授業が今週より始まりました。
初めて会う2回生、久しぶりに会う3回生、4回生のゼミ生。
どの顔も、「これから一年また頑張ろう」という顔をしていて、
こちらも身の引き締まる思いをしております。
研究に進んだ「きっかけ」
月曜日にさかのぼりますが、
2回生小集団科目の「研究入門」の第一回目はガイダンスの時間でした。
前半の全体の概要説明の後、
各コース(スポーツ科学、健康科学、スポーツ教育、マネジメント)の教員が一人ずつ代表となり、
長積先生の司会のもと、ラウンドテーブル形式での時間がありました。
このラウンドテーブル形式の時間では、
「研究のきっかけ」や「研究の面白さ」をそれぞれの先生方がお話します。
そのなかで、どの先生方も、研究の一番最初は、たとえば
「どうやったら自分のやっている競技の競技力を向上させられるのだろう?」という
「素朴なきっかけ」から研究の道に進まれたという点が興味深いことでした。
さらに、それは本当に素朴な疑問であるのだけれど、
一方で、「その人」にとっては大事な課題であることも多いのではないかと思って聞いていました。
その時の切実な課題であるかもしれないし(競技力向上など)、
自分が生きてきたなかで、いつの頃からか気になっていることであったり(小さなころの素朴な疑問)、
自分の生きてきた環境にかかわることであったり。。。(病気をしたことがある、親が教師であり教育に興味がある、など)
研究入門では、そうした「素朴な疑問なのだけれど自分にとっては価値のある疑問」を探して、
自然科学、社会科学の研究的手法を学びながら、解決する糸口を見つけてほしいと思います。
みなさんにとって「価値ある疑問」はどんなことでしょう?
そうした自分にとって価値ある疑問が、卒業論文のテーマに結実すると良いですね。
ちなみに私は、(1)父親が高校の英語の教師だったこと、
(2)にもかかわらず、英語のスペリングがローマ字と違って苦労したことが
今の研究テーマ(入門期の英語教育における教育方法)につながっています。
研究の面白さ
「研究」というと、難しく聞こえますが、ラウンドテーブルでのある先生の言葉にその「面白さ」があるのかなと思います。
「研究は自分の見つけた謎を自ら謎解きしていく仕事であるから、面白い。」
(一方で、「そこには社会に対する責務も負わなければならない」ことが苦しいことでもあるともおっしゃいました。)
そう考えると、楽しそうですよね。
わたしも教育の分野で担当します。皆さんが自分で謎を見つけていくことを一緒に楽しみたいと思います。
★月刊『たくさんのふしぎ』2014年5月号★
一つ、「研究のきっかけ」という話につながる冊子を紹介します。
「みんなそれぞれ心の時間」がテーマです。
新年度になり一週間が経っていますが、いつもの一週間よりも長く感じませんでしたか?
時間の感じ方は人によって違うそうです。
また、一人の人でも緊張したり、初めてのことが多いとゆっくりスローモーションで時間が進むそうです。
そうしたことを、面白い研究(実験)を紹介しながらまとめている特集です。
たとえば、「恐怖心が時間を間延びさせる」かどうかの実験で、
蜘蛛を怖がる人とそうでない人に蜘蛛を透明なガラスケースに入れたものが置かれた部屋で数分間過ごしてもらうと、
蜘蛛を怖いと感じる人ほど、時間を長く感じていたそうです。
自分の謎を解き明かすためには、どんな方法・実験をしてみたらよいのだろう?
こういう発想も大事であることを、この子どもむけの冊子から改めて学びました。
月刊誌『たくさんのふしぎ』は色々と面白いテーマで毎月出ていますので、ぜひ見てみてください★
ma34.