[ Thu ] の記事一覧

2016.12.29

文章が表わすもの

先日,義父が出版する医学書のゲラ(校正用に刷ったもの)をみる機会がありました.



義父は医師で医学博士でもありますので,医用工学が専門の私にとっては比較的近い分野の専門家でもあります.

ただ,これまでお互いの専門分野の話をすることが少なかったので,専門家としてどのようなことを考え,どのように仕事をしていたのかについては,深くは知りませんでした.
義父の本は,これまでの臨床経験と大学や専門学校での講義の経験を踏まえ,看護師,理学療法士といったコメディカルの方々とそれを志す学生に向けたもので,臨床現場での治療・診断や様々な疾患について,図や写真をたくさん使ってわかりやすくまとめてありました.

こういった原稿を読んでいると,内容の端々から,医師として,何を大切にしてきたのか,今後医学を志す人に何を伝えたいのかといった知識以外の部分も読み取れます.また,消化器外科が専門と聞いていましたので,消化器外科のスペシャリストだと理解していましたが,内容からは,ジェネラリストに近い側面も持っていることも初めて知りました.

このように,まとまった文書からは著者の心情や人間性など,目的以外のものが読み取れることがよくあります.12月は,卒業論文の提出がありましたので,研究室の学生の卒業論文を毎日読んでいました.もちろん,初めての「論文」ですので,この分野の論文としての書き方や体裁などは,まだまだ発展途上のところもあります.ただ,文章からは,どんな想いで研究をしてきたのか,何が重要だと思っているのかなどがよく分かります.また,一番頑張った箇所についても,話すよりも正直にわかります.

1月は卒業論文の口頭試問(口頭発表会)があります.プレゼンテーションの時間は短いですが,卒業論文に込めた想いも一緒にアピールしてもらえればと思います.


木曜日担当の私にとっては,今年最後のブログの更新です.
久しぶりにブログ担当になってから,もう9カ月も経ちました.
ブログももちろんですが,今年もたくさんの方にお世話になりました.
ありがとうございました.来年もよろしくお願いいたします.
良いお年をお迎えください.

naru

2016.12.22

SEMICON Japan 2016

2016年12月14日-16日に東京ビッグサイトで行われた.SEMICON Japan 2016に研究室の3回生が参加しました.

SEMICON Japan はマイクロエレクトロニクス関連の国際展示会で,3日間でのべ6万人以上が参加した非常に大きな展示会です.

なぜ私の研究室の3回生がこの展示会に参加したかといえば,この展示会の中で開催された「プリエレアイデアコンテスト」に3回生でアイデアを出し合い,開発したものをエントリーしていたからです.

今回はいつも研究室でスマートウェアの電極や配線に使用している導電性シートを活用し,新しいものを考えました.

それがこちら↓「ぬくぬくペットフォルダー」です.




導電性シートは薄く伸縮性があります.いつもは配線として使用しているのですが,今回は電気を流し,ヒーターとして使用しています.電気を流すことによりヒーター部分が発熱し,その名の通り,布袋の中にあるペットボトルが暖められます.つまり,発熱する布を開発したことになります.このように考えると電気を流しただけと思われるかもしれませんが,作ってみると以外と複雑です.

電流を流し過ぎると発熱しすぎてペットボトルを暖め過ぎる,もしくは,ヒーターが焼き切れて危険です.また,もともとヒーター用の素材ではありませんので,電流と発熱量の関係も不明です.電流と発熱量の関係,ペットボトルを暖めるのに必要な熱量などなど,調査と理論の構築を行い,それを実際に確かめてみることが必要です.それらを3回生だけで行いました.

残念ながら,入賞することはできなかったのですが,よく頑張りました.

今後に期待しています!

naru

2016.12.15

卒業論文提出!

本日12月15日は卒業論文の提出締め切り日でした。

私の研究室でもここ数日は泊まり込みで最後の解析を行ったり、論文にまとめたりと密度の濃い時間を過ごしていました。





卒業論文の提出を卒業のための必須要件としない大学や学部もありますが、スポーツ健康科学部では卒業要件になっていますので、卒業するためには必ず卒業論文を提出する必要があります。もちろん正確には提出するだけではなく、その後の審査や口頭試問に合格する必要があります。個人的には卒業研究をまとめる過程で急成長を遂げる学生をたくさんみてきましたので、論文の内容だけではなく、どれぐらい成長するのかについても、いつも楽しみにしています。

まだ論文審査と年明けの口頭試問が残っていますが、とりあえずお疲れ様!

口頭試問も楽しみにしています。

naru


2016.12.08

COIシンポと講演会

 いよいよ明日、立命館大学・順天堂大学 アクティブ・フォー・オール拠点シンポジウム2016を東京ガーデンテラス4階 紀尾井カンファレンスにて開催します.土井美和子先生をお迎えし,基調講演いただきます.その後は,各研究開発チームから今までの研究開発成果の発表を行います.スマートウェアの進捗状況についても皆さんの前でデモンストレーションさせていただく予定です.
まだ若干席に余裕があると聞いていますので,お時間のある方はぜひご参加ください.


アクティブ・フォー・オール拠点 シンポジウム2016
「超“スマート”になるための健康イノベーション」
【日時】2016年12月9日(金)13:00-17:00(開場:12:30-)
【場所】東京ガーデンテラス4階 紀尾井カンファレンス
     東京都千代田区紀尾井町1−2(東京メトロ永田町駅 直結)

http://www.activeforall.jp/topics/167/


 また,来週、12月14日(水) 13:00からびわこ・くさつキャンパスにて,高澤祐治先生の講演があります.「世界が日本に求めるグローバルスタンダード、そしてジャパンウェイ―スポーツ医学の視点から―」という演題で,ラグビー日本代表のチームドクターの経験から概説いただきます.無料でどなたでも参加することができますので,ふるってご参加ください.

2016年度立命館大学理工学研究所学術講演会
「世界が日本に求めるグローバルスタンダード、そしてジャパンウェイ―スポーツ医学の視点から―」
高澤祐治氏
【日時】2016年12月14日(水)13:00-14:30
【場所】立命館大学びわこ・くさつキャンパス
    コラーニングⅠ  C201教室


https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/rikogaku/pdf/2016kouenkai.pdf


naru

2016.12.01

TANQ

現在、立命館大学では、理系の学部や研究について紹介するサイトを作っています。
本日は、その立命館大学理系スペシャルサイト「TANQ」(https://www.ritsumei.ac.jp/tanq/)の取材を受けました。


スポーツ健康科学部からはすでに下記にて藤本先生の研究が紹介されています。

バスケットボールで、素早い一歩を踏み出す方法は?
(https://www.ritsumei.ac.jp/tanq/297764/)


インテグレーションコアのスポーツパフォーマンス測定室で行われた実験の様子が紹介されています。


私が紹介する内容は、スポーツ健康科学部で開発している「スマートウェア」を予定しています。

本日は、公開する動画や写真の撮影と記事に関する打ち合わせを行いました。
写真撮影は、研究員の坂上さんと院生の鶴見君が協力してくれました。





公開は早ければ本年中だということです。
楽しみにしておいてください。

≪イベント情報!≫
12月3日(土)に
文部科学省グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)
立命館大学イノベーション・アーキテクト養成プログラムシンポジウム
がびわこ・くさつキャンパスで開催されます。



イノベーション・アーキテクトというのは、グローバル化・多様化し続ける世界に対応出来るマインドを持ち、チームを形成・牽引し、多様な価値観・情報のぶつかり合う中から新たな価値を創造する力を持った人材のことです。
立命館大学では、このような人材を育成するための新たな試みとして、この育成プログラムを推進しています。
立命館大学のCOI拠点もこのプログラムに参加しています。

今回のシンポジウムでは、このプログラムの紹介だけではなく
真先 文部科学省大臣官房審議官のご挨拶
三日月 滋賀県知事の特別講演
サイボウズ株式会社 青野 代表取締役の基調講演
も企画されており、大変豪華なシンポジウムになっております。

無料でどなたでも参加することができます。
まだ若干席に余裕があると聞いていますので
お時間のある方はぜひご参加ください。

参加方法などは以下をご覧ください。
(https://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/edge/events/article.html/?id=46)

前後でスポーツ健康科学部の建物(インテグレーションコア)を覗いてみても良いと思います。
現在は卒論、修論の追い込みの時期ですので色々な実験を行っています。

naru


2016.11.24

COI拠点 プレス発表!

先週もお知らせしましたが,
12月9日(金)13:00(会場 12:30)から
立命館大学・順天堂大学
アクティブ・フォー・オール拠点シンポジウム2016
を開催します.

本年度のテーマは,「超”スマート”になるための健康イノベーション」です.

昨年度は大阪で開催しましたが,本年度は,東京の永田町駅近くの
紀尾井カンファレンス
で行います.



詳しくは以下をご覧ください.
http://www.activeforall.jp/topics/167/


今週火曜日は,このシンポジウムの宣伝の兼ねてCOIの活動のプレス発表を行い,十数社ものメディアの方の取材を受けました.
東洋紡(株)の石丸プロジェクトリーダーとリサーチリーダーの伊坂学部長から発表を行いました.




その中でスポーツ健康科学部で開発したスマートウェアと空間シェリング技術を連携させた新しい運動システムのデモンストレーションを行いました.

残念ながら私は参加できませんでしたが,デモンストレーションやその説明を私の研究室の坂上研究員と院生の鶴見君に行ってもらいました.



スマートウェアで計測した心拍数に応じてユーザーだけが聞こえる音楽のリズムが変わるというシステムです.

今回お見せしたのは,スマートウェアと空間シェリング技術の融合システムの基本バージョンですが,本番のシンポジウムでは,このシステムをさらに発展させた運動支援システムをお見せできると思います.

楽しみにしておいてください.

naru


2016.11.17

アクティブ・フォー・オール拠点シンポジウム2016

来月、立命館大学と順天堂大学による、アクティブ・フォー・オール拠点シンポジウム2016を東京で開催します。
「私が変わる、あなたが変わる、未来が変わる」をキャッチフレーズに、昨年度も開催しましたが,、今年度のテーマは「超“スマート”になるための健康イノベーション」として、シンポジウムを行います。
今回のシンポジウムでは、土井美和子先生をお迎えし、「誰のために何のためにデータを集めるのか?」というテーマで基調講演を行っていただきます。
また、現在進めている研究の成果発表やポスターセッションも行う予定にしております。
皆様のご来場をお待ちしております。



【アクティブ・フォー・オール拠点シンポジウム2016】
■URL:   http://www.activeforall.jp/topics/167/
■日時:  2016年12月9日(金) 13:00~17:00(開場12:30)
■場所:  紀尾井カンファレンス(永田町駅 直結)
■お申し込みフォーム
   https://ssl.form-mailer.jp/fms/777cf083474401


また、11月22日には東京でプレス発表も行います。私の研究室からもデモンストレーションも行う予定をしています。その様子については、来週お話しできればと思います。

naru

2016.11.10

原点

忠先生が月曜日のブログに書かれた通り,先週土曜日は私が卒業した理工学部ロボティクス学科の20周年記念行事に参加しました.その中で,1期生の代表として,お話しをさせていただきました.

発表や講演では,あまり緊張することもなくなっていたのですが,学生時代に教わった先生方を前にすると,学生に戻った気分になり,かなり緊張しました.

発表では,昔のことを思い出しながら,これまでの研究や現在所属するスポーツ健康科学部のことも宣伝してきました.

資料の作成中,今の自分に教わった授業がどう活かせているのかを資料などを見返して振り返っていたのですが,今までの研究にどれも関わっていることに驚かされました.もちろん私の専門の一つである生体医工学系の授業はもちろんですが,その他の機械制御やマシンビジョンなども研究に活かされています.あまり意識していなかったのですが,私が授業で教えている内容も関連しているところがたくさんありました.

普段は意識することは少ないですが,確実に私の教育/研究者の原点は出身研究室はもちろんですが,出身学科にあることに気づかされました.

「もっと勉強しとけば良かった.」と思い,昔習った先生方の本を購入して再度勉強中です.在学中にはありませんでしたが,現在は出身学科で教科書シリーズを出版していますので,まずはそこから読んでいます.



普段は逆に教える立場ですので,意識しているつもりですが,大学で教わったことは,ふとした時に生涯使えることがたくさんあります.そのときに興味を持ってもらえるようにももちろんですが,私も20年後に思い出してもらえるような授業をしてみたいと思いました.

naru

2016.11.03

計測自動制御学会 ライフエンジニアリング部門シンポジウム2016

本日は、計測自動制御学会 ライフエンジニアリング部門シンポジウム2016に参加してきました。
このシンポジウムの中で「 スマートテキスタイル/ウェアによる生体計測とその応用」というセッションをオーガナイザーの一人として企画・開催させていただきました。
1時間30分のセッションの中では、私の研究室の研究員の坂上さんにもスマートウェアに関する発表をしてもらいました。
その他にもCOI拠点で一緒に研究している東洋紡株式会社の権先生、近畿大学の岡田先生、東京大学の酒井先生にご発表いただきました。

聴講者も多く集まっていただき、活発な議論を行うことができました。
私自身も大いに刺激を受けることができました。

ご発表いただいた先生方、一緒にオーガナイザーと座長をしていただいた東レエンジニアリング 平田先生、ありがとうございました!



naru

2016.10.27

運動フェスティバル

10月22日土曜日に、先週のブログにも書きましたスポーツ健康コモンズ竣工記念「挑戦したいを応援する」運動フェスティバルが開催されました。
当日は、曇り空ではありましたが、天気もなんとか持ちこたえてくれて、のべ400名というたくさんの方に参加いただきました。
メイン会場のBKCスポーツ健康コモンズの前では、地産地消の滋賀の野菜の販売や、大塚製薬㈱さん等数多くの企業による試飲試食会など、さまざまなブースが並び、賑わいました。




さまざまな体験やレッスンが開催されました。
こちらの写真はピラティスのレッスンの様子です。



ピラティスは身体のストレッチ、体幹やインナーマッスルの強化など、激しい運動ではありませんが、普段使わない筋肉を使いますので、人によっては筋肉痛になるそうです。実際に参加した私の研究室メンバーも、月曜日まで筋肉痛が残っていたそうです。今回の体験をきっかけにピラティスに興味を持ったようで、習ってみたいと話していました。彼女にとってまさに「挑戦したいを応援する」そんなイベントになったようです。
 
上記のピラティスや下図のウォーキング法のレッスンなど、アリーナで行われたイベントでは、スマートウェアを着用した私の研究室の院生が参加しました。スマートウェアでどのようなデータを知ることができるのか、実際に参加者の方に見ていただきました。
 



また、COIでタッグを組んでいる順天堂大学のロコモ予防チームによる「ロコモ度測定」も行いました。ロコモとは、ロコモティブシンドロームの通称です。病気や加齢に伴い、移動能力が低下するロコモは、メタボ症候群の悪化やサルコペニア(加齢性筋萎縮)を経て発症します。寝たきり、要介護状態に至る原因になります。

今回のフェスティバルでは、ダンス、キッズテニス、フットサルなど、大人だけではなく子供も楽しめるレッスンもたくさん開催しました。
下の写真は、キッズテニスの様子です。



子供が楽しそうに運動しているのをみると、こちらも運動したくなります。

今回のイベントでは、お子様からご年配の方まで、幅広い世代の方が同時に楽しんでいただけたと実感しています。またこのようなイベントが開催できればと思います。

naru