大学からアメリカへ行き博士課程、ポスドク、教員として約18年間在米経験のある【聡】先生は、筋肉のタンパク合成に関する研究です。その研究成果の中から、1)筋タンパク合成はタンパク質摂取でも刺激されるが、タンパク質の種類によって刺激されるホルモンの応答は異なる。2)筋トレによって、シグナル因子(遺伝子発現)が刺激を受けて、筋タンパク質の合成が高まる。その長期的な効果によって、筋肉は肥大する。その筋トレに必須アミノ酸を併用すると高齢者でも効果は筋トレよりも高まる。3)運動強度の設定は、70%1RMといわれているが、50%1RMで回数を増やせば効果は変わらない。4)健康バンドを通じたコミュニティづくりなど、幅広い研究成果の紹介を頂いた。この分野のニューリーダーに相応しく理解しやすい解説であった。
スポーツ教育の文脈の多義性をテーマに【善】先生は、講義された。文脈の多義性の源泉は、「目的・内容を仲立ちとして、教える・学び取る過程。2つの行為の関わりを実践者として、理論的に考える。」→認識主体と認識主体の二重性・同時性にある。具体的な研究アプローチとしては、教授-学習過程を、①動作・時間研究法、②実験授業研究法、③双方向コミュニケーションなどがあり、それぞれは現実の指導学習場面をそのまま手を加えないで記述するアプローチ、実験的に授業に実験的に手を加えて研究するアプローチ、ならびに情報伝達システムの中での教授・学習過程をみるアプローチといえる。ベテランの教授として、
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
1.今年、大学院を修了した佐々木君の投稿論文が、体育学研究に掲載されました。スポーツ健康科学研究科で育った私の研究室初の学術雑誌に掲載された論文です。教え子の論文が載るのは非常に嬉しいものです。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/57/2/57_11113/_pdf
2.共同研究を行っている【K部】さんが、カナダでの研究留学から無事帰国。カナダでは1ヶ月で実験を仕上げて論文をまとめる、という世界のトップ研究所のペース、スピード感を体験してきたとのこと。
3.アシックススポーツ工学研究所所長の西脇さんに「スポーツ工学の魅力と製品づくり」で講演してもらいました。融合分野の必要性と強みを聞かせてもらいました。また、オーストラリアのエディス・カーワン大学の野坂先生に、エキセントリック収縮の科学でセミナーをしてもらいました。この分野の第一人者から幅広いアプローチを聞かせてもらい、学生は大いに刺激を受けていました。
【忠】