[ 2019年06月 ] の記事一覧

2019.06.20

テニスのセルフジャッジ



今回は、立命館大学体育会硬式庭球部女子部主将の古賀千遥さん(スポ-ツ健康科学部4回生)にお話を伺いました。

現在、硬式庭球部女子部は関西の2部リ-グに位置し1部昇格を目指し、チ-ム一丸となって日々の練習に取り組んでいます。

練習を見学に行った時、タバタトレ-ニングを行っており、選手らがコートに倒れこんでいる姿が印象的でした。

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古賀さん個人は関西ベスト16で、もっと上位を目指したいと頑張っています。

ところで、古賀さんに教えてもらったことは、テニスの試合の運営方法です。

例えばアメリカンフットボ-ルやラグビ-といった球技では、審判法を学んだ専門家(審判資格保有者)に笛を吹いてもらうことが一般的です。

しかしテニスは異なり、関西ベスト8までの試合は、セルフジャッジを基本としています。ベスト8以上の試合でも、各チ-ムから選出された選手が審判を行うことになっています。セルフジャッジとは、プレ-している選手が審判を兼ねて試合を運営する仕組みなのです。球技を経験されている方から見れば、大丈夫?と言いたくなりますが、テニスの場合、問題なく試合が運営されています。


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テニスに詳しくない私から見れば、ボ-ルを追いかけて走っており、アウトかインを正確に判断できるのか?と心配します。

また、少しでも自分に有利な判定をしないのかという疑問があります。

古賀さんは、テニス選手は子どもの時からセルフジャッジを経験しているので、ほぼ正確に判定できると言います。

しかし、時には私の打った球は本当にアウト?と疑う時はあるそうです。

ところが、そういった誤審に憤慨していると、自分のリズムが崩れ相手のペ-スで試合が展開するため、気にせず確実にインだと判定できるコースに打ち分けて戦うよう心がけているそうです。

相手の誤審(卑怯な判定を含む)を怒らないのも実力だと言います。


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少し笑ってしまうのが、古賀さんは自分に不利になる誤審をよくするそうです。

相手の打った球がアウトなのに、インだと思ってプレ-を続けてしまうことが多いそうです。結果として相手に得点を与えてしまうそうです。

個人戦はいいとしても、団体戦ではチーム順位に影響するので、チームの仲間からよく「アウトなのに、なぜプレ-を続けるの?もったいない!!」と指摘されるそうです。

 

そんな善人の古賀さんに、真夏に敵選手が熱中症で脚を痙攣したらどうする?のかを聞きました。

相手には申し訳ないけど、痙攣を起こすという事は、熱中症への対策不足であり、熱い中での練習不足なので、丁寧にボ-ルを敵コ-トに打ち、相手を走らせるよう自分に言い聞かせているとのことです。

 

テニスはメンタルの種目と言われます。

お話を聞いて「自分との闘いスポ-ツ」という印象を持ちました。

古賀さんは、個人の戦績はまだまだだけど、「苦しさから逃げない自分」をテニスで学んでいるそうです。

 


2019.06.19

院生の研究交流

6月はジューンブライドの季節でもあり、本学では色々な発表会も多い?季節です。

立命館科学技術振興会主催のアスターフォーラムが大津プリンスホテルで開催されました。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/center/consortium/aster/
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主に自然科学系の学生が研究成果を発表し、ASTER法人会員と交流して、新たなビジネスマッチング・コネクション構築を企図するものです。
院生の国際学会発表に関わる渡航費の一部も、ASTERに支援いただいています。
院生はそれに対して成果発信の形で還元しています。

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すると会場には、去年修士課程を修了したOkaさんの姿が!
今年から大津プリンスホテルで仕事をされています。
色々勉強することが多く大変だということですが
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この笑顔が充実ぶりを表現しています♪
おや・・・?ちょっとズームインしてみましょう。。
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これはホテル30th記念バッジ!?
なんと、0のところがビールジョッキ・・ではなく、ホテルのタワーになっています。
オシャレですね。

私たちのも負けていません。(でも、バッジはいいなあ〜。よし、つくろう!)
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これは先日の私大ブランディング事業の報告会での院生ポスターです。
本学の特長として、工学、薬学、経営学、そしてスポーツ健康科学など異分野の融合・融学が盛んなことが挙げられます。
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企業の方も興味津々に質問されています。

こうした発信や対話によってケミストリーが生まれ、次に展開されます。
特に院生のエネルギーが人を惹きつけるのだと思います。
そして未知なる展開への興味・関心・期待が私たちを駆動させるのです。

Hassy

2019.06.18

学習支援セミナー

こんにちは。かわいです。


先日、部活の1回生向け学習支援セミナーに参加してきました。

今の4回生が1回生の時に頑張っていた姿を思い出して伝えてきました。

やる気になってくれると嬉しいです。彼らの姿を見て後進もまた頑張ってくれることでしょう。

(教育学や心理学では、世代継承性と呼ばれます。generativityの訳語です。)

 (kawai)20190618


セミナーでは、次のポイントが強調されていました(セミナーの内容は文学部の先生譲りです)。

・「これから何が起こるか」が分からないことをするのは非常に疲れる

・「今から何があるか」「これからどうなるか」が分かっていれば、疲労感も疲労も大幅に減る


そこで、受講生に「試験は何科目かな? レポートは何科目かな?」と質問が投げかけられました。

「やばいやばい」、「え、何科目やっけ?」、「6?7?」、「試験の日程っていつわかるの?」

と大相談会が発生しました。


彼らは、部活も学業も両方頑張っていて、かなり慌ただしい日々を送っています。

だからこそ、セミナーを機に、「これから何が課題としてやってくるか」を把握して、自分で自分の

大学生活のハンドルをしっかり握っていってほしいと思います。


今日すべきことは何か、この3日間でしないといけないことは何か、この1週間の課題は何か、

次の1ヶ月で全部でどれだけの課題があるのか、と洗い出して細かくスケジューリングして

日々過ごしてもらえればと思います。その計画する能力自体が、これからの時代と社会で重要な能力

となると思います。


と言いながら、

今日中にしないといけないことが今日中に終わらないことが判明して頭を抱えている午前中です。

学生たちと一緒にガンバリマス




2019.06.17

Chisakiさん (食マネジメント学部一期生)

先週は、嬉しい学生の訪問がありました!

Chisakiさん、食マネジメント学部の2回生。すなわち、食マネジメント学部の1期生です。

  [aikoa]20190617

お昼休みに突然の訪問でしたが、
「私の家族の古い知り合いの大塚さんから、先日、立命館大学の伊坂先生にお会いしたのでごあいさつしてきてたら!」 と勧められて訪ねてきてくれました。

お話しを聞いてみると、先日、私が出席したある企業主催の学生も招待した大きなイベントがあり、そのときに、大塚さんは来賓としてお越しの方でした。近くのテーブルに座っておられましたので、ご挨拶させてもらい、名刺交換をさせていただきました。

大塚さんは非常に素敵な、凛とした女性で、「歴代の総理の秘書官として・・・・」と司会の方からご紹介されていました。Chisakiさんとの縁は、Chisakiさんの祖母が東京でアパートを経営されていて、基本は男性にしか貸さないのを、特別にアパートを貸したところから縁が結ばれ、家族ぐるみでのお付き合いが始まったようです。祖母はすでに他界されたようですが、大塚さんから、「私を祖母のように思い、私の故郷の新潟をあなたの故郷のように使ってください」と素敵な言葉もかけてもらっているようです。

そのような素敵な縁に、私もつないでもらい、大変感激しています。

Chisakiさんに、東京出身なのに関西にきたのは? と尋ねたところ、

「そのような質問は高校の同級生にもたくさんされて、不思議がられていました。でも私は、食のことを学びたくて、そしてその食の学びから世界へ発信していきたくて、またイタリアにも留学できる制度があるのを知り、立命館大学の食マネジメント学部を熱望して来ました!」とのこと。

 思わず感激で一杯になり、向かいの長積学部長にすぐに報告に駆けだしてしまいました!

 やはり、『この学びがある』『面白いことができる』『極められる』など、学び、研究のコンテンツが大学の一番の魅力です。

 そのことを、キラキラしている食マネジメント学部一期生のChisakiさんから再確認させていました。

 今は、ピザ釜でピザを焼くのが楽しくてしかたないようで、イタリアへの短期留学も楽しみに学生生活をイキイキと過ごしています。こんど、ピザの試食もさせてもらえそうなので、それも楽しみです。
 
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>> 
Chisakiさんとのやりとりで、おもわずキャッチコピーを考えました。如何でしょうか?

     学生の数だけ学びがあり
     学びの先にチャレンジする
     大海が広がっています
     Beyond borders Ritsumeikan

第1回彗ひろば(バイオメカニクス研究会)が開催されました。日本バイオメカニクス学会主催です。企画提案してから約3年。じっくり時間をかけましたが、若手研究者にとっても、学会発展のためにも礎となる研究会となることを実感しています。来年も6月に開催します。スポ健から多くの発表申し込みを期待しています。ただし、この研究会は、事前に申込論文の提出、審査の上、発表者が決まりますので、発表できることが、誉れのひとつになります。是非、チャレンジを!
http://www.ic.fc.ritsumei.ac.jp/keihiroba/index.html
【忠】 

2019.06.16

スポ健な人 (33) Kaho さん

いよいよ関西でも梅雨に入りそうになってきました。
みなさま、いかがお過ごしですか?

今日は、新入生をサポートしてくれる
団体について紹介したいと思います。

スポーツ健康科学部には、新入生の学生生活を
サポートしてくれる「オリター」という組織があります。

今回は、オリター執行部の Kaho さんを紹介したいと思います。
 (atsushi)20190505

私「オリターについて教えてください」
K 「オリターとは、新1回生をサポートする団体です。
  新生活で様々な不安があると思いますが、
      その不安を解消できるよう活動しています」
私「なぜオリターになろうと思ったのですか?」
K 「一回生の時のオリターさんに憧れて、
      自分もそう人になりたいと思ったからです。
    オリターさんの企画に参加して、自分の意思を表せるようになって
      成長できたと感じられたので、新入生が成長するその場に
      自分も関われたらと思って、オリターを志望しました」
私「新入生へのメッセージを御願いします」
K  「大学に入っていろいろな人に出会うと思いますが、
       一つ一つの出会いを大切にして欲しいです。
       いろいろな価値観に触れて、自分の良い点、
       足りていない点に気づいてもらえたらと思います。
       困ったことがあれば、ぜひオリターの先輩に相談してください」

新入生の皆さんも、もしも何か起こりそうであれば、
ぜひオリターの先輩にも相談してみてくださいね。

それでは、また。失礼致します。
よい休日を
Atsushi

2019.06.15

「LITTLE MISS SUMO」

昨年度の卒業式の日の出来事です。
南草津行きの満員バスに立って乗っていると、私の授業を受けていてくれた当時の1回生のMさん(女子相撲部)が
「座りませんか?」と声をかけてくれました。そこには一人分座れるスペースがありました。
相撲部の皆さんばかり集まっいたので、私には座れるのですが、相撲部の男の子では座れないスペースだったため、
私を見つけたMさんが気を利かせてくださったわけです。
素直に、ありがとうと座らせていただいたところ、お隣には、女子相撲部の今(こん)さんがいらっしゃいました。
今さんはスポーツ健康科学部の所属ではないので、
何の授業を担当しているんですか?なんとたわいもない会話から始まったのですが、バスを降りる頃には、
相撲の歴史や女性とスポーツ、といった真剣な会話へと移っていました。

それから数か月、2回生になったMさんより、大変嬉しいお誘いがありました。
バスの中でお話しした相撲部の、今さんが主演を務める映画の上映会へのご招待でした。
あまりにも壮大なお話で最初はついていけなかったのですが、
・イギリス人監督のMatt Kay氏が、立命館大学の女子相撲部の今日和さんを主演として、ショートフィルム「LITTLE MISS SUMO」を制作した。
・そしてその映画が世界中で上映されている。
・関西では上映機会がないので今回立命館大学内で内輪の上映会を開催するということでした。
そして光栄にも私はその上映会に御招きいただいたというわけです。

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上映会当日は、相撲部部長のApollo先生にご紹介を賜り、Matt監督ともお話の機会に恵まれました。
また、映画が終わった後には、今さんのスピーチも拝聴しました。
映画の効果も伴い、心が震えるような素晴らしいスピーチでした。

(ゆ)2019061602

私は、立命館大学に着任して初めて女性の「相撲人」達に出会いました。
彼女たちをとても尊敬しています。
お話しするまで、彼女がたちが相撲部打に所属していること、それ以上に世界チャンピオンレベルであることに気づきませんでした。
それほど彼女たちは、一人の学生として、女性として自然に大学や社会に溶け込んでいます。
女性スポーツの活性化や発展の必要性は長きに渡り議論されていますが
現実は人々の「意識」や「しきたり」という言葉で簡単に片づけられてしまう目には言えない障壁があります。
その中で、先駆的者的な女性アスリートたちが抱える葛藤も多様で複雑です。
男女に限らず、世界レベルで活躍する者だけが背負う重圧使命もあります。
そして、女性として相撲に挑み続ける彼女たちは日本の国技の継承者でもあり、革新者でもあります。
立命館大学の女子相撲部のメンバーは、そのようなものをすべて肌で感じながら、
静かにそして悩みながらも前に進もうとしており、その姿はとても美しく私の目には映ります。

スポーツの在り方はその時代に生きる者たちが、
将来のあるべき姿を探し、求めながら形作っていくものとするならば、
女子相撲は今後どの様に発展させていくべきなのか、はとても難しい問いです。
しかしながらそのど真ん中を静かにそして逞しく歩む女性たちに出会い、
必要とされることがあるならば、語り合っていきたいと思います。

LITTLE MISS SUMOはこちらから
https://vimeo.com/318425599

写真は主演女優さんとご挨拶をされるMatt監督
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。


#LITTLE MISS SUMO
#どうやら長編映画も制作されているようです。
#立命館大学に現役の「女優さん」たちが増えるかも
#相撲部関係者の皆様に感謝申し上げます。

2019.06.14

先週の問題の答え

こんにちは、嶋村です。なんか最近曇りの日が多く、さらにやることがたくさんあって気分も沈んできそうですが、この前何と初めてドクターイエローを見ました!!新幹線電気軌道総合試験車のことですが、いつどこを走っているのか知られていないので見ると幸運が訪れるなんて言われたりもします。まあ全体を見たのではなく、チラッと一部を見ただけですが、何かいいことがあればいいなあ。。。


さて先週は、「現在のフランス国王はハゲである」が偽であるか、あるいはそもそもそんな人物はこの世に存在しないのでこの命題は何も意味をなさないのか考えてください、っていう無茶振りで終わった気がします(笑)。しかしこれは論理学・言語哲学にとって重要な問題で、真であるか偽であるかの2値に依拠する意味研究では、排中律が前提となっていて、「現在のフランス国王はハゲである」はこの考え方にとってちょっとした脅威なんです。排中律は、Law of Excluded Middle と言いまして、要は真か偽の真ん中はないってことです。もう少しフォーマルに言うと、ある任意の命題 P はそれが成り立つか成り立たないかのどちらかしかない 、P ∨ ¬P (P or not P) だっていうことなんですね。 例えば、「立命館大学スポーツ健康科学部は BKC キャンパスにある」という命題は真ですね。その否定は「立命館大学スポーツ健康科学部は BKC キャンパスにはない」は偽ですので排中律を満たしています。そうすると「現在のフランス国王はハゲである」は何が問題なのでしょうか?この世の中にフランス国王は存在しないので仮にこれを偽であるとしましょう。さてその否定形はどうでしょうか。「現在のフランス国王はハゲではない」は真ですか、それとも偽ですか?真と言えないですよね、だって「現在のフランス国王」は存在しないのですから。。。とういうことは偽になってしまい、排中律にとっては問題となるわけです。論理学者・言語学者たちは「えらいこっちゃ」となるわけですね。


上述の問題に関して「現在のフランス国王はハゲである」は「現在のフランス国王」という確定記述(definite decription のことで、要は定冠詞が付くような指示対象が一つに決まる名詞表現)を持っていますが、これに関して哲学者のバートランド・ラッセルは当該命題は以下の三つの意味を表していると言いました。


(1) フランスの国王が少なくとも一人存在している。

(2)   フランスの国王が多くても一人しかいない。

(3)   フランスの国王であるものは全てハゲである。


ということなんですが、以前存在を表す記号を紹介した時に ∃ と書いたと思います。「~が(少なくとも)一つ・一人存在する」という意味ですが、この存在をたった一人(一つ)にすることで確定記述を表現できます。 三つの意味を論理式で書くと:


(4)    ∃x[KF(x)]

(5)    ∀x.∀y[KF(x) ∧ KF(y) x=y]

(6)    ∀x[KF(x) B(x)]


となります。KF は「現在のフランスの国王」を表し、B は「ハゲである」を表します。ということで (4) は「 KF である個体 x が(少なくとも一人)存在している」を意味し、(5) は、「全ての個体 x と y に関して、x が KF でありかつ y も KF であるならばは x = y は同一である」を意味し、全ての個体(人間)について検討しています。そしてどんな全ての個体も KF であるならそれは全て同じであるということで KF が一人しかいないことを表現しています。そして最後に (6) ですが、「全ての個体 x に関して、x が KF ならば、x はハゲである」を表しています。これらを全て合わせると:


(7)    ∃x[KF(x) ∧ ∀y[KF(y) x=y] ∧ B(x)]


みたいな感じになります。なぜかは説明しませんが、こうなります(笑)。さて (7) は 「ある個体 x が(少なくとも一つ)あって、x は KF であり、かつ全ての 個体 y に関して、y が KF なら x と y は同一であり、かつ x はハゲている」と読みます。それが「現在のフランス国王はハゲである」の意味です(笑)。日々私たちは「現在のフランスの国王」みたいな表現をこのように解釈しているんですね(笑)。これがラッセルの確定記述なのですが、これのエラいところは排中律に合うというところです。つまり、(7) を否定すると:


(8)    ¬∃x[KF(x) ∧ ∀y[KF(y) x=y] ∧ B(x)]


となりますが、これは x の存在を否定しているので真になり、排中律が保たれるのです。このラッセルの考え方とは違った考え方もあります。ストローソンという哲学者は「現在のフランス国王はハゲである」はそもそも前提がおかしいから真偽値を持たない文であると言っています。まあどっちも正しいと思いますが、どっちかというと僕はストローソン派です。皆さんはどっち派ですか?(笑)


というわけで、もう今日は十分だと思うので続きはまた来週。

2019.06.13

代打での登場(nao)



学部の都合により、代打で登場させて頂きました「nao」です。

宜しくお願いいたします。

 

以前(3年前)に学生の頑張る活動と私自信のマラソンネタで情報を発信してきました。

今回は、新たな視点で情報を発信しようと思いましたが、やはり頑張る学生を紹介することが私の役割かなと思います。

 

ということで、今回はボート部の学生を紹介します。

体育会ボート部に所属する木戸ひかりさん(スポ健4回)と井関法子さん(経済4回)は、第97回全日本選手権大会で、軽量級女子舵手なしペア(LW2)で見事優勝しました。


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木戸さんらが戦ったレ-スは、各選手が一本のオ-ルを持つ種目です(1本のオ-ルで漕ぐ競技をスイ-プ種目、2本のオールで漕ぐ競技をスカル種目と言います)。

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木戸さんら二人は、

S(ストロ-ク):井関さん(右オ-ル、右ストロ-クサイド)

B(バウ):木戸さん(左オ-ル、左バウサイド)

という役割になっています。

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二人で呼吸を合わせて漕ぐ種目です。

二人のタイミングが崩れれば、艇は真っすぐに進みません。

そのため漕ぐだけでなく、オールを動かすタイミングや呼吸を合わせるという高度なテクニックが求められる種目です。

 

しかし、波や風そして二人の僅かな疲労によるタイミングのずれから艇が真っすぐに進まない時があります。

そういった時のために、艇には舵が付いています。

その舵はワイヤ-で繋がっており、井関さんの右足に舵の操作器が取り付けられています。木戸さんが右側に寄っている時にストサイ強く!(ストロ-クサイド)、左に寄っている時にバウサイ強く!(バウサイド)と指示を出し、井関さんが漕ぎながら舵の向きを調整しています。

 

二人それぞれが、エンジン&航海士役とエンジン&操舵士役を担っているのです。

 

私が、最も興味あるのは彼女らの戦略です。

<スタ-トして500m 約2分>

100%に近い力で、無心で漕ぎます<但し先頭に必ず出ることが条件>

 無心といっても、自分に語りかけるように漕ぐそうです。

 ほら行け! どんどん行け! ええ感じやで!と語るそうです。

□ストロ-ク数は、38/

 

500mから1000m 約2分>

〇リラックスして漕ぎます<絶対に先頭は譲りません>

 一本大きく漕いで行こう!と木戸さんが指示を出します

 大きく漕ぐというのは、オ-ルの移動距離を長くするという意味

 気持ちは、95から98%の力の出し方

□ストロ-ク数は、34/

 

1000mから1500m 約2分>

〇一番きつい区間(あと1000mも漕がなアカン!と感じる区間)

 足が動かない!負けるな!漕げ!と自身の士気を高める声掛けを出します。

 木戸・井関チ-ムの強さは、この区間において他チ-ムから抜かれないという戦略。

□ストロ-ク数34/

 ストローク数は減るけど、大きく漕いでいるので、楽にはなりません。

 

1500mから2000m 約2分>

〇どうにでもなれ!と辛さとの闘い(120%の力を出し切る区間)

 木戸さんらは、え~ボ-ト部なの?と言いたくなるような優しい方ですが、オ-ルを握ると一変して闘志を前面に出す木戸さんらは、「死んでまえ!」「いてまえ!」「おんどりゃ-!」「何を負けてんね!ぼけ!」と自分自身の辛さや弱さに檄を飛ばすそうです。

時には、お互い「行で!行で!ほら行で!」と気合を入れ合うそうです。

 ゴールすると、疲労困憊から頭の中が真っ白になるそうです。

しかし、優勝したことが分かると、頭の中の白色が大きな炎のような赤色に変化するそうです。

木戸さんは、優勝した瞬間に「ファイヤー!」と心の中で叫ぶそうです。

□ストロ-ク数 38/

腕ではなく、脚の伸展動作に集中。

 

たった7分半~8分の競技ですが、30分、40分と漕ぎ続けているような感覚になるそうです。

 

球技や陸上などと違ったメンタルマネジメントが求められるのですね。

特に、疲労から動かない体を労わる自己の弱い精神を奮い立たせる「技」が、ボート競技にはあるようです。

石山寺山頂から瀬田川を見下ろすと、優雅に漕いでいるように見えるボ-ト競技ですが、本当は自己の限界と闘う競技なんですね。

 

最後にボ-ト部合宿所(石山駅横の瀬田川北東側)にSDGsの14のマ-クが貼ってあります。

日頃の練習中から、瀬田川の環境を考え、藻の除去清掃や河川を流れるゴミの清掃を習慣にしているそうです。

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2019.06.12

国際学会の様子後編

はい、、言っていたように後編です。
有言実行、大事ですね!
先週は10th記念ロゴの国際学会デビューにまつわり、院生を中心とした学会発表の様子でした。
後編は学会の別の様子です(写真多いですが最後までお付き合いください)。

今年のACSMの基調講演は私の留学時代の先生だったBrooks博士でした。
一昔前までは肩こりの原因や疲労物質と誤解されていた「乳酸」ですが、その概念を変えてきた博士です。
私の成果もいくつか若かりし頃の顔写真付きで紹介されました。
 (th)20190612-ACSM1
 (th)20190612-ACSM2

その後は、博士の講演記念パーティーが演者に用意されたホテルのスイートルームで開かれ、
招待されたので私も院生らを連れて参加しました。
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学会雑誌であるMSSE(https://www.ritsumei.ac.jp/shs/blog/archive/detail/?date=2019-05-15)の編集委員長のGladden博士や、本大会のHonor awardを受けたPowers博士(右奥)
などが参加していました。

 (th)20190612-ACSM3
その院生どうしで色々会話が弾んでいました。
非常にいい経験になったと思います。

先週お伝えできませんでしたが、ポスター会場では、以前、本学に来ていただいた、
循環系の運動生理学の大御所のRaven博士やそのお弟子さんで宇宙飛行士の
Pawelczyk博士(2010.10.24 敦先生ブログ参照)もポスターに来てくれました。
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さらに、運動生理・生化学の大御所の故Holloszy博士を偲んだ企画が本大会で開催されました。
It's me先生の留学時代の先生であり、本学の開設記念式典にも基調講演(上記URLの2010.10.23ブログ参照)でお話いただいたのですが、残念ながら他界されました。
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そのお弟子さんら(Booth博士やBaldwin博士など)錚々たるメンバーが懐古されていましたが、
そのメンバーからしてHolloszy博士が分野に残された功績が推し量れます。
なかでも1984年のHolloszy&Coyleの論文は引用数が2150と・・・すごい数値です。。
まさに分野の基盤を築かれたのだと思います。

こうした分野を代表するリーダーたちに本学部は講演しに来ていただいているんですよね。。
(改めて実感・・・)
今後はそうした人財を輩出する機関として、歩んで行きたいですね。

ーーかなり番外編ーー
今まで何回か行きましたが、今回のフロリダは本当に熱く、夕方でも灼熱でした。。。
夕方、学会の緊張をほぐし、宿舎付属のプールでしばしリラックス・・・
水に浮かんで空見ながら大の字になることが好きです。
 (th)20190612-ACSM10
鼻や肩など、少し出ているところがよく焼けると言いますが、
今回ショックだったのは、、お腹がとても焼けていました。。。
ん?

2019.06.11

学生にどう働きかけるのか

こんにちは。かわいです。


先週のブログで記した大学教育学会では、10年近く前から交流のある先生方とラウンドテーブルを持ちました。


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ラウンドテーブルは、「経験学習型教育実践で 学生にどのように 働きかけるのか 〜学生への働きかけをめぐる実践知についての省察〜」

というタイトルです。


おもしろかったことは、登壇者の三人ともにかなり学生に寄りそって、問いかけていたということです。

例えば、私の場合、学生さんがいろいろ粘り強く挑戦していると口にしたら「どんなことを粘り強く取り組んだのですか」

続けて、「ロボコンの大会です」と答えたら、「そこでどんなことに粘り強く答えたのですか」と繰り返し、問いかける

ことを3名とも実践していました。


別の先生は、「なぜ〜をするのか」「何のために〜をするのか」「そもそも、なぜ〜するのか」と「なぜ」という

問いを繰り返し学生に渡していると実践の様子を報告してくださいました。また別の先生は、学生さん自身が感じたことを

一通り語ってもらった後、別の立場の人がどう感じていたか、その人からはどう見えていたかと複数の立場・視点を変え、

て言語化できるように働きかけていました。


言語化すること(あるいは現実それ自体)のもつ重層性を問いかけることでときほぐしていくような実践の様子が見えて

とても興味深かったです。


最後に、フロアの参加者の方々も含めて頭を悩ませたのは、

・「このような問いかけは重要だし有効だと思うが、過剰・過保護なのではないか」

・「学生が、自分たち自身でそれをできるようになるにはどうすればいいのか」

・「私たち(教職員)が与える側になることで、学生を受け取る側(受動的な立場)に固定しているのではないか」

という問題でした。研究としてはとても大切な問題を再確認できて有意義な時間でした。

実践としては、この問題を視界に収めて、日々の実践の中で悩んでいくしかなく、悩ましい限りです。


かわい