[ research ] の記事一覧

2015.10.03

新しい事を考えるということ

さて、今日の写真は、先日、野菜収穫+お弁当づくり教室に行った時の写真。
と言っても、お弁当づくりではなく、野菜の収穫をしたハウスの写真です。

半分は仕事として、半分は楽しみとして参加。
当然、自費です。
そもそも参加するようになったのは、草津市のスクールランチ検討委員会に参加した事が縁です。
そこで、お弁当づくりの苦手な人向けのお弁当教室をやる話になって、
昨年が1年目・・・その中で収穫体験+お弁当づくりを提案してやってみたら好評で、
これが2回目の収穫体験+お弁当教室。

みんな楽しんでやっていましたし、生産者の方に好きなだけ持ってっていいよ、と言われたら喜んでいました。
特に、子どもがいっぱい収穫をしつつ・・・
「しばらくほうれん草ばかりご飯に出るね」と言ったら、
ちょっとへこんでいたりして、面白かったです。

と書きながら、まだタイトルを決めていない・・・決めずにブログを書き終わってからタイトルを考えようという実験(笑


何を書こう・・・
開講の話はきっと誰か書いたし、Jリーグによる授業の話は新聞に載ったし・・・
そもそも村井チェアマンが来て講義をした時の写真も撮ったけれど、写りがいまいち・・・

それに・・・ブログを読んでいる中心の人がどんな人だかわからずに書いていると、
誰対象の文章かもわからず・・・
グチッテイテモシカタガナイ


そうそう、思いついた!
よし、タイトルも決まったぞ!


で、新しい事を考える、と言う事の話。
昔からイノベーション(新しいものを生み出す)と言うと、けっこう限られた人が限られた範囲で考える、
と言う事が主でした。
要はコントロールできる範囲で、コントロールできる結果を生み出す、ということ。

それがここしばらくで、だいぶ変わりました。
色んな人を入れて、コントロールできない状況を作って、その中から意外性のあるものを生み出そう!
という事です。
実は、このコントロール可能かどうか、がけっこうな肝で、
昔ながらの人になればなるほどコントロールできないことへの恐れがあります。
一方で新し物好きの人は、コントロールできない状況の方が喜びがあります。

だってねぇ、予想できない結果や予想できない価値を生み出すのは、
やっぱりコントロールできない状況ですから。
こんなことを書こうと思ったのも、色々と提案する時に、
コントロールできないような事を提案すると、
中間管理職のあたりの人が怪訝な顔をする事が多い事を思い出したからです。

新しい事をやる時には楽しまなければならないですし、
多くの人の色んな意見を聞いて、より良いものを作っていく事が必要になります。
ところが、こんな楽しんで前に進める事よりも、コントロールする事でできた気持ちになる人が多いなぁ、
と思っています。
新し物好きで、自分でドツボにはまっていく私から見ると、不思議ですが・・・

最近、就学前の子どもと遊ぶ(に遊んでもらう)ことも多かったですが、
子どもとすぐ仲良くなれるのは、私が大きな子ども?かもしれません。

今日は、このあたりで。
ではでは。
みち
書いてほしいこと募集中!というのをここに長々書いていて、追記しなきゃいけないことをみつけ、反転して文字読んで書こうとしたら・・・当たり前ですが・・・書いたものが消えました(笑)ついでい追記しようとした事を忘れました(笑)

2015.10.02

幻の名著

バイオメカニクスの分野の「幻の名著」を紹介します。Winters と Woo 編著の "Multiple Muscle Systems" です。この本は当初 1990 年に出版されました。執筆陣には当時の第一線の研究者が名を連ねています。ほぼ全員がビッグネーム揃いの蒼々たるメンバーですが、一部の名前を抜き出しても、Alexander、Bobbert、 Crisco、 Ettema、 Feldman、Flash、Hasan、Hatze、Hinrichs、Huijing、van Ingen Schenau、Latash、Levine、Loeb、McMahon、Morgan、Mungiole、Pandy、van Soest、Winter、Yamaguchi、Zahalak、Zajac、といった名前が並びます。それぞれの分野を切り拓いて構築して来られた方々です。そしてその多くが今も現役で精力的に仕事を続けられています。

分野としては筋・腱・骨格系のバイオメカニクス、そしてモーターコントロールに関する書籍です。内容は非常に豊富で、私もこの本から多くを学んで来ました。また論文の中で引用されることも多いので、該当分野の論文の References をよく見ると結構な頻度でこの書籍が挙げられていると思います。正しくこの分野の「名著」だと思います。

では何故「幻」か?というと、この本は一度絶版されたのです。研究者の観点からは非常に非常に貴重な書籍ですが、当初マーケティング的に上手く行かなかったのかもしれません。いずれにしても、私が学生の頃には「非常に有名で良く引用されているけど現物が無い」という状態で、まさしく幻の名著、でした。私はどこかの図書館で借りて、コピーを取った物を大切に(無くさない様に、破らない様に)使っていました。

それが再び販売される様になったのが2011年です。何かの折に気付いて即注文しました。実際に本物を手に取った時は少し感激しました。現在からすると25年前の本ですが、内容は全く色褪せること無く、今現在の研究の為にも非常に有益な情報が山盛りになっています。開くと面白くてついつい読み進めてしまう一冊です。

それぞれの分野にこういう特別な書籍があるでしょう。そういった本は購入してじっくり読むと勉強にもなり、将来は宝物になるかもしれません。


2015.09.28

2015健康フェスタ in OIC

立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で、「もっと元気に“こころ”と“からだ”2015健康フェスタが、昨日の日曜日に開催されたので行ってきました。主催は、茨木市、茨木市医師会、茨木市歯科医師会、茨木市薬剤師会です。3つの師会が共催でイベントをするのは非常に珍しく、きくところによると十数年一緒にやっておられるようで、普段の事務局の場所も同じで、非常に仲良く協力的であると聞きました。

OICで開催するということもあり、立命館大学が順天堂大学と取り組んでいる革新的イノベーション創出プログラム(COI)についての概要を話させてもらい、そのあと、茨木市の健康福祉部長、3師会の会長、私と大学院生のO部氏によるシンポジウムがありました。座長の先生より、健康寿命、平均寿命ともに日本が世界一の現状から話がスタートし、さらに健康寿命を延伸するには、どのような方向性があるのかを、それぞれの立場から議論しました。柱としては、健康の維持・増進のための運動への取組、コミュニティづくりのための工夫、安全・安心のまちづくり、防災の観点からなど、短時間でしたが盛りだくさんの議論が展開されました。

壇上から眺めていて感心したのは、市民の皆さんは非常に熱心で、寝ている人はゼロ。メモをとりながら集中して聞いてもらっていました。また、シンポジウムの会場の外では、歯科の検診ブース、救急救命の指導、認知症の正しい理解などのブースがあり、どこも大盛況でした。おそらく1500名を超える来場者があったようです。キャンパスにある「防災公園」に遊びに来た市民の参加もあって、今までの中で最高の来場者数と聞きました。日頃から健康への意識が高い人が多く、茨木市民の健康増進に、知識、場所だけでなく、実践でも立命館大学を活用してもらい、さらに健康寿命を延伸して欲しいと考えています。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
OICでの上記イベントのあと、BKCにもどり、スポ健学生が企画した「スポ健LTE」に少し参加しました。秋晴れのもと、クインススタジアムで身体を目一杯使いながら、普段の交流範囲を越えた交流でさらにスポ健ネットワーク、スポ健愛を高めてくれたようです。最後の円になっての「グレーター立命」の大合唱はスポ健ならではです。
【忠】

2015.09.23

豪雨の撮影と晴天のインターンシップ成果発表。

<RecOだより 129>
 以前、RecOだより124でご紹介した、三重県志摩市の海藻「あかもく」の取り組み。
 ab研では現在、その魅力と可能性を市内外に知っていただくためのパンフレット作成のため、先週、2泊3日で撮影を行ないました!・・・が、この3日間、前半2日は豪雨、やっと晴れると期待された最終日は、その前日のチリの地震の影響による津波注意報が発令。
 色々な意味で、大変な撮影となりました。

 そんな状況でしたが、雨が弱まるのを待って、漁師さんのご好意で船での撮影を行いました。

 黄色の網はこの土地のの漁師さんが開発した、車エビ専用の網(残念ながらエビさんには会えませんでしたが)。船の揺れと風でカメラマンも大変な撮影になりましたが、無事終了。
 またこの日は、既にシーズンを終えている海女のみなさんに撮影をお願いしたところ、現在この地域にいらっしゃる海女さん15人全員が集まって下さいました!

 天候の悪い高波の海での撮影も笑顔で元気に対応していただき
「雨の中、ごくろうさま〜」「天気が良かったら潜ってあげたのに〜。明日また来れば?」「みんなで集まる事はなかなかないから、いい機会作ってくれてありがとう!」等々、優しい言葉をたくさんかけて下さり、感謝、感謝の撮影会となりました。
 ありがとうございました。
 この、あかもくのパンフレット、10月2日にはRecOにて終日、あかもくとその料理の撮影を行う予定です。近くを通ったら、ぜひ覗いてみてくださいね。

 そしてこの週は、同時にJAおうみ富士さんにて、新規スポ健のインターンシップが開講されました。
 この成果発表として、9月19・20日、晴天となった土日に開催された、立命館守山に文化祭にて、受講生が考案した地元野菜とメロンを入れたカレーを地元野菜と共に販売。

 文化祭では日曜日に私の食育講演会もあったので、その終了後、カレーを味わおうと狙っていましたが、既に完売。

 同時に販売した、野菜スープ、新米おにぎり、ジェラード共にお昼過ぎには全て完売となりました。
 個人的には残念でしたが、売りつくした学生の満足そうな笑顔を見てうれしくなりました。
 彼・彼女らのの報告書を、じっくり味わいたいと思います。
 ab

2015.09.22

学会での活躍!

 【忠】先生から予告がありましたが、先週91820日まで和歌山県にて第70回日本体力医学会大会が開催されました。この学会はスポーツ・健康科学の分野においては国内でも最大級の学会で、日頃研究してきた成果を発表する重要な学会の1つです。立命館大学スポーツ健康科学部の学部生やスポーツ健康科学研究科の大学院生、教員が多く参加し、シンポジウムやワークショップなどで4演題、一般演題で34演題と合計38演題の研究成果について発表しました!

 大学院生の前期課程が14演題、後期課程が8演題、学部生が8演題発表しています!少しでも多くのスポーツや健康科学に貢献できる研究成果を出すという意味では年々少しずつですが、スポ健全員で頑張った成果が増えつつあります。特に、スポ健では学部生時代から研究を積極的に行っている学生が多く、学部3年生や4年生が堂々とレベルの高い発表していました。これは他大学と比べても珍しくもあり、誇れる部分ではないかなと思います。

 ちなみにスポーツ・体育系で有名なある国立大では一般演題で60演題を超えていました。。。スポ健がこの分野で研究のトップクラスになるためにも、まだまだ学部生、大学院生、教員が一丸となってさらなる飛躍をしなければならないと思っています!

Moto

2015.09.19

掲載忘れるところでした・・・

さて、今日の写真は、先日武蔵大学に行った時に撮ったもの。
江古田キャンパスに行ったのですが、その時に研究所の名前に「根津」が入っていて、
ん・・・根津・・・東武鉄道?
という疑問が湧き、ちょっと調べてみたら、
やっぱり東武グループの創業一族が作った育英会が運営組織でした。

ちょっとした小ネタ・・・


それはさておき、今日は本当に落とすところでした・・・
公開時間がいつもと違う・・・間違い探し見たいですが・・・と思いますが、
娘の運動会が終わってから慌てて大学に来て書いています。
職住が近いと、いつでも来れるのが便利なところ(笑


で、今日の本題は、安保法制かなぁ。
たまには、硬派でどうでしょう??

さて、安保法制が今日の未明に参議院で採決され、法律が変わる事が確実となりました。
みなさんは、賛成でしょうか?反対でしょうか?
民主党は、「戦争法案」と呼んでいて、マスメディアも同じように話していて、
社会的には、この法案が成立すれば、戦争が可能になると考えている人は多いですが、
法案そのものを読んだ人はどれぐらいいるのでしょう??

私自身はリベラルな立場で、右翼でも左翼でもなく、本当に「戦争に向かう」のだろうか?
という疑問があって、実際に改正の法案を読んでみました。
そうすると、「戦争法案」というキャッチコピーそのものに色々な疑問が・・・

大きいのは、武力攻撃を受けた時と存立危機事態の時に、
集団的自衛権としての武力行使を認める、という内容です。
存立危機事態とは、案文からそのまま引けば
「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。」

存立危機事態を単純に言えば、
泥棒がAさんのところに忍び込んで、その次に自分の家に同じ泥棒が来るのがわかっている時、
でしょうか。
今の法律で言えば、泥棒が敷地に入ってからでないと、対応できません。
それを、泥棒をつかまえるのに協力する、と言っているにすぎないように、私には思えます。

ただ、いくつか問題があって、
一つは憲法9条との関係です。
9条の1項で、
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
という事があげられています。
この「武力の行使」を認める、という法律ですので、
法律として最上位にいる憲法に矛盾します。

もう一つは、「存立危機事態」の認定基準です。
拡大解釈をすれば、
「近所のあいつは怪しいからやがて泥棒に入って来るに違いない」
と言う事で、何もしていないうちにつかまえる事が可能になります。
そんな事が起こらないように、コントロールしなければならないのですが、
それが案文を読んでも、わかりませんでした。

で、長くなってきたのでまとめますが、
私自身は、現行の法案では、例えばミサイルが飛んで来た時に領海に入るまで撃ち落とせない状況ですので、
それを公海上でも撃ち落とせるようにする、という意味では理解できます。
また、近年は、海賊の問題や、テロによる殺害など、様々な事象がおこっていますので、
こういった事を未然に防ぐために、一定の力の行使はいたしかたないかと思っています。

ただ、先の二つの問題、憲法とコントロールを解決しなければならない、と思っています。
ところで、皆さんは、どう考えるでしょうか??

ではでは。
なんとなく、その日ネタを意識して書いてみました。たまにはいいかなぁ・・・というよりも近いネタを書くのがブログか・・・スポ健っぽくないネタばかりですが(笑)そうそう、そろそろ写真が尽きます(笑

2015.09.18

日本トレーニング科学会大会@鹿屋

第28回日本トレーニング科学会大会「動きを診る測る~最新のトレーニング科学イノベーション~」に発表申込をしました。会期は今年の11月14・15日の週末、場所は鹿屋体育大学です。毎年この時期に開催される大会で、2012年には立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催されました(今日の写真はその時のプログラム集の表紙です)。2013年には山形県の蔵王で、2014年にはお台場の産業技術総合研究センターで開催されています。学会の守備範囲が我々の研究内容とぴったりマッチすることのみならず、開催時期や発表資格の観点からも非常に貴重な学会です。例年冬の時期に開催されるため、春頃からコツコツ準備を進めた研究を発表するのに丁度良いタイミングです。また会員になれば学部生も発表することが可能です。今回は当研究室からは4件応募させて頂きましたが、その内2名は他大学・他学部を卒業して4月に入学してきた大学院生、1名は3回生でした。この時期に毎年定期開催してくださる事は大変有難く思います。感謝の意も込めて毎年定期参戦しようと思います。

また、上記4件の応募に際しては 【忠】先生、fjmt 先生、sg 先生、ootk 先生に大変なご助力を頂きました。心より感謝申し上げます。

鹿屋体育大学にお邪魔するのは今度で3回目です。学会に参加して思うのは、プログラム等を見ると一見似た構成をしている様に見えますが(主催側はそれぞれの学会に応じてある程度先行するフォーマットを踏襲するので)、その時々で新たな出会いがあり、そして何より自分自身の状況が年々変わって行くので、どの一つも自分にとってユニークなものになるという事です。学生として参加するのとポスドク等のプロの研究者として参加するのでは全く違いますし、自分の指導した学生さんが発表する、という立場になるとまた全く違う世界です。この分野に入って19年、参加した学会は全て鮮やかに思い出すことが出来ます。これから学会に参加する学生さんはそのつもりで全力を注いで準備をしてください。

鹿児島には美味しいものも多いので、夜の部も楽しみですね。


2015.09.15

日頃の研究成果の発表練習!

 9月は、お月見の日、中秋の名月が有名ですが、「十五夜」とも呼ばれています。今日は915日なので、今日か!と思いきや中秋の名月が見れるのは年によって変わるようです。2015年は927日です。

 さて、今週末、和歌山県でスポーツや健康に関わる最も大きな国内の学会である「日本体力医学会」の第70回大会が開催されます。我がスポ健もかなりの教員、院生、学部生が発表します。その様子はまた来週にでも報告したいと思いますが、Motoの研究室でも4名(大学院生3名と学部生1名)が発表します。その発表の練習を行っています。自分の行ってきた研究成果がいかに分かり易く、しかもどのくらい新しい発見なのかわずか7分間でプレゼンするのは大変です。何度も何度も練習してはじめて自信を持って発表することができます。あと残り数日間、どれだけ練習して、自信を持って人前で発表できるのか、頑張ってもらいたいと思っています!!(写真は練習風景です) 


 ここ数日で急に寒くなってきましたが、体調は大丈夫でしょうか?Motoは風邪をひいいてしまいました。。。くれぐれも急激な気温差には気をつけましょう!

Moto

2015.09.14

ハイデルベルグ大学(ESMAC2015)


先週は、ハイデルベルグ(ドイツ)で開催された、ESMACthe European Society of Movement Analysis for Adults and Children)の学会ならびに、その学会前の臨床家をふくめたプレ学会にも参加してきました。【栗H】先生も同行でした。学会名の通り、動作解析(特に歩行解析)を中心とした研究が行われており、理学療法士、バイメカ研究者、補装具メーカーなどが参加していました。おそらく歴史的には、臨床の歩行研究からスタートしたようです。


 

プレ学会では、コンピュータシミュレーションを、研究、臨床にどのように活用するのか、そのメリット、デメリットは何か、現状の問題点・課題の整理などが行われていて、ゼミのような演習形式で進められ、参加者全体でディスカッションしながら進める形態でした。プレ学会は、ハイデルベルグ大学の大学病院内の施設を活用して行われました。待合いで患者が待っているところを通り抜け、コーヒーブレイクの場所を、患者を乗せたストレッチャーが行き交う雰囲気は、今までの学会とは違い、「現場」を意識させるものでした。

 

本学会は、市街にあるハイデルベルグ大学で行われました。このESMAC2015で、M1の「ToriP」君が、卒論でまとめた研究内容“Preferred foot strategy for sprint initiation in children”をポスター発表しました。ショートダッシュのときに、どのようなスタートをするか?ということに注目したテーマです。本格的に短距離を行っていない中学生を対象としています。何も指示せずに、スタンディングスタートをするとき、前側(もしくは後側)の足を持ち上げてからスタートする被験者の多くが、次に指示をして最初と逆足を前にするようにしても、同様に前側(もしくは後側)の足を持ち上げてスタートすることを明らかにしました。なぜ、このような前足をあげたスタートを選択するのかはまだ未解明です。人間の自然な動作かもしれません。面白い着眼点ですので、次の実験が楽しみです。詳しくは、卒論もしくは本人に聞いてください。


 

会場のハイデルベルグ大学は、1386年創立でドイツ最古の大学とのこと。ノーベル賞受賞者多数(総合ランキング20位以内)で、世界の大学ランキングでも60位となっており、ドイツを代表する大学です。歴史と伝統の風雪にさらされた落ち着いた雰囲気でした。この雰囲気は、現地にいないと体感できず、伝えづらいものですので、チャンスがあれば体験してみてください。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

ハイデルベルグ大学、ハイデルベルグ城は、ネッカー川沿いにありますが、その対岸の丘に、ゲーテも歩いたといわれる「哲学の道」があります。こちらは、京都の哲学の道と違って、急な登りが続きます。その分、対岸の眺めは素晴らしいです。急な坂を上って、対岸を眺めて思索したのでしょうか。その意味では、高強度間欠型の歩行によって、乳酸を出しながら認知機能を高めながらの思索であったのでは(このあたりはHassy先生に任せましょう)、と推察しています。

【忠】



2015.09.12

多様性へ対応する、ということ

さて、タイトルと関係ない写真シリーズも長くなってきました。
今回は、最近の出張で撮ってきた写真です。
珍しく、新しい・・・

それはさておき、写真が厨房だということはわかる?かと思います。
で、どこの写真家と言うと、APUの生協食堂のバックヤード。
この写真のあたりが、ムスリム向けのハラルフードを出す専用スペースとなります。
そして、ハラル・フレンドリーの認証を受ける予定です。

実は、APUの生協では2000年に開学してから、多様な民族や多様な宗教の人のいろんな意見を受け入れて、
新しい取り組みをしてきました。
開学してすぐに、ムスリムの方から、食べるものがない、と言われ、
一緒にメニューづくりをしたりもしています。
ハラル対応では、だいぶ早い取り組みで、なかなか前例もなく、大変だったと聞いています。
これからは、ムスリムの方に、もっと安心して食べて頂くためのハラル・フレンドリーが始まります。

ここまで書きながら、ふと、これはいっぱい書ける、と改めて思いましたので、
タイトルを変えてみました。

珍しく?、写真と中身が一致した回になります(笑

世の中で、多様性(ダイバーシティ)がけっこう言われますが、
日本では、多くは性差(精神的部分も含む)への対応が中心で言われます。
しかし実際は、民族や宗教、慣習など色んな違いを受け入れて、
違いを理解した上でお互いを尊重し合う、と言う事がダイバーシティの中心だと思います。

日本では、民族の多様性がありつつも、単一民族国家、と言われ続けてきました。
実際には、古墳時代や飛鳥時代には、現在の中国や朝鮮半島から来た渡来人もいましたし、
その後も強制移民や国際的な出稼ぎを含めて、色んな民族が住んできました。
また、アイヌ系の人や沖縄系の人も、文化や慣習が異なっています。

こんな多様な習慣について、あまり考慮される事もなく、
また、日本らしいと思われる教育が共通かつ単一で行われ続けてきました。
例えば、現代の標準語と言われる日本語の成立には、マスメディアが多く関わりましたし、
同じような食事を摂るようになったのには、日本全体をカバーするチェーン店のスーパーや外食、コンビニなどが、
大きな影響を与えました。

地域や民族による違いを排除して、単一の姿を目指してきたのが、
経済発展、国家の発展と言われたものの中心だったと思います。
列島改造論も突き詰めれば、東京のような豊かな生活(この言葉が良いかどうかはありますが)を
日本全体で享受しよう、という現れであり、日本全国にミニ東京を作っていく事になったと思っています。
(これは色々と異論もあると思いますが)
その結果として、経済的な豊かさは、違いはあれど、ある一定の範囲で、日本全体で享受できるようになりました。

しかし、平成不況と言われるデフレの時期を経て見ると、
経済的な豊かさは再生産され、前よりも経済的に豊かな生活ができなければならない、という考えにはまり、
なかなかビジョンが描けない状況になったのかと思います。
デフレの中では、前の世代よりも次の世代の方が、経済的には豊かになれない、という事を意味しますので。

そんな中で、最近変わりつつあるなぁ、と思うのが、
多様なライフスタイル、多様な生活への希望を受け入れる動きが各所で出ていることです。
東京発の地方創生は、地方が東京までいかなくても、東京に近い豊かさを目指しているようにも感じますが、
そうではなく、地方は地方の生き方、豊かさがある、というところです。
最近、発表されましたが、農業の就業者の年齢が若返った、というものもありました。
また、地方にIターンで移住して、給料は低いけど、豊かな生活をしている人、が脚光をあびたりもしています。

日本と言う国家では、明治維新以降、欧米と同じ経済的・生活の豊かさを求めてきました。
高度経済成長を経て、経済的豊かさでは追いつきながら、ライフスタイルは別個の道を歩んだ、
という気がしています。
当然、欧米と言っても、ひとくくりにはできないですし、国によっても違いはありますが、
日本という国家を上げて目指してきた姿が現代に合っているのかどうか、
そんな事を問う時期に来ているのかなぁ、と最近特に考えています。


そろそろ長くなってきたので、終わりにしようと思いますが、
ハラル・フレンドリー→多様性→豊さって何?
というつながり・・・遠いところまで行ってしまった、と思う事と、
写真は入口の素材で、内容とは・・・だったなぁ、と反省します・・・

いつも、書きながら書く事を考えているので、遠くまで・・・ただ、この話は、最近の中心の課題なので、
またどこかで触れるかもしれません。

ではでは。
みち
何枚か写真が増えました・・・でも足りません(笑)そもそも写真が無くても良いのでは?という話もありますが、さみしいので、写真をがんばります!しかし、私のブログがたぶん一番スポ健っぽくないなぁ・・・(笑