[ 2010年06月 ] の記事一覧

2010.06.20

大学院の アカデミックプレゼンテーション

今日は、父の日ですね。
本格的な梅雨模様となってきましたが、
みなさん、いかがお過ごしですか?

先週の火曜日、私が担当している大学院講義
「アカデミックプレゼンテーション I 」の
大学院生が、ポスター発表に挑戦しました。

学会での研究発表は、口頭発表ポスター発表
二つの形式があるのですが、私の授業 では、
英語でポスター発表を出来る
ようになるというのが、目標です。

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今回は、先行研究をポスター発表にしたのですが、
受講生は、英語で、研究の内容を説明し、
隆文先生を始め、様々な先生からの質問に
何とか答えていたので、担当者として、
ホッとしました (^ ^)
(参加して下さった先生方、ありがとうございました!)

彼らが、近い将来、様々な学会で
活躍してくれることを、願っています。


それでは、また。失礼致します。
良い休日を。
             敦
 

2010.06.19

アイデンティティ(identity)とは何か?

W杯の観戦で、毎晩、寝不足の人も多いことでしょう。授業中の居眠りなど、学びに支障を来していませんか?(笑)

 

今日は、いよいよ我が日本代表チームが決勝トーナメントに進出できるかどうかを占う一大決戦、オランダとの戦いです。スポーツ健康科学部内でもこの試合に合わせて、学生の有志が企画・準備したパブリックビューイングが行われ、第1期生が団結し、日本代表チームに魂とエネルギーを送るイベントが開催されます。

 

フランスが2試合で1点も奪えず、イングランドがまだ1勝もできず、さらには無敵艦隊のスペインが敗れたり、まさかのドイツがクローゼの退場で伏兵セルビアに敗れたりするなど、波乱含みの今大会、世界ランキング4位のオランダと戦う我が日本代表チームにも明るい兆しが見えます。

 

 

WC1.JPG普段、サッカーにあまり関心のない人もこのときばかりは、代表チームの試合を観戦したくなることでしょう。居酒屋やスポーツバーなどでは見知らぬ人同士が肩を組んだり、みんなと一緒になって"ニッポン!ニッポン!"と叫んだり、一喜一憂しながら、我が日本代表チームを応援したくなります。

 

 

 

このような行為の源泉は何なのでしょうか?特に日本代表チームのことを"我が"と第一人称として呼びたくなるのはなぜでしょうか?

その鍵を握るキーワードの1つが、"アイデンティティ(identity)"です。

 




 

 

Rits.jpgアイデンティティとは、広義として、"同一性"や"個性"という意味で用いられ、時には、「国・民族・組織などのある特定集団への帰属意識」を意味するものとしても使われます。忠誠心を意味するロイヤルティ(loyalty)と混同されることがありますが、阪神タイガースのファンがチームのことを、"うちのチーム"と呼んだり、立命館大学のことを、学生を始め、教職員が"うちの大学"と呼んだりしていることを考えれば、何となくイメージしやすいことでしょう。

その他にも、ナショナル・アイデンティティやローカル・アイデンティティという言葉があるように、国や出身地、居住地域に対しても、自分との同一性や、帰属意識、愛着心のような気持ちを抱くことでしょう。

 

つまり、自分自身のことだけでなく、ある特定の対象物に対しても自分自身との結びつきや、「内側と外側」を区別する言葉として、現在、アイデンティティは日常的に用いられています。そのため、"我が日本代表チーム"という言葉を用いたり、"ニッポン!ニッポン!"と叫んでみたり、また普段、学校の式典では国歌を歌わない人が、みんなと一緒になって"君が代"を歌いたくなるのは、ワールドカップという舞台で、我々の心の中にある様々なアイデンティティをくすぐられているからに他なりません。

 

ただ、このアイデンティティという言葉は、そもそもエリクソンという人が「青年期の発達課題」という研究で、「自分は何者で、何をすべきかという個人の心の中に保持される概念」と位置づけ、自我同一性(自己同一性)と捉えた言葉です。

つまり、今の君たちのような学生諸君が、「自分とは、何か?」「どのような職業に就き、社会の中で自分らしく生きていくためには、どうしたらよいのか?」という問いかけをしながら、「自分らしさ」を築き上げることを意味します。先週のブログのトピックでもあった"キャリアデザイン"にも通じる点があります。

 

エリクソンは、このアイデンティティが正常に発達すれば、自ら獲得した能力を社会に還元したり、社会の中でそれを役立てようと、役割意識や責任感を持ったりするようになると述べています。この性質のことを、"忠誠性"と呼び、逆にアイデンティティがうまく形成されないと、役割拡散や排除性が強まるといわれています。

このアイデンティティの詳細な説明については、ippo先生に譲りますが(ippo先生、よろしく!)、今回、有志の学生たちが企画したパブリックビューイングは、単にW杯サッカーをみんなで観戦したいということだけでなく、スポーツ健康科学部の学生が一致団結したり、一体感を味わったりできるような機会を設け、学生間の結びつきや絆を醸成したいという気持ちの表れであり、またこれまで自分たちが経験し、築き上げてきた価値観を、何らかの形にして大学というある種の社会に対して働きかけたいという彼らのアイデンティティそのものを映し出したものといえるでしょう。

 

残念ながら、今日と明日、東京に出張のため、みんなと一体感を味わうことができないのですが、皆さんがエリクソンのいう発達課題を克服し、これまで培ってきた経験、知識、技術、価値観、さらには、ネットワークを立命館のために、また草津市や滋賀県のために、さらには日本や世界のために捧げるようになることを願ってやみません。

2010.06.18

ミトコンドリアのなぞ?

 今週火曜日、東京都健康長寿医療センター研究所の福 典之先生が立命館大学で、「運動能力と遺伝子」についてお話をして頂きました(写真)。

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 よく醤油顔・ソース顔など分けることができるように、日本人は南方アジア起源と北方アジア起源に大きく分けることができるそうです。起源が南か北かでその人の特徴が分かれます。その原因の1つがヒトの設計図といわれるDNAが関わっています。
 細胞の中には核の中に存在する設計図(DNA)だけでなく、ミトコンドリアDNAという設計図も存在しています。これらの設計図(DNA)によって自分のからだが作られています。核の中に存在する設計図(DNA)は、お父さん・お母さんから半分ずつ受け取っていることは以前のブログで書きましたが、ミトコンドリアDNAは、お母さんの設計図しか受け継ぐことができません。これって不思議ですよね!
 精子と卵子が受精した後、お父さんのミトコンドリアDNAの設計図は、細胞が成長していくときに壊されてしまうそうです。なぜ、お母さんのミトコンドリアDNAだけなのか?まだ不明だそうですよ!そのなぞを解いてくれるような学生の皆さんをお待ちしています!!

by Moto

 

 

2010.06.17

基礎演習も前期後半戦

学部第1期生の少人数クラスの1つ、「基礎演習」も前期10回目が終わりました。

どのクラスの学生からも「一番楽しみ!」「うちのクラス、いいよね」と話しているのを聞くことがあって、そのたびにとりあえずはホッとします。

 

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大学生活にも随分と慣れてきたらしく私語も多いこともあるのですが、今日はバッチリでした。「けじめがつけられると、やっぱり"かっこいい"」と褒めると、「これが、このクラスの本当の姿なんです」と言う学生もいて、みんなの笑いを誘ってくれていました。

本当の姿がいつも、どの授業でも続いてくれるといいなぁと、次回にも期待をしつつ願いつつ...です。

  

 

 

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さっそく出来上がったばかりのテキストも使いながら、来週はブ

 レーンストーミングを体験します。自分たちで決めたテーマで、どこまで盛り上がってくれるでしょうか??

こちらもひと工夫して、どんな突飛なアイデアを出してくるのか、いつもと違う役割行動がとれるかどうか、楽しみながら眺めてみようと思います。

 

 

 

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上:グループごとにプレゼンテーション中。リベンジの要望もちらほらと。

 

中:プレゼンテーションを見ている様子。笑いがとれる学生のセンスは本当にすごい!

 

下:クラス担当者よりもしっかりと、ときにバシッときびしく仕切ってくれているクラス委員長と、協力的なクラスのメンバーたち。

 

 

 

 

 

2010.06.16

大学院への進学

RIMG0112.JPG立命館大学には、「スポーツ健康科学研究科」という大学院がある。

 

なかなか、面白い。何が面白いかというと、教員メンバー。この研究科は、スポーツ健康マネジメント領域、応用スポーツ科学領域、健康運動科学領域の3つの領域に分かれている。 

 

 

 

 

 

 

RIMG0115.JPGスポーツ健康マネジメント領域には、異なる領域の教員がいる。スポーツに関する領域の教員ばかりでなく、経済学、経営学、心理学、教育学等、スポーツ以外の領域の教員がいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RIMG0118.JPGまた、大学院生も、なかなか、ユニーク。経済学部出身者等など、スポーツに直接関わる学部の出身者で占められていない。もちろん、スポーツに関する学部出身者もいるけれども。

教員、大学院生とも、様々な領域から集まってきている。多様性、というのは、このようなことをいうのかな、と思ってしまう。

 

 

 

卒業を来春に迎え、「さて、卒業後、何をしようか。」と考えている方、社会人となってはみたが、自分の人生を、もう一度見直したい方。

大学院への進学を一度検討してみては、と思います。

 

【 智 】写真いずれも 「スポーツ健康マネジメント領域 大学院生・教員 第1回 懇親会」(20100519)

 

 

2010.06.15

女子の元気力。

<RecO便り9> 
 今回の朝食はG【Hassy】先生クラス。朝の集合は他のクラスより早く、先生も早々ご登場。さあ準備、という時にある学生が一言。「女子は?」。
 
 そうなんです、早めに集合していたのは全て男子。女子は一人もいませんでした。その数分後「あ〜!なんで〜? 男子めっちゃ早いし!」と賑々しく女子登場。そのテンションの高さにしばし圧倒されました。
 
 Gクラス、数の上では男子が多いのですが、存在感では女子の勝ち? と一瞬思いましたが、しばらくその動きを見ると、あの喧噪(!)の中、黙々と仕事をこなしていく男子の姿を多々発見! ある種のたくましさを感じました。

 Gクラスも他のクラスに負けす食欲旺盛。欠席分のおかずもあっという間になくなっていました。不安定な季節になり、慣れない環境に体調を崩す学生がいないか心配しましたが、彼らの食欲を見て一安心。
 これから暑くなるけど、朝ごはんはしっかり食べようね。

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【Hassy】組の朝ご飯: ごはん、お麩とわかめと貝割れのみそ汁、鯖の味噌煮、ほうれん草のごま和え、枝豆入りひじき煮、いちごヨーグルト

 さて、6月26日(土)RecOのオープニングイベントが開催されます。詳しくはスポーツ健康科学部HP内
http://www.ritsumei.jp/event/detail_j/topics/5886/
をご参照ください。

この日はセミナーの他、地元食材を使ったジュニアアスリート向けのメニューの調理実習を希望者の方(先着30名)と行う予定です。是非ご参加ください!
お待ちしています【abc.】

 下の写真は院生のまかない飯「二種のパスタトマトソース和え」と「ダッチオーブンの温野菜」。ちゃんこ番も二巡目に入りました!

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2010.06.14

楽々36寅の会

先週の土曜日は,立命館大学スポーツ健康科学部・大学院スポーツ健康科学研究科の開設記念式典ならびに開設シンポジウムが行われました(詳しい内容は,土曜日の【仁】先生,日曜日の【敦】先生のブログをお読み下さい).

 

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土曜日の夜に,表題の会,「楽々36寅の会」を行いました.何の会,これ!?といわれそうですが,ある寅年生まれの先生の会です.「着実にかつ楽しく仕事を進め,周りを楽しくさる存在になろう!」という思いを込め,同級生4名が中心メンバーです.どの4名かは研究室のドアに注目してもらえると分かります.今回は,開設記念式典の2次会のように多くの先生方に集まってもらいました.それにしても,先生がたは,「良く食べ,良く飲み,良くしゃべり」ました.隣のテーブルに座る方には,「うるさいですので別の席がよろしいですよ」との気配りも忘れずに,エンジン全開の楽しい会でした.

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今回は,この会の【智】先生にお祝いをさせてもらいました.今年の3月に博士号をみごとに取得されました.教育学分野で博士号をまとめるのは非常に難しいと聞きます.前任校でお勤めしながら,日本体育大学大学院に通われ,まとめられました.本当におめでとうございました.

 

 

 

 

 

 

 

本物の 虎の方は,現在,レッドリストに載る絶滅危惧種となっているようですが,スポーツ健康科学部・同研究科の「寅の先生たち」は,エネルギッシュかつアクティビティ高く,虎のような強い存在感と学内・学外へ強いインパクトを与える先生ばかりです.

 

 

tora.JPG開設記念シンポジウム 「スポーツ健康科学の未来に期待するもの」でシンポジストの皆さんから送られた期待とメッセージを受けて,社会でリーダーシップを発揮でき,貢献できる人材育成には,この学部・研究科の全ての先生,職員の皆さんが一丸となって取り組まなければなりません.10年後,20年後に卒業生がまさに日本の星,世界の星になって輝けるように!

 

【忠】

 

 

2010.06.13

開設記念シンポジウムが開催されました

今日から、全国的に梅雨入りという感じですが、
みなさん、いかがお過ごしですか?

昨日、びわこ・くさつキャンパスでは、
快晴の中、 Jin 先生が書かれていたように
スポーツ健康科学部・研究科開設記念式典・シンポジウム
が開催されました。

私も、背が高いのを買われて (笑)
インテグレーションコア ツアーに
案内係として、参加しました。

その後、開設記念レセプション会場に移動し、
関係者の方々を交え、和やかな雰囲気の中、
お祝いすることが出来ました。
以下は、その際に撮影したものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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この記念式典・シンポジウムを基点として、
新学部・研究科の歴史を刻んで行きたいと考えています。

それでは、また。失礼致します。
良い休日を
             敦

 
 

2010.06.12

学部開設記念シンポジウム...キャリアデザインって何?

立命館大学にスポーツ健康科学部と大学院同研究科が開設されて、2ヶ月あまりが経ちました。

今日は、学部と研究科の開設を記念した式典及びシンポジウムがBKCのプリズムホールにて開催されました。産官学の様々な分野からお招きした来賓の方々だけでなく、第一期生となる学部生・大学院生など、約300名が出席し、会は盛大に執り行われました。 

 

 

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まず、記念式典においては、川口総長が新学部及び研究科の開設に当たって4つの願いと期待を述べられました。

それは、「スポーツ分野における最先端の研究と新しい時代に求められる人材の養成」「立命館がめざす新しい教育システムの機能化」「課外活動分野におけるチーム及びアスリートの飛躍的なパフォーマンスの発揮」「人々に感動を与える州スポーツの輪を地域社会に広げるというものでした。

 

 

 

 

symp2.JPG次に、スポーツ健康科学部長ならびに大学院同研究科長の田畑先生が挨拶され、最先端の設備とスタッフのもので、第一期生は、大いに学んでもらいたいという学生に対する期待が述べられました。

また学生のキャリア形成に力を注ぎ、保健体育教員の免許状、健康運動指導士の養成を始め、インターンシップや立命館大学が進めるサービスラーニングを通じて、社会に求められる人材を養成したいという決意が述べられました。

 

 

 

 

またこの記念式典には、米田滋賀県副知事、橋川草津市長が臨席され、祝辞が述べられました。米田副知事、橋川市長ともに、人々の健康を守り、人々に感動を与えるスポーツについて、産官学が連携しながら、新学部と研究科で素晴らしい人材を輩出してほしいという期待が述べられました。

 

また式典では、スポーツ健康科学部の第一期生を代表して、植村君がスポーツや健康づくりを科学的に捉えるための知識や技術を身につけるとともに、スポーツを通じて人々に感動が与えられるように、この学部でしっかりと学び、新しい伝統を築き上げたいという決意を述べました。

本当に立派な挨拶でした!

 

 

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式典の後、「スポーツ健康科学の未来に期待するもの」というテーマで、記念シンポジウムが行われました。田畑先生がコーディネーターを務めGE Health Care Japan株式会社取締役副社長の河上氏、公益法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団常務理事の岸川氏、滋賀大学教育学部特任准教授の江崎氏、そして株式会社ルネサンス取締役執行役員の高崎氏が登壇され、それぞれの分野からこの学部・研究科に対する想いが語られました。

中でも高崎氏が「孟子の言葉から来た"立命"という言葉をかみしめて、"未来を生み出す人になる"と唄う立命館大学の使命に基づき、しっかりと学び、社会で羽ばたいてほしいと述べられました。

 

皆さんは、この立命館大学で未来を生み出し、未来を創り出す人になるために、どのようなキャリアをデザインしようと考えているでしょうか?

 

 




そもそも"キャリア"とは、何のことを意味しているのでしょうか?

キャリアという言葉を聞いて、多くの人が思い浮かびそうな意味が「高い役職」や「優れた経歴」ということでしょう。国家公務員の高級官僚を"キャリア組"と呼んで、それ以外を"ノンキャリア組"と区別して用いることからも想像がつくでしょう。

 

キャリアの概念は、1950年代から1960年代にかけて、"ワークキャリア"、つまり、人生における仕事の部分として、職業生活を中心に捉えられてきました。その後、1970年代から80年代に単なる職業生活としてキャリアを捉えるのではなく、人々の生き方や生きざまを踏まえた"ライフキャリア"として捉えられるようになりました。それは、ライフコースや「人は生涯発達する」という生涯発達心理学の立場から人々のキャリアを人生の中で位置づける必要があると考えられるようになったからです。

 

したがって、"キャリア"とは、単なる職歴や経歴のことを意味するのではなく、仕事への憧れやこだわり、またその仕事を通じて実現できる生活水準などを含んだ、個人個人の生涯にわたるライフスタイルやライフコースを築くためのプロセスと考えた方がいいでしょう。

このように、キャリアが包括的な意味合いを持つことから、神戸大学の金井壽宏先生は、「働くためのキャリア・デザイン(PHP新書, 2002年)」という本の中で、"長い目で見た仕事生活のパターン"としてキャリアを定義づけています。

 

そのように考えれば、個人個人が他者や社会からの影響を受けながら、仕事と人生の両者の関係や、自己実現、目標設定など、自分自身が何をいつまでに、どの程度成し遂げようとしてるのかというプロセスについて考え、それを描くことを"キャリアデザイン"と考えればいいでしょう。

 

このキャリアデザインについては、2つの側面からアプローチが考えられます。1つは、皆さん自身の立場からキャリアについて考えることです。つまり、先に述べたような自分自身の人生や職業についての夢を描き、いまどのような能力を有してるのか、またどのような能力を身につけるべきなのか、日々の活動や仕事を通じて何がしたいのか、また何を成し遂げたいのか、さらには、自分がどのようなことをしてるときに価値を抱き、充実した毎日を過ごすことができるのか、といったことを個人個人が考えるという立場です。

 

またその一方で、組織の中で働く従業員を採用する企業、また社会に求められる人材を輩出すべき大学を始めとした教育機関の立場から捉える側面もあります。経営学には、ヒューマン・リソース・マネジメント(人的資源管理)という研究領域がありますが、組織は貴重な人的資源を活用し、組織の目的を達成するために、従業員個人のキャリアを設計し、運用する必要があります。企業が採用試験を行ったり、従業員として採用した後、研修などを通じて、知識やスキルアップに努めるのは、人の育成なくして、組織の発展は成し遂げられないからです。

 

そのように考えれば、今回のシンポジウムは、スポーツ健康科学部の教職員が、学部生や大学院生に対して、どのような人材となってほしいのか、またどのような能力を身につけてほしいのかというメッセージを送っているということに他なりません。

経営学者のゲラマンは、キャリアデザインのための重要なポイントとして、「明確なイメージを自らの中につくり、イメージを実現する方向に自らの行動を向け、周囲からの評価を参考にしながら、自らの手でその結果を検証・評価すること」と述べています。

参加した学生の皆さんは、君たち自身の幸せな人生を築くために、あなたと大学、あなたと企業、あなたと社会との関係をいかに捉え、いかに構築するかということを考えてほしいと思います。

 

2010.06.11

アメリカスポーツ医学会-Part2-

 先週、アメリカスポーツ医学会に参加してきましたが、この学会は、スポーツの学会だけあって、朝630分から5km楽しく走りましょう!という企画があります。我々、チーム立命も教員3名大学院生2名が出場してきました!写真は右から【真】先生、【Moto】と千葉工業大の【引原】先生です。

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スタート直後は、意気揚々と走り出しましたが(左下写真:【真】先生余裕の走り)、5kmは意外に遠い・・・。大学院生の2人は颯爽と走りぬいたようですが、アップダウンの激しいコースもあって2マイル過ぎたあたりからだんだんスピードが落ち、最後はバテバテでした。それでも【Moto】は教員中では1番最初にゴール!!。とはいえどんぐりの背比べ程度でした。右下の写真がゴール直後のチーム立命の写真です。笑顔が引きつっています。

 

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朝一番から走って、学会に参加して勉強したら、お腹はペコペコだぁ、と言いながら、ケーキを頼んだら、やっぱりメガケーキでした(写真)。

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by Moto