[ 2025年07月 ] の記事一覧

2014.11.14

医療費の不思議

頻繁にストレッチを心がけ、時々泳ぎもするのですが、肩こりと腰痛のひどい私にとって、どこに住んでも整骨院はなくてはならない場所です。昨年4月、滋賀県に引っ越しをしたのですが、整骨院あるいは鍼灸院の数の少なさに驚きました。以前住んでいた場所は、最寄りの駅を起点に徒歩圏内に15か所以上の整骨院あるいは鍼灸院がありました。もう10年以上もある治療院が半数以上ですが、どこも待っている人が多くいます。温熱電気治療→鍼→手技マッサージ→ローラーベッド。約1時間のこのプロセスで、なんと380円(3割負担)です。驚くような治療費だと思います。
この感覚が当たり前になっていたのですが、こちらに引越してみて整骨院や鍼灸院の少ないことに驚きました。少なさとともに鍼(欲を言えば電気鍼)をしてくれる治療院もあまりありません。やっと見つけたと思ったら、そのほとんどが結構お高い。一体、どういう仕組みになっているのでしょうか。治療院の方にも聞いてみたのですが、どうも仕組みが分かりません。保険が適用できるか否かが自治体により異なるということまでは理解できたのですが、それで保険制度が成り立つのかが整理できていません。

治療を受ける側にとっては、以前住んでいた場所の治療費がいいのですが、それで保険はパンクしないのか、自治体によってこんなに異なっていいものなのか、など疑問がたくさんあります。「○○県は、福祉や医療が整っている」という表現がよくされますが、福祉や医療に税金が投入されるという意味なのか、以前住んでいた場所のように保険治療がどんどん受けられる(財政の内実は分からない)ことを指すのか、どっちだろうという疑問もわいてきました。どういう仕組みなのか調べてみようと思います。

2014.11.13

学生アスリートにおける体調管理

風邪が流行っています。大学でも風邪のため講義を欠席する学生、マスクをして咳をしている学生を目にします。そもそも大学(学校)というところは風邪が流行りやすい場所です(各教室に数百人の学生が集まり、次の時限には別々の場所へと移動していきますので・・・)。私も年々風邪をひくことが増えていますので、毎日元気に仕事をする上でも風邪をひかないことは重要です。

先日印象的な出来事がありました。ある学生が卒業論文の相談のため私の研究室に来室したのですが、部屋に入るやいなや「先生、手洗いとうがいをしても良いですか?」と言いました。話を聞くと、風邪が流行っているので予防のためマスクもしているとのことでした。彼女は現役アスリートですので、体調を崩すと思うように練習をすることもできません。普段何気なく接している学生ですが、「自身の体調管理」に対する意識の高さを感じました。

スポーツ健康科学部には、現役のアスリートも数多くいます。私の主観ですが、本当にトップレベルの選手は
「体調管理」「トレーニング」「食事」「睡眠」にこだわりをもっているように思います。強くなるためにはこだわりが必要です。そして、スポーツ健康科学部における学びの中でには、「強くなるための情報」が数多く含まれています。「トレーニング科学」「スポーツトレーニング論」「エクササイズプログラミング論」などの講義の冒頭で話をすることも多いのですが、「90分間の講義が終わるのを待つ」のではなく、「自分にとって役にたつ情報を持ち帰ろう」といった意識をもつと、これまで以上に積極的な姿勢で講義に臨むことができそうです。


2014.11.12

学校現場における授業改革を肌で感じてきました

こんにちは。Ma34です。

 

11月は研究という領域でも学会シーズンの一つで、わたしも11月中に二つの学会発表を控えておりますが、学校現場でも研究発表会・協議会が目白押しです。先週の金曜日から、今週の月、火と、大学の授業が終わったらすぐに出張で、小学校外国語活動・中学校英語の小中連携(岐阜県)の研究発表会への参加、京都府の高等学校英語科の授業の指導助言へと行っておりました。

 

今回の参観のなかで、どの授業にも共通していたのが、ipadの活用と、プレゼンテーション。スポ健の1回生もPPTを活用した英語でのプレゼンテーションをしっかりと学びますが、小学6年生からすでに同じような活動が展開されていました。ペアとペアがそれぞれツーリストとツアーコンダクターになって、行きたい国をプレゼンするという課題では、クイズやジェスチャーを混ぜながら、お互いの理解を確認しながら進められていました。その堂々と英語を話す姿に驚きました。また、中学生になると、小学生のわかりやすい単語に言い換えたり、説明を変えたりと、臨機応変に英語を用いている姿も見られました。

 

高校の英語科もどんどんと先進的な取り組みが始められています。昨日見た授業では、教科書の内容理解に「先んじて」、内容の骨子にあたる「問い」を教員が提示し、ipadをグループで活用しながらresearchし、presentationにまとめています。すべてのグループが同じ問いを深めるのではなく、自分たちの知らない「問い」に答えるプレゼンを見ることも要求されます。その上で初めて、教科書本文を読んで詳細を理解するという授業でした。

 これまでのオーソドックスな授業を転換するような授業です。参観していたわたしもドキドキ・ワクワクの授業でした。また、「よいつまずき」を見せながらも高度なパフォーマンスを見せてくれた子どもの姿にゾクゾクしました。

 

Ipadの活用においても、授業の組み方についても、子どもたちの姿がいろいろと教えてくれます。Ipadの効果的な使い方も、子どもたちの方がいろいろと創造的に開発してくれるようです。道具を使いこなす力、そして学びを自分で広げる力、それを活性化させるための授業とは??…と色々な可能性を感じた一週間となりました。まだ咀嚼しきれていないほどです。

 

いつも教職や担当の授業で学生に伝えることですが、教職をめざす学生さんには、自分が受けてきた授業だけを軸とするのではなく、色々な面白い・工夫された授業を多く見る機会を持って欲しいと思います。どうしても、自分の受けてきた授業がスタンダードになりがちですが、それでは過去の授業方法の「再生産」にとどまってしまいます。

また、今、教育現場も目まぐるしく変わっていくなか、上記のように、スポ健での学びは先進的な学校現場の学びと軌を一にしています。つまり、社会に出て求められる力そのものにつながります。ぜひ、そんな視点で、十分に学び取ってほしいと思います。

 

Ma34.

 

 

2014.11.11

Obesity 2014 at Boston

Hassyです。

Obesityの学会(肥満学会)がボストンで開かれたので先週行って参りました。
私にとってボストンは初めてでしたが、着くなり雪が降ってきて、無茶苦茶寒かったです。
雨具として、Jo先生に頂いた、立命アメフト部のポンチョを携帯していったので活躍しました。

さて、Obesity学会は、外科的手術を中心としたクリニカルなものから、私たちのような生理・生化学的なアプローチ、社会科学的なものや摂食調整を中心とした神経科学的アプローチまで多様です。
実際のブースでも、脂肪除去の手術道具などがいっぱい展示されており、私も3D画面で、擬似体験させてもらいました。

同行した早稲田大学の東田先生は、遠隔手術操作が行えるda vinciシステムを体験していました。


相当にimpressiveだったようです。

2年前は、ここボストンのハーバードメディカル・スクールで、この分野をリードするSpiegleman研究室から、脂肪を貯めこむのが得意な白色脂肪(いわゆる私たちが言うところの脂肪)を、脂肪を活発に消費することができる褐色脂肪に変容させることができるホルモンが、運動によって骨格筋から分泌されることが発表され、それにまつわるベージュ脂肪(白色が褐色化してベージュになる)がトレンドでした。

今年は、引き続きベージュもありましたが、肥満と癌の関係や、内臓脂肪と皮下脂肪の特徴付け、妊娠時の運動と栄養が子供の肥満化に及ぼす影響などが印象的でした。

ポスター発表はランチタイムや夕方にあり、私の発表した夕方では、ワイングラスを片手にディスカッション、、、といった風景もありました。


今回、ウォーキング推奨のためでしょうか、コンペが3日間あり、万歩計をつけて1日にどれだけ歩いたかというものがWithings協賛でありました。

初日にレジストレーションしてから翌日の学会までしばらく時間がありましたので、近年発表された世界の大学ランク1,2位のハーバードとMITを見学してきました。
(この様子は次週にでも紹介したいと思います)
その甲斐あってか、3万歩以上歩いた私が何と初日のwinnerになるというおまけがつき、prizeとしてsmart body analyzerなるものをいただきました。
http://www.withings.com/us/smart-body-analyzer.html

学会出発前にあった健康診断で、昨年よりも2 kg 体重増、5 cm 腹囲増でショックを受けていましたので、これを励みに頑張りたいと思います。

2014.11.10

実験シミュレーション

一雨ごとに秋が深まっていきます。秋は実りをもたらせてくれます。学生、院生の成長も著しいものです。

 

昨日の日曜日に、実験室をのぞくと、ポスドクの【Sが】、【樋G】、院生【W智】、学部生【Mきき、D智、土K】君などが、本実験に向けての実験シミュレーションを行っていました。これは、本番と同様に被験者を用意して、通し実験を行います。プロジェクト研究などで、複数の研究テーマを同時並行して実験データを取得する場合は、複数の実験を組み合わせて行います。そのために、被験者への負荷を少なくして、できるだけ多くのデータをとるために、実験の順番、待ち時間などの工夫が必要になります。そこで、実験の順番、実験の進行を確認するために、本番と同様にシミュレーションを行う必要があります。良いデータを取るためには、このような準備が何より大事です。これを繰り返して、十分に練り上げた上で実験データが取得でき、さらに慎重に解析して、科学的な検証結果、そして論文にまとめて、世の中に「研究成果」として送り出されます。

 何事もそうですが、十分な準備が大事です。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

学部事務室の依頼で、久しぶりに新聞社の取材を受けました。ゼミ生にも協力してもらいました。本学部の特徴的な学びを紹介してもらえるようです。取材を受けて、改めて学部の人材づくりを再確認、リマインドされました。人に話をすることは、確認するための有効手段ですね。

【忠】

 



2014.11.09

アメリカ便り (5): Farmers Market

先週お伝えしたように、メリーランド州立大学でも、
急速に秋が深まってきました。
(写真は、大学本部の建物です。
緑の芝生と黄葉のコントラストが美しいです)



秋と言えば、「食欲の秋」ということで、
「食」に関する話題について書きたいと思います。

日本でも「地産地消」という言葉が聞かれるようになってきましたが、
アメリカでは、よく Farmers Market が各地で開催されています。
メリーランド州立大学構内でも、
毎週、水曜日の午後になると、近くの農家が
Farmer's Market を開いており、
野菜や果物、肉や乳製品を買うことが出来ます。
私も、Japanese pear を買いによく行っています。
(日本の梨ほどは甘みが無いのが残念ですが・・・)



スポーツ健康科学でも、「食」に関するシンポジウム
[第四回スポーツ健康科学セミナー: 成長期の体と頭を育てる食事]
11/16 に開催されますが、こういうFarmers Market が
立命館でも定期的に開かれると良いですね。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を。


<<街でよく見かける英語表現#5>>
有機野菜を英語で言うと、日本語でも使いますが、 "organic" と言います。
では、普通栽培の野菜はどう表現されるかというと、
"conventional" と言います。
スーパーや市場では、これらを見て、どちらを買うべきか悩むわけです。

2014.11.08

“支援”という行為…

介護支援、生活支援、学習支援、財政支援…我々の生活の中で、「支援(support)」という言葉は、あふれています。支援の類義語には、「援助(aid, help, assist etc.)」という言葉が存在しますが、これらの言葉から我々は、人間の行動のあらゆる側面にかかわる物質的・金銭的、知的・情報的、精神的、また社会的な支えや助けをイメージし、支援を求める人たちもそれを期待します。その一方で、支援や援助という言葉には、何となく、「与えられる」というような受け身的なイメージもつきまとうことも事実でしょう。

支援という行為は、支援を受ける「被支援者」に対して有効性を示すこともあれば、逆にそれが徒となることもあります。例えば、開発援助でソーシャル・キャピタル(信頼・規範・ネットワークが結びつき、機能する地域の底力のようなもの)を意図的に構築しようとしても、形成過程でその行為が滞った場合、当該地域に負の経験が蓄積されてしまうため、改めて開発を進めようとしても、地域住民に刻まれた過去の負の記憶が、活動に対する取り組みを躊躇させてしまうことがわかっています。

ある研究者は、「支援とは、他者の意図を持った行為に対する働きかけであり、その意図を理解しつつ行為のプロセスに介在して、その行為の質の改善、維持あるいは達成をめざす一連のアクションである」と定義しています。簡単にいえば、支援は、支援する側と支援される側の「相互行為」であり、特に支援される側の意図を理解し、支援される側の行為の質を向上させることが大切だと述べています。



ただ、我々の生活の中には、様々な支援活動が存在しますが、これまで支援については、誰を対象に、どのような内容を、どのような形態で、どれぐらいの期間で、どのような約束のもとで、といったような支援する側がいかに支援される人を管理するかという視点で語られることが多かったように思います。繰り返しになりますが、「支援」という行為は、与えるまたは与えられるという単一方向の行為ではなく、その行為にかかわる人たちの相互作用からもたらされる関係性の産物でなければなりません。

支援とは、何のためにあるのか…
学生のみなさんも、様々な支援を何らかの形で受けていることと思いますが、その支援から何が生み出されるべきなのか、支援が支援される人に何をもたらすのか、支援のありがたみをかみしめつつ、支援とは何かについて、一度、考えてもらいたいと思います。


Jin


2014.11.07

企画の難しさ

前に掲載したチャレンジスポーツデーにおいて私たちの研究室のプログラム企画を中止とさせていただきました。今回の企画を通じて企画の難しさと連携の大切さを改めて実感しました。

今年から担当させていただくことになった企画ですが、初の試みで障がいのある方と運動が苦手な子どもを対象に実施することにしました。これは、前担当者であった佐藤先生からの引き継ぎ時にお話しした内容からでした。佐藤先生が実施されていた時、障がいのある方が来られ「参加できないですね」と言われたそうです。障がいのある方やご高齢の方が参加できる内容を提供できなかったのが残念だったと言われたことがとても印象深く、今年度は私たちの研究室で障がいのある方を対象にやってみようということになりました。

ゼミの学生と相談しながら、①身体的な障がいのある子どもや大人②知的な障がいのある子どもや大人③運動の苦手な子どもの3部構成にしました。初めての試みでもあり、参加人数や障がいの程度が事前に把握できていないと難しいと判断し、人数を15人に制限し事前申し込みの形をとりました。当日初めてお会いする参加者の方、それぞれに適した運動を提供するには、サポート学生の人数も多く必要になります。また、個別な提供ではなく、私たちは90分の間に皆で1つのプログラムを創りたいと考え、このような形をとりました。

さて、今回中止となった一番の要因は、周知の難しさでした。広報のチラシには限られたスペースしかなく、上記の3プログラムの実施すること、人数制限があること、事前申込制であることなどが掲載できませんでした。そのため、ゼミ生が私たちの企画専用のサイトを作成してくれました。ただ、これだけインターネットが普及してきたとは言え全ての人がインターネットにアクセスできるわけではありません。これは十分に分かっていたことなのですが、他にいい方法が見つからず市の広報とインターネットでお知らせすることにしました。残念ながら、今回はお知らせに十分な時間がなかったこと、参加希望者が集まらなかったこと、参加者の特徴を知っておく必要があったこと、などから中止としました。

次年度は、広報の仕方に工夫をしながら企画したいと思います。

2014.11.06

論文の掲載と嬉しいおまけ

卒業論文の提出まで約1ヶ月となり、4回生はエンジン全開で頑張っています(頑張っているはずです)。卒論は学部4年間の学びの集大成、納得のできる、そして提出時に達成感を味わえる論文を書き上げてくれることを願っています。

スポーツ健康科学部では様々な研究が活発に行われており、研究成果に繋がっています。その一つとして、私の研究室で以前に実施をした研究結果をまとめた論文が、Medicine & Science in Sports & Exerciseという雑誌に来月掲載されます。この論文は、全身の筋群に対する筋力トレーニング終了後に着圧が施されたウェア(コンプレッションウェア)を約24時間着用することによって、上肢や下肢の筋群における筋力の回復が促進されたことを証明したものです。大学院生のM嶋くんと2人で苦労をして行った実験だっただけに、論文として掲載されることは嬉しい限りです。また、嬉しいおまけがあり、論文を出版するアメリカスポーツ医学会(ACSM)が会員や関係者に向け定期的に配信している電子情報誌内において、研究内容を写真入りで紹介して下さることになりました。会員など約5万人に配信されるとのこと、さすがアメリカ、規模が大きいです(笑)。

研究内容を構想し、実験計画を具体化し、実験・結果の解析、そして論文の形で公表するまでには多くの時間を要しますが、一つ一つの論文を見返すと実験を行った当時が鮮明に思い出されます。スポーツ健康科学部からは毎月のように優れた研究成果が出ています。論文の掲載情報や学会における受賞などの情報はホームページにも随時アップされていますので、ぜひご覧下さい!!

2014.11.05

1回生基礎演習の様子。

こんにちは。Ma34です。

 

今日は基礎演習の後、1回生はスポーツ大会をクインススタジアムで行っていました。

 

ゼミナール大会【12月中旬】と、それに先んじる論文提出【123日】が迫ってきて、見通しが立ってきたグループ、かなり進んだグループ、いよいよやらないといけないなとやっと気がついたグループ。。。とそれぞれのペースがありますが、全体として今日の授業は、いよいよ大変なシーズンがやってきたなという雰囲気の基礎演習となりました。

 

そのような中、サブゼミの時間を利用してスポーツ大会。とてもよいと思います。

運動してリフレッシュすること、そしてクラスや友人関係の団結を強められるとよいですね。

活力を得て、学びあう関係性も強めて、いざゼミナール大会に!と勢いをつけてほしいと思います。

 

そして、毎度のことながら、AAさん(2回生)の頑張りに関心しています。前期のオリターさんの頑張りも目を見張るものでしたが、スポ健のこうした【文化】を1回生も肌で感じてくれていることでしょう。

 

これからの時期のみなさんの頑張りと成長に期待をしています。教員としてこの時期の学生の成長を見ることがとても楽しいなあと思います。(毎年、論文検討は大変なのですが・・・) さあ。どんな論文が仕上がるのかな。。。

 

Ma34.