雨が少ない「梅雨」ではあったが、それでも前期後半の「基本運動(陸上競技)」は、2回雨のために教室での指導法の実習となった。
「ハードル走」「走り高跳び」「砲丸投げ」の3種目について、学生本人たちが作成した「指導案」に沿って、実習をしてもらっている。50分の指導時間の中で、どこまで学習者が満足出来るような指導が実施できるのか、に挑戦している。
「好きこそ物のじょうずなれ」とは上手く言ったもので、陸上競技が好きな学生が少ない中では、自らがモデルとなって「師範」しながらじょうずに指導することはなかなか難しい。本来は、改めて学生一人ひとりの「競技能力」の向上とそのプロセスの確認がなされるような時間と場の保証があればよいのだろうが、なかなかそうも行かない。その「不足分」は、提供する「陸上競技の技術的特質」「歴史的資料」「指導案モデル」などの活用を含めた「自学自習」に期待している。
「指導チーム」にあっては、各人が作成して来た「指導案」の突合せと指導の重点確認などの準備を経て、何とか実習を遣り繰りする。時には、50分の時間を持て余す場面にも出くわすが、概ね「指導法」としては成り立っている。
但し、「雨天授業」となると様相は一変する。教室の中での「実技」を伴わない「指導法」はかなりの難題だ。各人の「指導案」の大半を占めるのは「実技」だ。それを教室の中で「言葉」で「表現」し展開するのだから難しい。中には、黒板での「板書」や身振り手振りよろしく上手く指導しようとする学生もいるが、どうしても時間を持て余すことになる。
実は、こんな時こそ、「指導案」の真価が問われることになる。そして、学生自身が新しい「気付き」に至る。「雨天授業」の反省の中で学生自身が語った言葉がそれを裏付ける。 「指導案には、自分以外の人が指導に当たっても実施できるだけの詳細で客観的な中身が必要だ。」「雨天時でも対応出来るような副案も必要だ。」「実技の基礎をなす、各種目の基本的な技術やその特質の理解と把握が必要だ。」等々。
こうした教室での「苦労」がある一方、7月11日(木)は、厳しい暑さの中、「熱中症・厳重警報」下のクインス・スタジアムでの実習だった。大変厳しいものがあった。この場合は、兎に角「安全」に留意して、スポーツドリンクなど水分補給を促しながら、出来るだけ重点的に短時間での「指導法」に切り替えてもらった。これはこれで、学生にすれば、準備してきた「指導案」の変更を迫られる事態だ。
「せめて広いスタジアムの一隅に2-3本の木立があって日陰でもあれば、『指導法』も随分と違ったものになるのだろうが。」そんなことを思いながら、前期あと1回となった「基本運動」の授業が無事終了出来ることを願っている。 mm生