2015.10.03
[ research ] の記事一覧
2015.10.02
幻の名著
分野としては筋・腱・骨格系のバイオメカニクス、そしてモーターコントロールに関する書籍です。内容は非常に豊富で、私もこの本から多くを学んで来ました。また論文の中で引用されることも多いので、該当分野の論文の References をよく見ると結構な頻度でこの書籍が挙げられていると思います。正しくこの分野の「名著」だと思います。
では何故「幻」か?というと、この本は一度絶版されたのです。研究者の観点からは非常に非常に貴重な書籍ですが、当初マーケティング的に上手く行かなかったのかもしれません。いずれにしても、私が学生の頃には「非常に有名で良く引用されているけど現物が無い」という状態で、まさしく幻の名著、でした。私はどこかの図書館で借りて、コピーを取った物を大切に(無くさない様に、破らない様に)使っていました。
それが再び販売される様になったのが2011年です。何かの折に気付いて即注文しました。実際に本物を手に取った時は少し感激しました。現在からすると25年前の本ですが、内容は全く色褪せること無く、今現在の研究の為にも非常に有益な情報が山盛りになっています。開くと面白くてついつい読み進めてしまう一冊です。
それぞれの分野にこういう特別な書籍があるでしょう。そういった本は購入してじっくり読むと勉強にもなり、将来は宝物になるかもしれません。
2015.09.28
2015健康フェスタ in OIC
OICで開催するということもあり、立命館大学が順天堂大学と取り組んでいる革新的イノベーション創出プログラム(COI)についての概要を話させてもらい、そのあと、茨木市の健康福祉部長、3師会の会長、私と大学院生のO部氏によるシンポジウムがありました。座長の先生より、健康寿命、平均寿命ともに日本が世界一の現状から話がスタートし、さらに健康寿命を延伸するには、どのような方向性があるのかを、それぞれの立場から議論しました。柱としては、健康の維持・増進のための運動への取組、コミュニティづくりのための工夫、安全・安心のまちづくり、防災の観点からなど、短時間でしたが盛りだくさんの議論が展開されました。
壇上から眺めていて感心したのは、市民の皆さんは非常に熱心で、寝ている人はゼロ。メモをとりながら集中して聞いてもらっていました。また、シンポジウムの会場の外では、歯科の検診ブース、救急救命の指導、認知症の正しい理解などのブースがあり、どこも大盛況でした。おそらく1500名を超える来場者があったようです。キャンパスにある「防災公園」に遊びに来た市民の参加もあって、今までの中で最高の来場者数と聞きました。日頃から健康への意識が高い人が多く、茨木市民の健康増進に、知識、場所だけでなく、実践でも立命館大学を活用してもらい、さらに健康寿命を延伸して欲しいと考えています。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
OICでの上記イベントのあと、BKCにもどり、スポ健学生が企画した「スポ健LTE」に少し参加しました。秋晴れのもと、クインススタジアムで身体を目一杯使いながら、普段の交流範囲を越えた交流でさらにスポ健ネットワーク、スポ健愛を高めてくれたようです。最後の円になっての「グレーター立命」の大合唱はスポ健ならではです。
【忠】
2015.09.23
豪雨の撮影と晴天のインターンシップ成果発表。
以前、RecOだより124でご紹介した、三重県志摩市の海藻「あかもく」の取り組み。
ab研では現在、その魅力と可能性を市内外に知っていただくためのパンフレット作成のため、先週、2泊3日で撮影を行ないました!・・・が、この3日間、前半2日は豪雨、やっと晴れると期待された最終日は、その前日のチリの地震の影響による津波注意報が発令。
色々な意味で、大変な撮影となりました。
そんな状況でしたが、雨が弱まるのを待って、漁師さんのご好意で船での撮影を行いました。
黄色の網はこの土地のの漁師さんが開発した、車エビ専用の網(残念ながらエビさんには会えませんでしたが)。船の揺れと風でカメラマンも大変な撮影になりましたが、無事終了。
またこの日は、既にシーズンを終えている海女のみなさんに撮影をお願いしたところ、現在この地域にいらっしゃる海女さん15人全員が集まって下さいました!
天候の悪い高波の海での撮影も笑顔で元気に対応していただき
「雨の中、ごくろうさま〜」「天気が良かったら潜ってあげたのに〜。明日また来れば?」「みんなで集まる事はなかなかないから、いい機会作ってくれてありがとう!」等々、優しい言葉をたくさんかけて下さり、感謝、感謝の撮影会となりました。
ありがとうございました。
この、あかもくのパンフレット、10月2日にはRecOにて終日、あかもくとその料理の撮影を行う予定です。近くを通ったら、ぜひ覗いてみてくださいね。
そしてこの週は、同時にJAおうみ富士さんにて、新規スポ健のインターンシップが開講されました。
この成果発表として、9月19・20日、晴天となった土日に開催された、立命館守山に文化祭にて、受講生が考案した地元野菜とメロンを入れたカレーを地元野菜と共に販売。
文化祭では日曜日に私の食育講演会もあったので、その終了後、カレーを味わおうと狙っていましたが、既に完売。
同時に販売した、野菜スープ、新米おにぎり、ジェラード共にお昼過ぎには全て完売となりました。
個人的には残念でしたが、売りつくした学生の満足そうな笑顔を見てうれしくなりました。
彼・彼女らのの報告書を、じっくり味わいたいと思います。
ab
2015.09.22
学会での活躍!
【忠】先生から予告がありましたが、先週9月18~20日まで和歌山県にて第70回日本体力医学会大会が開催されました。この学会はスポーツ・健康科学の分野においては国内でも最大級の学会で、日頃研究してきた成果を発表する重要な学会の1つです。立命館大学スポーツ健康科学部の学部生やスポーツ健康科学研究科の大学院生、教員が多く参加し、シンポジウムやワークショップなどで4演題、一般演題で34演題と合計38演題の研究成果について発表しました!
大学院生の前期課程が14演題、後期課程が8演題、学部生が8演題発表しています!少しでも多くのスポーツや健康科学に貢献できる研究成果を出すという意味では年々少しずつですが、スポ健全員で頑張った成果が増えつつあります。特に、スポ健では学部生時代から研究を積極的に行っている学生が多く、学部3年生や4年生が堂々とレベルの高い発表していました。これは他大学と比べても珍しくもあり、誇れる部分ではないかなと思います。
ちなみにスポーツ・体育系で有名なある国立大では一般演題で60演題を超えていました。。。スポ健がこの分野で研究のトップクラスになるためにも、まだまだ学部生、大学院生、教員が一丸となってさらなる飛躍をしなければならないと思っています!
Moto
2015.09.19
掲載忘れるところでした・・・
2015.09.18
日本トレーニング科学会大会@鹿屋
また、上記4件の応募に際しては 【忠】先生、fjmt 先生、sg 先生、ootk 先生に大変なご助力を頂きました。心より感謝申し上げます。
鹿屋体育大学にお邪魔するのは今度で3回目です。学会に参加して思うのは、プログラム等を見ると一見似た構成をしている様に見えますが(主催側はそれぞれの学会に応じてある程度先行するフォーマットを踏襲するので)、その時々で新たな出会いがあり、そして何より自分自身の状況が年々変わって行くので、どの一つも自分にとってユニークなものになるという事です。学生として参加するのとポスドク等のプロの研究者として参加するのでは全く違いますし、自分の指導した学生さんが発表する、という立場になるとまた全く違う世界です。この分野に入って19年、参加した学会は全て鮮やかに思い出すことが出来ます。これから学会に参加する学生さんはそのつもりで全力を注いで準備をしてください。
鹿児島には美味しいものも多いので、夜の部も楽しみですね。
2015.09.15
日頃の研究成果の発表練習!
9月は、お月見の日、中秋の名月が有名ですが、「十五夜」とも呼ばれています。今日は9月15日なので、今日か!と思いきや中秋の名月が見れるのは年によって変わるようです。2015年は9月27日です。
さて、今週末、和歌山県でスポーツや健康に関わる最も大きな国内の学会である「日本体力医学会」の第70回大会が開催されます。我がスポ健もかなりの教員、院生、学部生が発表します。その様子はまた来週にでも報告したいと思いますが、Motoの研究室でも4名(大学院生3名と学部生1名)が発表します。その発表の練習を行っています。自分の行ってきた研究成果がいかに分かり易く、しかもどのくらい新しい発見なのかわずか7分間でプレゼンするのは大変です。何度も何度も練習してはじめて自信を持って発表することができます。あと残り数日間、どれだけ練習して、自信を持って人前で発表できるのか、頑張ってもらいたいと思っています!!(写真は練習風景です)
ここ数日で急に寒くなってきましたが、体調は大丈夫でしょうか?Motoは風邪をひいいてしまいました。。。くれぐれも急激な気温差には気をつけましょう!
Moto
2015.09.14
ハイデルベルグ大学(ESMAC2015)
先週は、ハイデルベルグ(ドイツ)で開催された、ESMAC(the European Society of Movement Analysis for Adults and Children)の学会ならびに、その学会前の臨床家をふくめたプレ学会にも参加してきました。【栗H】先生も同行でした。学会名の通り、動作解析(特に歩行解析)を中心とした研究が行われており、理学療法士、バイメカ研究者、補装具メーカーなどが参加していました。おそらく歴史的には、臨床の歩行研究からスタートしたようです。
プレ学会では、コンピュータシミュレーションを、研究、臨床にどのように活用するのか、そのメリット、デメリットは何か、現状の問題点・課題の整理などが行われていて、ゼミのような演習形式で進められ、参加者全体でディスカッションしながら進める形態でした。プレ学会は、ハイデルベルグ大学の大学病院内の施設を活用して行われました。待合いで患者が待っているところを通り抜け、コーヒーブレイクの場所を、患者を乗せたストレッチャーが行き交う雰囲気は、今までの学会とは違い、「現場」を意識させるものでした。
本学会は、市街にあるハイデルベルグ大学で行われました。このESMAC2015で、M1の「ToriP」君が、卒論でまとめた研究内容“Preferred foot strategy for sprint initiation in children”をポスター発表しました。ショートダッシュのときに、どのようなスタートをするか?ということに注目したテーマです。本格的に短距離を行っていない中学生を対象としています。何も指示せずに、スタンディングスタートをするとき、前側(もしくは後側)の足を持ち上げてからスタートする被験者の多くが、次に指示をして最初と逆足を前にするようにしても、同様に前側(もしくは後側)の足を持ち上げてスタートすることを明らかにしました。なぜ、このような前足をあげたスタートを選択するのかはまだ未解明です。人間の自然な動作かもしれません。面白い着眼点ですので、次の実験が楽しみです。詳しくは、卒論もしくは本人に聞いてください。
会場のハイデルベルグ大学は、1386年創立でドイツ最古の大学とのこと。ノーベル賞受賞者多数(総合ランキング20位以内)で、世界の大学ランキングでも60位となっており、ドイツを代表する大学です。歴史と伝統の風雪にさらされた落ち着いた雰囲気でした。この雰囲気は、現地にいないと体感できず、伝えづらいものですので、チャンスがあれば体験してみてください。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
ハイデルベルグ大学、ハイデルベルグ城は、ネッカー川沿いにありますが、その対岸の丘に、ゲーテも歩いたといわれる「哲学の道」があります。こちらは、京都の哲学の道と違って、急な登りが続きます。その分、対岸の眺めは素晴らしいです。急な坂を上って、対岸を眺めて思索したのでしょうか。その意味では、高強度間欠型の歩行によって、乳酸を出しながら認知機能を高めながらの思索であったのでは(このあたりはHassy先生に任せましょう)、と推察しています。
【忠】
2015.09.12