[ research ] の記事一覧

2018.06.02

温泉入浴効果×スポーツ

2019年からいよいよ、日本で
大規模な国際的スポーツイベントが続きます。
その最初のイベントとして、アジア初の
ラグビーワールドカップ(2019RWC)が開催されます。
オリンピック・パラリンピック大会は
東京都を中心に試合が開催されますが、
2019RWCは、北海道から九州まで
日本全国12会場で試合が開催されます。

先日、2019RWCの関連調査として、
別府市観光戦略部をご訪問してきました。

別府市といえば、何よりも温泉、
そして、立命館アジア太平洋大学を思い浮かべるでしょうか。

今回ご訪問した主たる目的は、
スポーツキャンプ地としての
別府市の取り組みをお伺いすることです。

別府市は、2019RWCの公認キャンプ地に認定されており、
今年2月には、スーパーラグビーの日本チーム
「サンウルブズ」が合宿を行っています。

2018年3月22日付の読売新聞夕刊に
サンウルブズのリーチマイケル選手が気持ちよさそうに
別府温泉のお湯につかっている写真が掲載されました。

私の研究目的とは少し離れますが、
別府市では、温泉の入浴効果が
アスリートのパフォーマンス向上やリカバリーにも有効である
という研究を進めていらっしゃるようです。
実際、選手たちからの温泉に対する評価も高いようです。


残念ながら今回は短い滞在で、
温泉に入る機会には恵まれなかったのですが、
別府市観光戦略部にお伺いし、
心温まる時間を過ごすことができました。
別府市観光局戦略部文化国際化の皆様、ありがとうございました。
2019年の先を描きながら、
研究活動にも力を注ぎたいと思います。


写真は別府駅周辺と別府市役所の方々など
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。



#2019RWC
#Beyond 2019
#ナンバー8≒別府八湯
#素晴らしい街と人との出会いに感謝
#次回は必ず温泉も


2018.05.24

昨日から雨ですね。


こんにちは、shinoです。

昨日から雨ですね。
また少し涼しい感じがします。
暑さ寒さが一定しないので体調を整えるのが大変です。気を付けて下さい。

先週末は、また女子なでしこサッカーの試合のマッチドクターをしてきました。



先週末は過ごしやすい天気だったので、サッカー観戦には良かったと思います。



女子サッカーは、以前と比べると、
かなりコンタクトシーンも増え、激しくなったのですが、
私がメインで行っているラグビーと比べると、傷害の発生はかなり少ないです。
全く傷害が発生しない試合もあります。

出番が無い方が選手にとっても良いですし、
私も試合の観戦をすることができるので嬉しいです。

と思って観ていたのですが・・・

今回は少し怪我人が出てしまいました。。。

選手は担架でピッチサイドに運ばれました。



その後はマッチドクターの出番です。
診察をするためにグランドに降りていきました。大きな怪我だったら・・・と、少し緊張する瞬間です。

診察の器械や道具は基本的にはほとんど無いので、
触診と、これまでの経験で大きな傷害ではないかをチェックしていきます。

今回は緊急性もなく、大きな怪我では無さそうでした。
良かったです、ホッとしました。

試合中の選手、スタッフ、観客の安全を担っていると思うと、
毎回、責任の重大さを感じますし、かなり緊張感があります。

選手が気持ちよくプレーでき、観ている人が安全で楽しめるようにすることができれば、
スポーツへの関心、人気もさらに高まっていくと思います。
そのために、メディカル面でしっかりサポートし、
できる限りお手伝いしていくように努めていきます。

2018.05.23

パナソニックオープン2017で観戦者調査!!

おはようございます。
Apolloです。


今日は1ヶ月ほど前のお話です。


4月18日から22日に、茨木カンツリークラブ西コースで、パナソニックオープン2017が
開催されました。



プロスポーツにもいろんなものがありますが、そのそれぞれに独特の仕組みがあります。
そんな仕組みを学ぶのもスポーツビジネスを勉強する楽しみです。


スポーツには、「観るスポーツ」と「するスポーツ」がありますが、いずれのスポーツも
スポーツの原点は楽しむこと。
したり、観て応援したりすることで、笑顔になったり、一体感を感じたり。。
それこそがスポーツが社会に果たすことのできる大きな使命です。


今回は、ニールセンスポーツジャパンから、お声掛けいただき、学生たちが観戦者調査を
行いました。


種目によって、観戦するファンの属性もいろいろ。
それを知ることによって、ファンのニーズを知ったり、もっとファンの層を広げたりする
ヒントを得ることができます。


学生たちも興味津々です。

今回の観戦者調査では、ファン層は比較的高齢の方が多く、SNSの活用はあまり効果がない
とも考えられますし、若年層のファンを広げるためにはSNSを活用するべきだという考えも
成り立ちます。


調査の後、観戦者調査に参加した学生たちがゼミで報告し、今後のプロゴルフの発展をテーマ
に活発な議論を交わしました。


スポーツ健康科学部には、いろんな学びのチャンスが溢れています!!

2018.05.20

頑張る大学院生

5/29から6/2にアメリカのミネアポリスにおいて第65回アメリカスポーツ医学会(ACSM)が開催されます。スポーツ医科学関連では最大規模の学会で、大会期間中に2000以上の研究発表が行われ、日本からも多数の教員や大学院生が参加をします。

ACSMにおける発表は口頭発表(前に出てパワーポイント・スライドを使って発表するスタイル)とポスター発表(B0サイズの大型ポスターを掲示して、その前で参加者と質疑応答を行うスタイル)に大別されます。発表形式は演題登録時に本人が選択できるのですが、口頭発表が可能な会場数には限りがあり、演題の大部分はポスター発表となります。ポスター発表は巨大なホールで実施され(数百枚のポスターが同時に掲示されます)、発表者は自らのポスターの前に立ち、ポスターを訪れた参加者と質疑応答を行います。この他に、ポスター発表の一部の演題はThematic poster sessionとして小会場(部屋)で実施されます。このセッションはまず参加者が自由にポスターを閲覧し、その後、一人ずつ発表内容を説明した後に、10分間の質疑応答を行うという特殊なスタイルです。壇上で発表する口頭発表と同様に難易度が高く、日本人にとって苦手とする発表形式です。

Thematic poster sessionは、登録された演題の中から特に注目度の高いトピックに関する演題を主催者側が選出しているようです。私の研究室の発表はこのThematic poster sessionに割り当てられることが多いのですが、今年も大学院生2名が「低酸素トレーニング(Hypoixc training)」のテーマでThematic poster sessionでのプレゼンを行います。そのうちの1名のYくんはスポーツ健康科学部を卒業後、4月から大学院に進学をした博士課程前期課程1年生の大学院生です。学部時から体育会(カヌー部)でアスリートして頑張る一方で成績も良く、学部成績優秀者である西園寺育英奨学生としても選ばれていました。



学会発表は学部時に経験しているものの、国際学会での発表は初の経験です。そしていきなりThematic poster sessionということもあり、連日、発表練習や質疑応答の練習を繰り返しています。自身の実験もあるために平日は7時過ぎには登校します。日中は実験やデータの解析、授業、研究室のミーティング(勉強会)などが続きますが、それ以外の時間をみつけ毎日最低でも1時間は発表練習や質疑応答の対策を行っています。大学院生というと比較的時間に余裕のある生活をイメージされるかもしれませんが、特に、スポーツ健康科学研究科では彼のように終日、スケジュールが詰まっている大学院生は珍しくありません。一方で、このようなトレーニングを大学院入学直後から繰り返していくことで、短期間で急激に力をつけていきます(本人にとっては大変ですが)。発表練習は地道な作業です。ただ、毎日同じ練習を繰り返す中で、Yくんの確実な成長を感じることができます(教育者としての一番の楽しみですね)。現時点で仕上がりは50-60%程度といったところですが、渡米までの約1週間で最後の追い込み練習をサポートできればと思います。学会での発表の様子は現地から改めて報告いたします。




2018.05.19

MRを知る 体験型学習

今週の基礎演習Dクラス(1回生)は、
MRを知るという授業でした。
MRIは、かねてから設置されていましたが、
本年度から新しい装置に入れ替えがありました。
これにより、立命館大学スポーツ健康科学部は、
国内のスポーツ系の学部で唯一3TのMR 装置
を設置する大学となったそうです。


まずY先生からMRについての基本的な説明に加え、
利用にあたっての注意事項、危険性の説明などをしていただき、
その後S先生から、実際にMR室内で、画像を用いながら
スポーツ健康が各領域におけるMRの必要性などを
大変わかりやすく教えていただきました。

私はこれまで10回近く患者としてMRを利用してきたので、
MRは、スポーツ健康とは程遠いイメージのものでした。
しかしながら、今回、普及や選手育成、
強化に対して重要な知見をもたらすことを知りました。
また、病院では、なぜその検査が必要なのかと
患者自身が考えることの重要性を教えていただいたように思います。


両先生からMRを用いた院生・学部生の論文の紹介をしていただき、
その後、2人の学生が実際にMRの撮影対象となりました。
撮影だけではなく、その画像を見ながら、
ここからどのような研究ができると思いますか?
どんな研究をしてみたいですか?
というS先生からの問いかけは、
大変恵まれた環境だからこその問いだと思います。
今回の授業で、MRを知り、体験した学生達には
S先生の問いを考え続けてほしいなと思います。


普段何気なく通っているところの扉を開けるとMR室があります
立命館大学スポーツ健康科学部は大変恵まれた環境において、
様々な形で学生の興味を引出し、社会に貢献する学びができる場所です。


MRの紹介はこちら https://www.ritsumei.ac.jp/shs/news/article.html/?id=362

写真はクラスDのMR体験の様子
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。


#大学施設を有効に利用しよう
#撮影に臨んだ2人はアスリート並みの大腿部
#私はMRの中で熟睡できます


2018.05.17

暑くなりましたね。

こんにちは、shinoです。

かなり暑くなってきました。
日中はかなり暑く感じます。



朝夕の気温差が大きいので体調を崩さないようにしないといけないですね。

私は、先週末、研究会で講演をさせてもらいました。
関節リウマチの研究会で、関西を中心とした若いドクターが中心となって行っている研究会です。
若いと言っても私と同年代ぐらいです。
その研究会から依頼をいただき、先週末に講演をしてきました。

内容は、私が行っている基礎研究のテーマで、
腱や靭帯が骨に付着している部位の構造に関してです。

私の主な研究のテーマは、『スポーツ傷害』なのですが、
その中でも臨床研究と、基礎研究を行っています。
臨床研究は、実際にスポーツ傷害を患った人に対する治療や、リハビリテーション、
トレーニングに関する内容となります。
それに対し、基礎研究は、スポーツ傷害の病態解明を目的として、解剖や組織学、動物実験を行っています。

ということで、私は基礎研究として『腱や靭帯が骨に付着している部位』という人の体の中でも
極々小さい部分を、飽きもせず、10年以上研究しています。
この分野もまだ分からないことが多くあり、もっと知りたいと思う気持ちで、
ここまで研究を続けてきています。
分からないことを明らかにするというのは非常に面白いです。
研究している人は少なからずそう思っている人が多いと思います。

最近、関節リウマチの研究において、その『腱や靭帯が骨に付着している部位』に注目が集まっており、
そのため、今回、私が講師として呼ばれました。

普段、講演をする時は、整形外科の先生や、理学療法士、アスレチックトレーナーなどのスポーツ従事者に
行うことが多いのですが、今回は、整形外科の先生より内科や小児科の先生が多く参加されていました。

講演では、質問の内容や、発言される意見もやはり分野が異なると違っていました。
視点が異なる分野の先生や研究者の方と話をすると、
考え方が異なっている部分や、同じように考えている部分が見えてきて、
私にとっても非常に勉強になるディスカッションとなりました。

新しいことに積極的に参加することで、自分に新しい視点をもたらしてくれ、
それが次のステップにつながっていくと思います。

特に、スポ健は、様々な分野に気軽に触れることができる学部だと思うので、
いろいろな事に興味を持ち、取り組んで、自分をどんどん成長させて欲しいと思います。


2018.05.16

「事業の目的は顧客の創造である」-ドラッカー-

おはようございます。
Apolloです。


12日に、東京の明治大学でドラッカー学会の総会と大会が開催されました。
ピーター・F・ドラッカー、知ってますか。



私は経営学の立場からスポーツビジネスを研究しています。
スポーツのビジネスとはいえ、その基本はあらゆるビジネスに共通しています。


一般に、企業の目的は利益の追求、最大化であるといわれます。
しかし、ドラッカーによれば、企業、事業の目的は「顧客の創造」です。
つまり、今の社会がどのような社会であるかを知り、その問題を解決するモノや
サービスを商品として提供することで顧客ができる。
顧客を創造するためには、社会に貢献することが求められるのです。
そして、顧客ができると、結果として利益が得られる。
その利益を、また新たな顧客の創造に投下する、ということです。


ドラッカーは、「顧客の創造」という、利益にいたるプロセスこそが重要であって、
利益は社会への貢献の結果であることを示したのです。


スポーツに翻って考えると、今日の社会は企業社会でも、私生活でも「個」が重視される
社会です。
しかし人は一人で生きていくことはできません。
そういう社会状況で、スポーツを一緒にしたり、みんなで応援したり、人と人との繋がり
をスポーツは提供します。


人が、人と人との繋がりを求めるという意味では、サッカー日本代表チームのゲームの
パブリックビューイングや、ハロウィーンの仮装をして、渋谷のスクランブル交差点で
みんなとハイタッチすることと同じ思いがこめられているとも考えることができます。


こんなスポーツビジネスに興味はありませんか。


今、日本のスポーツビジネス界は、マネジメント能力のある人材を求めています。
あなたもぜひ、立命館大学スポーツ健康科学部でスポーツビジネスを学びませんか。

2018.05.14

R-GIRO 10周年記念シンポジウム

立命館大学には、立命館グローバル研究機構(R-GIRO)という研究機構があります。
この機構は私立大学としては極めて特異で、かつ大胆な機構です。

“21世紀における地球の重点課題に取り組む”
という大きなテーマを掲げ、重点研究領域を設定して、文理融合から構成されるメンバーによる公募によって、プロジェクトを選定し、研究資金を提供するという形態です。その金額、規模においても私大において特異的です。
https://www.ritsumei.ac.jp/rgiro/

かつ研究資金の大半は、若手研究者(ポスドク、助教)の雇用にあてることが義務づけられており、次世代を担う若手研究者の育成にもつなげられています。

今回、このR-GIROの10周年記念シンポジウム 
『高齢化先進国としての日本モデルを目指す』
というテーマで、5月11日朱雀キャンパス 大講義室で開催されました。

基調講演3つ
「少子高齢化にどう対応するか」 APU学長 出口先生
  健康寿命延伸しかない→定年をなくし、年齢フリーではたらけるようにする
「科学と未来社会」 理化学研究所理事長 松本先生
  研究者は今の社会のみならず、未来の社会にも貢献する
「R-GIROの10年間の歩みと今後」 R-GIRO機構長代理 村上先生
  高齢者の仕事創り・生産者の夢創り・若者の未来創り
ならびに研究成果発表4つがありました。
今回、その成果発表の最後にお話しさせていただき、R-GIROのプロジェクトから発展して、文科省のCOI 「アクティブ・フォ・オール拠点」の取り組みについて話をさせてもらいました。

 

5時間にもおよぶシンポでしたが、時間を忘れるほどの充実でした。ただし、身体は大分に座りがちでしたので、最後に「ACTIVE5」を皆さんとともに、させていただきました。

総長、理事長をはじめ、会場のみなさん全員で3分エクササイズをしていただき、終了後に、身体がほぐれました!という喜びの声も頂戴しました。企業の方からは、早速3時のエクササイズに取り入れます、という声も聞き、健康寿命延伸に一役買ってくれることを願っています。

(客員研究員のM田さんが撮ってくれた動画です)
https://www.facebook.com/tadao.isaka.7/

 <<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
先週の土曜日は、授業日でした。授業を終えた後、飛行機で鹿児島へいき、鹿屋体育大学の荻田先生、中本先生と懇親会議をさせてもらいました。
      

翌日の日曜日には、スポーツパフォーマンス研究棟の内部をご紹介いただき、また中本先生のスポーツ心理学実験室の見学もさせてもらいました。見学しながら、もろもろのアイデアを交わさせていただき、ゆったりとした時間で大いに刺激を頂くことができました。このような研究交流は本当に大切と再度、実感いたしました。
【忠】

2018.05.10

GWはいかがでしたか?

こんにちは、shinoです。

GWも終わりましたね。
皆さんは有意義に過ごせましたでしょうか?

私は、GW中にマレーシアのクアラルンプールにラグビー国際試合のドクターを行ってきました。
アジアラグビーチャンピオンシップという大会で、
香港、マレーシア、韓国の三か国でホームアンドアウェー方式で総当たり戦を行います。
ここで勝ったチームは、オセアニアのチームとプレーオフを戦い、
さらに勝つことができれば2019年のワールドカップに出場できるという参加国にとっては非常に大事な試合です。

日本はすでにワールドカップの出場権を得ていますので、この大会には出場していません。
だから、出場国ではない国からのレフリーとドクターが
中立な立場で判定しないといけないということで、
日本からの派遣として私が出務しました。

いつもの試合で行っているマッチドクターとは少し異なっていて、
HID(Head Injury Doctor)という、脳振盪の判定のみを行うドクターでした。

基本的に脳振盪と判定されると、その選手はそれ以上試合に出場できなくなります。
さらに約1週間程度リハビリ期間が必要となり、その間の練習、試合への参加が制限されるので、
チーム、選手にとってはかなりのダメージなのですが、選手の安全を考えると大事な処置だと思います。

もちろん、どの判定も間違ってはダメなのですが、
上記のように、脳振盪の判定は試合の勝敗に影響を受けることも多いので、
判定は、慎重かつ的確に行わなければいけなく、ドクターは責任重大です。

ラグビートップレベルにおける脳振盪の判定は国際的なルールがあり、
判定もトレーニングを受け、資格を持ったドクターでなければなりません。

ということで、今回、私はHIDとしてマレーシア対香港の試合に出務しました。
3人のレフリーと、HIDの私の計4名が日本からのスタッフとして参加してました。

試合会場となったマレーシアのBukit Jalil スタジアムは約10万人が収容できる
マレーシアで一番大きなスタジアムだそうで、2016年にできたばかりで、
きれいでとても大きな素晴らしいスタジアムでした。

幸いにも大きな怪我人は出ず、無事に試合を終えることができました。

試合内容は、香港が勝ち、一方的に大差がついてしまいましたが、
マレーシアが取った唯一のトライシーンでは、会場全体がワーッと沸き、非常に盛り上がりました。
観客も1万数千人入り、マレーシアでもラグビーは人気スポーツの一つだそうです。

現地のマッチドクターとも交流し、いろいろ話ができ、有意義な時間を過ごしました。

GW中に行ったので、前日の夜中にマレーシアに入り、翌日の夕方に試合を行い、
終了後、夜中の飛行機で日本に帰って来るというタイトなスケジュールで、
さらに、1人で脳振盪の判定を国際試合で行わないといけないというかなりプレッシャーのかかる出務でしたが
非常に良い経験になりました。
こんにちは、shinoです。

GWも終わりましたね。
皆さんは有意義に過ごせましたでしょうか?

私は、GW中にマレーシアのクアラルンプールにラグビー国際試合のドクターを行ってきました。
アジアラグビーチャンピオンシップという大会で、
香港、マレーシア、韓国の三か国でホームアンドアウェー方式で総当たり戦を行います。
ここで勝ったチームは、オセアニアのチームとプレーオフを戦い、
さらに勝つことができれば2019年のワールドカップに出場できるという参加国にとっては非常に大事な試合です。

日本はすでにワールドカップの出場権を得ていますので、この大会には出場していません。
試合は中立な立場で判定しないといけないため、
出場国ではない国からのレフリーとドクターとなり、
日本から私が派遣され、出務しました。

いつもの試合で行っているマッチドクターとは少し異なっていて、
今回は、HID(Head Injury Doctor)という、脳振盪の判定のみを行うドクターとして参加しました。

基本的に脳振盪と判定されると、その選手はそれ以上試合に出場できなくなります。
さらに約1週間程度リハビリ期間が必要となり、その間の練習、試合への参加が制限されるので、
チーム、選手にとってはかなりのダメージなのですが、選手の安全を考えると大事な処置だと思います。

もちろん、どの判定も間違ってはダメなのですが、
上記のように、脳振盪の判定は試合の勝敗に影響を受けることも多いので、
判定は、慎重かつ的確に行う必要があり、ドクターは責任重大です。

ラグビートップレベルにおける脳振盪の判定は国際的なルールがあり、
判定もトレーニングを受け、資格を持ったドクターが行わなければなりません。

ということで、今回、私はHIDとしてマレーシア対香港の試合に出務しました。
3人のレフリーと、HIDの私の計4名が日本からのスタッフとして参加しました。

試合会場となったマレーシアのBukit Jalil スタジアムは約10万人が収容できる
マレーシアで一番大きなスタジアムだそうで、2016年にできたばかりで、
きれいでとても大きな素晴らしいスタジアムでした。





幸いにも大きな怪我人は出ず、無事に試合は終えることができました。

試合内容は、香港が勝ち、一方的に大差がついてしまいましたが、
マレーシアが取った唯一のトライシーンでは、会場全体がワーッと沸きあがり、非常に盛り上がってました。
観客も1万数千人入り、マレーシアでもラグビーは人気スポーツの一つだそうです。

現地のマッチドクターとも交流し、いろいろ話ができ、有意義な時間を過ごしました。
試合前には搬送のトレーニングも現地のメディカルスタッフと一緒に行いました。



GW中に行ったので、前日の夜中にマレーシアに入り、翌日の夕方に試合を行い、
終了後すぐ夜中の飛行機で日本に帰って来るというタイトなスケジュールで、
さらに、1人で脳振盪の判定を国際試合で行わないといけないという、
かなりプレッシャーのかかる出務でしたが、
楽しむことができ、非常に良い経験となりました。

2018.05.06

低酸素実験室を用いた研究

GWもいよいよ最終日です。私は木曜日からGWに入りましたが連日の様々なイベント(遊び)で走り回っていることで全身が筋痛で、明日から仕事に復帰できるのか??と不安になってきました(笑)。運動後の疲労回復促進(リカバリー法)に関する研究をやっているのですが、実生活には十分に活かせておりません。

さて、本日は研究に関するトピックです。写真はインテグレーションコア3Fにある「低酸素実験室」を室外から撮影したものです。この実験室は特殊で、室内の酸素濃度を調節することが可能です。たとえば、私達が普段過ごしている環境は空気の中の約20.9%が酸素ですが、低酸素実験室では酸素濃度を14.5%にまで減らすこともできるのです。これは標高3000mに相当する酸素の量で、この環境の中で運動・トレーニングを行うことで身体に対してどういった(良い)影響があるのかを研究しています。「低酸素トレーニング」というと、マラソン選手のような長距離種目選手への活用をイメージされる方が多いですが、スポ健で取り組んでいる研究では球技種目選手や陸上の短距離種目選手など、短時間でのパワーやスピードが必要となる選手に対する効果にも焦点をあてています。国立スポーツ科学センター(JISS)とも連携をして研究を進めているのですが、「陸上の100m種目の選手が低酸素トレーニングを導入!!」こういった取り組みがニュースで報道される日は遠くないかもしれません。



さて、この「低酸素実験室」は「人工気象室」としての機能も備えており、室内の温度や湿度を変化させることも可能です。したがって、室温35℃の暑い(暑熱)環境や12℃の寒い(寒冷)環境を設定することもできるのです。多くの研究では室温23℃付近の「快適(通常温)」な環境で運動を実施した際の生理応答を検討します。しかし、実際のスポーツ競技は真夏や真冬にレースが行われることもあり、そのような過酷な環境でいかにして良い運動パフォーマンスを発揮するのか??というのはきわめて重要な視点です。また、夏に開催される東京オリンピックを控え、暑い環境でも優れたパフォーマンスを発揮するためのスポーツ生理学研究がここ数年間で盛んに行われています。「夏に強い選手」を増やすための研究ですが、その第一歩として「暑い環境での運動時に身体で起こる現象」を明らかにしなければなりません(それによって暑熱対策を提案することが可能となります)。このような背景もあり、現在は「暑熱環境での運動」を用いた研究にも積極的に取り組んでいます。さらに昨年からは、「低酸素環境」と「暑熱環境」を組み合わせた「暑熱・低酸素環境」を用いた研究も始まりました。まだ馴染みのない研究ですが、今年開催の学会で初めてデータを紹介することができそうです。





大活躍の「低酸素実験室」、連休中の使用予定はありませんが明日からは再び実験の毎日でフル回転となります。なお、低酸素実験室での研究の内容は8/4-5のオープンキャンパスでも紹介します。施設見学もありますので、興味・関心のある高校生の皆さんはぜひ遊びに来て下さいね(私は模擬講義を担当します)。