2018.08.04

スーパーラグビーサンウルブズ Super Rugby SUNWOLVES

7月14(金)、国際リーグのスーパーリーグ(SR)に参戦する
サンウルブズの3シーズン目が終了しました。
関西圏で試合がないため、
SRやサンウルブズを初めて聞くという方もいらっしゃるかもしれません。
私は、初年度とその翌年、観戦者調査をお任せいただいたこともあり、
大変思い入れの強いチームの一つです。


サンウルブズは、日本初のプロラグビーチームです。
日本ラグビーの競技力向上と、ラグビーの人気を底上げするという役割を担いながら、
2016年シーズンより、SANZAARが運営するSRに参戦しています。
サンウルブズを運営する一般社団法人ジャパンエスアール(JSR)は東京にありますが、
ホームスタジアムは東京秩父宮スタジアムとシンガポールナショナルスタジアムになります。

サンウルブズの成績は、
2016年シーズンが1勝13敗1引き分け
2017年シーズンが2勝13敗
2018年シーズンが3勝12敗

この数字をどのように見るでしょうか。
弱い?
毎年1勝ずつ増えている?
大健闘?

2018年シーズンのSRの参加クラブ(チーム)数は15クラブで、
南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、
アルゼンチンのクラブチームが名を連ねています。
2015年のラグビーワールドカップの準決勝は、
上記4か国の代表チームが残ったことからも、
如何にSRがハイレベルな試合を展開しているか
少しご理解いただけるかと思います。
SRの運営組織であるSANZZARは、South Africa、New Zealand、Austra、
そしてArgentinaの頭文字に由来するものです。
ですので、スポーツをマネジメントする視点からは、
「勝敗」よりも、これら4か国が所属する国際リーグに
ラグビー大国ではない日本が参戦していることがまず大変な快挙、として捉えています。

サンウルブズがSRに参戦した初年度、
2016年シーズンのスローガンは
「BREAK THE LINE(壁をぶち破れ)」 でした。
立命館大学の「Beyond Borders」と響きあうところもあり
とても身近に、そして日本のラグビー界にイノベーションをもたらそうとする強い信念を感じました。

我が国のトップスポーツの発展は企業によって支えられてきました。
企業スポーツと聞くと「選手」や「チーム」だけを思い浮かべるかもしれません。
しかしながら、大会のスポンサーはもとより、指導者、レフェリー、
テレビ解説者、関連競技団体の役員の所属先を考えると、
競技スポーツの発展において
国内最高峰レベルを支え続けてきた企業の貢献度がいかに大きく重要であることがわかります。
その一方で、学術的にも実践的にも
企業スポーツによるスポーツ振興の限界とプロ化の必要性がたびたび議論されてきたのも事実です。

サンウルブズのSRの参戦は、我が国におけるトップスポーツの在り方の概念を超え、
企業スポーツと共存しながら、世界レベルのチームを常設するという
国内のトップスポーツに新しい枠組みと価値の創造をするものです。

国内でのサンウルブズの公式戦は、秩父宮に限られていますが、
是非機会があれば、スタジアムで観戦してみてください。
これまでのラグビーの試合からは考えらないたくさんの演出がみられます。
また、2019RWCを契機として、日本における海外の有名選手の認知度や人気の上昇し、
それに伴い、サンウルブズやSRのメディア露出度が高まることにも期待しています。


2019年のその先に向けて、SRに参戦するサンウルブズの役割は大きく、
スポーツマネジメントに携わる私たちは、
競技力+α(アルファ)で「BREAK THE LINE」に挑み続けるJSRの挑戦から学ぶことも多いことでしょう。

すでに2月から始まる2019年シーズンのスケジュールも出ています。
SUNWOLVESについての詳細はこちらから https://sunwolves.or.jp/


撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#Hiromi Goもやってきた
#DJ Kooもやってきた
#グッズもとってもユニーク
#Beyond 2019
#BREAK my LINE, Beyond my Borders

2018.08.03

P の会議と言語学の話その三

どうも嶋村です。相変わらず暑い日が続きますが、みなさんどうお過ごしでしょうか。


今日は P を担当する先生が集まって会議がありました。前期に関するふりかえりなども含めて、おそらく学生の皆さんが気にしているだろう成績のことを中心に話し合いをしました。成績発表はまだですが楽しみ(?)に待っていてください。。。


さてさて、今回も言語学の話ということで、3回目の今日は、前回まで話していた「知っているけど知らない言語知識」ですが、なぜそのようなものを我々人間は持っているのかに関してちょっと深く考えていきたいと思います。前回も話したように人間は第1言語の文法知識をだいたい5歳くらいまでにある程度完成させることがわかっています。ところで「言語知識はどのように獲得するのか」という問いに対して大抵の人は「親や周りの大人から学ぶ」と答えるのではないでしょうか。


このような考え方は、哲学的に言えばいわゆる「経験主義(empricism)」に則しています。例えるなら、「オギャー」と赤ちゃんが生まれた時、その子の脳は新品のノートのように何も書かれていません(いわゆる「タブラ・ラーサ」)。しかし様々な経験を積むことで、そのノート(脳)にそれらの経験が記されていきます。ゆえに言語知識に関してこの考え方を採用すれば、例えばある子供が日本語を話す環境に生まれれば、その子の脳に日本語の経験が蓄積されていき、それがいつの日か日本語の文法として成立するという考え方です。


一方で人間の知識は生得的であるという考え方もあります。もちろん全てが生得的であるというわけではありませんが、我々知識の中核は生まれながらにして備わっているという考え方で、哲学的には「合理主義(rationalism)」と呼ばれます。


どちらが正しいのでしょうか。子供がどのように言語を獲得するか少し考えてみましょう。先ほども言いましたように子供の言語(文法)獲得は比較的早い段階で完了します。しかも実は親から教えてもらうわけではありません。「教わる」という行為は通常意識下で明示的に行われるものですが、これまで話してきたように我々の言語知識は暗黙的なものです。すなわち、「太郎は花子にケーキを食べさせた」は OK で「太郎は花子をケーキを食べさせた」はおかしいと判断できるけどなぜかはわからないというものです。中身がわからないもの(明示的でないもの)をどのように獲得できるのでしょうか。実際のところ、言語獲得において子供は親からの「~ではないから〜しなさい」という明示的な指示に従わないことがわかっています。つまりある所与の文構造の文法的間違いを自分で修正できるまで修正しないのです。


さらに問題なのは、我々の生み出す言葉(文)の数は無限であるということです。例えば、今僕が書いている文も、今僕が初めて生み出した文です。日本語の語彙の数は人によって差はあると思いますが、いずれにせよ有限です。その有限手段を使って生み出される文章はどれくらいあるのでしょうか。例えば、1日に 100 文作ったとしましょう。さて毎日 100 文作って、100 歳まで生きたとしましょう。ここでは 5 歳から毎日 100 文発話したとします。そうすると 100×365×96ですから3,405,000 文も作ることになります。これだけの数の文法的な文を生み出す装置が我々の脳にある言語知識(文法)なわけです。もちろんもっと数の多い場合も考えられるわけです。さらに我々は会話もしますから人が発話した文も解釈しないといけません。そうすると我々の脳が生み出したり解釈したりする文はすごく多いということになります。よって我々の文法知識はこのような膨大な量の文を処理できるものでなくてはなりませんが、そのような複雑な作業ができる装置を子供はなぜ親から教わることもなく、割と早い段階で獲得できるのかを考えないといけません。


さて、以上の議論に鑑みて、みなさんは「経験主義」的な立場を支持しますか、それとも「合理主義」的な立場を支持しますか。僕が専門としている「生成文法」は後者の立場をとっています。すなわち、言語知識の中核的な部分はすでに生まれた段階で持っているという見解です。もちろん僕が日本語を母語として話すのは日本に生まれたからであり、言語知識の全てが生得的というわけではありません。しかし、全ての言語に共通するような、いわば共通の言語の設計図のようなもの持って我々は生まれてくるのだという考え方を採用しています。次回はこの話をもう少し詳しくしていきたいと思います。っていつまで続くんだ~(笑)


では、良い週末を。ちなみに京都では「京の七夕」というイベントが開催されているので、よかったら週末は京都にお出かけしてみてはどうでしょうか。写真は二条城ですが(誰か知らない人が写ってしまっています。。。)、京都のあちこちでやっているそうです。

2018.08.02

8月ですね


こんにちはshinoです。

本日も暑いですね。
まだまだ暑い日が続きそうなので、体調に気を付けて下さい。

先週のブログでも報告しましたが、
今週も大学院生の研究成果発表会がスポ健では行われています。
本日は、大学院後期課程1, 2回生の発表会がありました。

先週は、大学院前期課程の学生たちがこれから頑張って研究するぞという、
意欲と決意に満ち溢れていることをお伝えしましたが、
大学院博士課程にもなると、
これまで積み重ねてきた研究のそれこそ成果の発表となり、
内容も深く、整っています。




その分、厳しい質問もありますが、みんな自信をもってしっかり答えていました。



皆さん、素晴らしい研究を行われています。
来年の学位取得に向けての計画もしっかり立てて、順調に進んでいるようでした。

本発表でも他分野の先生からいろいろな意見が出ていたので、
これらの意見を参考にしてもらうと、さらに研究はブラッシュアップされていくと思います。

是非とも頑張って、良い研究成果を出し、良い論文を仕上げて欲しいです。

皆さんの今後を期待しています。


2018.08.01

「大学生のスポーツビジネスアワード2017」─二本の大賞を受賞!!

こんにちは。


少し前のことになりますが、私たちの3回生のゼミ生たちが、読売新聞社主催の
「BASEBALL BUSINES AWARD 2017 ─大学生のベースボールビジネスアワード2017─」で
2本の優秀賞をいただきました。




今日は、その受賞メンバーの一人である佐藤祐輔君が、今まで彼の家に置いてあった
受賞盾を私の研究室に持て来てくれました。


佐藤君が、この秋から、カナダ、バンクーバーのUniversity of British Columbiaに
留学するので、「この盾を研究室に飾ってほしい。」との意向からです。


研究室には、3回生のゼミ長の春日結汰君も訪れ、「先輩たちの業績を引き継いで、
今年は大賞を」と決意を述べていました。


私の3回生ゼミでは、秋学期、このジャイアンツのスポーツビジネスアワードでの
受賞を目指して、ゼミ内に四つのチームを編成し取り組みます。


このアワードへの応募提案は、今、読売巨人軍の現状を踏まえ、直面している課題の
解決を目指す、実施可能性を展望した提案です。
この提案作成を通じて、ゼミ生たちはプロスポーツビジネスの特徴やその現状を
現実のものとして学ぶことができます。


ゼミ生たちは輝いています。


みなさんもぜひ、その輪の中に入りませんか。


今週末の8月4日、5日、立命館大学びわこ・くさつキャンパスでオープンキャンパスが
開催されます。
そして、4日の11時から、スポーツ健康科学部の企画の一つとして、私が模擬講義を
行います。
テーマは、「ビジネスとしてみるプロスポーツ」。
ビジネスとしてのプロスポーツの特徴をわかりやすくお話しします。


興味のあるみなさん、ぜひお越しください。



Apollo

2018.07.31

野菜の共生

「異常気象」「災害級の猛暑」
このことばを聞かない日はないくらい、暑い日が続いています。
人への影響は、連日の救急搬送の多さなどからもはっきりとしています。

5月にも書きましたが、早い時期での例年からの気候の変動(ずれ)は、
野菜の成長にも大きな影響を及ぼしました。

例年であれば、
オクラは、暑さのせいで上に上にと成長し、横芽を多く出さずすでに終了。
バジルは、巨大な葉となり、やや硬め。
豆類は、葉が焼けてしまい、実がならず。
ナスとしし唐は、背が伸びないまま、実の色も濃くならない。
とうもろこしは、背がぐんぐんと伸びますが、受粉と実の成長がちぐはぐ。

今年は、とにかく野菜へのダメージがひどく、例年通りの収穫は、きゅうり
とゴーヤくらいです。また、例年にはないよい出来は、トマトです。
収穫は減少ですが、家で消費するには十分すぎるくらいあるので、毎日毎日
近所のお家へ、せっせとおすそ分け歩きしています。

どの野菜も苦戦をしていますが、今年の新しい試みにより、ナスとトマトが
背丈は伸び悩んではいるものの、病気にかかっていません。それは…

種を蒔き、芽が苗へと成長し、ポットから地植えに定植するときの工夫です。
それぞれの苗の根と同じスペースにネギを一緒に植えました。
ネギを一緒に植えることで、ネギの根とそれぞれの根が地中で絡みあうことで、
ネギの殺菌作用がナスとトマトを病気から守ってくれるのです。

ネギは、ナスやトマトの根と絡み合うことで、より強くたつことができます。
また、ナスやトマトの枝や葉が、ガンガンの直射日光を遮り、柔らかいネギ
になります。お互いがお互いの強みを発揮し、お互いを守っているようです。
他にも、トマトとバジルも、互いを認め合い、ばっちり共生しています。

人間界ではなかなか実現しない「共生」ですが、野菜の世界ではいろいろな
形での共存、共生が成り立っています。自然界から学ぶことは多いですね。

2018.07.30

総長報告 相撲部 野崎さん

スポーツ健康科学部4回生 野崎さんが、
第6回全国学生女子相撲選手権大会(女子インカレ)にて
見事に、団体優勝、ならびに個人優勝しました。

      

常任理事会の冒頭に、総長報告という形で、祝辞を受けられました。
(またそのときの挨拶も見事でした)

         

本当におめでとうございます!

怪我との闘いもありながらも見事に乗り越えての優勝です。

次は、いよいよ全日本チャンピオンへの挑戦です。

大学生最後の年、是非、大きな目標をつかんで欲しいと願っています。
(そのときの総長報告も楽しみにしています)

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
1期生の卒業生、下崎くんが来てくれました。
        
本学部、初のATCです。現在もアメリカの大学でATCとして頑張っています。身体は学生のころより二回りは大きくなっています。ATCとしても同様に大きく成長することを期待しています。
【忠】

2018.07.29

卒業生からの嬉しいメッセージ

7月も終わりが近づいてきました。昨年度の学部や大学院の卒業・修了生も社会人となり3ヶ月以上が過ぎました。入社後は研修期間が続き、7月中旬頃から配属部署が決まるケースも多いようです。そのため、今月に入ってから卒業生数名から「配属先が決まりました!」という連絡を相次いでもらいました。メールの文章を読むと、「新たな環境で力強く前に進んでいる様子」「日々、悩みながらも目の前の仕事に頑張って取り組んでいる様子」などが目に浮かびます。

ある卒業生からもらったメールの中で「大学は自分の原点というか初心に帰れるような、大事な場所であるのでまた伺います。」という文章がありました。非常に嬉しいメッセージでした。2010年4月の学部設置から9年目に入っていますが、大学(インテグレーションコア)は多くの卒業生にとって「初心を思い出せる場所」「エネルギーをもらえる場所」なのかもしれません。卒業生が大学を訪れた際には、帰り際にはエネルギーを充填できるように笑顔で迎えたいと思います。逆に、卒業生・修了生には、社会人として感じたこと、経験したことを学部の後輩(現役のスポ健生)に伝えて欲しいと願っています。

前回のShino先生のブログで紹介があった通り、木曜日に大学院博士課程前期課程1回生を対象にした研究構想発表会が行われました。自分の研究を進める上で、専門性や分野の異なる教員・大学院生とディスカッションを行う機会は貴重です。当日は2つの会場にわかれてポスター発表を行ったのですが、至る所で良いディスカッションが行われており学会のような雰囲気でした。研究科に関わるメンバー全体が力を合わせて、それぞれの大学院生の研究力を高めていこうとする姿勢は、スポ健の伝統でもあり強みであると常々感じています。

ちなみに、7月末〜8月上旬にかけては「修士論文中間報告会(博士課程前期課程2回生対象)」「D1研究構想発表会(博士課程前期課程2回生対象)」「D2研究中間報告会(博士課程前期課程2回生対象)」「D3研究成果報告会(博士課程前期課程3回生以上対象)」と研究報告会のラッシュです(笑)。そしてはその後はオープンキャンパス、そして定期試験の採点(成績処理)とお盆前までは慌ただしい日々が続きそうです。



GOTO

2018.07.28

スポーツ指導者研修会

先日、公益財団法人日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格を更新するため
公益財団法人京都府体育協会主催の義務研修会に受講者として参加してきました。

日本スポーツ協会の指導者資格を保有者を対象にしていますので
参加者の大半は、日ごろから何らかの競技に携わる指導者になります。

私は「ジュニアスポーツ指導員」の資格保有者なのですが
これまで競技の指導経験は皆無で、
それどころか、そもそも身体能力には全く自信がありません。

では、なぜ資格を取ったのか。
それはある競技に起きた重傷事故に携わったことがきっかけです。
その事故は、スポーツに関わっている私に、
様々な問いかけをもたらしました。
無力だなとも思いました。
当時は大学院で学ぶことも全く発想になく、
スポーツ健康科学部のような学部も少なかったと思います。
しかしながら、スポーツに関わるものとして、
何か学ぶことを始めてみようと思い、行き着いたところが
ジュニアスポーツ指導員の資格でした。

ジュニアスポーツ指導員の資格取得は、
ハードルが高いものではありません。
しかしながら、それまでスポーツ科学の知識が皆無であった私にとって
大学院への進学後、資格取得で得た知識は、少なからず役に立ちました。
また、重傷事故に携わっていなかったなら、
文理融合への拘りもそれほど強くなかったかもしれません。

今では、ジュニアスポーツ指導員のテキストを参考に授業を構成したり、
マネジメントの視点から資格取得に必要な授業を担当する機会にも恵まれています。
そのような立場で参加する研修会はこれまでと違う気づきもありました。
今回京都で受講した研究会は、「アンガーマネジメント」と
「PEP TALK(本番前に使う激励のショートスピーチ)」をご専門にされた先生方の講義でした。
スポーツの指導者以外の立場でも大変役に立つ興味深いお話で、
各2時間の講義があっという間に過ぎました。

2007年に資格を取得してから、はや10年。
この間、スポーツに関わってきていましたが、
その関わり方は毎年毎年新しいことと変化の連続です。
資格の有効期限は今日の更新後、4年間で、次の資格更新のためには
資格有効期限の6か月前までに新たに研修を受ける必要があります。
今年入学した1回生は社会人になっています。
その頃、私はどのようにスポーツに関わっているのでしょうか。

日本スポーツ協会の指導者資格はジュニアスポーツ指導員のほか、
様々なカテゴリー、レベルがあります。
詳しくは日本スポーツ協会のホームページにてご確認ください。
http://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid202.html


撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。



#PEP Talkの好事例は立命館大学のパンサーズ
#特別協賛は大塚製薬株式会社
#冷えたポカリスエットをいただきました
#初めて京都で受講
#帰り道で迷子になり、京都タワーの写真を撮る

2018.07.27

テスト監督と言語学の話その二

皆さん、こんにちは。金曜の嶋村です。本当はもう少し早くブログを更新できたらいいのですが、ネタがないやら忙しいやらギリギリにならないとできないやらでいつも遅めの更新になってしまいます。。。


さて大学は今テスト期間ですが、僕も昨日と今日でテスト監督のお手伝いをしてきました。立命では教員がテスト監督を分担して担当することになっております。今日は3回生の人が多い授業のテストだったので去年 P の担当をしていた学生さんがたくさんいました。テスト前にもかかわらず監督の先生方や学生さんに写真撮影で協力してもらいました。ありがとうございます。なんだかテスト前とは思えないくらい和やかな雰囲気ですね。テスト、みんな通ることを祈っております。



さて前回に引き続き言語学ネタで今週も書きたいと思います。前回では我々が持っている言語知識は潜在的であるということを言いました。つまり明示的に現れることがないような知識であり、それを我々は知っているんだけれど、なぜそうなっているかは説明できないものです。今日はもう少しその話をします。先週は疑問文の文法性の話をしましたが、例えば他にも以下の使役構文の格助詞(に・を)に関して同じことが言えます。


(1) 太郎は花子に走らせた。

(2) 太郎は花子を走らせた。


(1) と (2) の文では「太郎」が「させる人」であり「花子」が「させられる人」です。前者を Causer と呼び、後者を Causee と呼ぶことにしますね。さてこれらの2文から分かるように Causee は直接目的語を表示する「を」または間接目的語を表示する「に」を伴って現れることができます。ところが、使役化される動詞が (1)/(2) のように自動詞(「走る」など)ならいいのですが、目的語をとる他動詞(「ケーキを食べる」など)にすると「に」しか使うことが出来なくなります。* は非文法的な文を表します。


(3) 太郎は花子にケーキを食べさせた。

(4) *太郎は花子をケーキを食べさせた。


なぜこのようなことが起こるのでしょう。ちなみにこれと似たような現象がフランス語にもあります。フランス語で「に」に相当するものには、前置詞 à を使います(代名詞でない場合)。そして、「を」に相当するものは、代名詞でない限り顕在的に現れません。なので英語と同じですね(「彼を」は him ですが、「ジョンを」は John です)。フランス語の使役構文は英語の make に相当する faire を使って作られます。faire + 自動詞 partir 「出発する、去る」は、Causee を直接目的語として表示し、Causee は間接目的語として現れません。これは少し日本語と違いますね。日本語はどちらでもいいので。。。


(5) J’ai fait partir Jean.(私は Jean を出発させた。)

(6) *J’ai fait partir à Jean.(私は Jean に出発させた。)


似ているのは他動詞の場合です。すなわち、Causee を直接目的語として表示できないのです。


(7) *J’ai fait manger le gâteau Jean.(*私は Jean をケーキを食べさせた。)

(8) J’ai fait manger le gâteau à Jean.(私は Jean にケーキを食べさせた。)


まあ他にも色々日本語とフランス語の使役構文の違いがあるのですが、ここから言えることはどうやら他動詞をベースに使役構文を作ると Causee を「に」で表示できないということのようです。このような決まりが我々の言語知識には働いていますが、問題はなぜか?ということなんです。もちろん単純に『一つの文の中で「を」を2つ(以上)使ったらダメなんだよ』と言っちゃえば済む話ですが、これは、


(9) 太郎があの車を持っている人を知っている。


みたいな文があるので、早速この説明はダメになります(「文」という語の定義も大事になってきます)。もちろんいろんな説明方法が考えられ、できれば日本語とフランス語の使役構文にも通用するような説明を考えたいと思うのが我々言語学者です。そして、その説明理論は何かしら検証可能な予測や帰結をもたらしてくれるようなものでなければいけません。さらにこのような知識は子供が習得可能であるものでなければいけません。みなさんはこれまでお母さんやお父さんに『使役構文は他動詞の場合、させられる人や物に「を」をつけてはいけないんだ~!』って教わりましたか?たぶんそんな人は日本中探してもいないんじゃないでしょうか?けれど初見でこれまで見てきたような文の文法性判断ができますよね?やはり不思議ですね。一体私たちの言語知識はどうなっているのでしょうか?


前回から2回に渡って話したことですが、私たちの言語知識は知っているけどどうなっているかは説明できない暗黙的な知識です。そして言語学の研究からわかっていることなんですが、子供はだいたい3歳から5歳までには第1言語の文法に関する知識をある程度完成させます。これってすごいことですよね。


今日はダラダラ書いてしまった感じがしますが、来週はもう少し話を抽象的にして、我々の言語知識がどのようなものであると考えられるかを僕の専門の立場からお話ししたいと思います。


って、決してネタがないから伸ばしているわけではありません(笑)


2018.07.26

研究構想発表会


こんにちはshinoです。

暑い日が続いています。
熱中症の話題が毎日のようにテレビやネットで流れています。
対策はちゃんとしていますか?

今、大学はテスト期間中です。
学生たちは、毎日行われるテストのために睡眠時間を削って勉強していると思います。
しっかり勉強するのは良いことなのですが、体調管理が一番大切です。
くれぐれも、まず、体調をしっかり整えてからテストに臨むようにして下さい。


スポ健では、大学院生も、半期ごとに研究成果を披露する機会があります。

本日、大学院前期課程1回生の研究構想発表会がありました。

事前に学生は、自身がこれから行う研究に関しての計画をポスターで発表してくれていますが、
本日は、その研究計画をプレゼンテーションしてくれました。




かなり興味深い内容の研究を考えていました。
非常に面白い発想だなと、感心させられてました。

それをどのようして実現するか、研究計画を主に話してくれましたが、下調べもしっかりしています。

研究というのは、なんといっても下調べが非常に大切です。

その下調べをしっかりしないと、
良い計画を立案することもできませんし、うまく遂行することも難しいです。

全員のプレゼンが終了した後は、個別にディスカッションをする時間がありました。




他分野の人からいろいろな意見を聞き、交換することで、研究計画はさらにブラッシュアップされ、
より良いものになっていきます。

なので、この研究構想発表会は、これから本格的に研究を始める院生にとっては、
非常に有意義な機会です。

これから研究をしっかり頑張って欲しいと思います。