2013.03.14
運動と健康についてのエビデンス(証拠)その10
本日は、日本人を対象とした身体活動度と卵巣癌予防との関係についてのデータを紹介します。
これまで紹介した身体活動と癌予防との関連は、外国人のデータが中心でした。
ここでも、外国のデータが中心ですが、身体活動度が高いと卵巣癌のリスクが約20%低下すると考えられています。
一方、日本人のデータはと言いますと、40-69才の45,748名の日本人女性を対象とした研究により、86例の上皮性卵巣癌患者(平均年齢59才)が見つかりました。
この研究では、身体活動量と上皮性卵巣癌との関係は見られませんでした。つまり、活動度が高くても、この癌の危険性が低くなることはないようです。でも、まだデータが少ないので、今後の日本人を対象としたデータに注目ですね。
でもですよ、実は日常の睡眠時間が7時間より長い人達は、6時間未満の人達よりも卵巣癌の危険性が6割程度低くなるようです。
もちろん、これまでの研究においては、他の要因(初潮、第一子出産年齢、肥満度など)が卵巣癌の予防に関連するとの報告もあります。
【参考文献】
Risk factors for epithelial ovarian cancer in Japan - results from the Japan Public Health Center-based Prospective Study cohort.
Weiderpass E, Sandin S, Inoue M, Shimazu T, Iwasaki M, Sasazuki S, Sawada N, Yamaji T, Tsugane S. Int J Oncol. 2012 Jan;40(1):21-30.
Physical activity and gynecologic cancer prevention.
Cust AE. Recent Results Cancer Res. 2011;186:159-85.
【Hama】