2016.08.24

スコットランドの夏

スコットランドで行われた心理の学会に行ってきました。降りるバス停が少しずれていて、
道をたずねつつ散歩することになりました(【表紙の写真】は、学会会場の敷地内です)。

セッションのなかには、他者と関わる子どもの力、困っている大人を助ける行動がどうやって
生まれてくるのか、知らんぷりされたときに子どもはどんな反応をするのか…。9ヶ月、3歳児、
5歳児など、乳幼児を対象にその子たちの興味関心をうまく惹きつける刺激(実験条件)を用
いた実験が発表されていました。その実験条件下で、乳幼児たちが他者を助けようとする
映像は、そのあどけなさもあって会場から声が上がっていました。

他の学会と併せてみても、脳科学だけでなく、ホルモンと人間行動の関連をみる研究が増えて
きている印象で、最近の心理研究でみる一つの流れと言えるのかもしれません。

午前中のセッションが終わると、学食(のような場所)でお昼。サラダ、そして大きさバラバラの
ケーキは取り放題(とても甘かった…甘いもの好きでも、一人では食べきれずご馳走様でした)。
相席をしながらの時間。グループでとるテーブルもあれば、一人が二人になり四人になり…と、
輪が広がっていくテーブルもあったり、楽しい経験・人間観察の空間でした。

(皆、お昼になると不思議とお腹がすいて…長蛇の列)

スコットランドは、今後行く機会はそう多くないと思うのですが、日本の猛暑をよそに涼しく
(朝晩は薄手のダウンを着ていましたが)過ごしやすい季節でした。
夜はよく雨が降ったようで、一晩だけ雷が好き放題に、思いっきり激しく落ちていましたが、
朝には晴れてくれる日がほとんどでした。

(この日は滞在中一番の晴れ☀)

せっかくの機会だと思い、伝統料理「ハギス」にトライ。【写真の左下】の真っ黒くろすけが
それです。一度ぜひお試しを!珍しいもの/刺激に出会えるのは、場所を問わず楽しい
瞬間ですね。

(中央奥の黒いものはマッシュルーム…でかい!)

すてきな夏/残暑を!

ippo


2016.08.23

書を携えて・・・。その3処暑編

暦の上では「処暑」となり、朝夕はすこしづつ涼しい空気が感じられるようになってきております。
とはいえ、昼間はまだまだ猛暑が続いておりますので体調管理には気を付けたいものです。

ここ数週間世界が夢中になったオリンピックが閉幕し、来月のパラリンピック開幕までの間隙、
やっとスクリーンから身を離すことができるようになり、滞っていた読書を再開しております。
さて、本日紹介したい本は、オリンピック開幕に合わせて手に取った、
「古代オリンピック」桜井万里子・橋場弦編、岩波新書です。



今回のリオ・デ・ジャネイロ大会で第31回を数える「近代オリンピック」は、1894年のパリ国際スポーツ会議にて、クーベルタン男爵の提唱により誕生したものです。クーベルタン男爵は、この近代オリンピックの復興により、「古代オリンピック」の精神を近代によみがえらそうとしたこともよく知られています。

本書は、その「古代オリンピック」は、どういった成立の経過があったと考えられているかや、実際にはどのようなことが行われていたかが、宗教的意味、競技会の実際、政治的変遷、優勝者の利益など最新の考古学や歴史学の視点から述べられています。また、これらが平易な文体で簡潔に書かれているため非常に読み易く、古代オリンピックについてある程度詳しく知ることができます。たとえば、古代オリンピックは紀元前8世紀ごろより、実に1,200年近く続けられていた(近代オリンピックは、まだ120年の歴史しかない)が、その間、古代オリンピック開催期間内は、国家間の争いの絶えなかったギリシアでは「休戦協定」が結ばれていたなどのよく知られた例や、また、ギリシアのポリス間で行われていた頃の優勝者には金銭的な授与はなかった(豊かな収穫を示すオリーブの冠のみであったとされる)という例が紹介され、近代オリンピックにおいても重視されている「フェアプレイやアマチュアリズム」はこうした史実に根ざしていることがわかります。

こうした本書のなかで特に興味深く読んだのは、通説では、古代ローマ帝政のもとでフェアプレーやアマチュアリズムが失われ、オリンピックは頽廃したとされるが、本書の著者は、ローマ帝国のもとでもその後600年も続いたこと、周辺諸国も巻き込み巨大化したことなどから、こうした通説に疑問をなげかけ、ギリシア時代にも増して人々の熱狂を得ていたと主張しているところです。こうした現状は、近代のオリンピックにも共通しているといえるのではないでしょうか?プロフェッショナルの選手へのオリンピック競技への参加は大きく開かれ、勝利者への直接的・間接的利益は増大、これに関連するように国を挙げてのドーピングについての問題が生じるなど負の側面が生じオリンピックへの批判が高まる一方で、オリンピックへの人々の傾注・熱狂はますます高まるばかりです。これはまるで古代ローマ帝国のもとでの古代オリンピックと同じ状況にあるのではないでしょうか?

古代オリンピックは、392年のテオドシウス帝による異郷祭祀(古代オリンピックはギリシャ神話のゼウス神を祀る祭典)の全面禁止、つまり宗教的対立によって中止に追い込まれ、大地震による神殿の破壊により残念ながら滅んでしまいました。我々の近代オリンピックをさらに大きく発展させるため、古代オリンピックの歴史を改めて知ることは、2020年の東京オリンピックで何をレガシーとして後世に伝えるのかを考えることに役立つかもしれません。



※追記
BKCの正門すぐに建築中のスポーツ健康コモンズが、完成間近となってきました。
真っ白の建屋の前面には、これまた真っ白の柱がならび、さながらアクロポリスに立つパルテノン神殿のようです。毎日前を通りながら、まさに首を長くして、中を覗き込んでいます。


【ken】


2016.08.22

Zipline in Biwako valley

残暑お見舞い申し上げます!

今年の夏は猛烈に暑い日が続いています。夏休みは如何お過ごしでしょうか?

受験生にとっては最後の追い込みの夏、アスリートにとっては実りの秋を楽しみに仕込みをかける夏、大学教員にとっては定期試験の採点、論文執筆、学会発表準備、後期の授業準備、実験・解析など、長期休暇を活用して熱心に活動しています。


もちろん、夏休みはしっかり休養し、家族との時間を過ごすことも大切です。こどもの成長に伴い、なかなか時間が合わなくなりましたが、今回は湖西のびわ湖バレイで、ジップラインを楽しんできました。このジップラインは、木や支柱をワイヤーのロープでつなぎ、そのワイヤーを滑車つきのハンドルを持って、勢いよく滑り降りていきます。びわ湖に面した山頂からの素晴らしい眺めもあり、“空中”からびわ湖を一望し、びわ湖を独り占めしているような、雄大な感じになります。


このジップラインツアーは、良く練られています。各班(約10名ほど)にガイドさんが1名つきます。もちろん、知らない同士ですが、最初に、隊長と副隊長を立候補で選びます。その上で、準備されたハーネス、命綱などを、参加者同士で装着させます。そして、全員でかけ声をかけて、出発、ランディングを励まします。隊長、副隊長は安全管理を任され、それ以外の参加者も着地エリアの整備などの役割が与えられます。お互いに協力する体制をとりながら、順次、難度の高いジップラインを過ごしていくと、不思議と参加者同士が連帯感を強め、「チーム」としてまとまっていきます。

やはり、チームづくりには、役割をもち、難度を超えて、そして協力する、という作業が不可欠であることを学びました。


秋までやっているようです。びわ湖の空中散策で、爽快な気分を味わいたい方にはお勧めです。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
BS11の『報道ライブINsideOUT』に出演してきました。大勢のお客さんの前ではなく、カメラを前にした司会者との掛け合いでしたが、「生放送」独特の緊張感がありました。うまく語れたかどうかは、今後の皆さんの反応で判断していきます。ご覧頂きました方、ありがとうございます。見逃された方には、下記のネットでみることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=20iYnL89h3g



【忠】

2016.08.21

ハワイでのサマーバケーション

ハワイ生活も残り1か月となりました。
研究活動も順調に進んでおり、
いまのところ充実したハワイ生活が送れています。
先週は夏休みということで家族や
スポ健事務室のSさんとお友達が遊びに来ました。



この期間に出かけたのは、マカプウ岬、マノアの滝、ノースショア等ですが
マカプウ岬とマノアの滝は以前にも紹介させていただきましたので
今回は今住んでいるワイキキの家主さんに案内していただいた
ノースショアを少し紹介させていただきます。
ノースショアはオアフ島の西北にある海岸で
冬は波が高く、サーフィンのメッカでもあります。
ワイキキからは車でおよそ1時間30分ほどとなります。
ウミガメの産卵地としても有名で
今回もたくさんのウミガメに遭遇しました。
ウミガメは英語でsea turtleですが、このturtleの発音が難しく、
仕事場に帰ってから、みんなになかなか言葉が伝わらずに苦労しました。



ノースショアの観光名所は、ドール・プランテーションやハイレワ・タウン、
シュリンプ畑等があります。
ドール・プランテーションは今回はいけませんでしたが
巨大なパイナップル園を汽車でまわることができます。
また、ノースショアはエビの養殖が盛んで、各地にため池のような養殖場があり、
その周りにはガーリック・シュリンプが食べられる
たくさんのトラックが立ち並んでいます。
ハイレワ・タウンには有名なマツモト・シェイブアイスがあります。
今回はオーナーのマツモトさんにお会いすることができました。
Tシャツの似顔絵とそっくりなのですぐに気づきます。
マツモトさんは日系3世で、おじいさんは広島県、おばあさんは山口県出身だそうです。



先週は家主さんのご主人が所属するミュージシャン仲間たちが
アラモアナ・ビーチパークのバーベキューに招待していただきました。
アラモアナ・ビーチパークは波が穏やかで
サーフボードに乗ってオールを漕ぐパドリングボードが盛んです。
夕陽を見ながらのパドリングボードは最高に気持ちがいいです。
ますます日焼けして現地人と変わらないくらいになってしまいました。

Good day!

sana

2016.08.20

鍛えの夏! 学校教員編


夏の時期、学校教員は、多忙です。
どうしてかと言うと、研修を受けるからです。
研修を受けるばかりでなく、研修を組織し、講演者と日程調整を行い、場を設定し、
等々、結構時間がありません。

写真は、7月末に行ったK小学校の研修です。体育の授業をどのように創るのか、
よりよい授業を実践するためには、どのように考えて、どのように実践すれば良いのか、
について、研修を受けておられる所です。

写真 K小学校の研修 教室にて




まずは、教室で、体育の授業について、その考え方、基礎的な指導の方法について、学びます。

その後、体育館に移動し、実際に、単元計画をなぞってみます。
上手く行くかどうか、授業者がその運動について、深く理解することが必要です。
そして、実際に運動を行ってみます。写真は、実際に運動している所です。

写真 K小学校の研修 体育館でやってみる



そして、やりっ放しではいけません。提案された単元計画は、
本当に自分の学級の児童達に合致しているのか、
他の考え方ややり方はないか、等、年齢を超えて、相談します。

写真 K小学校の研修 これでよいのかな、と相談



その手応えを感じて、単元計画を修正し、2学期の実践に挑戦します。
上手く行くといいですね。上手く、というのは、子供達が、喜びを感じながら、
成長した、学んだ、というように考えてもらえるといいかな、と思います。

さて、写真に写っている大学生。彼女、松wellさんは、【 智 】のゼミの学生です。
卒業論文に関係して、また、小学校の教員を目指しているので、
この研修に一緒に参加することになりました。
次回参加する時は、一緒にやるといいなぁと思いました。
頑張って欲しいと思っています。

写真 K小学校の研修について参与している松wellさん



研修を受けることによって、夏休み以降の教育に広がりが生まれます。
その広がりが、子供達にとってより良く反映できるように、なればいいですね。

それでは、良い週末を!

【 智 】



2016.08.19

近江富士(三上山)登山


naoです

山の日(8月11日 新設)に、三上山を登ってきました。
地元では、近江富士として親しまれています。
一度は登りたいと思っていたのですが、いつでも登れると思うと行動に移せませんでした。

この山は、BKCからは見えないのですが、南草津駅から少し東へ進むと、しっかりと富士と言われる優雅さを見ることが出来ます。
なんといっても新幹線から見える山として有名です。
また三上神社の御神体となっている神聖な山です。
神社の本殿は、国宝です。

富士と名のつく山は多く、滋賀県内でも甲西富士(湖南市 甲西)、杉野富士(木之本余呉)お含め3ヶあります。
京都では10ヶの富士があるそうです。
その一つに都富士(比叡山)があります。
今回紹介する近江富士は、小学生でも40分ぐらいで登れる山と言われていますが、楽なことなくて、険しい岩石道がかなり続きました。



登るためには、表登山道と裏登山道の2コ-スがあります。
私は、表登山道から登り、裏登山道で下山するコ-スを選びました。
登りの途中で、幼児を連れたご家族が「表登山道では子どもは無理で、裏登山道に変更します」と降りてこられました。



檜、杉、樫、楠、松(松茸が出そうな箇所がいくつもありました)といった木々の山道を登って行くと、シダ植物で覆われた箇所があり、表現できない緑色と檜の赤色(檜皮・ひわだを外した箇所)が重なって癒されました。
夏の強い直射日光が全く地面に入らないぐらい木々が茂っており、暑さを感じませんでした。



ある場所では、大きな岩石を鎖を持って登るところもあり、足を滑らさないように注意をしました。
この岩石の中に「割れ岩」がありましたが、カブトムシ体型の私は挟まったら出れなくなるため迂回しました。
大学生にとっては、楽しいかもしれません。





山頂には、奥宮が鎮座し、奥宮前にある磐座付近で休憩をさせて頂きました。
BKCが見えなかったのが残念ですが、山頂からゆっくりとお茶を頂きほっこりした気持ちになりました。
下山は楽かなと思いましたが、光が届いていなく、地面の湿気によって足を滑らせる方々がおられました。
実は、私はランニングウエア-を着てランニングシュ-ズを履いていましたでので、膝や下腿部分に多少の切り傷がありました。
初心者の山でしたが、ハイキング感覚ではケガをするなと反省しております。

登山を終えて、「いつかは登るだろう」、「いつかは訪れるだろう」という発想は止めて、時間があればゼミの仲間たちと滋賀や京都の名所を訪れたいと強く感じました。

2016.08.18

EMBC’16

大学は夏期一斉休暇中ですが,私は現在,The 38th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC’16)という国際学会学会に参加するため,アメリカのフロリダ州オーランドに来ています.EMBCというのは,毎年開催される生体医工学系の大きな学会です.オーランドのディズニーワールドのホテルが会場になっています.日本より湿度が高いのか,外はかなり蒸し暑いです.一転,会場など建物に入ると,エアコンが20度ぐらいに設定されていて,寒いぐらいです.ブログを書いている学会1日目には以下のように半袖のシャツだったのですが,寒さ対策で明日からはスーツで行こうと思います.



1日目には,私の研究室と近畿大学理工学部の岡田研究室のメンバーで一緒に昼食をとりました.近大グループも2件の発表を控えているとのことで発表が楽しみです.



会場から少し離れた私が滞在しているホテルでは野生動物がたくさんいるようで,昼間にはリスをみました.



かわいい動物ばかりではないようで,夜に散歩していると私の部屋の前には,こんな看板が,,,出会うことはなかったのですが,野生のワニもいるようです.



学会に話を戻すと,スポーツ健康科学部からは私の研究室が参加しており,今年は,研究員の坂上君と院生の鶴見君が発表します.このブログを書いている時点では2人ともまだ発表前ですので,発表の様子は,また来週にでも紹介しようと思います.


2016.08.17

残暑お見舞い

8月も半ばにさしかかりました。
部活組は、合宿がひと息ついて、中休み(?)のところもあるようです。

これまで3期生までが卒業したところですが、お盆の休暇がとれてひょっこり顔を出してくれたり、集まったりしています。
ゼミが、こういうときに集まるひとつの単位になってくれているのは、この学部の良さかもしれません。

先日は、2期生の【7gumo】くんが戻ってきてくれました。
彼は、実業団で頑張っている長距離ランナーです。彼と話をしていると、実に見事なくらいコツコツと練習を重ねているようです。卒業生を見習わねば…と思いました。
卒後の彼の調子が気になっていたのですが、予想以上に元気。実業団の練習は量も質も、想像がつかないほどでしたが、その中でも「自分なりに練習ができるようになってきた!と感じている」とのこと。メンタル面も整ってきているようです。
これから花開いて、ハレ舞台(ニューイヤー駅伝で!)で駆け抜けるのを心待ちにしているところです。


【nao】先生の朝顔(表紙の写真)のように花開きますように・・・!

3期生の【kagi6ra】くんは、東京から実家に戻る途中で立ち寄ってくれました。
飲料メーカー(東京)で働く彼は、嵐のような勢いで社会人生活を語って、去っていきましたが、周囲の人たちにしっかり鍛えて頂いているようでした。卒業論文では、新規事業の実現・遂行に必要な条件は何か?に関する内容でまとめたのですが、彼のこれからの仕事もそれが参考になりそうでワクワクしている、と。彼の目の付けどころ、センスが光ります。



3期生関西組が集まったりして、お互いの仕事やその中で感じたこと、プライベートなこと等々、息をつく間もないほどに喋り捲ったという具合でした。満席だったお店も、気づけばこの集団だけ…という状態。



次の会は、1期生たちの集まりです。お盆とお正月、卒業後欠かさずに集まっています。皆、いっそう忙しくなっているところですが…。ここの集まりは、どんな勢いになりますやら。

卒業生が戻ってきてくれることは、とてもありがたいことです。何よりも、卒業生がどんどん輝いて、しっかりと成長している様子を眺められることは一番心和むものなのですね。感謝です。

ippo

2016.08.16

盆踊りの身体の動き

オリンピック大会が全日程の半分を過ぎて、日本選手の活躍に大変大きな感動をもらっています。
また、オリンピック競技のスポーツ中継では、これまであまり詳しくなかった競技の様子をみることができるのも、また楽しみであります。

先般までのお盆休みで、郷里の四国徳島に里帰りしていました。
徳島のお盆といえば、「阿波踊り」が有名です。一度はご覧になった方も多いかと思います。
私は子供のころより、お盆になると家族や友人といっしょに演舞場や街中で繰り広げられる
阿波踊りをみてきました。ついつい踊りたくなりますが、私は主に「みる阿呆」で、独特のリズムと全身の激しい動きに魅了されてきました。今年もそのリズム(ぞめきといいます)に身に浸しながら、「阿波踊りという動き」について考えてみました。
この阿波踊りは、日本三大盆踊りに数えられる盆踊りです。しかし、我が国の他の地域の盆踊りと比べて、その動きが非常に特徴的であります。まず「手」ですが、リズムに合わせて上下左右に動かします。なかには提灯やうちわなどを持ってこれを激しく動かす場合もあります。この手の動きについては、他の盆踊りに共通するものであるといえます。しかし、その一方で「足」の動きは、手と同じく、リズムに応じて激しいステップ動作がなされます。通常の盆踊りだと、足の動きは強調されることなく、静かに歩をすすめる場合が多いのに比較して特徴的な動きであるといえます。

例えば、国外のフォークダンスなどに目を向けてみると、手の動きはあまり複雑ではなく、むしろターンやスキップ、ホップなどの足のステップ動作が複雑なものが多いようです。こうしたことは、農耕を生活の基盤とし「手」で作物を育ててきた文化と、狩猟を生活の基盤とし「足」で獲物を獲得してきた文化の差であるという主張もあります(大築, 1989)。こうした文化的差異を考えると、阿波踊りは、手の文化とともに、足の文化も併せもつハイブリッドな運動文化であると考えることができます。

しなやかさ、キレなどの微細な動きで創造と情動を示す「手」と、跳ね上げる激しい動きで生命力を示す「足」が合一していることが、阿波踊りを一度見た人を虜にする秘密なのかもしれません。
まだ一度もご覧になっていない方は、ぜひ一度阿波踊りを体験してみてください。




【ken】



2016.08.15

ASB 40th

8月の1週目に、アメリカ・ノースカロライナ州のローリーで開催された、アメリカバイオメカニクス学会(America Society of Biomechanics; ASB)の40周年記念大会に参加してきました。

この学会は、昨年も参加しましたが、面白いことにプログラムのフォーマットが基本的に毎年同じです。初日に、チュートリアルがあり、2日目、3日目、4日目にプレナリ−のキーノート、アウォードレクチャー、ポスタープレゼンテーションがあり、その時間割配置も同じです。さらに、学会の日程もほぼ、8月の1週目となっており、参加者にとってみれば、いつも同じ時期に同じフォーマットで学会が催されるので、予定も立てやすく、運営する側にとってもメリットがありそうです。学会は、日程を決めるのが一苦労なので、日本でもこのような形式を採用するのも一考の価値ありです。


今回、本学部・研究科から、教員の【aknr】先生、【F本】先生、院生は【aknr】先生のところの【若Mさん】、【spring井君】、【red熊君】のポスター発表がありました。ポスター発表は、2日目、3日目の午後にそれぞれ、1時間プレゼンテーションタイムがあります。ポスターは大会期間中に掲示されているので参加者はいつでも見られ、ディスカッションも非常に活発に行われています。院生諸君も必死になってディスカッションしていました。


学会では、私がアメリカのジョージア工科大学で在外研究をしていたときのDr.Gregor先生にも会えました。ASB40周年の中でも重鎮的な役割を果たされておりますが、まだまだ元気です。会うたびに、元気をもらっています。Dr.Gregor先生とのつきあいも、早いものでかれこれ21年経ちました。アメリカとのネットワークを考えると、若い折に出会えて、非常に大きな礎となったといえます。若い院生、研究者のみなさんも是非、若いときに多くのネットワークを気づいて欲しいと考えています。


上の写真は、学会会場の入り口です。禁煙については分かりますが、その下の、禁止マーク(おそらく、銃の持ち込み禁止)は、初めて見ました。もちろん、持ち込んで欲しくないですね。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>


今週の火曜日、8月16日 午後9:00−9:45 に、BS11というBS放送の『報道ライブINsideOUT』という別所哲也さんがキャストをつとめる番組に、出演することになりました。初めての生放送出演です。お時間があればご覧下さい。COIで進めている研究内容を含め、10年後の暮らし、について語ることになります。生放送を見逃された方には、ネットで再放送もあるようです。詳しくはHPをご覧下さい。
http://www.bs11.jp/news/5840/
【忠】