2014.04.19

“社会人基礎力”って何?

「社会人基礎力」とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎力」のことを指し、経済産業省が提唱している概念です。

図に示すように、社会人基礎力は、大きく「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の3つに分けられ、さらにそれらは、12の能力に細分化されます。
大学教育は、この経済産業省が提唱する「社会人基礎力」に拘束されているわけではありませんが、学業だけでなく、部活動やアルバイトといった課外活動や日常生活全般においても、自分自身で考え、個性豊かな人々と交わり、そしてそのような人たちと一緒になって共通の目的を成し遂げるために主体的にアクションを起こすことは、我々が生きていくためにも重要なことです。


社会人基礎力は、生きていくために重要…
文部科学省が新しい学習指導要領で、「生きる力」を育むという理念のもとに、知識や技能の習得とともに、「思考力」「判断力」「表現力」の育成をより一層重視するようになりました。学校教育の現場で掲げられるこの理念は、ある意味、社会人基礎力と重なり合う部分もあると思います。

そのように考えれば、我々がかかわるスポーツでは、これら2つの「力」が自ずと養われるのかと…。もちろん、緊張と歓びといった感情をもたらすスポーツをするという行為そのものの「楽しさ」が一義的なものとして捉えられるべきだし、スポーツが手段化され過ぎる傾向には、警鐘を鳴らしたいのですが…

我々が考慮すべきことは、授業のような学習場面はもとより、スポーツ、恋愛、バイト…様々な日常生活において、社会で求められる、いや社会で生き抜く力は個々人に宿っていくということです。
それを踏まえ、学生が自らの行為で気づき、感じたことを様々な場面で般化し、発揮できるように、また自分自身のことを見つめる時間を持つように、我々は学生を導きたいと思います

Jin

2014.04.18

中国の教育制度(#1)

スポーツ教育学の授業が本格的に始まりました。
他分野からの大学院生も多く、まずは、
「教育って何?」
「スポーツって何?
」「スポーツ教育って何?」
「体育科教育って何?」
を受講生全員で考えながら検討することにしました。

その第一回目、まずは中国からの留学生、楊さんが中国の教育制度について講義してくれました。
今日は、教育年数と進学のあり方について。

【教育年数】
6-3-3 年生
6-3   は義務教育(日本の小学校、中学校)
3     は高等学校

【進学】
小学校から中学校にあがる時にも試験がある。
中学校から高等学校はもちろん。
中学校は、校区内でランク分けされており、小学生は一斉試験を受け、その点数により中学校が決められる。
自宅から一番近い中学校に行くわけではないんですね。
中学校のランクにより、次の高等学校も決まるため、重要な位置づけになるそうです。
中学校から高等学校へはもちろん試験があるそうですが、必ず運動の実技試験があるそうです。その得点が占める
割合は、30%。皆さんはこのウェイトをどう思いますか。

次回は、1日のスケジュールについてお話ししたいと思います。【A】

2014.04.17

大学院における授業

私は学部(スポーツ健康科学部)に加えて、大学院(スポーツ健康科学研究科)における授業も担当しています。皆さん、大学院生に対しては「実験室に籠もって日夜研究に没頭する」姿をイメージされる方も多いようですが、実際にはそれなりにリラックスした生活を送っています。また、大学院入学1年目は週に何日かは授業もあります。

大学院生では「スポーツトレーニング特論」という授業を担当していますが、今年度から授業の進め方を大きく変えています。昨年度までは他大学の異なる領域(学部)出身の大学院生が多かったこともあり、毎回の授業ではスポーツトレーニング論やトレーニング科学に関わる基礎的な内容の説明を重視してきました。その点では、200名近くが受講する学部における専門授業と、授業の進め方に大きな違いはありませんでした。

ただし、今年度は状況が一変しています。なぜなら、先月、スポ健を卒業した学部1期生が大学院に進学してきているからです。多くの学部生は、私が担当する「トレーニング科学」「スポーツトレーニング論」「エクササイズプログラミング論」という3つの講義を学部4年間で受講しており、これらの授業の中で、昨年まで私が大学院生に話をしてきた内容の大部分を紹介しています。したがって、今年度はスポ健から大学院に内部進学をした学生を念頭に、授業内容に変更を加えています。

毎回の授業では、その日の内容に関連した基礎的な事項を冒頭で簡潔に紹介しますが、講義の多くの時間では関連する英語論文を読み、その内容や私が提示するポイントに関してディスカッションをしています。「少人数の授業」+「学部において基礎的な内容を学んでいる」ことが前提となった授業形式です。「理解する」方式の学部授業から「理解した上で自分の意見を発信する」方式の大学院授業、教えるトピックは同様でも授業の形は様々です。

2014.04.16

次の(小さな)挑戦

おはようございます。Ma34です。

 

先日、保育園に通う子どもたちのお迎え時、園庭には大きな土の山がありました。子どもたちにとっては、身長よりも高い(下の子からしたら1.5倍はあるのでは。。。)山ですが、子どもというのは、「挑戦する心」、「好奇心」というものが強いのですね。目の前で、もくもくと登り始めたのです。そして、何度か滑り落ちそうになりながらも、なんとか頂上に到達。そこで見せる顔は、いわゆる「ドヤ顔」です。

そういう姿を見て、挑戦することにすこし怖気づく自分、自分にとって大きな山を避けていこうと考えてしまう自分に気がつきます。子どもの姿から学ぶ今日この頃です。

 

では、私がやりたいと考えながらも避けてしまっていることは・・・色々あるのですが、その中の一つに「平和についての授業づくり」があります。今回、この分野で新しいことにチャレンジしてみようと思います。

それは、「世界一大きな授業」の実施です。


世界100カ国で一斉の同時期に開催されるもので、同じ教材を用いて、小学校~大人対象に授業が作られています。(ですので、基本的にはその教材に従って実施するだけなのです)。今年は世界の識字教育の問題、教育予算の問題がテーマです。

昨年度は期間が終わってしまってから情報を得ましたので実施できなかったのですが、今年はまずは3回生、4回生の専門演習で実施してみたいと思います。その報告は次週行う予定です。

私自身、この分野・領域に興味関心はあれど、まだまだ勉強不足です。2月に教職研修の引率で沖縄の夜間中学を訪れた時、日本においてもさまざまな事情で識字教育を受けられなかった方が居られることを改めて考え、とても苦労されてきた様子を直接の交流を通して感じてきました。また、識字教育は自身のテーマともかかわる論点です。今回の授業のなかで、ゼミ生の意見からも多くを学びたいと思っています。

 

Ma34.

 

 

2014.04.15

院生歓迎会、実験クライマックスシリーズ

Hassyです。

先週末は博士課程前期・後期課程の大学院1回生の新歓パーティーが、HassyラボのM2のHaya10君幹事のもと、開催されました。

Haya10君は年度末の修了・卒業パーティーの幹事も勤め、そちらの業績の方がかなりupしてきていますね。
現在2本関連論文を投稿中ですので、そちらの業績(本業ですが・・・)も続いていって欲しいと思います。
頑張っているのでその努力はいつかは実るはず!!

さて、今年度からスポ健学部1期生が修士課程に進学して入学しております。
皆さんの学部での学びをさらに発展させて、素晴らしい研究を発信させていってください。



また、外部から入学された新たな院生の皆さんも、お互い強力に刺激しあって、研究力を高めていって欲しいと思います。
期待しております。

さて、新入生はこれから新たな実験計画のもと、研究を進めていくわけですが、各研究室では、これまでの一連の研究がongoingなわけです。
Hassy研でも、今週は、昨年度から続いているヒト実験のクライマックスです。
本日からの測定データを解析し、これまでの仮説を検証していくわけです。
どのような結果が出るか・・・
楽しみにしております。




2014.04.14

いよいよ本格的スタート

先週から授業が始まりした。1週目はある意味、お試し期間で、学生たちはシラバス、1回目の講義を受けて受講するかどうかを決めます。そして履修登録締切日までに、インターネットなどで受講登録をすませます。登録漏れがあると受講していても単位認定はされません。新入生たちは上手く登録できたか、と気になるところです。いずれにしても、大学では提出物の締め切りが厳格に決められていますので、締め切りには余裕をもって対応するようにしておくと良いですね。

 先週は、2回生の「基礎機能解剖論」、3回生の「スポーツバイオメカニクス論」、3,4回生の専門演習(ゼミ)があり、久しぶりに会う学生たちとの再会を楽しみながら、講義、演習をさせてもらいました。野球の開幕戦と同じで開幕戦である初回の講義は、「1回の講義されど他の1回とは違う重みがある」と感じています。例年よりはうまくスタートを切れたのではと自己評価していますが、最後の定期試験の結果で審判を受けることになります。いずれにしても、2回目以降の講義から本格的に科目内容を講義、演習することになります。どのような展開で進むのか、私自身も楽しみにしています。


 また、課外スポーツの方も、春シーズンが本格的にスタートしました。写真は、陸上競技の京都インカレです。まさに開幕試合で、これから関西、西日本、全日本と続いていきます。3回生ゼミ生のImai君(写真の黒のロングソックス)は、100mで自己新記録樹立、優勝、というさい先良いスタートを切りました。自らのパフォーマンス向上に、ゼミでの研究を連動させてくれるでしょう。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

サービスマネジメントインス(経済・経営学部にまたがった教学プログラムで、スポーツ健康科学部も礎となったもので、学部開設とともに発展解消)の卒業生が訪ねてきてくれました。30歳になるようで、この間、フィットネスで運動指導に携わっており、疾病を抱えたクライアントの指導では、「ここから先は医師と相談ください」とアドバイスして医療機関にいってもらうと、「無理しないで運動するように」といわれたと戻ってこられるのを体験し、医師とトレーナーをつなぐために、運動指導のできるスポーツ医師を志し、『今度、医学部へ学士編入するので推薦書を書いて欲しい』とのこと。こちらも、「喜んで!」と答えました。教え子のチャレンジに胸が熱くなりました。いつでも卒業生がも安心して相談に受け止められるように、教員も常に・研究の活動性を高めておく必要があると再認識いたしました。

【忠】

 



 

2014.04.13

GAT ガイダンスが開催されました

温かくなったり、寒くなったり
天気が落ち着きませんが、皆様いかがお過ごしですか。

今週は、GAT プログラム のガイダンスが開催され
多くのスポ健生が参加しました。



GAT プログラムとは、Global Athletic Trainer プログラムの事で、
立命館大学と アメリカの East Stroudsburg University of Pennsylvania
両方の学位取得を目指すプログラムです。

このプログラムを修了した際には、
ATC (Certified Athletic Trainer:米国公認アスレティックトレーナー)
の受験資格が得られます。
通常、ATC の受験資格を得るためには、米国への留学が必要で、
そのためにはかなりの金銭的負担が必要となります。

日本で学びながら、ATC の受験資格が得られるのは
日本で唯一、立命館大学スポーツ健康科学部だけ!!です。

トレーナーとしてグローバルに活躍したいと考えている人は、
ぜひ GAT プログラムを目指して下さい!

それでは、また。失礼致します。
良い休日を。

2014.04.12

適用と応用


今年度から【忠】先生よりスポーツ健康科学セミナーⅡという授業を引き継ぎ、担当することになりました。
この授業は、キャリア形成科目です。えっ?2回生から?と思われるかも知れませんが、立命館大学は、「就職に強い大学」と社会から評価していただいているように、30万人を超える校友ネットワークを活かした就職サポートだけでなく、キャリアオフィスという専門部局のサポートを仰ぎながら、各学部、1回生の時から卒業時のキャリアを学生に意識させるような科目を配置しています。

スポーツ健康科学セミナーⅡは、3回生以降の専門教育、コースやゼミ選択のための接続科目でありながら、学部で培った力をどのように花開かせるか、つまり、学んだことをどのように自身のキャリア形成に繋げるかを意識させる科目です。先日、その第1回目の授業があり、「学部で培った力(専門性)の適用と応用」の話をしました。


スポーツ健康科学部の学生には、少なからず、「人間と社会のこころとからだの健康・幸福を見つめる眼差し」が養われ、それがある意味、学部生の「専門性」といっていいでしょう。細部はさておき…(笑)
ただ、その専門性を学部生がダイレクトに適用する職業、つまり、専門職といえるのは、保健体育教員とインストラクター・指導者だけといっても過言ではありません。スポーツ用品・健康器具メーカーの開発や営業職は、隣接・関連領域の職業と考えられます。
スポーツ健康科学部が育てる人材は、そんな幅が狭いのか?と疑問を持たれるかも知れませんが、学部で育て上げる「専門職」は、どの学部でもそれほど幅広いものではありません。
むしろ、「人間と社会のこころとからだの健康・幸福を見つめる眼差し」という専門性は、誰もが失いたくない健康や幸福に関連する力であり、逆に言えば、全ての人々、あらゆる集団や社会にとって不可欠なものであり、スポーツ健康科学部を卒業する学生は、汎用性の高い「力」を養ったと言っても言い過ぎではないでしょう。

ただ、保健体育教員とインストラクター・指導者の専門職に就く学生は、卒業生全体の1割程度で、それ以外の多くの学生は、民間企業の総合職、一般職として採用されていきます(専門性にさらに磨きをかけようとする大学院生もいます…)。
つまり、培った力(専門性)を組織・社会・環境…といったものに、いかに「応用」するかが多くの学生に問われます。繰り返しになりますが、スポーツ健康科学セミナーⅡでは、学部での学びを振り返り、それがどのように自分の力に繋がり、その力を活かして、自身のキャリアをどのように切り拓いていくかを考えさせる科目です。

現在、4回生は就職活動最前線…まさしくその真っ直中で、必死になりながら就職活動しています。
エントリーシートの作成や面接、4回生は学部での学びがどのようなものであったのか、企業からそれを問われているのでしょうが、企業が知りたいのは、知識・スキル、また積み重ねた経験の内容やエピソードそのものというよりも、それらの活動や経験から「何を学び、それがどのような力に繋がり、そしてそれを企業でどう活かしてくれるのか」ということです。

培った力(専門性)をどのように組織・社会・環境に応用させ、成果に結びつけることができるか…
4回生、がんばれ!
そして下回生は、このことをしっかりと見つめてほしいと思います。

Jin


2014.04.11

研究室からの風景

一雨ごとに暖かくなってきました。
かぜが穏やかな日は、にっくき花粉もちょっとましでしょうか。
研究室の窓からよく見る風景の中に少しずつ外のベンチでくつろぐ人の姿が増えています。

おしゃべりしているのかな・・・
ランチ食べているのかな・・・
履修について相談しているのかな・・・

明日も晴れるかな?何しようかな?

こんなことを考えながらボッ~と外を見ていると、「あっ!」という間に30分。

現実に戻り午後から2時間の授業も無事終了。
今日で授業も一回りし、ほっと一安心。
新しいメンバーでの授業はどこかうきうきします。
たくさんの疑問に対する答えをみんなで探します。




2014.04.10

嬉しい報告と学生のプレゼン力

新年度が始まり、早速嬉しい報告が届きました。

● Iくん優秀賞を受賞
3月末に本研究科修士課程(博士課程前期課程)を修了したIくんが、3月上旬に開催された日本体育測定評価学会での研究発表の内容が評価され、【優秀賞】を受賞したという報告がありました。既に、4月から新しい環境で社会人としてスタートを切っているIくんですが、新年度早々の嬉しい報告でした。彼の大学院での頑張りや研究成果は私を含む多くの教員の認めるところですが、大学院での2年間で特に【プレゼンテーションの技術】が格段に上達しました。昨年は国際学会での英語による口頭発表も経験し、本番直前までの約3週間にわたる連日の猛練習(本人によると100回以上練習をしたとのこと)の成果もあり、素晴らしい内容の発表となりました。

心に響く印象的なプレゼンテーションをする上で重要なポイントの一つに、「聞き手に語りかける」ということがあげられます。プレゼンは誰でも緊張するもの、初〜中級者はパソコンの画面だけを見て話をしてしまいますが、上級者は時折、聞き手に目を向けやわらかな表情でメッセージを伝えようとします。Iくんは大学院での2年間で、このスキルを自分のものにしてくれました。

【プレゼン力の高さ】これは大学院生に限らず、学部生(スポ健)にも共通した強みの一つであるかもしれません。個人差はありますが、スポ健の学部生(特に4回生)や大学院生は話が上手です。何しろ学部1回生の基礎演習や英語の授業、大学院生では日々の授業や合同ゼミなどにおいてこれでもかというぐらいの数のプレゼンを経験しますので、これらの積み重ねが【プレゼン力の高さ】を生み出しているのでしょう。そしてこの能力は、卒業(修了)後どのように道に進んだとしても必ず威力を発揮する【きわめて汎用性が高いスキル】と言えます。実際に、就職活動の面接でも役にたったという話も学生から聞いています。

スポ健での学びを通して、スポーツ健康科学に関する教養・知識を身につけることは当然として、プレゼン力のような社会で仕事をする上で基盤となる力をこの4年間(大学院生は2年間)で十分に高めてくれることを願っています。