[ international ] の記事一覧

2018.01.17

小さな賢人

月日は流れますね。ゼミっ子たちのことを考えていると、今頃〇〇の時期だなぁと数珠つなぎに想い出されていきます…。

さて、もう既に、少し前の話になってしまいました。ですが、書いておきたくなりました。1月6日は、Dia de los Reyes Magos(主顕節)、バレンシア/スペインのクリスマスでした。子どもたちは、三賢人のだれかにプレゼントをお願いをしておいて、6日を迎えた日の朝に届く、という子どもたちにとって大切な日でした。いま所属しているところの先生方も、お子さんたちに、サンタや三賢人を信じさせてプレゼントを渡すことには、いろいろと智慧を働かせ工夫している様子でした。どこの国でも同じですね。

その前日(5日)の夜から、街中は三賢人のパレードで大盛り上がりで、沿道にいる子どもたちにキャンディが配られ/投げられていきました。いい子にしていればキャンディがもらえる、という言い伝えによるものです(悪い子には炭!)。投げる側にも子どもが多くいて…。ということは容赦なく(!?)「どうだ!」と言わんばかりに、キャンディが顔面に直球で飛んでくるということもあるわけです…。でも、沿道の人たちは笑って、「いいぞ、いいぞ!」と盛り上がっていきます。

(沿道はヒト・ひと・人で埋まり、建物の2階にも!)

スペインのサッカー・クラブチームもパレードに参加していて、タオルや柔らかいボールなどが投げられると、歓声というより悲鳴のような声に変わっていくほどの騒ぎ…サッカー人気の凄さを感じました。
(Valencia CFのメインスポンサーBLU Products社も参加)

キャンディ争奪戦の凄まじさの中でも、なんやらほっこりする、微笑ましい光景も。
私の近くにいた3歳と5歳(くらい)の兄弟もがんばって、キャンディを集めていました。が、最初はなかなかうまく取れずにいて、私がたまたま拾ったキャンディを渡していました(私はキャンディより、いざというときのためのブログ用の写真!…!?)。パレードも終わりに近づいたころ、別の家族のお母さんが、自分の拾ったキャンディ袋からガバっ!とひと掴み。その子たちの手に握らせたのです。自分の子どもたちもいるのに、です。

そのキャンディを渡された兄弟は、戸惑いながらキャンディを受け取り…。
そのあと、弟くんが、私に「どうぞ」とキャンディを1個くれたのです。今度は私が戸惑いながら(この子は間違って手を伸ばしただけ?私の勘違い?この手は私のもっと先にいる人に向いている?など、一瞬にしていろいろと駆け巡りつつ)、ありがとうと言うと、「どういたしまして」の言葉付き。私にとって、6日のクリスマス賢人は、この男の子でした。幸せの連鎖とは、このことですね。

地域の人たちとの関わりの中で、互恵的な関係づくりを身体で覚えていくのだろうなと感じた出来事でした。

ippo

2018.01.10

メッセージ

今年がしっかりと動き始めています(バレンシアの盛り上がりは大晦日の夜中だったようです。街は2日から徐々に通常の仕事モードへ…)。

今お世話になっている【V】先生の繋がりで、西オーストラリア大学の【R】先生のセミナーに参加することができました。トップジャーナルに多くの論文を発表されている先生のお一人です。
同じところに所属しているメンバーから「お、今日は英語だ。きっとkazuho向けだよ」などと茶化され談笑していたのは束の間、みんなかなり聴き入ってしまいました。この日の話題は、「理論の構築」。理論とは?理論を構築するとは?から始まりました。

最後、R先生やV先生からは、この分野(マネジメント/組織心理学)が目指すべきところ、それを実現するためにマネジメント研究者に必要な力量・姿勢についてのメッセージが送られました。論文を書くとき、意識すべきポイントについても具体的な話がありましたが、要は、「読み”続けてもらえる”論文かどうか」だと。ふむむむむむ…と、自分をふり返らされます。

終了時間が予告されていなかったのですが(エンドレスででもやりそうな雰囲気すら感じました)、気づけば、陽もとっぷりと暮れて、2時間半みっちりのセミナーでした。

(光の流れがみえますか?雨が降りそうなときでも穏やかに、光のもとにありますように…!)

年末年始は、V先生も私もお互いに(交換条件のごとく)宿題を、そしてラボのメンバーたちとも共通の宿題をもって過ごしました。今週末にひと山、待ち構えています。緊張したり、安堵したり、楽しみに思ったり…と、心はひとりでかなり忙しく運動する日々が続きます。

7カ月の滞在期間を頂いていますが、私の中では第3幕目に突入したように思っています。どうなりますやら。ブログも、昨年までの内容を「えらく楽しそう」とご覧いただけたのであれば、書く目的が実現しつつあることになるのですが…。今年も、今年こそ、そういう雰囲気のページの一つ/水曜日にできればと思います。

【表紙の写真】充実したセミナー時間だったおかげで、写真を撮り忘れ、翌日まで疲れが…というおまけ付き。というわけで、別の風景をどうぞ。

ippo

2018.01.03

ANGELS

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、みなさんは今年、何を想い、過ごしますか?

バレンシアや南アメリカ(一部?)には、年末年始に縁起を担ぐ習慣がいくつもあると、レンジデンスの院生さんたちに教えてもらいました。その一つは、葡萄。もう一つは、鞄。もう一つは…(地域のマネジメントや健康に関わる裏話もあるのですが、長くなりそうですのでまたの機会に)。

日本人がほぼいない(!?)この街に来て、早4カ月。ずっと日本で変わることなく見守ってくれている人たちを感じるとき、そしてバレンシアの人たちの対応をみていてふっとしたとき、シェイクスピア・アンド・カンパニー書店の経営者、シルヴィア・ビーチのことばを想い出すことが増えました。ご存知のとおり、彼女は、ヘミングウェイに本を貸したというシェイクスピア・アンド・カンパニー書店の経営者です。


“ BE NOT INHOSPITABLE TO STRANGERS
       LEST THEY BE ANGELS IN DISGUISE ”
(見知らぬ人に不親切にしないこと、彼らは変装した天使かもしれない)

ひとに対しても、研究・仕事に対しても、彼女のように、”どんな状況に置かれても” 本質を見抜こうとしていけるようになりたいものです。見知らぬ人にも、自ら、あたたかい手を差し伸べられるようになりたいものです。今年も、どんな天使に出会えるか楽しみですね。

ippo

2017.12.27

年末・週末の時間 in France

年末の週末、立命関係の方々やその繋がりの方と会うために出かけました。ちょうどヨーロッパ各地に滞在しているというので、フランスでの集合になったからです。立命のネットワークの広さに驚かされます。
この時期にヨーロッパに滞在することはまず(今後も)ないでしょうから、とても貴重な機会です。少し他の地域にも寄り道しながら、パリに向かいました。

パリのクリスマス・デコレーションはいろいろと凝っていました。有名なパリの老舗デパート、ギャラリー・ラファイエットの通りは、子どもからお年寄りまでみんなが立ち止まっては、観て楽しむ空間になっていました。

(混雑する道も、むしろ楽しんで、食いついています)

集合できた後は、あっという間の時間でした。各国の事情、食に関すること、企業・流通、IoT、働き方、ヨーロッパからみた日本人観など、多岐にわたって話を聴くことができたので、むしろ時間が足りないくらいでした。このようなネットワークと機会の輪に入れて頂けたことは、本当にありがたいと思います(次回はバレンシアの予定です!実現するか!?)。
最近、日本が、今どんな立ち位置にあるのかを知ることがとても大切なことのように感じていたので、いい刺激になりました。ここで得た視点も持ちながら、これからの時間は周りを眺めていってみたいと思います。

さて、いよいよ年末年始。どんな時間になるのか予想がつかないのでドキドキしています。
みなさん、健やかな時間を過ごされますように。
(ゆるりと…♪)

ippo

2017.12.20

O先生からのドイツ便り

O先生は、いまドイツに滞在・研究中です。若手研究者ホープのお一人です。頂いたメールがこの季節ぴったりのドイツ便りでしたので、是非ご紹介させて頂きたいと思います。

“学外研究で3人ヨーロッパで活動するとは、本当にインターナショナルな学部だな~と実感” とのメールで始まりました。(本当にそうですね)
ドイツでも精力的に研究活動をされていて、次の研究活動につながる有意義な期間になっているようです。

週末に出かけられたという、アーヘンのクリスマスマーケットの様子。クリスマス・マーケットの本場、ドイツらしく、ダイナミックさも伝わってくる写真です。
O先生からのコメントは、写真の下です!

● 教会付近 (アーヘンは大聖堂の周りをマーケットが立ち並んでいました。地形は坂が多かったので、三次元的に明るかったです。ケルンの自宅付近の駅でも小さいマーケットがありました)

そして、研究だけでなく、いろいろな変わった?経験をされているようです。帰国してからのお土産話が楽しみです。
歯医者にて:親知らずを「医者が思いっきり道具で歯を掴み、腕をプルプルさせながら全力で抜かれました」とのこと。(私 ippo は、歯医者に行くのは日本でも勇気がいるのですが…すごい・怖い話です)。
美容院にて:切りたくもないもみあげをそり落とされてしまいました(笑)…(笑っているところに、O先生のおおらかさを感じます)。


●奥様のご協力もあってO先生の姿が…。もみあげの様子、目を凝らしてご覧ください!

【表紙の写真】なかなか良かったですよ、というコメントともに「マーケット入口」の写真。
 
※アーヘン:ベルギーとオランダとの国境に近い、ドイツ最西端の街。カール大帝、古代ローマ時代からの温泉街として有名なところ。一度は出かけてみたいですね。
※表紙の写真:銘菓プリンテンがこのクリスマス市のシンボルのようです。
 
ippo

2017.12.13

今年のまとめに向けて

ここ1カ月はとくに、レジデンスの勉強室に籠って勉強している学生が多くなった時期でした。どこでも、今年のまとめの時期になったようです。

「日本語クラスのテスト、満点だった!」と報告してきたスペイン・セゴビア出身の学生Pくんがいました。途中、進度が早いからついていけない…と弱音を吐きかけていた学生くんでしたが、がんばったようです。みんなで、彼に会ったら、日本語を共有して「おめでとう!」と言ってあげることにしたのです。そのあと、彼に会って伝えたときは、本当にほっとしたような、やったぞというような、表情でした。
彼のがんばりは、私の刺激にもなります。

スポ健の4回生ゼミっ子たちも、提出前の集合写真を送ってくれました。とてもいい表情で無事に提出できたようです。本当にほっとしました。
大学も超えて、いろいろな先生方、職員の皆さんにサポートしていただいたおかげです。本当にありがたい環境で、学生ともども過ごせていると思います。
担当者がいないことで不安や戸惑いをいっぱいにさせてしまった回生なのですが、それを見事に乗り越えて、自分たちでとてもいいチームを作ってくれたことに、うれしさと一層の申し訳なさを一人感じていますが。

みなさんは、どのような「まとめ」をされますか? この学生たちのように、満足できる、楽しかった、やったぞ…と言えるまとめをしたいものです。

バレンシアの12月。
街のなかは、クリスマス・シーズンに入り、そのお祝いムードが漂ってきました。大きなツリーやベレン(という、クリスマス飾り。イエス・キリストの誕生を表した人形たちのことです)が、街の要所に出没してきました。バレンシアでは、1月6日が本当の(?)クリスマスらしく、しばらくはこの雰囲気が続きそうです。

(市場で売られているベレン。日本との雰囲気の違いを感じる季節です)

ippo

2017.12.07

先週1週間

こんにちは、shinoです。

今週は寒かったですね。
雪が降るという予報も出ていましたので、心配していましたが、
今のところは大丈夫でしたね。

スポ健では、今週から4回生の卒業論文提出が始まりました。
来週の木曜日が最終なので、私のゼミ生も、今、まさに頑張っています。

できるだけ良いものに仕上げて欲しいと思うので、
我々教員も添削に追われ、かなり寝不足の毎日を過ごしています。

4年間の学びの集大成を見せることができる物なので、
あきらめず頑張って欲しいです。
きっと、いい論文になると思います。


先週は、月曜から整形外科の国際学会に参加していました。
行き先は、南アフリカのケープタウンでした。

今まで、多くの国際学会に参加していますが、
タイミングが合わず、アフリカに行くのは初めてでした。

南アフリカは、ラグビーやサッカーのワールドカップが開催されていますが、
その時にテレビや雑誌で、さんざん南アフリカの紹介がされていたのを
目にすることがあったと思います。

その時は、『南アフリカは治安が悪い』という印象が強く残っていました。
なので、いつもは何もせずに国際学会に向かうのですが、
今回は、相当警戒し、いろいろな情報を集めた上で、出発しました。

ですが、ケープタウンは、そんなに治安が悪い雰囲気は無く、
ヨーロッパの街に近い感じで、少し拍子抜けしました。




でも、やっぱり裏通りは危ないようで、
行かない方がいいと、現地の人には教えてもらいました。

南アフリカは首都ヨハネスブルグの治安が悪いらしいです。
現地の人もヨハネスブルグには行かないと言ってました。

日程の関係上、2日の滞在だったのですが、
大きなトラブルは無く、無事に帰って来ました。
ほとんど飛行機に乗っていた感じです。

帰ってきた日は、ちょうど日曜の朝だったので、
そのまま万博記念競技場へ直行し、
パンサーズの試合を観に行きました。




皆さんご存じのとおり、残念な結果となってしまいましたが、
よく頑張っていたと思います。
負傷者も少し出てましたが、大丈夫だったでしょうか・・・

寒い中、たくさんの応援も来てくれてました。

来年また頑張って下さい。

2017.12.06

スペインの冬到来

今日のブログ表紙の写真のような色合いが、しっくりとくるような季節になりました。
先日、ここに滞在してほぼ初めてまとまった雨が朝から降りました。スペイン・バレンシアはあたたかいイメージが強かったのですが、その日以降、朝晩はしっかりと冷え込むようになりました。この時期の体感は、滋賀の感じに似ています。

ただ、レジデンスのエアコンは暑さがおさまった時期から休眠状態で、「今日つかなければお願いしに行こう!」と思ったその日に、ようやくあったかい部屋づくりに協力してくれるようになりました。エアコンが入るのは遅いよ、という話は聞いていたので免疫はあったのですが…。オランダやロシアの気候を耳にすると、まだマシかもと思ったりもしながら。
先日のBlack Fridayではダウンジャケットに手を伸ばしたので、棲み処とオフィスの行き来も比較的平和になったところです。

(毎朝、コーヒーを囲んであたたまりつつ、スペインでの語りは続きます。)

滋賀のこの時期からの寒さは格別ですが、4回生はとくに、卒論提出を提出した後も体調をくずさず過ごしてほしいものです。

ippo

2017.11.29

一日しか時間がなければ何を見る?

「もしマドリッドに滞在して、一日しか時間がなければここを見るべし」と言われる街、トレド。
週末、まさに1日あるかないかという持ち時間でしたので、この言葉どおり、トレドに行きました。説明によると、首都がマドリッドに移るまではこの街が中心で、ユダヤ・キリスト・イスラムの3つの文化は欠かせない場所とのこと。今では、その栄華を誇った古い中世の時代から時間が止まったかのような雰囲気を漂わせる空間でした。


この土地にあるスペイン・カトリックの総本山、カテドラルはかなり尖がった形です。修復している間にオリジナルのゴシック様式はなくなったらしいのですが、この建築様式の形や用いられている技術で、ステンドグラスの発展につながった等々、その当時の発展・後世に伝える迫力が伝わる納得の立ち姿です。

皆さんは何を残して、後世の人は何を残すのでしょうか。原型はたとえ失せても、残るものは何だと思いますか……?そんなことを考えた場所でした。

ippo

2017.11.22

マドリッドにて

スペインの首都マドリッド。
周囲の人たちから、美術館が“かなり”充実していると聞いていました。ちょうど時間を見つけられる日があったので、夕方からでしたが出かけてみました。

マドリッドの街中を歩いていて最初に出会ったのは、スリの二人組でした。気配を消すことができるらしく、まったく気づきませんでした。すごい技の持ち主たちです。しかも、海外に出かけて初めてのことでした。
歩いていて私が突然変な動きをしたせいで、彼・彼女の手?が背中に当たって存在に気づきました。リュックは15センチほど既に空けられていました。ただ、リュックの中には薄いメモ帳くらいしか入っていなかったので、そのままスリをして驚くことになったのは、彼・彼女だったかもしれません。安全対策は大切だと改めて感じました。

(入場料が安くなる夜の時間にはなが~い列のプエド美術館)

そんな出会いがあった後、最初に見つけたのが「プエド美術館(Museo Nacional del Prado)」でしたので、そこに立ち寄ることにしました。スペインだけでなく、イタリア、フランス、ドイツなどの絵画、彫刻が飾られていました。思ったよりもはるかに大きく、広く、壮麗でした。芸術に造詣は深くないのですが、ラファエロやルーベンス、レンブラント、エル・グレコ……と、有名どころであることだけは分かりました。

でも、やっぱりここはゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」でしょうか。横並びに展示されていたことも効果的で、私の印象に残りました。ippoのお気に入りは、フラ・アンジェリコの「受胎告知」、ボッスの「七つの大罪」、ムリリョの「無原罪のお宿り」です。もし機会があれば、ぜひ。

プエド美術館のすぐそばにある教会【上の写真】では、ちょうど結婚式が・・・。お幸せに☆ ippoの卒業ゼミ生のおめでたい話、活躍の話…飛び込んできては幸せを願うばかりです。

ippo