[ 2025年05月 ] の記事一覧

2012.11.24

プレゼンバトル2012(結果報告)

先週のブログにて、研究室内で週1回・昼休みの時間帯に行っている【プレゼンバトル2012】の取り組みを紹介しました。先月上旬から6週間にわたり実施してきたこの企画、今週は決勝ラウンドでした。予選、準決勝ラウンドを通過した大学院生2名、学部生2名の4名が【働くということ】というテーマで5分間のスピーチを行いました。これまでのテーマと比較しても難しかったと思いますが、準決勝ラウンド終了後1週間かけて、じっくりとストーリーを練ってきてくれたようで4名のスピーチともに大変聞き応えのある内容でした。そして、優勝者は・・・・学部3回生の
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shimityくんでした。彼は学部1回生の頃から私の授業を受講してくれていますが、特に2回生で行った小集団の授業内(研究入門)での発言やグループワークでの積極的な取り組みは強く印象に残っています。また、卒業後の進むべき道についてもクリアーな視点(目標)をもっており、それが今回のテーマに対するスピーチにも生かされていたように感じます。






今回の一連のプレゼンを聞いて、私の予想以上に、スピーチのスキルが高いことに良い意味で驚きました。プレゼン力、スピーチ力の高さ、これはスポーツ健康科学部の学生の一つの特徴かもしれません。学部生については、基礎演習、研究入門、英語、専門演習(ゼミ)など比較的少人数の授業の中で数多くのプレゼンテーションを経験しています。また、大学院生についても、修士課程の時点で多くの学生が国内外の学会での研究発表を経験しています。このような日々の取り組みが、本人達も気付かないうちに【人前で話をする】ことのスキルを高めることに繋がっていたのであろうと推察しています。


この企画、これからも続けていきます。今回は座った状態での5分間のスピーチでしたが、より長時間のスピーチ、1枚のみのスライドを使ったプレゼンテーション、英語でのスピーチ、他の研究室との対抗戦などいろいろとアイデアがあります。仲間同士で競いながら、そして楽しみながら自ずと【プレゼンテーション力】【スピーチ力】【自分を考えをアウトプットする力】が高まるような【仕掛け】をこれからも準備していきたいと思います。

GOTO

2012.11.23

小春日和の光景から

つい一月半ほど前はあんなに避けていたのに、今は弱い日差しながらも日向を求め、キャンパスのここかしこに、"地べたリアン"のごとく腰を降ろして談笑する光景を見かけるようになりました。1週間でキャンパス内の木々の紅葉、落葉と自然風景だけでなく、学生たちの行動、服装も変化していっています。その服装などを見て思わず四十数年前の貧しかった学生時代(小生だけではなかったと思いますが?)と比較し、つくづく生活水準が向上し豊かになったんだと思いつつも、昔を懐かしんでおります。

しかしながら、物質的な生活が豊かになるにつれ、こころの豊かさや日々の充足感を求めるようになってきましたが、では何をしたら良いのかといった状態から抜け出せずに藻搔いている人が少なからずいるのではないでしょうか。学生たちの中にも、毎日の空虚感を訴える者もいますが、内省と共に今ここでできることを振り返り、本気になって1歩踏み出す"勇気"とスポーツをやってきた"根気"と本学に入学できたんだという自尊心をもとにした"覇気"といった四つの気を持つことを勧めています。そして何よりも若い!いくらでもやり直しがきく。過去が将来を決めるのではない。将来は今をどう過ごすか、今の自分が決めるんだ、とアカデミック・サイコロジーでなくポップ・サイコロジーを語っています。(老ブロガー・ハル)

2012.11.22

読書の秋・・・小休止

  Hamaです。


   一昨日、共同研究の打ち合わせのため、急きょ日帰りで札幌に行って来ました。

  先日、降った初雪(?)のため、野山はうっすら雪景色、すっかり冬の粧いをみせていました。



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 そもそも今回の出張は、私が指導している博士課程の大学院生N君が、学会に参加したことがきっかけでした。

 そしてなんと、N君が質問した先生は、私が大学時代に教わったことのある(私よりも20歳も上の)生化学のS先生だったのです!!


 

 若いうちは、N君のように臆することなく、自分の知りたいことのためには、相手がどんな先生だろうと、どんどん質問するくらいがいいですね。


 

 もちろん、まず(自分が何者かを名乗って)礼儀正しくですが・・・

 





 研究打ち合わせ内容を、簡単に説明します。

 

 脂肪細胞には、代謝が低くてエネルギーが余ると、ためこんでしまうタイプ(白色脂肪細胞)と、色々な刺激によってエネルギーを容易に消費するタイプ(褐色脂肪細胞、最近では、ベージュ脂肪細胞と言われることもあります)があります。

 これらの脂肪細胞と運動との関連を研究していこうとするものです。


 この研究内容についても、進展があれば今後、報告します。


 

【褐色脂肪細胞に関する参考論文】

     Is irisin a human exercise gene?
Timmons JA, et al. Nature. 2012 30;488(7413):E9-10.


     Beige adipocytes are a distinct type of thermogenic fat cell in mouse and human.
Wu J, et al. Cell. 2012 20;150(2):366-76.

 

Hama



2012.11.21

大阪市をきっかけとした小学校英語の議論

おはようございます。ma34です。

今日は、先日MBS「ちちんぷいぷい」の特集で
「小学校英語でフォニックスが導入される」ということをめぐって
ちらっと私が登場しましたので(コメントと写真だけですが・・・)その話題を。

橋下氏で注目される大阪市ですが、小学校英語教育についても
注目すべき動きが出てきました。

それは、小学校1年生から英語活動を導入し、
そのなかで「英語の文字と音声についてのルール」である「フォニックス(phonics)」を
教えよう、という動きです。

(2011年4月、新しい学習指導要領の施行に従って、
 全国の5、6年生には週一回の「外国語活動」が導入されています)

そのニュースから、今回のちちんぷいぷいの特集となったのですが、
巷の英会話スクールにて、フォニックスのルールを教わる子どもたちの映像がありました。

フォニックスというのは、先も書きましたが、「文字と音声のルール」のことです。
ただ、その内容は、アルファベット一つ一つの音(例えばbには/b/ , cには/c/, /s/などの音がある)を知るレベルから、それらを組み合わせて単語を読んだり、母音("oo" は「ウ―」だったり「ウッ」だったり)のルールまで覚えたり・・・と色々なレベルがあります。

中1の教科書の入門期(4月はじめ)にも、「フォニックス」を意識した頁が増えました。
(New Horizon 1)


phonics teaching in new horizon.jpg

そして、教え方も、CDやドリルを繰り返して教えるというやり方もあれば、
子どもたちが親しむライムやチャンツを取り入れて教える方法、
あるいは教えずに「気付かせる」ことを狙うやり方・・・と
実は色々と立場もあります。

そのあたりについて、大阪市が具体的にどのようなフォニックス指導を進めていこうとしているのか、
まだよくわかっていないのですが、
このニュースを受けて、全国の小学校外国語活動をめぐる議論も進められるのかと思います。

私としては、フォニックスのルールを「教える」、「覚えなくてはならない」というように
先生や子供たちにとって新たな「負担」になってしまうことはやはり問題だと思いますし、
「ルール」を知っているだけで、意味はわからないけれど読める・・・というのではなく、
実際に英語の絵本や歌、コミュニケーションという文脈のなかで
うまく取り込んでいくことが必要であると思っています。

・・・・ということを含んで電話取材を受けたのですが、なかなかうまく伝えるのは難しいですね。
このブログで、こうやって書くのも、きっと伝わらないのだろうなあ・・・。

結論。

フォニックスの導入が、子どもたちの英語学習の「新たな壁」になるのではなく、
「新たな扉」になることを願います。

ma34.

2012.11.20

ブログの続きものを書く回

過去のブログ記事のタイトルを見つつ、
続きもの、って何があっただろう、と思いつつ、
タイトル見ただけではわからない、という事実に気付きました(笑

そこで、ちょっと中身を見てみると、
どうやらドラッカーについて書きつつあって、
イントロで放置しているらしいことに気付き、
今回は、ドラッカーについて書いていこうと思います。

その前に。。。Movable Typeというソフトでブログを書いているのですが、
色々バグが多くて大変です。。。(独り言)

さて、ドラッカーですが、背景まで簡単に書いてあったところを見つけたので、
そこから先。




私自身が思うのは、ドラッカーは現実に立脚したユートピアを追い求めていたのではないか、
ということです。
特に社会の構造をどのように認識するのか、という点において、
新たなユートピアの姿、そしてそこにおける実践的態度、
について述べたかったのではないか、と。

ついでに言えば、1990年ぐらいになるまで、ユートピアとしては、
マルクスの理念が大きな影響を与えてきました。
細かくは書きませんが(書けませんが)、
社会は不平等であり、この不平等の克服こそが全人類の幸せにつながる、
ということになります。
その上で、資本主義は内在的に不平等な仕組みであり、
この不平等な仕組みを克服し、新しい平等な仕組みを作っていかなければならない、
ということでした。

一方でドラッカーは、社会の変化の中で、
国家に依存しない企業組織、を見出し、
また人間は生涯の多くの時間を働くことに関わる時間に充てている、
と言うことを見ました。
そのため初期は、企業内で人間の生活の一環としての人間性の発揮を見出す必要があり、
そしてそのために投票などによらない企業組織が良識を持って運営する、
ということはどのようなことなのか、について語っていると思います。

これが後期になると変わっていき、
企業組織は働く場でしかない、ということになり、
企業組織が人間としての働きがい、やりがいを提供する、と言うよりは、
多様な非営利組織とそこでの生きがいの実現、というのがテーマになっていきます。

また、併せて組織内で代替可能な労働者としての人間から、
代替が不可能な知識を持つ人間、というように考えが変化し、
テクノロジストと言う表現で個の成長を語っていきます。

つまり、社会生態学者、という言葉をずいぶん前に紹介しましたが、
変化を見ながら、そこに立脚した上で自らの描くユートピアを、
いち早く紹介してきた、という側面を持つでしょう。

さて、長くなりましたので、このあたりで。
これこそ、続く!だな。

そうそう、それとたまに文字の大きさが違うことがありますが、
私は何もしていません。。。ソフトのバグだと思います。。。

ではでは。

PS:最近、色々な飲み会が金曜日の夜になりません。。。つまるところ飲みすぎるな、ということかな。
40を目前にして、飲みすぎないコツをようやく学びましたが(笑
でも、二日酔いにはたまになり、そのたびに飲むのをやめようと思いつつ、そこから学習しないのは同じ(笑

2012.11.19

教員紹介 その7

今回のスポーツ健康科学セミナーは、【mm生】先生と【ab】先生でした。いつもTAをお願いしている【Naka塚】君の学会発表があり、TAともども出張にでかけました。司会は【仁】先生にお願いし、メモは院生の【結】さんにお願いしました。【結】さんのメモをもとに紹介します。

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健康教育が専門の【mm生】先生は、「社会化」(人とコトとモノとの関係性)の中で健康を考えることをテーマに捉えられている。そうした中では、個人だけで健康を求めても成り立たない。また、常に健康ブームの状態にもある。これは国民全体の健康意識が高い現れであるが、「日本人は自分たちが健康ではない」と思っている。先進国の中でも唯一健康ではないと答える日本人。社会全体(フレームワーク)は変わっていても、『健康』をどう見るかの視点は変わっていないのではないか?贅沢品としての健康から権利としての健康に、そしてまた贅沢品としての健康へ。いろんな物を手に入れないと健康とは思えなくなって生きている。選択肢が多くなりすぎてかえって難しくなって生きている。震災を経て、「食べられること」という普段は意識しないことが健康なのではないかと思えるようになった。

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今年のオリンピックでは、すべての種目に女性選手が参加するようになった。とりわけ日本のなでしこ、バレー、卓球の活躍に感動したとの話題から【ab】先生の話はスタート。最近の懸念は、「女子力」への不安。運動しない女子、痩せ、朝食欠食。このような女性が日本の母になることへの懸念。「オリンピック女性選手の輝きをモデルにしてほしい、それを担うのが皆さんだと思っている」。研究では、食生活のQOLの向上に欠かせない「おいしさ」の追求。おいしさの構成要因は、科学的、物理的、心理的、生理的、食環境、外部環境、後天的、先天的なものからなる。自分にとっておいしいと思う食べ物、そしてそれはどの様な要因によっておいしいと感じているのかについて考察する。食べるということは栄養素の摂取だけではない!いかに自分がおいしいと思えるものを食べられるかということが大事。

「健康」「食」を中心としてお二人の先生に、研究内容と日本の今後を語ってもらいました。

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<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

スポーツ&ヒューマンダイナミクスという学会で、【Naka塚】君が学会デビューを飾りました。大学院の合同ゼミで鍛えられているので、落ち着いて話せ、質疑応答できました、といえるほどしっかりプレゼンできました。同じく院生の【Kadumi】さんも、堂々とした態度で冷静に聴衆へ語りかけるようなプレゼンができていました。【O塚】先生は、工夫を凝らしたPPT資料、ならびに2,3日徹夜続きを全く感じさせない見事なプレゼンでした。学会でお食事したW大学の先生から、「方々の学会で立命館大学目立ってますね!」と嬉しい言葉を頂きました。本学学部・研究科の学生、教員は内容もさらに磨きをかけて、学会、社会へ貢献できる研究成果を引き続き生み出していきますよ!

 

【忠】

 

2012.11.18

多様練習仮説と実験的実践

先日、2回生のMさんが研究室に訪ねてきました。小・中学校の教科書のことが質問・相談の中心でしたが、10年間以上テニス競技を行っていると彼女が教えてくれたので、練習の仕方やモチベーションを維持すること等々、逆に私の方が聞き手にまわりました。

どのような競技においてもそうですが、一定レベルに達すると、そこから先、さらに上昇カーブに乗ることは相当骨の折れることがらです。中高のジュニア、シニアのステージでかなりの練習量を積み上げてきた人たちにとっては、尚更のことです。

 練習やトレーニングは真面目に、相当量を維持して行っているのにもう一つ伸びきれない、あるいは「マンネリ化を打ち破りたい」、「練習環境を変えたい」、と考えている「学生アスリート」がかなり多くいる、と現在の自分と少々重ね合わせて彼女は感想を述べていました。

 「練習環境を変える」ための手っ取り早い方法は、「場所と相手(仲間)」を変えることです。プロの世界では、所属チームの変更やポジション・コンバートなどがしばしば話題に上ります。けれども中高生時代がそうだったように、大学生もクラブ・サークル組織の構成員としてその競技者活動を行っています。だから自分だけが場所と相手を勝手に変えて練習する訳にはいきません。案外このことに関連して、運動クラブ員の悩み・気がかりの第1番手が「人間関係」だ、ということになっているのかもしれません。

練習や訓練という語は、○○に関する「新奇の事態に対処する力量」を準備する過程を指示します。したがって、○○の事態に備え、どのような「課題や狙い」を持つかということが本質的となります。練習の環境を構成している要因は、場所と相手(仲間)だけではありません。早い話が、練習計画を私たちが立てる際に、①何が操作可能か、②それによって、何が変わるのか、③変化の量と方向の予想や予測は?等々、順次に書き出していけば、案外「てこずる問題」です。

①の操作可能なものに関しても、次のことがらが考えられます。

1)練習の量と質

量:回数、頻度

質:課題 →何をするか?(身体的負荷、精神的負荷)(強度、複雑さ)

       何を覚えるか?(記憶、保持、転移)

       何を考えるのか?(思考、判断)

2)練習のスケジュール

課題(練習項目・内容)とそれらのバリュエーション

負荷と休息の量的組み合わせ

  集中・分散の度合い、セッションのスパンと反復回数

  「文脈干渉の効果」 一定練習と多様練習


相手、場所を変えれば、この中のいくつかの要因が関連して変化します。逆に同じ場所、相手であっても、練習プログラムの構成要因を操作することによって、新たな練習環境づくりやその更新に意図的に取り組むことが可能です。

 先の文脈干渉の効果に関して、技術要素やその変形(例えば、フォアやバックのストローク、ボレー、オーバーヘッド等)の同じものをブロック化して反復練習する(一定練習と呼ばれる)よりも、それらの異なった要素がランダムに出現する反復練習(多様練習と呼ばれる)の方が「新奇の事態に対処する力量をより一層向上させる、ということが確かめられています。私たちはどうやら運動に慣れてくると、何を考えるのかについて一番意欲と喜びを感じ、学習効果を高める傾向をもつ、と考えられています。

 上記のことを仮説としてもち、「1週間の第○日目、同じ場所、同じ打突スキルで、同じ相手コート・エアリアに、同じ回転・ループのボールは打ない」という、練習目標と計画を立てることは可能なのか、と私はその時彼女に質問しました。結論を私がもっているわけではないので、先々に何がしかの答えを出す活動を私もしたいと思います。

 授業実践者である教科担当の先生が、実験授業という方法を通じて、同時に学習環境の他の構成要因の働きを検証し、次回の授業プログラムの一部改変を継続的に試みることが行われています。これに倣えば、「練習を変えたい」と積極的に取り組むアスリートは、日々、「実験的実践」を行っていると言えるでしょう。

 

【善】

 

 

2012.11.17

プレゼンバトル2012(決勝ラウンド進出者が決まりました)

以前にも紹介をしたように、10月上旬から研究室のランチミーティング時にプレゼンテーション大会【プレゼンバトル2012】を実施しています。大学院生、学部生を4グループに振り分け、予選ラウンド、準決勝ラウンドを経て、ついに決勝ラウンドの進出者4名が決定しました。予選ラウンドのテーマは【都道府県の紹介(プリフェクチャーバトル)】にしたことは既にお伝えした通りです。一方、2週にわたり実施した準決勝ラウンドでは、【夢】、【私が大切にしていること(もの)】という若干抽象的な2つのテーマを課題にしました。少し難しいかなと思いましたが、それぞれが工夫をして約5分間にわたりオリジナルのプレゼンテーションを行ってくれました。横で聞いていた私も思わず「上手い!!」と拍手を送りたくなるプレゼンもみられました。


そして、決勝ラウンドに進む4名が決定しました。4名のうち2名は私が第1シード、第2シードと勝手に見込んでいた大学院生のM嶋くん、そして、アスレティックトレーナーのKagetaさんです。準決勝ラウンドでのこの2名の戦いぶりは圧巻で、M嶋くんは大学の学部時代に指導を受けた恩師の名言・格言を穏やかな口調で紹介してくれました。これまで授業、国内外を含む数多くの学会での豊富なプレゼンテーションの経験、そして、彼の気の優しさを感じさせる内容でした。一方、Kagetaさんは【片足立ち】という若干謎の多いテーマで話を始め、オーディエンスの興味・関心を一気にひきつけました。そして、最後は謎解きともいうべき、見事な締めくくりでプレゼンテーションを終えてくれました。やはり私が見込んだ通り彼女は実力者です。


残り2名は学部3回生です。一人は座間高校出身、将来アスレティックトレーナーとして活躍することを目指すTomoくんです。彼のプレゼンテーションはストーリーがしっかりと練られていることに加え、最後の数十秒で上手に話をまとめる点が特徴です。また、話をするスピードや声の大きさが聞き手にとって心地良く、不思議な安心感を与えてくれます。今回のプレゼンバトルを通じて私が発見した一つの収穫でした。実は私は、彼が1回生の頃の基礎演習(クラス)の担任なのですが、スポーツ健康科学部での3年間の学びを通した成長ぶりを実感した瞬間でもありました。


最後の1名は硬式野球部所属のShimityくんです。彼は準決勝ラウンドで【夢】についてプレゼンテーションを行いました。小さい頃の夢、そして大学入学後の夢、そして現在の夢、、、夢の変遷を語ってくれました。夢というのはその時その時で徐々に変わるもの、大事なことはその時点での夢に向かって足を踏み出すことです。前に進むことで立ち止まっていた時とは異なる風景が見えるものです。その中でまた新しい夢が生まれてくるものです。だからこそ、将来を不安視する学生には、まず一歩踏み出す勇気を持って欲しい。彼のプレゼンテーションを聞きながらそのようなことを思い浮かべていました。


さて、決勝ラウンドのテーマは【働くということ】です。これも抽象的で難しいテーマでしょう。もともと今回のプレゼンバトルは、これから就職活動が始まる学部3回生のスピーチやプレゼンテーション能力向上の一助になればと思い企画したものです。そこで最後は【働く】ということについて、自身の考えや想いを存分に語ってもらうことにしました。決勝ラウンド、4名のスピーカーがどのような話を披露してくれるか楽しみにしています。

GOTO

2012.11.16

今年も後一月半・・・・

 カレンダーも後1枚を残す時期になるといつも、あの時やっておけば良かったと、思い切って今一歩を踏み出さなかったことを悔やみ、また、"明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかも"を戒めの歌としながらも、つい"明日があるさ"の誘惑に負け、日常に流されて来たことを反省しつつ職業人として三十数年、つくづく進歩の無さを嘆きながらも新たな挑戦を忘れないようにしなければとの思いを奮い立たせています。

 なにやら、湿った反省のようになってしまいましたが、先回の講義で"Who am I ?" 検査をやってみて、大変に明るい気分になり、また、学生の自己を見つめる真剣さを感じることができました。この検査は、"私は(     )である。" と文章を完成してもらうのですが、書くことで自分を知るというか、自分の気持ちを整理し、考えをまとめることにより、それまで気づかなかった問題点とか葛藤の原因となるもの探り解明することにもつながります。「私は立命館大学のスポーツ健康科学部の学生である」といった帰属意識を反映する表現はほとんどの学生に見られましたが、このような外形的な面での規定表現と共に、将来の目標や意思(○○を志す。競技や学業成績などの達成目標)を表現した努力を前提とした内面的な記述が多く、自律的・自立的で、建設的な思考が伺えました。学生諸君の将来が楽しみです。(老ブロガー・ハル)

2012.11.15

遺伝子から見て、縄文顔と弥生顔は、分類できるか?

Hamaです。

読書の秋の続きです!

「化石の分子生物学」から。。。

 皆さん、縄文顔と弥生顔の分類をご存知ですか?
聞いたことがない方のために、簡単に説明します。

 縄文と弥生は、もちろん縄文時代と弥生時代のことです。

 縄文顔とは、太い眉、二重まぶた、立体的な顔を特徴としたいわゆる南方アジア系の顔です。

 弥生顔とは、細い眉、一重まぶた、平坦な顔を特徴とした、モンゴルの人の様な北方ア
ジア系の顔です。

 「ソース顔」と「しょうゆ顔」とも言われることがありますね。

 二つの顔の特徴が何となくイメージできたでしょうか?

 それを検証するためには、まず縄文時代の人の特徴を調べる必要があります。

 これに関して、国立遺伝学研究所の宝来氏らが、当時としては難しいとされていた硬い組織、つまり骨の化石から抽出したミトコンドリアDNAを分析することに挑戦したのでした。

 様々な地域の縄文人の骨を分析した結果、そのDNAは北東アジア系の人たちに近いものだと分かりました。決して、東南アジアの人たちの影響を強く受けている結果ではありませんでした。

 また、弥生人のミトコンドリアDNAの分析からは、そのDNAは、本土の縄文人のものとは異なる結果でした。弥生時代には、大陸から何度も日本列島にやって来て、混血が繰り返されたようです。弥生人も決して、モンゴルの人たちだけの特徴を有しているわけではないようです。

 
ということで、いわゆる縄文顔や弥生顔は、遺伝子の分析から見れば、それらの時代の人の顔の特徴というわけではないようです。

 遺伝子を分析すると、通説の検証もできるのですね、すごい!!

 

Hama