[ 2025年05月 ] の記事一覧

2013.01.13

ヒューマニズムについて思う

大阪市立高校バスケ部顧問の体罰を受けた生徒がその翌日に「自ら命を絶った」事件の報道が、先週では一番印象に残りました。同様の指導実践を行うコーチ・指導者の方々や有識者のコメント、生徒・父母・学校関係者達による証言や意見、等々が連日報道されています。

 

それらのコメント内容を見ると、大きく三つに分かれます。1つは、「体罰は禁止されており、子ども・学習者の人権を著しく侵害するものであり、指導・コーチングの有効な手段になるはずもないもの」で、「否定・不要」論とでも言うべき内容です。2つは、「厳しくされたおかげで今日の自分がある、情熱を入れ込むあるいは相手の態度変容を性急に求め過ぎた結果やむなきに至ったもの」だといった、「容認・必要」論とでも言うべきものです。他の三つ目は、「学校名の露出効果を増し、競技界の次代のホープを発掘・育成することに関する結果の実績が求められ、指導者もそれによって評価される「競争事態」に置かれているので、彼らも学校や競技界の被害者」だという、「スポーツ選手育成体制の脆弱」論です。1つ目が表面上は多いようですが、2つ目と三つ目はきちんと系統的に論理内容が明らかにされているとは言えない状況です。

 

スポーツ界、特に学校の運動クラブ(大学では体育会)の暴力容認体質について私が鮮烈な記憶に留めているのは、1965年の東京の大学ワンダーフォーゲル部の「死のしごき」事件です。これは、およそ次のようなことでした。

1965515日から18日まで、東京農業大学のワンゲル部は山梨県へ合宿に行きました。そのハードな日程のもと、それまで登山経験のなかった1年生部員のW君は衰弱しきっていました。それでも頂上への前進強行を求められ、彼は上級生から殴る蹴るの暴行を伴った、指導・援助を受けていました。その状態が3日間ほど続き、やっとのことで同級生に連れ帰られた後彼は死亡しました。当時の朝日新聞の記事では、次のように知らせています。

『練馬署は21日の段階でリンチの線で捜査を進めており、25日には主将のWと副将のF2人を逮捕した。なおも「徹底的に事件は叫明する」という署長の言葉のもと、合宿参加者全員(1年生28名、上級生18名、OB2名)に対し、事情聴取を行い、25日に副将Mと副将T5名を、64日にはOBで監督のIを逮捕した。さらに、このIこそが農大ワンゲル部のトップであり、このリンチ事件の首謀者であったことを明かにした。ある部員は「自分たちも1年のときから同じ訓練を受けてきた」と話したという。』

 

後の裁判において、「閉鎖的な組織の中で、従来の訓練手法や賞罰の与え方等を無批判に受け入れてきたこと」「科学的根拠に基づかない、しかも心身の安全を省みない非人道的な訓練方法」等々について、判決文が厳しく指摘していたことを、私は今でも強く覚えています。

 

後に「教授―学習過程」を研究するようになって勉強したことの1つですが、「動物行動に対する動機づけ理論初期の一番の基本法則」、すなわち「効果の法則」(ソーンダイク)についてもまた、私は上記のこととぼんやり重ね合わせます。

ある行動に対する報酬(快刺激)は、その行動が繰り返される可能性を増す

罰すること(不快・嫌悪)は、その行動が繰り返される可能性を減少させる

これらは、動物行動変容の過程に働く強化の原理です。

 

通常、目標との偏差をゼロにする働きをフィードバックと呼び、それが生じなければ学習は起こらないと考えられます。動物とは異なり、目標自体を自らが徐々に変化させていくところに人間の学習の大きな特徴の1つがあります。指導者が目標を付与し、その変更も指導者が恣意的に行う場面では、その偏差を検知して修正の手立てを図る基準もまた、指導者によって判断されることになります。

目標に至らない部分の隔たりは、「ネガティブ」なものとして次回への入力に反映されます。一方、学習者(特に未習熟な人)は偏差を検出する機能と修正するための有効な手段を十分に構築できていません。畢竟、外見的応答は、「ボーッと、反省心なく、真剣でない」様になることが、しばしばです。

 

お互いの違いを認めることがまず、「人間尊重、人権尊重、」したがって「ヒューマニズム」を大切にすることの基礎であるなら、指導者と学習者とがいかに「目標とフィードバック情報のやり取り」に関して、お互いの相違点について理解しあっていたのか、換言すれば「信頼関係」を築いていたのかが基本線だろうと、私は感じます。

「信頼関係があったならば、体罰も時には有効だ」などとよく言われますが、上の意味での信頼関係があれば、体罰は起こらないあるいは起こさない、とほぼ断言できると私は思います。

 

また、大学や社会人の運動クラブで活躍する選手達に対する調査では、「体罰は有効だと思いますか」という問いに、7割を超える人がイエスあるいは肯定的な意見を述べることがしばしばです。「成功者」に過去を遡っていくら聞いても、「都合のいいことばかりを多少の脚色を加えて想起する」(エピソード記憶)という答えの傾向は、これも変わらないだろうと思われます。逆にスポーツが嫌になったり、うまくなる機会が奪われたりした人々の経験が十分浮き彫りにされている、とは到底思われません。

私が高校生の時代に起こった「死のしごき事件」の時代と冒頭事件が起こった現時点で、スポーツに関する「科学」の進展は目を見張るものがあります。これに対して「人間尊重」の観点はどれほどの進歩を示したのか、と少し愕然となります。この気持ちだけに留まることなく、だからこそ指導者を養成する機関の「ヒューマニズム」が科学とともに問われているのだ、と私は自戒しています。

 

【善】

 

 

2013.01.12

1年間の学びの成果

スポーツ健康科学部では、3回生から【専門演習(ゼミ)】が始まり、各学生はいずれかのゼミに所属することになります。ゼミでの取り組みは様々で、次年度の卒業論文作成に向け徐々に準備を進めていきます。私自身、このゼミは最も楽しみにしている授業の1つでもあります。

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今週は1年間での活動成果に関し、各ゼミの代表者が7分間でのプレゼンテーションを行いました。意外にも、自分以外のゼ ミの活動状況はよくわからないもの、、多くのゼミが集まり相互に発表をするという試みは大変おもしろかったです。私は木曜日の報告会に出席しまし たが、いずれのゼミの発表も聞き応えがありました。1年間のゼミでの活動の充実ぶりがよく伝わってきましたし、何よりも所属ゼミの活動をアピールする気持ち(所属ゼミ愛?)を感じることができました。

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今回驚いたのは、学部3回生にも関わらず、何名かの共同で実際に研究を行っているゼミが多かったことで す。もちろん学部生のみで実施するのではなく、指導教員や大学院生による指導・サポートを受けながら実施したものですが、体育・スポーツ健康科学関連の学部を有する他大学でもあまり耳にしたことがありません。私のゼミでも学生の興味に応じて幾つかのグループを設け、各グループで小規模の研究を実施すること を今年度の目標の一つとしてきましたが、この1年間を通して実感したことは「研究を行うことによる教育的効果」です。

そもそも、学部生と大学院生では研究指導や教育に関する方針が必ずしも同じではありません。大学院生は、それぞれの指導教員のもとで研究指導を受けることを目的に入学してきている場合が大半です。したがって、質の高い研究をしっかりと推進させることを一番に重視します。一方、学部生には研究計画書の作成・研究の実施、結果の解析・客観的な考察、プレゼンテーションまでの一連の過程を経験させること自体に大きな意味があり、研究の質自体にはそれほどこだわっていません(あくまでこれは私の考えですが・・)。これら一連のプロセスを自らの力で実施できるスキルを身につけることが、社会人となる上で大きな武器になると考えています。そして、これらのスキルを身につける上で「研究」を行うことがきわめて有効なのです。もちろん、学部で研究に触れることで研究の魅力を感じ、大学院に進学してさら に高度な研究にチャレンジする学生が出てくることも期待しています。4月からはまた新しいゼミ生が入ってきます。次年度のゼミも楽しみです。

GOTO

2013.01.11

喫煙禁止と割れ窓理論?

水曜日は講義の関係でコラーニングに行きますが、外側階段での喫煙と階段に散らばっている吸い殻の多さがいつも気になり、注意をし、不快な思いをしています。一頃に比べ確かに減っており、キャンパス内に掲げてある喫煙キャンペーンの旗(標語)の効果が現れてきたものと思っています(寒さのせいで外へ出るのが嫌になったから?とは思いたくはありませんが・・・・)。

散乱している吸い殻を見る度に、割れ窓理論を想い出します。廃墟の一枚のガラス窓が壊れているのを放置していると他の窓もすべて割られてしまうということから、小さな犯罪や些細なモラルの欠如も見逃さず、厳しく取り締まる事の大切さをいったもので、1993年から2001年までニューヨーク市長を勤めたジュリアーニ氏の"ゼロ・トレランス(無秩序への)不寛容"の事例(軽犯罪も見逃さず徹底した取り締まりと厳罰化により、治安の劇的な回復)をご存じの方も多いと思います。確かに綺麗なキャンパスだと汚そうとする人も減るはずといったことは経験的にも納得できます。

世の中は自分のためにあるのではない以上、お互いの健康のためにも規範遵守で行きたいものです。(老ブロガー・ハル)

2013.01.10

運動と健康についてのエビデンス(証拠)その1

Hamaです。

 

新たな年明けに際して、運動(身体活動)の良さについて、最新のエビデンス(証拠)を元に紹介していきたいと思います。

 

運動はカラダに良いとされていますが、どんな運動をどのくらいすればいいのでしょうか?

 

 最新のエビデンスの紹介の前に、まず少しこれまでの研究の流れについて振り返っておきたいと思います。やはり、「歴史を知る者のみ、未来が観える」ですから。

 

 これまでの有名な研究としては、モーリス氏のロンドン2階建てバスの研究(1953年)があります。この研究では、バスの車掌さんと運転手さんの虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の発生率と死亡率を比較しています。モーリス氏のもともとの発想(仮説)は、仕事中にずっと座っている運転手さんの方が動き回っている車掌さんよりも、心疾患になりやすいのではないかと考えたようです。

 調査してみると、予想通りに運転手さんの方が、心疾患の発症率と死亡率が高いことが分かったのです。

1950年ごろと言えば、日本では結核が死亡原因の1位だったわけですから、その頃にイギリスでは運動不足が体に悪いことを証明した人がいたとは驚きですね!!

もちろん運転手さんは、仕事中にストレスも多いでしょうから、この研究では運動不足だけが関係していたわけではないですが。。。

 

誤解のないように付け加えておきますね!

運転手さんが心疾患になりやすいわけではありません。あくまで、「運動不足が健康を害する」と言うことです!!

 

もう1つの有名な研究は、ハーバード大学の卒業生を対象とした研究がありますが、この研究はまた来週に紹介します。

 

寒いですので、体を動かすのもおっくうでしょうが、暖かくして無理のない運動を実施して下さい。

 

【参考文献】

MORRIS JNCoronary heart-disease and physical activity of work. Lancet. 1953 Nov 28;265(6796):1111-20.


【今週の1shot !!

とある日の散歩道にて・・・

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中央右寄りに写っているのは、ディズニーランドのシンデレラ城です。
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Hama







2013.01.09

一回生ゼミ大会振り返り

おはようございます。ma34です。

一月に入り、他の授業と同様、基礎演習も残すところ今日を入れてあと2回となりました。
一年の締めくくりに向かいながら、今日は12月に行われたゼミナール大会の振りかえりを
各グループの話し合い、発表を中心に行いました。

各グループに、ゼミナール大会の取り組み全般について
自己評価を行ってもらいました。
高得点(80点以上、100点も)をつける班もあれば、
50点、という厳しい評価もあり。

それぞれが楽しかった、成長したと感じることもある一方で、
ファイナルに行きたかった!と悔しさもあったようでした。
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グループワークでのワークシートのほかに、
「寄せ書き」風に、来年度の一回生に見せるためのコメントシートも作りました。

(1)ゼミ大を通して学んだこと・成長したこと
(2)もし、ゼミ大が始まるまえに戻れたら?(もっとこうすれば良かった!と思うこと)

の二種類です。

(1)には、計画を立てることの重要性、協力することの大切さ、達成感!という言葉が並んでいます。
 「頑張れば頑張るほど、楽しくなった!」、「強敵と戦うことの楽しさ」という言葉もあり、
 大変だったでしょうが、調べる・意見を戦わせる・まとめる・・・という過程で「楽しさ」も感じられたことは大きな成果だと思います。

(2)は、みんな本当に大変だったのね・・・と思わせる一言が目を引きました。
 「もう(ゼミ大会前には)戻りたくない。その一言に尽きる。」と。(笑)

「もっともっと練習して、ファイナルで優勝したかったー!」という思いもあります。
その悔しさを是非今後につなげていってくださいね!
研究入門、専門ゼミ・・・と機会はたくさんあります!

試行錯誤で進めてきた基礎演習。
準備になかなか本腰が入らない人、スタートは良かったけれど途中で少し疲れてしまった人、
甘く見ていて最後で大変な目にあった人。
いろいろでしたが、今回の経験を通して、一回り大きくなれたことと思います。

教員としては、論文にまとめる力、いや、そもそも文献蒐集のステップにおいてももう少し頑張ってほしかった・・・という思いもありますが、
(また基礎演習の内容・進め方にフィードバックさせないといけません)
螺旋形カリキュラムとして、2回生以降も繰り返し、少しずつ発展させながら身につけていってほしいと思います。

ma34。

2013.01.08

授業の再開

今年の年末年始の大学の休み期間は長かった。。。
というのがまず年始の感想でしょうか。

先日、大学生協の職員さんとも会いましたが、
その方も10日は休みとして長いなぁ、と言っていました。

それはさておき、もう少しで定期試験がやってきます。
定期試験になると、みんな緊張した面持ちで大学内を歩いています。

そういえば、新年を迎える中で、昨年に、昨年の人口動態が発表されていました。
2012年の推計値で、20万人の人口減少。
20万人と言ったら、大学のある草津市よりも大きい人数です。
人口減少が、よりはっきりしてきました。





ちなみに人口減少の原因は簡単で、
単純に生まれる人よりも死ぬ人が多いから、になります。

特に生まれた人が2012年は103万人ぐらいでしかありません。
2002年には115万人いましたから、この減少だけで、
草津市(くどいようですが、2011年人口が約12万人)の分ぐらい減っています。

この理由は、色々と言われますが、なぜ増えないのか、
全体として見てもはっきりとしたことがわかっていません。
ただ、社会を考えていく際には、人口動態は大きな意味を持ちます。

働く人が減れば税収も減りますし、社会への負担額も増えていきます。
つまり、働いている人にとって、働いてもむくわれない、という可能性が高い、
ということです。

そういえば、中国も人口減少がはっきりしてきた、という状況のようですし、
あちこち人口減少。

今、人口減少の中での社会の在り方が問われています。

そんなこんなで、新年っぽくはないですが、このあたりで。

PS:小さい字コーナーは、今週はお休み。
人気コーナー?ですが、たまにはお休みもいいでしょう。

2013.01.07

ホットヨガ

今年初めてのブログです。本日から大学は授業が再開されました。年末年始の休暇では、それぞれ思い思いの過ごし方があったようです。田舎への帰省、初詣、TV観戦、勉強など。皆さんは如何だったでしょうか?私の方は、TV観戦が多めの「動かない」かつよく食べ、よく飲み、よく寝ての健康的!?な過ごし方でした。その反省ならびに身体のメインテナンスがてら、近所にある大型銭湯で、ホットヨガと岩盤浴で最後の休日を過ごしました。

 ヨガ、と聞くと私と同世代以上の方は、"アクロバティックなポーズ"を思い描くようですが、最近は幅広い年齢層に対応できるようなスタイルですので、どなたでも無理なく初められるようになっています。どちらかといえばゆったりと身体を制御しながらのストレッチ、姿勢維持が多いのですが、室温は40度ぐらいの中で行うホットヨガのために全身汗びっしょり。おかげで、身体もほぐれ、血液循環、自律神経も大いに刺激されました。その後の岩盤浴でも体内まで暖まり、芯からリフレッシュできました。身体は、運動、環境の刺激を受けて常に適応するのを改めて感じました。

 今年も「からだ」について深く探求していきます。本年もどうぞご愛読のほどお願いします。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

  1月最初の週末に大学をのぞくと修論を前にした院生、そして先生方にも出会いました。3回生伊坂ゼミ生も集合して、最終打ち合わせをしておりました。いよいよ2013年も幕が開けて、それぞれの活動へ蠢きはじめた感じがします。

  年の初めに打ち立てた願いが叶う一年になりますように。

【忠】

 

 

 

2013.01.06

年頭に思う

皆さま、明けましておめでとうございます。今年もまた、よろしくお願いします。

初詣の帰り道、二駅京都よりの嵯峨嵐山駅の待合室においてのこと、隣に座ったOL風お嬢さんが携帯を取り出し、次のように発声しました。

「アケ、オメ~ッ.」 「マタ、ヨロ~ッ.」

突然のことで私もギョッとしました。「これが若者言葉で、省略語(文)なのか」とあらためて興味を抱きました。そして直に初めて聞いた割には余り抵抗なく、スッと理解することができました。毎年の事始めの行事に参加している時、冒頭行の一部分が含まれていれば、その「ことば」が意味合いを通じさせるよう十分に役割を果たしていることに感心しました。

 また同時に、常日頃若者代表の大学生に数多く接しているにもかかわらず、彼らの言葉の使い方に積極的な選択的注意を働かせていなかった自分自身を意識しました。その時、若者たちが言葉や文章をきちんと丁寧に用いない状況に、またその積極的推進層の大学生に、「マユを顰める」年配者の一人に自分もなっていたのだ、と私は気づきました。

 久しく忘れていましたが、私はかつて、「運動動作実行、試合中におけるプレイヤーの言語発生」について調査を行いました。その時、①運動動作の系列と並行して、数多くの言葉が各役割のプレイヤー達によって発せられていること、②その言葉の多くが省略語であること、③意味内容の伝達とともに、事態前方推進への調子付、ある対象物への注意喚起、強度調節のための叱咤激励等々の、いわゆるタクトを形成する「情動語」を多く含んでいること、等々の結果を私たちは得ていました。

 言葉だけを取り上げれば、それらは意味不明であったり文法的に誤りであったりします。けれども、運動動作の系列と関連付けたり、あるいは連携・戦術的行動の形成・習熟過程と関連付けたりして初めて、それらの機能が発揮されている状況が理解されました。

 研究課題上の問題を実践課題上の問題に移行して考えると次のようにも言えます。コミュニケーション形成・進行・習熟の過程と関連付けて大学生たちの「ことば」に一層関心を払うこと、これが年頭に思う私の重点かもしれません。今年初めてものを考えさせてくれた「ふたこと」に感謝です。

 

【善】

 

 

2013.01.05

2013年の始まり

明けましておめでとうございます。2013年が始まり、ブログも新年最初の担当となります。


新しい年が始まり、今年の目標を設定された方々も多いと思います。私もここ数年間は、毎年具体的な目標を設けるようにしています。ただし、昨年の目標の達成率は高いものではありませんでしたので、今年は少し抑え目の目標設定にしてみました。年々、目標設定が抑え目になっていっているような気がしなくもありませんが・・・


今年は、スポーツ健康科学部の学部1回生から4回生までがいよいよ勢揃いすることになります。学部だけで900人を超え、大学院を含めると1000人程度がインテグレーションコアを拠点として、スポーツ健康科学を専門的に学ぶことになります。後輩が増えること・・・実は上回生にとっても大きな刺激となっているようです。私の身近なところで言うと、ゼミ(専門演習)にも新たに12名が加わりますが、現3回生(12名)も新メンバーとの交流をとても楽しみにしています。3回生と4回生のゼミは別々の授業ではありますが、同じゼミ中で上回生が下回生に対して指導をする、あるいは見本をみせる・・・このことにより双方に対し大きな学習効果を期待することができます。ゼミが実際に始まるのは4月からですが、【新たな仕掛け】をいろいろと考えているところです。


それでは本年もどうぞよろしくお願いいたします。


GOTO

2013.01.04

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします

 お正月はどのようにお過ごしでしたでしょうか。比較的お天気にも恵まれ、神社仏閣にお参りに行かれた方も多いのではないでしょうか。健康、幸福、益々の発展等々を祈る心・姿には麗しく、また美しいと感じるものがあります。もちろん祈るだけでは願いが叶えられるわけではなく、ひたむきな努力と実践の中から現実のものとなっていくことは明らかです。プロチームを持っていない数少ない奈良県で、ただひたすらに粘り強く目標(プロチームの誕生)を目指して歩み続け、願いを現実のものとした本研究科の渡辺史子さんの実践例が、「力ときずな信じて 羽ばたけわがチーム」(1月1日付朝日新聞奈良版)に、スポーツ地参地翔(地域住民が参加し、地域が飛翔するの意)①が二面に渡り大きく紹介されました。年の初めに本研究科の院生が紹介され、一層誇らしく思われました。次に記事をご紹介いたします。なお、近鉄高の原駅前で「バンビシャス奈良のPRチラシを通行人に配る渡辺史子さん」の大きな写真も掲載されていました。(老ブロガー・ハル)

 

【朝日新聞 奈良北西】 2013年1月1日(火曜日)

<チーム誕生の瞬間に涙>

 昨年11月、橿原市の体育館。県内で初開催された男子プロバスケットボール・bJリーグの公式戦を見ようと、約1500人の観客が集まった。大阪エヴェッサと島根スサノオマジックの対戦前、今年から参入する「ナラプロ」(奈良市)の加藤真治代表がマイクを握った。

 「チーム名は『バンビシャス奈良』です!」。一瞬の静寂後、「ワァー」という歓声と拍手が館内を包んだ。

 コートにはチーム名を書いたプラカード。「奈」の文字を掲げた渡辺史子さんは涙がこみ上げた。「私たちのチームが奈良の人々に受け入れてもらえる」。プロスポーツチームが生まれる瞬間に立ち会える喜びをかみしめた。

 生駒市出身。立命館大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。高校でハンドボールにのめりこみ、大学でスポーツビジネスを研究。2009年、ナラプロの活動を知り、ボランティアの支援を申し出た。

 京都府体育協会で地域スポーツクラブの広報や教育との連携を図るアドバイザーをした経験を生かし、加藤さんらとクラブ運営について意見交換してきた。スポンサー企業との食事会にも参加、支援を呼びかける。現在はツイッター係を担当。「対話すること」をモットーに一つ一つの書き込みに丁寧に返信する。

 bJ参入は10月だが、来春に大学院を卒業する。バンビシャスに関わり続けるか、別のプロスポーツに携わる道を探すか。迷いはあるが、描く夢はひとつ。「ドイツのサッカークラブのように、スポーツが日常の一部になっている生活を日本でもつくりたい」