告となっています。24時間のケア体制のもと、共同生活をして暮らす方も多くいます。朝、同じ家から送迎バスで出勤し同じ場所に帰っていく。もちろん歩いて来る方もいらっしゃいますが、大半の方が小さな社会で大きな家族として暮らしている印象を受けました。

前にご紹介した「地域で生きる」を支えるACTのあり方とは対照的です。ACTは、あくまで同じ疾患を持った人がコミュニティを形成して生活するのではなく、地域社会の中で(家族と、あるいは一人で)生活することを支えるあり方です。それぞれが独立して暮らすために必要な支援をする。その人を周囲の人たちに理解してもらう。その延長線上に、お弁当を毎日配達するコンビニの店員さんが気にかけてくれる結果となる。そういう「地域」での生き方を目指しています。実際にサポーターが増えてくるそうです。
http://assertivecommunitytreatment.jp/about-act/

どちらにも長所、短所があるとは思いますが、「地域で生きる」とはどういうことなのか、改めて考える機会となりました。どちらがその人らしいあり方を支えるのか、それぞれのスタイルによるのでしょうが、高齢化社会がますます進む中、個々人が「どう生きるか」を選択する幅も広がりつつあるように思います。


Aki

2014.09.18

体力医学会前日

8、9月は授業が休みということもあり、各教員の研究領域における専門学会が開催されます。私も明日から、長崎県で開催される第69回日本体力医学会大会に参加をします(スポ健からも多数の教員や大学院生が参加します!)。学会を間近に控え、ここ数日間はインテグレーションコア内のセミナー室や実験室において発表練習を行う光景が目立ちました。私の研究室からも今回8名の大学院生&学部生が研究発表を行うこともあり、2週間にわたり発表練習を繰り返して来ました。ただ、動き出しは早かったものの、連休や実験などもあり、最終的な練習量は例年と比べて少ない状態で本番を迎えます。それでも限られた時間の中でそれぞれが良い準備を行い、自信をもって送り出せるレベルにまで到達することができました。

さて、今回は私自身もシンポジウムで登壇しますので、発表スライドを準備しなければなりません。しかし、当然のことながら学生の発表準備が最優先、自分のことは後回しです。毎回のことながら自分の発表準備は思うように進みませんが(笑)、今日1日かけてしっかり準備をするぞ!!・・・とブログを書きながら心に誓っています。早めに長崎入りしますが、長崎の魅力に負けずにしっかりと準備をします。。。

学会期間中の教員&学生の皆さんの活躍が楽しみです。


2014.09.17

インターン学生が企画・運営した野球の試合に行ってきました。

こんにちは。ma34です。

月曜日の敬老の日には、子どもたちと義理の父母とともに、

愛祭~つながる。「球場(リアル)」 

~京滋地区初のプロ野球「四国アイランドリーグplus」の公式戦


に行ってきました(滋賀、皇子山球場)。
徳島インディゴソックス VS 香川オリーブガイナーズの対戦でした。



このイベントを知ったきっかけは、1回生基礎演習のオリターを務めてくれた2回生のWくんが
チケットを売りに研究室を訪れてくれたことがきっかけです。
立命館大学、そして京都コンソーシアムで連携している他大学と、
四国アイランドリーグのインターンシップとして、この試合を企画・運営しているということで、
それは応援しないと!と、おじいちゃん、おばあちゃんの分もお願いしました。

実は、野球観戦が初めての私。球場に入ったのも2回目です。
ピッチャーの投げる球の速さ、特大ヒットを打ったときに響き渡る音、
そして満塁のときの会場全体が打者に見入る様子。。。
何もかも新鮮で、面白かったです。

今回の企画の目的は、
1. スポーツに興味のない子どもに関心を高めてもらう(うちの息子)、
2. 家族団らんの機会を与える(敬老の日ということで3世代で行きました)、
3. 四国のPR(すだちをもらえて大満足。このすだちが本当に美味しかった!)
ということで、すべての目的を堪能させていただき、帰ってきました。

途中、7回のイニング終了時には、電光掲示板に、「おじいちゃん、おばあちゃん、いつもありがとう」と、
息子から祖父母へのメッセージを載せてもらいました。
これもWくんをはじめ、学生さんたちの心づかいによるものでした。
おじいちゃんおばあちゃん孝行も出来たかな、と思います。
ありがとうございます。

なお、この企画(インターンシップ)については、事前の段階で新聞記事としても取り上げられていました。

⇒http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20140828000110

応援していた徳島は、この試合は惜しくも敗れてしまったのですが、
とても充実した、すばらしい企画でした。

学生の皆様、お疲れ様でした。そして、素敵な企画をありがとうございました!

ma34.



2014.09.16

生理的反応の不思議

Hassyです。

先日、東洋大の小河先生や早稲田大の広瀬先生、広島大の長谷川先生らとの共同研究がPhysiological Reportsというオープンアクセスの国際誌にアクセプトされました。
(一般的に論文が掲載されている雑誌はその購読者しか読めません。個人購読もありますが、通常は大学・研究所などの機関が出版社と契約しています。このオープンアクセスは、掲載してもらう我々研究者が掲載料を支払い、雑誌は電子ジャーナルとして、オンラインで誰でも自由に閲覧できます。)
掲載料は幾分かかかりますが、論文は広く読んでもらって、またそれがきっかけで様々な研究者のアイデアを誘発し、研究の発展に繋がっていきますので、この類の雑誌が急増してきているのも頷けます。

さて、これまで動物や細胞を対象の主としてきた私にとって、ヒト生理学研究に関わり、責任著者として公表させていただくことは、今後の研究展開にも大きな意義を持つものと思っております。
また、同時にヒト生理反応の不思議に魅了されるものでもありました。

簡単に紹介すると、中強度の動的運動時、脳への血流量は増加しますが、長時間持続すると、過換気を伴って脳への血流量が安静時の値まで減少していきます。
血液は脳細胞の活動に必要な酸素や栄養素を運搬するので、脳への血流量が(相対的に)不足すると認知機能などの脳機能に不具合が生じると思われます。

ところが、長時間運動で疲労困憊に近付くにつれ、認知機能は逆に安静時よりもどんどん良くなっていくという興味深い結果となりました。
この理由は今後の研究課題ですが、生理現象の不思議さ、運動のもつ意義など、興味は尽きません。




2014.09.15

スーパームーン

先週の99日は、スーパームーンでした。月が最も日本に接近して、かつ満月(もしくは新月)であったものをこのようによぶそうです。

 

ネットで調べてみると、月の公転軌道も、地球を焦点の一つとする楕円を描いているために、地球と月との距離は常に一定ではありません。地球との距離が最も短い近地点では約36万キロメートル、最も離れた遠地点では約41万キロメートルといわれていて1割以上も違います。

 

 99日の夜は見過ごしたので、写真は、翌日の朝に撮ったものです。早朝の明るさもありなかなか月を上手に取るのは難しい。でも、まん丸のお月さんを眺めているとなぜか、ほっとしますね。スーパームーンで、普段よりも近くにいて、大きく見えるはずなのに、普段から見過ごしているせいかそのような比較はできませんでした。

時には、月夜を眺めながら、暗闇を照らし、世の中を照らしてくれる月の持つ暖かさと包容力を感じてみるのも良いかもしれません。月の観察にも良い時候となってきた今日この頃です

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

913土から、国立スポーツ科学センターで、第23回日本バイオメカニクス学会が始まっています。日本のバイオメカニクス研究者が一同に集って、この分野の最新研究を議論しています。詳しくは来週のブログで。

 

【忠】

 

2014.09.14

スポ健な人 (13)

今日は世間では三連休の中日ですね。
皆様、いかがお過ごしですか。

今週も、スポ健で頑張っている学生を紹介したいと思います。
今回、紹介する学生は、Chinami さん です。
Chinami さんは、現在博士前期課程の1回生 (M1) で、
塩澤研究室に所属しています。



では、Chinami さんにインタビューです。
Q: 「現在の研究テーマについて教えて下さい」
A: 「今は、最大随意収縮力に影響を及ぼす神経要因について研究しています。」

Q: 「難しそうなテーマですが、分かりやすく言うと?」
A: 「どんなアスリートでも、調子の良い時、悪い時があると思うのですが、
  なぜ調子が良くなったり悪くなったりするのかを、
  神経制御の観点から調べようとしています」

Q: 「なぜこの研究に関心を持ったのですか?」
A: 「学部時代は、あまりアスリートの研究について関心がなかったのですが、
  大学院に進学して、現場に還元できる研究がしたいなと思って、
  この研究を始めました。」

Q: 「昨年、ヨーロッパスポーツ科学会 (ECSS) で国際発表されていましたが、
  実際に発表してみてどうでしたか?」
A: 「四回生の時でしたが、緊張で頭が真っ白になりました。
  質問は聞き取れたのですが、言葉が出てこなくて、
  もっと英語を勉強しないといけないなと感じました。
  今は、論文を執筆しているので必要な表現を学んでいます。」

Q: 「今後の目標を教えて下さい」
A: 「とりあえずは、今の研究で成果を出して、
  現場に最先端のスポーツ科学の知識を還元していきたいと考えています。」
Q: 「ありがとうございました。」

Chinami さんには、ぜひ目標を達成して、
どんどん成果を出してもらいたいと願っています。
それでは、また。失礼致します。
良い休日を。

2014.09.13

顧客が求める便益と価値を届ける工夫…

顧客が何に価値を置き、何を必要とし、どのような満足を求めているかを知った上で、顧客が買いたくなる仕組みをつくるのがマーケティングです。

便益と価値をパッケージ化した“プロダクト(ものやサービスなど、形態的な違いを問わず…)”を顧客に届けるためには、概ね3つの方策が考えられます。

1つめは、「非差別化戦略」です。これは、1つの“パッケージ”を全ての「顕在顧客(既に取引をしている利用者・お客様)」と「潜在顧客(顧客になる可能性のある人々)」に提供しようとするものです。ものがあふれ、価値が多様化する現代社会では、顧客ニーズへの対応に課題が残ります。

2つめは、「差別化戦略」です。これは、潜在顧客を性別・年齢・職業といった人口動態特性や居住地域などの地理的特性、またライフスタイルなどの心理的特性や行動特性といった基準を用いて細分化し、そのセグメントのニーズや欲求にマッチしたパッケージを提供しようとするものです。顧客のニーズにマッチしたプロダクトを提供できる反面、限られた資源の運用やコストがかさむといった問題が残ります。

3つめは、「集中化戦略」です。これは、差別化戦略と同様の考え方と方策を用いるのですが、限られた資源を特定のセグメントに集中的に投じようとするものです。ターゲットを当てたセグメントにマッチしたパッケージを届けることができる反面、ターゲットを当てたセグメントにプロダクトが響かなければ、高い損失を負ったり、潜在顧客を獲得し損ねたりする可能性もあります。











前置きが長くなりましたが…(笑)
このような2つめと3つめの方策を用いているのが、「同窓会ビジネス」です。
参加者のニーズにマッチした同窓会を企画し、その運営を代行するようなビジネスは以前からありましたが、最近、テレビでも取り上げられている「笑屋株式会社」という企業の同窓会プロデュースは、ユニークです。
社長自身が、過去に幹事としてパーティや同窓会を企画し、赤字を出したという経験に基づき、楽しい企画を提案することはもちろん、その上、幹事が安心して、かつ参加者も「安く」会に参加できないものかと考えた仕組みが、「同窓会への企業協賛」、つまり、スポンサーシップです。

仕組みはシンプルです。
企業は、3万円から10万円程度の協賛金を支払うのですが、投じた協賛金に応じ、広告掲載だけ、広告掲載と商品サンプル提供ブースの設置、また10万円の協賛金を投じれば、広告掲載、サンプル提供ブースの設置に加えて、同窓会中に3分間のCMタイムが与えられるようです。もちろん、協賛金の大部分が同窓会の参加者にキックバックされるため、会費が少しでも安くなればと考える幹事や参加者には、ありがたい提案となります。

協賛する企業にとっては、「同窓会」ですから、参加者が同じような年齢層であるため、顧客の特性に応じたマーケティングが展開しやすくなります。例えば、ある化粧品会社では、同窓会の参加者の年齢に対応し、20歳代には、べとつきを押さえたサラサラ感を強調した商品PRとサンプル提供を、40歳代には、法令線のようなシワ、またシミを防ぐような商品PRとサンプルを提供する機会が得られます。

また40歳代の同窓会には、学習塾が協賛するようですが、学習塾は、子育てが落ち着いた主婦層に焦点を当て、塾講師の人材確保につなげるために協賛するようです。その学習塾のPRは、小遣い稼ぎや家計の支えに少しでも役立ちたいと考えている主婦の心をつかむことでしょう。


ちょっとした工夫、それが顧客の求める便益や価値にマッチし、顧客と企業の“Win-Win”を実現します。
インターンシップやビジネスコンペに参加しようとしている学生は、このような考え方やアイディアを参考してくれればと思います。


Jin


2014.09.12

言葉の表出

先週は言葉の認識についてお話しました。今週は、その言葉の音声表出についてお話したいと思います。先週も書きましたが、発達障がいのある人全員に当てはまるわけではなく、そういう人もいるということの一例です。

「あなたの第一言語は何ですか?」と訊かれたら、皆さんはなんと答えますか?私は「日本語です」となります。「では、第二言語は?」と訊かれたら、かなりお恥ずかしいながらも「英語です」と小声で答えると思います。


私の知り合いのお話をしたいと思います。先週もお話ししたあいまいな言葉が苦手な彼女です。彼女は言葉を音声で表出することにとても時間を要します。そのことを第一言語と第二言語という形で分析しています。


私たちが、自分の言いたいことを英語で話そうとするとき、頭の中で一生懸命「第一言語(日本語)」に合う「第二言語(英語)」を探し、置き換える作業をします。それと同じことがその方の頭の中で起こっています。「第一言語(数やシーン)」を「第二言語(日本語)」で置き換える作業です。もう少し具体的に説明します。先週お話したように、彼女にとってあいまいな言葉の認識と理解は非常に困難です。同じように感情の文章化も苦手です。彼女の場合、感情や形容詞が頭の中で「数」や「映像(シーン)」として湧き出ています。その「数」や「映像」に合う「第二言語(日本語)」を探す作業をするわけです。私たちが英語で話すためにする作業と同じです。これは、音声表出に限らず文章化でも同じです。こう考えるとどうでしょうか?非常に多くの時間を要するわけです。


では、例えば「dog」という単語はどうでしょうか?私たちはわざわざ「dog」を「犬」と、「第二言語」を「第一言語」に置き換えて考えることはなく、「dog」は「dog」として理解し会話を進めます。それは、私たちが幼少期から英語を学んできており、日常でもよく使う「dog」は「dog」として第一言語のように獲得しているからです。彼女の場合も同じで、名詞は名詞で認識し獲得しています。「犬」をわざわざ「数」に置き換える必要はありませんし、「数」としては認識していないわけです。


このように考えると、どれほど置き換えの作業に時間を要し、音声として表出されるまでにはさらなる時間を要することがお分かりいただけますでしょうか。決して他者との会話のキャッチボールができないのではなく、置き換え作業に時間を要するだけなのです。しかし、周囲がそれに気づくことはなく、「何が言いたいの」「はっきり言いなさい」「黙って何か文句でもあるの」と畳みかけられることが多くなります。そうなるとますます話せなくなる。話したくないのではなく、話せなくなるのです。


彼女がこのように自分のあいまいな言葉の認識や音声表出の特性について自己分析する・できるようになったのもつい最近のことです。それまでは、他者と少し違うプロセスであることに気づかず、会話がうまくできないことを悩み責めていました。決して他者との交わりを「求めていなかった」わけではなく、うまくいかないから「あきらめて」きたのです。それが、他者と交わりたい、日本語という言葉で伝えたいと強く願うようになり、自分について研究を始めた結果、様々なことが分かり始めています。


皆さんの周囲にも話したいのに話せない人、会話の輪から突然ポツンとする人はいませんか?交わりたくない、一人がいいんだろう、なんかムッとしているな、とならず、一度会話のペースを落とす、待つ、聞いてみる、をしてみていただけたらと思います。


言葉の認識・表出はほんの一例にすぎません。彼女にはもっと多くのプロセスや認識の特性が存在しています。また別の機会にお話ししたいと思います。

 

2014.09.11

大学院入試への出願が始まりました

10/11(土)に実施される大学院入試(博士課程前期課程)に向けた出願が始まりました。大学院の受験者は、本学スポーツ健康科学部の学生、他大学の学生、現在社会人の方など様々です。英語、論述、面接などを行い合否を判定します。

先月から今月上旬にかけて、大学院への進学を希望する内部生(スポーツ健康科学部の学生)や学外の学生と話をする機会がありました。多くの学生が卒業後就職をするのに対して、大学院進学希望者は「+2年(博士課程前期課程の場合)」勉強をすることを志したことになります。就職活動や教員採用試験にチャレンジした上で、最終的に大学院進学を選ぶ学生、大学院進学1本に絞り早期から準備をしてきた学生など、幾つかのパターンに大別されます。
大学院生への指導は学部生とは若干異なり、研究指導が中心となります。また大学院では、特定の教員の研究指導を受けることを目的に受験をするものです。したがって、受け入れ側の教員としても責任は重大です。早ければ2年後、社会人として働く際に「ただ2歳年を重ねた」ということにならないよう、専門的知識と確かな教養を備えた人材へと育成することが求められます。

今回受験される方でこのブログを読まれている方もきっといらっしゃるでしょう。皆さんが万全の準備をして試験に臨み、次年度から本研究科のメンバーとして加わることを楽しみにしています。素晴らしい研究施設、パワー(個性)溢れる教員、国内外の学会などでその研究力の高さが注目される先輩大学院生、学生生活を様々な形で支援して下さる職員の方々、自分で言うのも何ですが素晴らしい、魅力ある研究科です。高い志をもった熱意ある大学院生と巡り会えることを期待しています。