(The 13th European Congress of Psychology)に来ています。
こちらは、日本の蒸し暑さを忘れさせてくれるような爽やかさ(?寒さ...)です。
日本でユーロに換金してしまった以外は順調でしょうか・・・。
ノーベル賞受賞の地で、賢くなりそうな空気だけはたくさん吸ってこようと思います。
【ippo】
[ 2025年05月 ] の記事一覧
2013.07.09
2013.07.08
今回のキャリア形成の授業、スポーツ健康科学セミナーⅡは、1期生の4回生によるパネルディスカッションでした。冒頭15分間は、スポーツ健康科学部・大学院研究科の立ち上げから今年の6月まで活躍してくれた林君から学部創設の想いと育てるべき人材像を話してもらいました。林君が職員になった動機は、『やりたいことを見つけて行動できる人間を育成したい』。この実現のために、大学職員になったとのこと。のメッセージをもらいました。林君からの学生へ 「大学時代にすべきことは、『やりたいことを形にすること』、『経験を積むこと』、『目の前のことを一生懸命すること』である。」というメッセージをもらいました。
そのあと、4回生で内々定を受けている小倉さん(大学職員)、高市君(メディア関係)、高垣さん(キャリア支援の会社)、西澤君(食品会社)からの自己紹介を受けて、パネルディスカッションを行いました。
その中で、「スポ健の強みは?」について、次のような意見が出ました。先生との距離が近い、院生と同じ空間で勉強できる、仲がよく助け合える、学部を一緒につくっていける、「丁寧」、いろんな場・機会の提供がある、事務室、教員一の体感がある。
「自分が一番成長したところは?」については、「常に変わろう」、とするようになった。常
に勉強していたいと思うようになった。積極性。コミュニケーション能力。行動力。アグレッシブに何でも取り組めるようになった。物事をうまくまとめるための視野を広げられた。というように自らをたかめるために前向きに取り組める力を確実につけたことがわかります。学生が自らのキャリアを見据え、自己成長を感じられたパネルディスカッションでした。
もうひとつ学生の成長を感じたのはオリター団との昼食会でした。1回生の小集団クラス・基礎演習に入り、新入生が大学教育へスムーズに入り、「スポーツ健康科学」の基礎を演習しながら学びとることを、教員とチームを組みながらサポートします。3回生の幹部が2回生のオリターをまとめています。スポーツ健康科学部の学生文化を伝えるのもオリターです。この教学サポートも「スポ健の強み」です。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
ゲストスピーカーに、矢部京之助先生をお招きして特別セミナーを行いました。「筋の生理学的限界と心理的限界」を明らかにされた国際的にも高く評価された研究業績を上げられ、日本に「アダプテッド・スポーツ」を提唱された先生です。アダプテッド・スポーツは、障がい者や高齢者などの身体能力の低い人を対象としたスポーツ(主体的な身体活動)。その人にあったスポーツを意味します。詳しくは本学部の【明子】先生におたずねください。
【忠】
2013.07.07
先週と今週の水曜日、「スポーツ指導実習(水泳・水中運動)」のプール実習に立ち会った。普段は、体育館での「実習」と教室での「座学」を担当していて、学生のプールでの姿に接するのは初めてだった。
3班編成で、各班1コースを使っての「泳ぎ」は、授業最終盤とあって、どの学生も、「流石!!」と唸らせるものだった。体全体が良く水に乗っていて、気持ちが良い。コースロープを外した全体での「アクアビクス」も、レベルをかなり上げた内容だったようだが、軽快にこなしていた。
1つの班の水泳の最終種目に付き合った。「2人1体」でのクロール25m×2本だった。前の人はストロークだけ、後ろ人は前の人の足首を軽く掴んでキックだけ。2人の「連携」が物を言う。
偶に孫を連れてプールに行った時など、必ずと言って良いほど「実施」する得意種目だ。そんな積りで、最初は「後ろの人」となって、キックを続けていた。ところが、途中で前の学生が立ち上がってしまった。「どうしたことか?」。「先生、もっと強くキックしてください!!」。蹴りが弱く、「ブレーキ」にしかなっていなかったようだ。折り返しは、私が前。やはり途中で停止。「先生、ストロークしっかりお願いします!!」。
学生の力強いストロークやキックが基になった泳ぎと「枯れた泳ぎ」とでは、テンポもリズムも違い過ぎて、一緒の学生は随分苦しんだことだろう。
ところで、その前の種目は「立ち泳ぎ1分」だった。これも決して難しいものではない。しかし、比較的足の重い私にとっては、それ相応の「深さ」が必要だ。「巻き足」にしても「踏み足」にしても、上体を真っ直ぐに立ててやると、足が底についてしまった。「立ち泳ぎ」の未熟さを露呈する羽目になったが、「せめて、あと20cm水深があったら!」と思うことしきりだった。
さて、我が大学にも、漸く待望のプールが出来る見込みだ。かつて、水泳部の部長として、パラリンピックに出場した学生を伴って総長を表敬訪問し、銀メダル獲得の報告をした時のことが思いだされる。当時の総長曰く「プールが無くても頑張ればメダルも取れるんだ!」。身体に障害をもった学生への励ましと労いの言葉だったのだろう。しかし、その学生が、自分の体のコンディションづくりはもちろん、自分の通う大学にプールがない悪条件をどのようにして克服したのかを考えた時、「大学にプールがあったら、もっと良かったのかな!?」との思いを感じることは出来なかった。
そんな過去の思いなども蘇りながら、学生たちの泳ぎや様々な水中運動を見るにつけ、自由自在な実習が出来るプールであって欲しいと願う。何よりも、「今時のプール」だ。「スポーツのメッカ」を自認出来る程のプールであれば、公式の競泳競技会はもちろん、水球、シンクロ、そして飛び込みまでが出来るものをついつい望んでしまう。七夕の短冊にはそんなことを書き込んでみよう。 mm生
2013.07.06
2013.07.05
こんにちは。
雨は止みましたが湿気が高く蒸し暑いですね・・・
みなさん、体調にはご注意、身体をお気遣いください。
さて、スポーツ健康科学部では、外部から講師の先生をお招きして、さまざまな分野の研究のお話やトピックなどをフランクに学び合おうという目的で、「サロン・デ・アプレミディ」を開催しています。
昨日は、熊本大学の後藤貴浩先生にお越しいただき、「暮らしとスポーツのリアリティ─スポーツ・フィールドワークの魅力─」というテーマでお話しいただき、スポーツマネジメント領域を中心に学生、院生、教員が参加しました。
そこでは、サッカー日韓ワールドカップでカメルーンのキャンプ地になった中津江村で発足から10年間で活動を中止したサッカーチーム「レリオン中津江」の社会的意味、そして、熊本市の少年サッカークラブの指導者たちが決して良い労働環境にあるとは言えない状況下で、どのように暮らし、サッカー指導に勤しむのか、という二つの事例についてお話しいただきました。
そして、これら二つの事例を見る視点として、スポーツする主体を従来のスポーツ研究で一般的であった「運動者」「スポーツ選手」としてとらえるのではなく、「生活者」として捉える方法論としての「生活論的アプローチ」をご紹介いただきました。
スポーツビジネスを研究課題とするぼくにとって、スポーツはサービス商品であり、公共性が高く、人々を結びつけ、元気づけるもので、人々の生活を向上させていくものですが、昨日の事例は、スポーツが人々の生活の在り方を規定し、固定化させているようにも考えられ、ちょっとした衝撃を受けました。
自分の分野の枠を超えて、広い視野で学ぶことは大切ですね。
BULLCO
2013.07.04
栄養や運動指導者向けの本が7月25日に中央法規から出版されます。食事・運動指導のエビデンス50というタイトルで、鈴木志保子/宮地元彦による編著です。内容としては、食事・運動指導のエビデンス(研究成果)をベースに、Q&A方式で50のテーマに絞って解説されています。私は、運動指導の基礎と運動指導の実際の部分を担当しています。基本構成としては、「隠れ肥満への運動指導は?」、「運動してもやせない人は?」「朝と夜どちらの運動がいいの?」など、一般的な質問に対して研究論文を1本引用し、イラストや4コマ漫画を添えて、その答えを分かりやすく解説するというものです。特に4コマ漫画は一番こだわって作りましたので、是非見ていただきたいと思います(オチもあります)。運動指導の時に遭遇する様々な質問が網羅されていますので、指導者は必見の1冊です。スポ健3回生は8月から健康運動指導士実習が始まりますので、是非参考にしていただきたいと思います。共著ですが、今年にはいって3冊目となります。原稿作成が一度に集中して大変でしたが、完成された出版物を手にすると、とてもうれしい気持ちになります。1冊2,000円となります。書店やネットでどしどしお買い上げください。sana
2013.07.03
2013.07.02
2013.07.01
スポーツ健康科学セミナーⅡのゲスト講師は、毎日新聞社論説委員の落合さんで、「スポーツとともに」という演題にて、特別講義をしていただきました。以下、【仁】先生に講演録をまとめてもらいました。
落合氏は、大学卒業後、毎日新聞大阪本社に入社後、マラソンやトライアスロンに魅せられ、ランナーズ(現、株式会社アールビーズ)に勤務され、その後、毎日新聞社に転職されました。現在は、論説委員として、社説やコラム「発信箱」、またインタビュー企画として「スポーツを考える」という記事などを担当され、講演時には、それら落合氏が執筆した記事を学生に朗読させ、義務教育以来、朗読などから遠ざかっていたであろう学生は、新鮮な緊張感に包まれながら、授業がスタートしました。講演では、数多くの経験談に基づき、就職活動に役立つ文章作成のコツや面接での振る舞い、また最近のスポーツ界に対する憂いと期待などを紹介されました。どれも印象深いお話しでしたが、落合氏が中でも本学部の学生に伝えたかったこと、4つについて簡単に紹介します。
1つめは、「群れない」ということ。これは、何も協調性を持たないことや友達と仲良くするなという意味ではなく、「一人で考え、勝負する」ということを意味します。ディスカッションや対話はもちろん、有意義であるものの、着想やアイディアは、往々にして「孤独」から生まれることが多く、一人の時間を大切にしてほしいということでした。また「自分にしかできない」ということにこだわってほしいと学生にメッセージされていました。
2つめは、「する」「みる」だけでなく、「考える」ことを大切にしてほしいということ。例えば、「スポーツの発展とは何か?」という問いに対して、その答えは、競技力の向上や参加率のアップ、また「スポーツで飯が食える」といった職業形態の確立など、あらゆる角度から論じることができるため、我々が直面している様々な問題には、答えが1つではないことを知り、その「答えがないこと」を考えてほしいと主張されました。
3つめは、「めざせ!スポーツ市民("見られている存在"であるという認識を持つ...)」ということ。この「スポーツ市民」という表現は、大阪体育大学の中房先生が用いられている言葉のようで、「社会共通の関心事について、発言・行動する」ということを「スポーツ市民」と呼ぶようです。その言葉を代表するメッセージとして落合氏が紹介したのは、来年にサッカーワールドカップを控えるブラジルで巻き起こっている「反サッカーW杯」のデモの最中に、サッカーブラジル代表選手のネイマール選手が出したコメントでした。「ブラジルがもっと公正で、安全で、健康的で、正直になることを望んでいる...」、誰を批判することなく、誰を傷つけることなく、ブラジル国民が自国のことを考えるきっかけをつくったこのメッセージこそが、スポーツ市民を表現しているとおっしゃりました。
最後に、「フェアプレー(スポーツマンシップの伝道者たれ)」ということ。フェアプレートは何か、またスポーツマンシップとは何かということを、事例をあげながら解説され、よりよいゲームのために、よりよいスポーツのために、そしてよりよい社会のために、すべての人々に求められる規範、このスポーツマンシップこそを、スポーツ健康科学部の学生は、それを実行し、そして伝道者となり、社会に嘱望される人材になってほしいとメッセージされました。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
ヨーロッパスポーツ科学会議の「若手研究者賞」の最終ノミネート(ファイナリスト10名)に【moto】研究、M1のK野君が選ばれ、最終的に4位に選ばれました。見事です。今回の1位は大阪体育大学のK正さんでした。彼女の研究力ならびに日本の研究力が認められたと感じました。今回、スポーツ健康科学部から、学部生も含めて多くの発表があり、他大学の先生から「勢い」がありますね、とコメントをもらいました。教員の立場としては、さらに発展をさせる激励と受け止めております。(写真は、【敦】先生の発表、会場近くから見たサグラダファミリア)
【忠】
2013.06.30
6月9日(日)、双子の孫たち共々、沖縄復帰40年企画作品映画「ひまわり~沖縄は忘れないあの日の空を~」を観た。1959年6月30日、米軍のジェット戦闘機が墜落、炎上しながら宮森小学校へ激突し、学童11人、近隣住民6人の命が奪われ重軽傷者210人という大惨事になった。「石川・宮森ジェット機墜落事件」だ。さらに2004年8月13日、米軍大型輸送ヘリが沖縄国際大学に墜落、幸い民間人に負傷者は出なかったが、あわや大惨事となるところだった。「沖国大米軍ヘリ墜落事件」として記憶に新しい。
映画「ひまわり」は、実際に起きた2つの米軍機墜落事件をモチーフに、「オスプレイ」配備に揺れる現在の沖縄・日本に、平和とは何かを問いかける問題作だ。5年生の双子の兄弟は、この映画をどのように観てくれたのだろうか。それはともかく、妻と双子の兄弟の母親である長女は、すっかり泣き腫らした目をしていた。私も同様だったと思うが、それ以上に、上映中は「嗚咽」を抑えるのに懸命だった。
但し、申し訳ないことに、「石川・宮森ジェット機墜落事件」の方は、記憶にとどまることすら全く無かったものだ。この映画を観て初めて、その「実相」に少しばかり迫ることになった。
沖縄県は6月28日、名護市辺野古への米軍新基地建設のための埋め立て申請書の告示・縦覧を開始した。期間は7月18日までとなっている。工期は5年、新基地建設費用は埋め立てだけで2300億円。施設設備費などを含めれば数千億円に達すると言われ、すべて国民の税金が充てられる。すでに名護市は5月15日に護岸の使用などを拒否する見解を示しているが、政府は普天間基地の「県内移設」に反対する沖縄県民の強い意志の中で3月には申請を実行していた経緯もある。縦覧期間中、沖縄県は利害関係者からの意見書を受け付け、知事の判断に反映させる。8000ページに及ぶ申請書は、「環境保全」の保証の問題や「埋め立て申請」そのものの問題などが指摘されている。そして、安全対策・騒音規制など重大な論議のもとになっているオスプレイの問題も抱えている。
突然ではあるが、大澤真幸氏の『夢よりも深い覚醒へ』(岩波新書)は、いわゆる3.11の出来事が私たちの日常の現実を切り裂く(悪)夢のように体験されたことに対して、「その夢から現実へと覚醒するのではなく、夢により深く内在するようにして覚醒しなければならない」という趣旨から命名されたという。
映画「ひまわり」は、昨今の「沖縄問題」とも重なって、子どもの命や健康の問題が、「学校保健安全法」の制度枠や意味内容に引きつけながら考えられるに留まらない、途轍もなく大きな「歯車」の中でこそ決定付けられているのだと言うことを気付かせてくれる。健康づくりの分野でも「夢よりも深い覚醒へ」が求められているかも知れない。 mm生