江崎グリコ(株)マーケティング本部商品開発研究所、吉谷佳代さんに、「スポーツ健康科学の活躍の場とは」のテーマで講義していただきました。概要は次の通りです。
吉谷さんがこの分野に入ったきっかけは、高校2年生の時に食品開発に興味を持ち、さらにはスポーツ栄養に興味を持ったことがきっかけで、管理栄養士を目指して大学進学。大学在学中からスポーツサプリをやりたいと熱望し、江崎グリコに入社。入社直後から「スポーツサプリ開発」への強い願望を持ちながらも基礎研究にも携わり、入社4年目から本格的にスポーツサプリメント商品開発担当となる。商品開発の流れは、企画(アスリートのニーズをふまえたアイデア)→配合検討(摂取量、素材、形態、内容量、価格など)→製品生産(工場で生産可能か?、品質は?、パッケージなど)→発売準備(効果検証試験、販促資料の作成、ユーザーへの啓蒙など)→発売。企画段階で2000ぐらいのアイデアのうち、製品になるのが1つという極めて低い確率。そのような商品開発の舞台で仕事をしてきた吉谷は「学生と社会人の違い」を次のように話されました。
①1日は24時間であるという実感。時間の使い方
②すべて組織で動いている。コミュニケーションと責任
③企業=利益を生み出すところ (お金に対する考え方)
④学生=インプット、社会人=アウトプット
学生の時にインプットしたものは、社会に出てアウトプットできるんだ!という気持ちで授業をきいておくと良い
⑤論理的説明が求められる。イシュー(論点)を明確に
特に、イシューについては、次の例題、「あなたがビルのオーナー、地上6階、地下2階、古いエレベータが一台あるに過ぎない。待ち時間が多くて評判が悪い。この不平を和らげたい?アイデアを3分で5個だしなさい」、で説明しました。イシューを押さえるとは、論理的に考えるファーストステップであり、『考えるべきことは何か』である。考えたいこと、考えやすいこと、ではない。この質問のイシューは、
×エレベータのスピードアップさせるためには? ではなく、
○不満をやわらげるためには? を考えることになる。
最後に、スポーツ健康科学部の学生へ求めるもの、そして『会社が求めているのは次の3つ』であるとまとめてもらいました。
・コミュニケーション ・リーダーシップ ・深い思考
これまでのキャリアを通じて得られた理解と経験を非常に分かりやすく、明瞭な話し方、テンポでスッと理解できる講義でした。また、学生にビスコを配布いただきました。吉谷さん、ありがとうございました。
<<今週のちょっと、もっと、ほっと話>>
4Fの応バイオメカニクス実験室に、"大型
の装置"が登場しました。現在、めているプロジェクトで使う機器す。設計・くみ上げには、【成弘】先生、くみ上げとソト開発にポスドクの本JO君が大きく貢献してくれてます。実際の実験では多くのポスド
ク、生方にも参加ただきます。興味ある方はのぞ
きに来てください。ちなみに台に固
定されているのは、ポスドクのF谷君です。【忠】
