[ 2025年05月 ] の記事一覧

2013.02.02

M1中間報告会

昨日は大学院博士前期課程(修士)M1の中間報告会がありました。一昨日の131日が修士論文の提出期限で、M2は無事に提出したようです。修士の期間は2年間と非常に慌ただしく、コースワークをとり専門性を身につけながら、修士論文作成で2年間の学びの集大成を行います。昨日の中間報告会から、残り354日。あっという間です。

 

中間報告会にあたって、次のような挨拶をさせてもらいました。

なぜ、研究するの? という原点に戻ってみてください。皆さんが明らかにしたことは、その学問分野にとって、どんな新しいことを提供するのか、さらには社会へどのようにつなげられるのか。また、人材育成で求めている高度な専門性による理論と実践、そして社会への発信を意識してみてください。多くの人に読んでもらえるように論文を発表することは、社会への大きな発信です。同時に、研究は、人が行います。その人が研究を行う基本的姿勢、人柄までが研究に反映されます。学会発表は社会発信の一つで、最新の研究成果を発表する場であり、同時に研究者自身を磨く場でもあります。修士課程では、「全国大会での学会発表する」ことを修論提出の要求水準にしています。いま、から計画的にいつ、どの学会で発表するのかを意識してください。

また、今後のキャリアについても、次のように話しました。これからのワークキャリア、ライフキャリアを見つめてください。人生は一度きりの片道切符です。ただし、切符を買い直すチャンスは何度もあります。しっかり見つめてください。このことは、この間、研究に対してどう向き合ってきたのか、何を明らかにしたいのかを突き詰めてきた進め方と同じことです。是非、研究、キャリアともに今後もしっかり積み上げてください。

 

 M1を含めて研究科の研究が社会へ発信され、貢献することが大いに期待できる中間報告会でした。

【忠】

 

 

 

2013.02.01

私事ですが・・・・

 登校すると事務室、エレベータ、研究室と顔写真付きのHappy Birthdayシートが貼ってありました。国公私立五つの大学を経験してきてこんなに暖かく、思いやりと励ましのある大学はこれまでに無かったと、昨年に続き感謝し、感激しております。

 
P1000472.JPG
時間はすべての人に平等であるとよく言われますが、年々ある意味では無情のようにも感じさせられます。
64歳(無視しつつ?無私にもなれず?季節を告げる虫のように忠実(マメ)にもなれず?)の誕生日を迎えブログを書いています。人は皆平等に1年経てば一つ歳を重ね、そこに一歩一歩と確かな成長の歩みが刻まれていきます。なのに、若い頃の癖?で、いつも明日を信じて(良い言葉ですね、実は単に明日があるさ!と思い)、今日すべきことも先送りとし、無為に過ごしてこの年齢になり、「一日一生の思い」と終わりを数えた方が早いことに焦りつつも、このような毎日が永遠に続くかのような思いを捨てがたい我が身を反省しております。こんな教師でも院生が祝ってくれました。教師冥利!(老ブロガー・ハル)

2013.01.31

運動と健康についてのエビデンス(証拠)その4

 Hamaです。
今日も「身体活動と疾患予防」に関する研究を紹介します。

tabako.jpg
 皆さん、タバコは体に悪いことはご存知と思います。
タバコを吸っていると、肺ガンによる死亡率が5倍弱増加しますし、慢性閉塞性肺疾患も3倍、
心疾患2倍、ガンによる死亡も2倍、呼吸器疾患や脳卒中の危険性も増えます。

 さらには、受動喫煙による病気も増えることが分かっています。
例えば、肺ガンや心疾患の危険性が1.3倍程度、増加します。


 あれ?身体活動と疾患予防の話しじゃなかったのかな??と思われる方もいるでしょう。
しばしお待ち下さい。これからがポイントです!!

 このようにタバコは、私達の体に重大な健康被害を与えます。
ところが、運動をしていると(正確には、体力があると)タバコの被害による死亡が減るのです。
 
 つまり、体力のある人はそうでない人よりも60~70%程度、タバコが原因と思われる死亡が減少するのです。
これもダラスのエアロビックセンターが発表したデータです。

 だからと言って、運動をしていればタバコを吸っていいわけではありません。
もちろん、タバコを吸っていない人よりは、色々な病気になる率は高くなることは変わりませんから。

 このデータをお示した理由は、運動習慣(体力増進)がタバコの悪い影響の一部を
打ち消すこともあるということを、伝えたかったからです。

【参考文献】
Lee CD, Blair SN. Cardiorespiratory fitness and stroke mortality in men. Med Sci Sports Exerc. 2002 34(4):592-595.


【今週の1 shot!!】
teishutu.jpg
 今週の火曜日、無事に修士論文を提出したうちの院生と、【abc.】先生の所の院生さん!
次は、口頭試問が待っていますが、ひとまず一安心!










【Hama】


2013.01.30

学び合いの授業

こんにちは。ma34です。
写真を入れようとしたからか、うまくアップロードされておらず、
もう一度最初から書いています・・・。

先日、西宮市にある西宮浜小学校の研究発表会に参加してきました。
今注目されている「学び合い」の授業を取り入れた小学校で、
全国からも多数参加者が来られていました。

こちらの学校では、グループでの学び合いというよりもむしろ、
学級全体が学び合う時間を作り出しています。

参観した授業の一つを紹介したいと思います。

極めて長いですので、「続き」のページに→。





算数の時間です。
これまでの私の「教える」「授業」の概念を大きく変えるものでした。
3年生の2ケタのかけ算の「筆算」の導入でした。(筆算を使わない導入を前時に行っています。)

筆算のやり方を最初に提示してしまうというのが、よく行われているかと思います。
ですが、この授業では、
(1)正しい筆算
(2)間違った筆算(部分積の位を一つずらさずにそのまま並べている)
を黒板に提示し、
「なぜまちがっているのか」を考えさせながら、
●計算問題を7題解く
●(2)の間違い筆算の間違いについて、「説明」を記述で書く
という2つの課題(●印)を進めていきます。

先生はというと・・・最初の課題を提示するだけ。
なぜ間違っているのか、そもそも筆算とはどうやるものなのかすら、
ほとんど説明をしないのです。
学び合いの時間は20分ほどで終わります!と児童に告げるのみ。

子どもの様子は・・・もともと、すでに筆算を習得している子もいれば、つまずきの見られる子やつまずきが予想される子もいます。

先生から課題が提示されると、まず近くの子ども同士が考えの交流を始めます。
「えー、間違っているっていうのはわかるんやけど、なぜって言われても何て書いていいのかわからへん」と言いながらも、色々とつぶやきながら交流しています。
やがて、意見の交流や教え合いはクラス全体の動きになります。

ときおり、先生が「●○くん、このままだと時間内におわらへんわ。誰か見てあげて~」と声をかけています。

結局、3名の子が課題の二番目を書き終わらずに時間終了となりましたが、
全員が筆算の7問の正答を導き出すことが出来ていました。

この授業を参観して、思ったことは色々とありましたが、
子ども同士の学び合いの中で、子どもは実によく考えているということ
(もちろん、そうならない子どもの姿もありました。この点は課題だと思います。)
そして、どの子もできるようになりたい!という思いを持っているのだということ
を強く感じました。

もちろん、子ども自身が「学び合い」をするのは、「みんなで目標を達成するため」であること、
「自分ひとりの力」ではなくて「他者とかかわりながら物事を達成させること、その力」こそ、大事な力であるということを認識している必要があります。

この小学校は、子どもがそうした意識を持つように、日ごろから実践されているようです。

大学でも、他者から学び合うことがとても重要なのではないでしょうか。
知識や技術は、教員から一方的に授けられるものではなく、
もちろん自分自身が学ぼうとすることも必要ですが、
加えて、他者との交流・協同のなかでこそ習得することができ、さらには生み出すことができるものだと思います。

本来は、大学でも、と書きましたが、大学「こそ」なのではないかとも思います。
そういう授業づくりを考えていけたら、と
新たな思いをこの参観から学びました。

ああ、また長くなってしまいました。。。


ma34.

2013.01.29

大学の中も落ち着いた

定期試験も後半に入り、大学の中もだいぶ落ち着いてきました。
先日、他の先生と話していた疑問。

定期試験の時に、解答用紙に、
「単位お願いします!」や「卒業がかかっています!」と書く学生ほど、
一生懸命勉強してきた雰囲気がない・・・
単位が欲しい、という切実な意識が伝わってこない・・・

なぜでしょう??
書いたからと言って、甘くなるわけないのに・・・

さて、最近マーケティングでは、
ビッグデータの活用が注目されています。
今まで取り扱われてきたデータよりも大きなデータの事を表すのですが、
テラ単位やペタ単位データ分析など、が行われつつあります。

これは、クラウドと呼ばれるようなサーバーの空き能力を活用される技術が進歩したことによって、
サーバーでの処理能力を上げる事ができるようになっため、流行りだしました。

さて、これで何がわかるのでしょうか。




例えばT-ポイントカードがありますが、
このカードは、T-ポイント加盟店の全てで使うことができます。
逆に考えれば、T-ポイントカードの会員番号を軸として、
どこでどんな購買行動をしたのか、を知ることができる、
ということとなります。

例えば、郊外型のTSUTAYAでレンタルビデオを借りた人が、
帰り道でガソリンを入れて、コンビニで弁当とジュースと菓子を買って帰る、
といった一連の流れがカードの使用履歴によって明らかとなります。

そうすると、もしレンタルビデオを借りた後に多くの人が寄るコンビニがあれば、
そのコンビニではビデオを見ながら、をコンセプトにお菓子などを売る、ということができます。

これがある地域ではなく、日本全体での行動を分析してみると、
店舗を越えて似たような傾向を持つ人の行動が見えてきたりします。
すると、お客さんに組み合わせを提示することで、購入していなかったような人も、
新たに購入していく可能性が出てきます。

このように、購買動向を大きな単位で分析すると、今まで見えなかったことが見えてきたりします。
これがビッグデータを分析する意味です。
今までは、計算よりも現実の方が早く進んでしまってできなかったことも、
世界中がつながって、色んな技術の進歩によってできるようになってきました。

Amazonのおすすめ、もGoogleの検索技術も、似たようなコンセプトに立っています。
まだまだ改善の余地はあると思いますが。

そんなこんなのビッグデータの話、でした。

ではでは。

PS:先週のブログを書いてから、大丈夫だったのでしょうか?と心配されたりしました。
まったく無事です。あれはちょっと昔のもの過ぎましたが、
消費期限も1.5倍ぐらいまでは、製品の品質に影響がありません。
自分の身体を使ってネタを作る、というのはどうか、と自問自答したりしますが、
1年以上過ぎたレトルトパックのご飯、もう一つあるんだなぁ。
誰か、食べてみません?

2013.01.28

『スポーツの世界は学歴社会』

既に読まれた方もいるかと思いますが、表題の本の著者である、齋藤隆志先生によるセミナーを先週開催しました。計量経済学が専門で、労働の問題を経済学的観点から切り取っておられます。今回の本は、スポーツ選手ならびに指導者、に焦点を当てて労働経済学の観点から、高校卒でプロ球団に入るのが有利なのか、それとも大学卒業してからの方が有利なのかをモデルを立てて統計学を利用して検証した内容を話してもらいました。その一例として、選手としての成功確率(定義の詳細は本をお読み下さい)は、高卒で14%であるが、大卒で21%にアップする。また東京六大学はさらにアップし、一番は東都大学リーグの出身者であることもデータで示されました。

 「経済学」はどんな学問ですか?との質問に対しては、基本は損得を明らかにするもので、理論、実証、分析をあらゆる分野に当てはめて使える。労働経済学、結婚経済学、神経経済学、などなどあり、人生の選択に使えることもあります、とお答えいただいた。

 少し時間があったので、齋藤先生にインテグレーションコアの施設・設備、そして学部の教員、カリキュラムなどを説明しました。その内容を受けて、学部生へ向けて、「従来にない最先端の設備・機器、優秀なスタッフに囲まれているのは非常にうらやましいです。是非、学生の間に活用して、しっかりとした学びと良い卒業論文を書いてください」とエールを送っていただきました。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

結婚式に招かれて名古屋へ行ってきました。。新郎新婦とも私のもとゼミ生。一年前から挨拶を頼まれていて、何を離そうか直前まで悩みましたが、「この時代に生まれてきて、この時代に一緒になったことの意味を考えて、生涯というゴールを目指してください。」と、ライフキャリアとしての結婚について少しだけ話しました。

【忠】

 

 

 

 

2013.01.27

サービスインス最後の卒業研究論文集

1998年度のBKC文理総合インスティテュート、サービス・マネジメント・インスティテュートの出発から14年が経ちました。4回生卒研演習の締めくくりとして今回も「卒業研究論文集」を編む予定です。大方の原稿を集約して、一人ひとりの執筆者と最終のチェックに入っています。ゼミ生全体に「お疲れさま」と言った後、編集委員を引き受けてくれる人たちと完成に漕ぎつけることになります。

論文とは、「自分(達)の思考・思索の小史を社会化すること」との仮定の下、意見表明や質問することを絶えず求め、うるさがられた気もします。それらは、①テーマの設定、②先達の追求過程の掘り起こし、③観察・データの収集・処理、④目的・方法・結果の結びつきと一貫性の有無、⑤自らの仮説に迫る道筋のつけ方、等々についてでした。同じことを何回も繰り返し言い続けてきたようですが、多様さを許容したサービスインスの特徴か、あるいは関連スポーツ諸科学からみれば緩やかな専門性の段階だった故なのか、一人ひとりの考えるテーマはユニークで新鮮なものでした。「論理性、客観性、妥当性、信頼性」と表現される研究過程を具現化させるのをやり切ることは、実はとても面白くて楽しいものです。そう言ってくれる人が毎年現れるからこそ継続させることができた、と私はつくづく感じています。

これまで卒業研究論文集に参加してきた学生は、体育会クラブ所属、ウインタースポーツ種目を行う人たちが相対的に多く、年末まで、あるいは一月三日に東京ドームで試合をすることも度々ありました。それでも最後には何とか完成するまでに辿りつく気概をみんな持っていたのには、私の方が驚きと期待と、さらにはやり甲斐と反省とを同時に感じる日々を送る経験をさせてもらいました。

本年度の掲載分を含めば、2002年以来合計で、126編が数えられます。内容的には、指導者や指導内容・環境づくり、あるいはチームやプレイヤーの練習・学習の諸課題を「実験的実践」として追求すること、が大きな特徴の1つになっています。また、「スポーツ科学に関する研究手法の適用」という点では今一歩でも、サービス・コンテンツとしてのスポーツのもつ「技術内容」に関する考察では、「競技者としてしか得られないsomething」に関して著者たちが苦心した説明を行っているのも特筆すべきことです。名前を挙げることはしませんが、これまでこの論文集に参画した過年度の卒業生の皆さんにも、感謝と敬意を表する次第です。

このような論文集を作成することが、インス・スポーツサービス系の3・4回生演習の毎回の到達点でした。でも今回が特別だったのは、サービス・マネジメント・インス最後の卒業研究だったことです。サービスINSのスポーツ・サービス系の科目や演習は、すでに発足しているスポーツ健康科学部に発展・解消することとなっています。スポ健の現3回生は、来年度は一期生としての卒業論文作成に取り組んでいることでしょう。インスからの良い伝統は引き継ぎたい、専門課程での多様な学びの成果をそれぞれが纏め上げて欲しい、と私は心底、新たな気持ちでそのように感じます。

 

【善】

 


2013.01.26

スポ健3回生の取り組み

Hama先生のブログにもありましたが、修士論文の提出〆切が来週木曜日に迫ってき ました。該当する大学院生にとってはまさに最後の追い込みの時期です。連日寝不足での論文執筆で疲れもあるでしょうが、少しでも良い論文になるよう最後まで頑張って欲しいものです。ちなみに、修論提出直前は予想外のトラブルが多発します。プリンターが壊れる、熱を出して寝込む、キーボードを押したまま居眠 りしてしまい、起きたらWordのページ数がものすごい数になっている(経験談)、、、、これぐらいならまだ良いですが、一番怖いのは大切なファイルが壊れてしまうことです。修論生の皆さん、くれぐれもファイルのバックアップを忘れずに!!

photo1.jpg
さて、本日はスポ健学部生の1つの取り組みを紹介 します。昨年、ゼミの学部3回生が中心となって女子ラクロス部に対するトレーニングサポートを行いました。球技の種目特性を考慮した、自転車ペダリングの トレーニングを週2回継続してもらったのですが、今週3日間に渡ってその成果発表会(フィードバック)を行いました。トレーニング期間前後でペダリングパワーや持久力の測定を行っており、結果的にチーム全体として体力レベル
photo3.jpg
が1ランク向上していました。研究であれば結果をまとめて論文を執筆してそれで終わ りなのですが、今回学部生には、【結果をわかりやすくまとめて、部員1人1人にフィードバックすること】を求めました。実験室での測定の結果として出てきた結果(数値)は、そのままでは選手にとっては非常に理解しづらいものです。実際には、その数値のもつ意味を理解した上で、選手にわかりやすく個別に説明をして、さらに、今後必要なトレーニングに関するアドバイスができるようになって初めて合格です。
photo4.jgp.jpg
特に、スポーツ科学やトレーニング科学を専攻する学生には、卒業するまでにこの能力をつけさせたい!と長年考えてきたこともあり、まず今回、自分のゼミ生にチャレンジしてもらいました。

写 真はフィードバックの様子ですが、学部3回生が立派に今回のトレーニングサポートの総括をしています。また、綺麗なフィードバックシートを作成し、1対1で個別に解説をしています。その甲斐もあってか、フィードバックを受ける部員の目も(普段の授業以上に?)真剣でした。十分「A+」をあげられる内容でした。スポーツ科学やトレーニング科学の専門用語を暗記することはもちろん大事、研究を行いデータを取ることも大事、けれどもそれで終わらず、特に学部生には今回のような「理論と実践」を通して「データの集計能力、論理的な思考(説明)やプレゼンテーション能力」を高めて欲しいと願っています。

GOTO

2013.01.25

試験シーズンの始まり

 大寒に入り一年のうちで一番厳しい気候のこの時期から、センター入試、学年末の定期試験、個別入試と学生達にとっては試験シーズンが始まります。この頃は、寸暇を惜しみ通学電車の中でも勉強している光景をよく目にします。若い人が普段と違って真剣になっている姿を見るたびに、「頑張れよ!」と心の中で声援を送りたくなります。そして少々大仰な言い方かも知れませんが、日本の将来に何か希望が持てる気になります。

 先日センター入試が行われましたが、筆者が就職した最初の年に共通一次としてスタートし、種々の反省点と共に改善され今の形式になりましたが、敢えて私見(偏見かも知れませんが)を述べると、依然として解決できない問題としては"偏差値学力"しか見ていないということです。また昔話になりますが、当時の高校生の大学選びの考えは、あの大学に行けばこの分野を学べる。あの先生の教えを受けることができる、といった思いから、蛍雪時代などを丹念に調べ、さらに(新潟から東京まで)先輩を頼り、直に大学の確認に行ったりしました(一種の今のオープンキャンパスと言えるかも)。そして希望の所に入るまでは浪人も辞せずと、ある意味ではその時点で将来をしっかり見つめていたのかも知れません。

"やりたいことより入れる大学へ"と消去的な大学選びと揶揄され、そのせいか均質化した学生集団となってしまった。活力がなくなったとの批判や危機感?から多様な入試制度が導入された点は評価できる点かと思います。

常々"人の評価に物差しは一つではいけない"と考えています。多様な能力、特技、興味を基に、個性を活かし、幅広くかつ深くものごとを考えていく力を身につけていく機会を与えるべきと(教える方は大変とは思いますが)。(老ブロガー・ハル)

2013.01.24

運動と健康についてのエビデンス(証拠)その3

 Hamaです。
 大寒の頃はやはり寒い日が続きますね!

 さて、本日は「身体活動と疾患」に関するダラスエアロビクス研究所の研究を
紹介しましょう。

 アメリカ人男性10,224名と女性3,120名の対象者を、8年以上に渡って観察した研究です。
それは、まさに先週お話した疫学の研究ですね。

 その間に、男性240名と女性43名が死亡しました。
その中で運動習慣のない男性の年齢調整全死亡率は64人/1万人/1年間に対し、
よく運動する人は19人/1万人/1年間でした。

 女性でもよく運動している人は、死亡率40人/1万人/1年間に対して、運動している人は
9人/1万人/1年間となります。

 また、循環器病(脳卒中、心臓病など)による死亡率や癌による死亡率も男女とも
よく運動している人は低くなるのです。さらに、よく運動しなくても、散歩程度の運動でも
その効果はあるようです。

 これは年齢、喫煙習慣、コレステロール値、収縮期血圧、血糖値、虚血性心疾患の家族歴
などの影響を排除しても、上記の結果は有効であることが分かっているのです。

 日本人でも同様の結果が出はじめていますから、可能な方は、体を動かしてください!!

【参考文献】
Blair SNら, Physical fitness and all-cause mortality. A prospective study of healthy men and women. JAMA. 1989. 262(17):2395-401.


【今週の1 shot!! 】
今月末は、修士論文の締切りです。
その直しを手伝っている博士学生と、頑張って論文を書いている修士学生。
あと少し!頑張れ!!
futari.jpg











【Hama】