[ 2014年11月 ] の記事一覧

2014.11.10

実験シミュレーション

一雨ごとに秋が深まっていきます。秋は実りをもたらせてくれます。学生、院生の成長も著しいものです。

 

昨日の日曜日に、実験室をのぞくと、ポスドクの【Sが】、【樋G】、院生【W智】、学部生【Mきき、D智、土K】君などが、本実験に向けての実験シミュレーションを行っていました。これは、本番と同様に被験者を用意して、通し実験を行います。プロジェクト研究などで、複数の研究テーマを同時並行して実験データを取得する場合は、複数の実験を組み合わせて行います。そのために、被験者への負荷を少なくして、できるだけ多くのデータをとるために、実験の順番、待ち時間などの工夫が必要になります。そこで、実験の順番、実験の進行を確認するために、本番と同様にシミュレーションを行う必要があります。良いデータを取るためには、このような準備が何より大事です。これを繰り返して、十分に練り上げた上で実験データが取得でき、さらに慎重に解析して、科学的な検証結果、そして論文にまとめて、世の中に「研究成果」として送り出されます。

 何事もそうですが、十分な準備が大事です。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

学部事務室の依頼で、久しぶりに新聞社の取材を受けました。ゼミ生にも協力してもらいました。本学部の特徴的な学びを紹介してもらえるようです。取材を受けて、改めて学部の人材づくりを再確認、リマインドされました。人に話をすることは、確認するための有効手段ですね。

【忠】

 



2014.11.09

アメリカ便り (5): Farmers Market

先週お伝えしたように、メリーランド州立大学でも、
急速に秋が深まってきました。
(写真は、大学本部の建物です。
緑の芝生と黄葉のコントラストが美しいです)



秋と言えば、「食欲の秋」ということで、
「食」に関する話題について書きたいと思います。

日本でも「地産地消」という言葉が聞かれるようになってきましたが、
アメリカでは、よく Farmers Market が各地で開催されています。
メリーランド州立大学構内でも、
毎週、水曜日の午後になると、近くの農家が
Farmer's Market を開いており、
野菜や果物、肉や乳製品を買うことが出来ます。
私も、Japanese pear を買いによく行っています。
(日本の梨ほどは甘みが無いのが残念ですが・・・)



スポーツ健康科学でも、「食」に関するシンポジウム
[第四回スポーツ健康科学セミナー: 成長期の体と頭を育てる食事]
11/16 に開催されますが、こういうFarmers Market が
立命館でも定期的に開かれると良いですね。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を。


<<街でよく見かける英語表現#5>>
有機野菜を英語で言うと、日本語でも使いますが、 "organic" と言います。
では、普通栽培の野菜はどう表現されるかというと、
"conventional" と言います。
スーパーや市場では、これらを見て、どちらを買うべきか悩むわけです。

2014.11.08

“支援”という行為…

介護支援、生活支援、学習支援、財政支援…我々の生活の中で、「支援(support)」という言葉は、あふれています。支援の類義語には、「援助(aid, help, assist etc.)」という言葉が存在しますが、これらの言葉から我々は、人間の行動のあらゆる側面にかかわる物質的・金銭的、知的・情報的、精神的、また社会的な支えや助けをイメージし、支援を求める人たちもそれを期待します。その一方で、支援や援助という言葉には、何となく、「与えられる」というような受け身的なイメージもつきまとうことも事実でしょう。

支援という行為は、支援を受ける「被支援者」に対して有効性を示すこともあれば、逆にそれが徒となることもあります。例えば、開発援助でソーシャル・キャピタル(信頼・規範・ネットワークが結びつき、機能する地域の底力のようなもの)を意図的に構築しようとしても、形成過程でその行為が滞った場合、当該地域に負の経験が蓄積されてしまうため、改めて開発を進めようとしても、地域住民に刻まれた過去の負の記憶が、活動に対する取り組みを躊躇させてしまうことがわかっています。

ある研究者は、「支援とは、他者の意図を持った行為に対する働きかけであり、その意図を理解しつつ行為のプロセスに介在して、その行為の質の改善、維持あるいは達成をめざす一連のアクションである」と定義しています。簡単にいえば、支援は、支援する側と支援される側の「相互行為」であり、特に支援される側の意図を理解し、支援される側の行為の質を向上させることが大切だと述べています。



ただ、我々の生活の中には、様々な支援活動が存在しますが、これまで支援については、誰を対象に、どのような内容を、どのような形態で、どれぐらいの期間で、どのような約束のもとで、といったような支援する側がいかに支援される人を管理するかという視点で語られることが多かったように思います。繰り返しになりますが、「支援」という行為は、与えるまたは与えられるという単一方向の行為ではなく、その行為にかかわる人たちの相互作用からもたらされる関係性の産物でなければなりません。

支援とは、何のためにあるのか…
学生のみなさんも、様々な支援を何らかの形で受けていることと思いますが、その支援から何が生み出されるべきなのか、支援が支援される人に何をもたらすのか、支援のありがたみをかみしめつつ、支援とは何かについて、一度、考えてもらいたいと思います。


Jin


2014.11.07

企画の難しさ

前に掲載したチャレンジスポーツデーにおいて私たちの研究室のプログラム企画を中止とさせていただきました。今回の企画を通じて企画の難しさと連携の大切さを改めて実感しました。

今年から担当させていただくことになった企画ですが、初の試みで障がいのある方と運動が苦手な子どもを対象に実施することにしました。これは、前担当者であった佐藤先生からの引き継ぎ時にお話しした内容からでした。佐藤先生が実施されていた時、障がいのある方が来られ「参加できないですね」と言われたそうです。障がいのある方やご高齢の方が参加できる内容を提供できなかったのが残念だったと言われたことがとても印象深く、今年度は私たちの研究室で障がいのある方を対象にやってみようということになりました。

ゼミの学生と相談しながら、①身体的な障がいのある子どもや大人②知的な障がいのある子どもや大人③運動の苦手な子どもの3部構成にしました。初めての試みでもあり、参加人数や障がいの程度が事前に把握できていないと難しいと判断し、人数を15人に制限し事前申し込みの形をとりました。当日初めてお会いする参加者の方、それぞれに適した運動を提供するには、サポート学生の人数も多く必要になります。また、個別な提供ではなく、私たちは90分の間に皆で1つのプログラムを創りたいと考え、このような形をとりました。

さて、今回中止となった一番の要因は、周知の難しさでした。広報のチラシには限られたスペースしかなく、上記の3プログラムの実施すること、人数制限があること、事前申込制であることなどが掲載できませんでした。そのため、ゼミ生が私たちの企画専用のサイトを作成してくれました。ただ、これだけインターネットが普及してきたとは言え全ての人がインターネットにアクセスできるわけではありません。これは十分に分かっていたことなのですが、他にいい方法が見つからず市の広報とインターネットでお知らせすることにしました。残念ながら、今回はお知らせに十分な時間がなかったこと、参加希望者が集まらなかったこと、参加者の特徴を知っておく必要があったこと、などから中止としました。

次年度は、広報の仕方に工夫をしながら企画したいと思います。

2014.11.06

論文の掲載と嬉しいおまけ

卒業論文の提出まで約1ヶ月となり、4回生はエンジン全開で頑張っています(頑張っているはずです)。卒論は学部4年間の学びの集大成、納得のできる、そして提出時に達成感を味わえる論文を書き上げてくれることを願っています。

スポーツ健康科学部では様々な研究が活発に行われており、研究成果に繋がっています。その一つとして、私の研究室で以前に実施をした研究結果をまとめた論文が、Medicine & Science in Sports & Exerciseという雑誌に来月掲載されます。この論文は、全身の筋群に対する筋力トレーニング終了後に着圧が施されたウェア(コンプレッションウェア)を約24時間着用することによって、上肢や下肢の筋群における筋力の回復が促進されたことを証明したものです。大学院生のM嶋くんと2人で苦労をして行った実験だっただけに、論文として掲載されることは嬉しい限りです。また、嬉しいおまけがあり、論文を出版するアメリカスポーツ医学会(ACSM)が会員や関係者に向け定期的に配信している電子情報誌内において、研究内容を写真入りで紹介して下さることになりました。会員など約5万人に配信されるとのこと、さすがアメリカ、規模が大きいです(笑)。

研究内容を構想し、実験計画を具体化し、実験・結果の解析、そして論文の形で公表するまでには多くの時間を要しますが、一つ一つの論文を見返すと実験を行った当時が鮮明に思い出されます。スポーツ健康科学部からは毎月のように優れた研究成果が出ています。論文の掲載情報や学会における受賞などの情報はホームページにも随時アップされていますので、ぜひご覧下さい!!

2014.11.05

1回生基礎演習の様子。

こんにちは。Ma34です。

 

今日は基礎演習の後、1回生はスポーツ大会をクインススタジアムで行っていました。

 

ゼミナール大会【12月中旬】と、それに先んじる論文提出【123日】が迫ってきて、見通しが立ってきたグループ、かなり進んだグループ、いよいよやらないといけないなとやっと気がついたグループ。。。とそれぞれのペースがありますが、全体として今日の授業は、いよいよ大変なシーズンがやってきたなという雰囲気の基礎演習となりました。

 

そのような中、サブゼミの時間を利用してスポーツ大会。とてもよいと思います。

運動してリフレッシュすること、そしてクラスや友人関係の団結を強められるとよいですね。

活力を得て、学びあう関係性も強めて、いざゼミナール大会に!と勢いをつけてほしいと思います。

 

そして、毎度のことながら、AAさん(2回生)の頑張りに関心しています。前期のオリターさんの頑張りも目を見張るものでしたが、スポ健のこうした【文化】を1回生も肌で感じてくれていることでしょう。

 

これからの時期のみなさんの頑張りと成長に期待をしています。教員としてこの時期の学生の成長を見ることがとても楽しいなあと思います。(毎年、論文検討は大変なのですが・・・) さあ。どんな論文が仕上がるのかな。。。

 

Ma34.

 


2014.11.04

論文査読、添削、査読・・・

Hassyです。

現在ボストンに学会出張中です。
この様子は次週にでもお伝えできればと思います。

ここ何ヶ月か、週に数本のペースで論文査読の依頼が来ます。
基本的に論文の原稿を著者が各雑誌に投稿すると、雑誌の編集委員がその専門性から2,3人の査読者を選出し、その査読コメントに基いて、担当編集委員は論文の採択の是非を判断します。

通常、この査読期間は2週間で、その間、関連論文などに目を通しながら、論文の内容を確認していきます。
ただ、専門性といっても、「代謝」などのキーワードが合致していてもその範囲は広く、関連分野をかなり勉強しないとしっかりとコメントすることができないので、やはり私のキャパでは週にこなせる査読にも限界があり、最近はかなり依頼を断っております。
その場合、他の適任者を推薦してお断りすることが殆どで、なかなか心苦しいものです。。。
また、担当の編集委員や、論文が著者から投稿された日付はわかるので、それから日数が経って自分のところに回ってきた査読依頼なんかは、「◯◯先生のところに行った査読依頼が断られて、推薦で自分のところに来たかな?」なんて裏事情を察したりもするものです。笑

こうして分野内の専門家間で査読しながら、発信され得る論文をよりよいものになるようにコメントしあって、分野の発展に寄与していこうという体制がとられています。
これはpeer reviewと言いますが、当然自分たちも、自分たちの論文執筆などの業務(本業)があるわけで、なかなか論文査読の負担は厳しいものがあります。
(論文投稿や論文掲載にはコストがかかりますが、論文査読に関しては、査読者は無報酬で行います。まあ、、報酬があれば、、、という問題でもないですが。。。)

私個人的には、コメントを英文で返すことに関して結構な時間を費やしているので、このあたりの実力がもっとついてくれば、もう少し負担が減るのかな?と思っています。
そうするともっと経験を積んで、、、という元のサイクルに。。。(汗)

でも、やはり査読の醍醐味は、まだ公表されていない最新の研究成果に触れることができることと、査読結果では、他の査読者の見解・コメントも見れるので、やはりそこからの情報量はとても貴重であることでしょうか。

そうこうしているうちに、頑張っている卒研生たちから、卒論の添削依頼が出始めました。
とても喜ばしいことです!
できるだけこちらの方に労力を費やしたいと思います。



2014.11.03

icSPORTS

10月24-26日に、ローマで開催されたicSPORTSという学会に参加してきました。昨年から始まった学会で今回が2回目です。この学会の特徴は、スポーツ工学に関する研究とスポーツ科学に関する研究がコラボレーションするような学会です。参加者も両分野にまたがっています。

 

興味深いことに、学問体系が異なると言葉の使い方、定義のされ方も異なっていることがあります。当研究室からもポスドクの【本J】さんとM1の【横I】君が発表しましたが、事前の発表練習会で、お互いに研究室で開発したiSSACマシーン(詳細は別の機会に)の説明でも、工学の表現で話をする【本J】さんとスポーツ科学の表現で話をする【横I】君との対比が興味深く、むしろ当方の研究室自身も、工学とスポーツ科学の融合が求められていることを再認識しました。

 

話をicSPORTSに戻すと、この学会と同時期に、Cardiotechなどの生理工学的な学会が4つほど、同じ会場(ホテル)で開催されていて、お互いに聴講することが可能なシステムになっています。できるだけ近接領域の研究者をあつめ、融合させ、新しい知を創造することをねらいとしているようです。上手な学会運営でもあります。実際に、icSPORTS以外の学会で参加している日本人研究者とポスター会場で出くわすことがありました。

 

学会では、「超音波エラストグラフィーを使った筋腱の粘弾性特性計測」、「運動特徴量抽出法によるスポーツパフォーマンス向上への応用」などの講演がありました。前者は、超音波エコーを利用した超音波振動によって、筋の固さの変化をみるというもので近年盛んに行われてきて、筋-腱バイオメカニクスの研究を発展させてきています。後者は、身体動作を特徴的な運動に分ける手法(どれぐらい分けるかは運動の内容、個人によって異なる)の説明がありました。もちろん、特徴分けされた運動は合計するともとの運動になります。この手法を使って、アルペンスキーの上級者と中上級者の動きを比較し、両者の特徴量で大きく異なる動きを明らかにします。その上で、中上級者の動きを上級者の動きに入れ替えて、全体合計の動きに再変換します。そうすると、中上級者の今の動きと、今後改善可能な動きを示すことができます。発表者に、「現場ではこのアプローチはどのように使うのですか?」と質問したところ、まずは、新しく構築した動き(スティックピクチャーの動画)と今の動きの比較をみせて、目標動作を示すとのこと。科学的な動作改善の新しいアプローチと感じました。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

SSACマシーンの発表をした【本J】さんと【横I】君が、到着した日に、スーパーで「Issac」とラベルのついたビールを発見して興奮していました。さらに彼らが宿泊した部屋が139号室(ゴロで読むとアイザック)。強い意識がなせる技か、偶然か。いずれにしても関心が高い時には、こういうことは重なりますね。

サンピエトロ寺院のドームから眺めたローマ市内の雰囲気は圧巻でした。全体の家屋、森、人が織りなす雰囲気はさすがです。「ローマは一日して成らず」を感じました。

【忠】






2014.11.02

アメリカ便り (4): Halloween!

皆様、おはようございます。
久しぶりにアメリカの事について書きたいと思います。
ワシントン D.C. では、気候の変化が激しく、
夏日の日もあれば、今週末は最高が10℃以下の日もあって、
なかなか体調に厳しい日々が続いています。

こちらは「紅葉」というよりは、「黄葉」という感じですが、
大学の中も一部紅葉し、日本の秋を思い出させてくれます。



さてこちらでは、金曜日 (10/31) に Halloween が開かれました。
日本では、徐々に広まってきていると思いますが、
さすが Halloween の本場アメリカでは、様々な衣装を身にまとって
子供たちが、Trick or Treat と言いながら、
お菓子をもらいに、楽しげにアパートを回っていました。
私も、お菓子を準備して、子供たちを出迎えました。
(今年は、亀のコスチュームが人気のようです。)



子供たちの元気な姿を見て、ハッピーな気持ちになった一日でした。
(一方、経済効果もなかなかなもので、この記事では、
アメリカ全体では、7500億円程度の経済効果があるとの予測もあります)
http://www.cbsnews.com/news/halloweens-growing-economic-impact/

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#4>>
こちらでは買い物をして、お金を支払うと
"Have a good day! "と言ってくれることが多いです。
day の最後で、イントネーションを上げるのがポイントです。
非常に安らいだ感じにさせてくれる良いフレーズです。
言われた際には、"You, too" というのも忘れずに。

2014.11.01

“三方良し”の学園祭!

11月1~2日は、びわこ・くさつキャンパスで学園祭が開催されています。

今年の学園祭のテーマは、“三方良し”…
三方良し(さんぽうよし)とは、近江商人の行動哲学で、 「売り手よし、買い手よし、世間よし」という商いでは大切な考え方です。この考えを学園祭に置き換えて、「企画者よし、来場者よし、世間よし」という方向性で、今年の学園祭が開催されています。

しかしながら、あいにくの天候で…


ステージパフォーマンスも当事者はノリノリなのですが、観客は寂しく…














































立命館大学飛行機研究会は、大学で得た知識や技術を活かし、「鳥人間コンテスト」にも出場しています。

























明日は、フィナーレに、花火を打ち上げるようです。
結構な規模です!
ステージツアーのみならず、文化系サークルが室内で様々な工夫を凝らし、自分たちの活動を紹介します。是非、キャンパスに足を運んで、学生の成果を見てあげて下さい~

https://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/tokushu/141028/outline.html/

Jin