大学は春休み中で授業はない期間ですが、
私は書籍、テキスト、論文、新聞など
とっかえひっかえしながら、2019年度の授業準備をしています。
授業準備の一つとして、何か応用できることはないかと
2月は複数のシンポジウムにも足を運んでいます。
いくつかご紹介すると、
一つ目は、「カスタマーエクスペリエンス(顧客の経験)」と
「カスタマーエンゲージメント」に関するシンポジウムです。
カスタマーエクスペリエンスは、
「経験価値マネジメント」(シュミット, 2000)に基づき
スポーツマネジメント領域でも注目されています。
経験価値は、消費者が製品を消費する「機能的な目的」ではなく、
製品に興味を持ち消費するまでの経験を差別化すること
(どんな経験をさせるのか)に着目しています。
そして、製品を消費することによる消費者の「経験価値」を高め、
製品や企業にエンゲージすること(傾倒して結びついていくというような意味)
によっての長期的なつながりの強化を目的としています。
法人向けのシンポジウムでしたが、
授業の達成すべき目的に対して、授業での経験(アクティブラーニング)を通じて
どのように研究や、大学内外での活動へのエンゲージを促すことができるのか
ということも考えるきっかけになりました。
二つ目は、日本マーケティング学会のサロンとして開催された
小規模の座談会のようなものに参加してきました。
いつも東京で開催されるスポーツマーケティング研究会に参加し、
顔見知りの先生方から最新の視点と情報を共有していく場所としていたのですが
ちょっと勇気を出して、今回はHenry W. Bloch School of Managementから
ゲストスピーカーを招聘して大阪で開催された
「おもてなしの国際比較」というテーマのサロンに初参加してきました。
東京2020オリンピック・パラリンピックの招致では、
プレゼンテーションで注目された「お・も・て・な・し」ですが、
どうやら「おもてなし」は「Hospitality」とは異なる日本独特の概念であり、
起源は万葉集の時代まで遡るようです。
そして、三つ目は、幕張メッセで開催されたスポーツビジネス産業展です。
幕張メッセという日本最大級の施設で、
Jリーグ、プロ野球、大学教員、大学院生の知人・友人に会いました。
複数の講演とブースに立ち寄りましたが、
やはりホットな話題は、どのような楽しい経験を観戦者にさせるのか
という点でのデジタルを駆使したスタジアム(アリーナ)の最適化の追求、
データ分析、そしてeスポーツです。
御覧いいただいている写真は、eスポーツの試合会場や
デジタルを用いたスタジアム・アリーナの
デモンストレーションを見せるブースの様子です。
デジタル化の賛否やeスポーツがスポーツなのかどうかという議論もされていますが、
eスポーツ、デジタル関連のブースが大盛況だったところから考えると
まずはeスポーツの仕組みや消費者(する人・みる人)を
理解する必要があると強く感じました。
これらのシンポジウムで得た知見は、
授業等でも反映していきたいと考えています。
これまでもいくつか授業準備をしてきましたが
これまでの経験と最も違うことは、
授業を受講してくれるであろう学生さんたちの顔が
チラホラと浮かぶことでしょうか。
ゆ
写真は幕張メッセのスポーツ産業展
撮影:ゆ
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