[ 2025年06月 ] の記事一覧

2012.08.06

ひらめきときめきサイエンス

スポーツ健康科学の最先端を体験 ひらめき☆ときめきサイエンス「『スポーツ健康科学』を体験しよう~最先端研究で自らの身体を深く理解しよう~」を昨年に引き続き、8/1に開催しました。

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このイベントは独立行政法人 日本学術振興会の採択を受けて実施される「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」の一環として、高校生を対象に、自身の身体,特に動くための身体の仕組み・機能について,講義を受講及び最新の測定システムを使って自身の客観的データを測定、データの解析を行いました。

 

20120806-2.jpg当日は、「スポーツマンシップとは?」と題して長積 仁・スポーツ健康科学部教授による講義とグループワークもあり、自然科学的アプローチから社会科学的アプローチまで幅広く、『スポーツ健康科学』を理解するとともに、この分野の研究内容を実践的に体験してもらいました。

  

 

20120806-3.jpg修了式では、「スポーツ健康科学に関わる理論的背景を知り、実践につなげること、自らの身体や動きを客観視すること、を今回のイベントで学んでもらいました。『スポーツ、健康を科学する』という発想、視点にもとづいて、これからのスポーツ活動、日常生活を見つめて下さい。そこには、『科学』につながるひらめき、アイデアがあるでしょう。この分野の将来にとっても、みなさんの今後の活躍を期待しています。」と挨拶させてもらい、未来のこの分野を担う参加者に「未来博士号(スポーツ健康科学)」を授与しました。

 

来年も行う予定です。是非、未来の博士のみなさんは集まって下さい。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

8/4-8/5はオープンキャンパスでした。スポーツ健康科学部のイベントには大勢の参加がありました。学生、院生スタッフとも大活躍でした。学部紹介では、院生、学部生がそれぞれこの学部の魅力を語ってくれました。日曜日の午前に、学部1回生の成澤さんの説明に感動した生徒さんがいました。その生徒さんは、クラブのマネージャーでスポーツをするのではなく、支える立場で、かつ周囲の進路が国立志向の中で、本学への志望を熱心に考え、悩んでいたようです。でも成澤さんの説明に感動し、涙を流したようです。成澤さんも共感しもらい泣きしました、と話してくれました。

 

【忠】

 

 

2012.08.05

BKCオープンキャンパス

8月4日(土)、5日(日)の両日、BKCの7学部が参画して、オープンキャンパスが行われています。高校生や父母のみなさんにBKCを訪れてもらい、入試・入学から学部での勉学・学生生活を経て進路・就職問題まで、これはまさに大学での学びをトータルにイメージしていただこうという企画です。

 1日のキャンパスライフは次のようです。学部説明会やAO入試説明会、施設見学ツアー、それに研究入門(スポーツ健康科学の4分野からそれぞれ、興味がもててわかりやすい内容・テーマで展開される、模擬授業あるいは参加・体験型授業のこと)の受講、また個別相談ブースが7学部隣接して設けられ、学部・学生生活のことなら何でも相談にのるという体制が組まれています。お昼休みをはさんで、各プログラムを参加者に選んでもらいます。

 

SIMG_Kanban7767.jpg 第1日目の8月4日(土)は、全体で約3200名の参加者があったそうです。午前の学部説明会では約250名の参加者、R103号教室に立ち見が出るほどでした。またその後の研究入門の1つスポーツ科学(「自分の動きを見てみよう」@1F,パフォーマンス測定室)では約170名位の参加があり、参加・体験型授業と実習室スペースとの関連で、先生と学生・院生スタッフには大変苦労をかけることになりました。

 

午後の説明会には約130名位、研究入門の参加人数も比較的安定しました。第1日目は約400名近くの参加をえた様子です。2日目の午前の説明会にはやはり220230名の参加があります。同じような1日のキャンパスライフが始まっています。きっと好印象であろうと期待しています。

 

 オープンキャンパスは今では多くの大学で行われ、そう珍しいものではありません。でもキャンパスをあげて行う行事ですから、準備についても多くの人びとが関わっています。当日の業務でも、バスを降りたところからの道案内、学部建物の玄関から教室や実習室までの誘導、会場の整理や機材の準備、資料パンフの説明・配布、それに授業や説明を行う先生方の補助、等々を学生、院生のスタッフがテキパキとこなしている姿が、今回非常に印象に残ります。

 

SIMG_Kobetusoudan7761.jpg 学部説明会でも、学部で学ぶ様子や学生生活について丁寧に話してくれました。また、院生は大学院へ進学したいきさつから院生としての研究活動の様子、それに勉強・研究した領域から就職希望の分野や具体的なターゲット企業に至る過程はどのようなものであったか、等々、実に丁寧にしかも簡潔に話ししてくれました。

 今回、スポ健の学部からは11名の学部学生スタッフ(ICナビゲーター)、および11名の院生スタッフが参加して

 

 

SIMG_Yuhaku7769.jpgくれています。個別相談ブースやICナビでの説明の仕方や内容を聞くと、実に分かりやすく丁寧だなと感心しました。また、今回のBKCオープンキャンパスの学生スタッフリーダーはスポ健の学生(3回生、藤吉君)が務めています。学部の主人公は学生だ、と心底そう思えます。

 

 

研究入門は、2日間で8講座をそれぞれ先生方にお願いしました。どうもありがとうございました。学部説明や個別ブース設置を引き受けていただいた教職員スタッフを含めると、このオープンキャンパスは広報企画でも相対的に大きな位置を占めるものに発展してきています。昼休み時の学生サークルの紹介、実演イベント、ポスター発表等々、学部学生や院生の活気あふれる「知力」「体力」がより一層強く感じられるようになると、私の理想とするところにもっと近づくことができるかもしれません。

 

【善】

 

 

2012.08.04

ゼミ合宿

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今週は学部3回生のゼミ生を連れて、2日間のゼミ合宿を行いました。内容は・・・練りに練ったこともあり大変豪華です!!初日の午前中はアンダーアーマーの販売で有名な株式会社ドームを訪問し、実際に勤務をされている社員の方々から商品開発(フットウェア)のプロセス、入社に至った経緯や入社後の仕事内容などにつ いてお話を伺うことができました。本当に素晴らしい内容で、参加したメンバーが集中をしてメモを取りながら話を聞いている姿が印象的でした。私も夢中で話を聞いていました。また、大変丁寧に対応していただき、感激の連続でした。


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午後は、トップアスリートを多面的にサポートするアスリート専用トレーニング施設であるドームアスリートハウス(DAH)に移動し、以前に学部の授業にゲ ストスピーカーとしてお越しいただいた友岡先生から、DAHの施設紹介や現場でのアスリートのサポートに関するお話を伺うことができました。私自身、DAHを訪問するのは久々だったのですが、以前はなかった新しいトレーニング機器(パワープレートなど)も導入されており、最新のトレーニング科学を目にすることができました。 リラックスした雰囲気での質疑応答では、参加メンバーから様々な質問がみられました。タイトなスケジュールの中で私達のためにお時間を確保していただき、株式会社ドームの皆様に感謝しています。


2日目の午前は、国立スポーツ科学センター(JISS)を訪問し、施設案内をしていただきました。日本のスポーツ科学の最高峰でもあるJISSの研究施設は素晴らしいものでした。また、以前に大学院の授業でゲストスピーカーとしてお越しいただいた鈴木先生から、「大学時代に何を学ぶべきか」「どのような人材がJISSで必要なのか」といったお話を伺うこともできました。私自身、今後どういった人材を育て、社会に送り出していけば良いのか?という点に関し大きなヒントを得るこ とができました。


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午後は、お隣のナショナルトレーニングセンター(NTC)を訪問し、施設を案内していただきました。ロンドンオリンピックの期間中ということもあり日本代表選手はほとんどいませんでしたが、約1000畳の柔道場(世界最大)、先日の内村選手の個人総合での金メダルの記憶が新しい体操競技の練習場などを見学する ことができまし
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た。また、卓球場では、全国から選抜されたJOCエリートアカデミーに所属するジュニア選手の激しい練習を見学したほか、将来、オリンピック出場を目指した彼らの日々の生活についてお話を伺うことができました。その後、今回のゼミ合宿の締めくくりとして、今度はゼミ生に今年度行う研究(ミニ卒論)の内容に関するプレゼンテーションをしても らい、JOCの伊藤先生からコメントを頂戴しました。普段の授業内で行うプレゼンとは異なる雰囲気で緊張したと思いますが、なかなか良い出来でした。伊藤先生、ありがとうございました!


以上のように、様々な方々のご協力・ご配慮の結果、密度の濃い・有意義なゼミ合宿となりました。3回生前期というのは、卒業後の進路や自分の将来に対し 不安を抱く時期です。その時期に今回の企画を実現できたことで、進路に関して新たに感じることがたくさんあったはずです。参加したメンバーの満足な顔を見て、「企画して良かった・・」と私自身も大きな充実感を感じることができました。

GOTO

2012.08.03

遇と不遇とは・・・・

 開会式から早1週間が過ぎようとしています。当初の期待と願望を込めた金メダル獲得予想の達成は難しい様相を呈しています。東京オリンピック、アテネオリンピック時の金メダル数16個にどれだけ近づけるか。心身共に限界まで鍛えあげた選手でも、この日のこの時の為にベストの状態に持って行くことがいかに難しいことか。"遇と不遇とは時なり"と言われるように、うまくいく時と何をやってもどんなに試みてもうまくいかない時があるように思われます。なんとかしようと焦るよりも、"時"が訪れたときに備えていつものように淡々と励むのも必要かと思います(スランプ時の心得?・・・・スポーツ心理学)。

 選手の育成環境について感ずることがあるのですが、水泳の北島選手、マラソンの有森選手、高橋(尚)選手と偉大な目標を達成した後、それまでの指導者の下を離れて、独自の主体的なトレーニング環境を求めた結果、選手寿命を縮めているように思われます。厳しい指導者の下で育った選手は、主体的に厳しいトレーニング環境に身を置き、さらなる向上を図ることは難しく、どうしても質・量とも以前よりは甘くなりがちです。自主性、主体性はそれ自体理想的な美しい言葉でありますが、明確な目標達成のために一緒に歩んでくれる絶対的な存在としての指導者が必要なのではないかと思います。

2012.08.02

熱中症に気を付けましょう!

Hamaです。

 さて、今週は持久競技選手のレース中の水分摂取について、お話しながら夏本番の「今」の日常生活での注意点、特に熱中症の予防についてもお話しします。

 

 これまでのトライアスロンレース(気温は18.225.4℃、湿度4373%)の調査によれば、水分摂取量は1時間あたり、0.66ℓ程度とされています。もちろん、気象条件により大きく異なります。

 今回の例では、気温が比較的低いので、水分摂取量も低くなっていますが、トライアスロンレース中の発汗量は、1時間あたり1.5ℓに達するとの報告もあります。ですから、とにかくトライアスロンのレース中には水分摂取を続ける(15分ごとに200250ml)ことが重要です。もちろん、塩分摂取も合わせて行う必要があります。


最近では、各種スポーツドリンクが充実していますから、スポーツドリンクを利用するのがいいでしょう。大量に汗をかく場合にはスポーツドリンクを2倍程度に薄める(または、スポーツドリンクと水を交互に摂る)ことも大切です。

 

夏に運動をする時には、運動前にも250500mlの水分と塩分の補給を行い、運動中にも早目早目に補給を行って下さい!

 

来週は、熱中症発症のメカニズムについてお話します!!

 

参考文献)丸山千寿子ら 体力科学(1994. 43,325-333.

 

 

【今週の1shot!!
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この寺院はどこの、何という建物でしょうか?






























2012.08.01

更新。

こんにちは。ma34です。

大学では前期が終わり、いよいよ夏休みが始まりました。
小・中・高等学校でも、子どもたちは夏休みですね。
しかし、現場の先生方は研究会や研修など色々とあるようです。
私も先日、滋賀県内のとある市にて小学校外国語活動の研修の講師をしてきました。


その準備のなかで、20083月告示の新学習指導要領(小学校では20114月、中学校では20124月より施行)に即して改訂された、新しい教科書(英語科)を分析していました。

とくに英語科では、小学校で外国語活動が5.6年生に導入されたことを受けて、4月入学当初の「入門期」の指導をどのように行うかが重要な課題となっています。

音声中心で、コミュニケーション活動を楽しむことに重点を置いた小学校での活動から、いかにスムーズに中学校の英語科につなげるのかが重要な視点であり、難しいところなのです。

 

写真:小学校外国語活動の教材「Hi, friends! 2」(6年生)(下)、
 旧課程の中1教科書(「New Horizon 1」(上左)、新課程の中1教科書(「New Horizon 1」(上右)

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旧課程と新課程の大きく異なるところは、新課程には「warm-up」という項目が新たに加えられ、この項目のなかで「あいさつ」「教室英語」「アルファベット」「数字」「週」「月日」「色」「名前」など、今までは中学で1から学習した内容が「小学校で親しんだ内容」として位置づけられています(New Horizon)。

 

とくに私が注目しているのは、読み書きの指導についてです。新課程では、アルファベット、そしてつづりの決まり(phonics)についての簡単なルールについては丁寧に指導されることが期待されています(写真はその頁)。

実は、私の世代の教科書では、単語のつづりにどんなルールがあるかなんて、どこにも書いていないことでした。なぜ「cake」という綴りが「ケイク」という発音になり、「cat」の「a」の部分と違う発音になるのかなんて、教えてもらった覚えはありません。


学生のみなさんの中には、英語の時間に発音指導と絡めて、こうした音声と綴りの関係についての指導(phonics指導)を受けてきた方もいらっしゃるかもしれません。けれども、みなさんが中学生だった時代でも、それは、各学校や各先生方が「英語科の学力として学習し、習得すべきこと」を吟味したうえでの独自の取り組みだったわけです。

 

時代が変わるにつれ、その教科で何をどこまで扱うのか、どう指導すればよいのかは変わってきます。教科書はそうした時代での違いが如実に表れるので、分析していくととても面白い発見があります。

 

もちろん英語だけではなく、歴史や数学など他の教科でもこれまでに色々な変化・改訂があります。

(たとえば歴史でも、私が習ったのは「踏み絵」ですが今は「絵踏み」、「聖徳太子」は「厩皇子(聖徳太子)」といったように、色々と変わっていますね。算数でも、リットルは小文字の筆記体のLでしたが、今は大文字楷書のLなのです。)

 

では、体育ではどうでしょう。ぜひ調べてみてほしいと思います。

 

教育も、研究も、つねに新しい知見によって更新されていきます。

そのような新たな知見や更新を見逃さないように、「置いてけぼり」をくらわないようにさまざまなアンテナを張り巡らせないと!と改めて感じています。

 

Ma34.

2012.07.31

立命発!

先週の土曜日に草津のシネマコンプレックスに、映画を見に行ってみました。
その時に、突然・・・スポ健の先生が大きく写ってびっくり!

さて、なぜかと言うと、大学では先生方を中心にして、健康運動教室をやっています。
その宣伝でした。

内容は、「健康バンド」と「立命館」で検索してみてね。

それはさておき、最近、色々な組織の人と話をする機会があります。





それが、なでしこリーグに所属するチームだったり、
地域の運動をしている総合型地域スポーツクラブだったり、とするわけですが、
楽しい事が多くあります。

みんな運動が好きで、それを広く伝えていきたい、
地域を運動で元気にしたい、という想いを持っています。
そんな想いを叶えたり、手伝ったりして、
色々なことをしていきたい、と学部として取り組んでいます。

そんな一環が運動教室。
はてさて、どうなることやら。

ところで、検索してみました?
コンテンツはまだまだですが、Facebookの「いいね」ボタン、押してくださいね。

ではでは。

PS:映画館でシネアドを見ていた時に、検索ワードを覚えられませんでした。
聞いて覚えて、ブログで書く。
こんな感じで動いています。。。

2012.07.30

デザインの力

「つなげるアリーナ」 自然とつながる、市民とつながる をコンセプトに、立命館大学理工学部建築都市デザイン学科3回生が、演習課題として作品をつくりました。武田先生のご指導の下、アリーナとプール、トレーニングジムなどを入れたアリーナのデザインで、今回次の7つの作品を見せてもらいました。

なか君 かけはし

やまがたさん 大地に続くみちひろば

いちかわくん 森がかこむ、森にかこまれるアリーナ

ふくはらさん 木漏れ日の体育館

いとうさん 大地をつむいで

すぎやま君 生きるアリーナ ~流動トンネル~

さかいさん 道草館 キャンパスと地域の人々との間に架かる出会いの道

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写真では分かりづらいのですが、立体模型は、コンセプトをメッセージに載せてくれて、しっかりと訴えかけてくれます。どれも素晴らしい作品で、このようなデザインの建築物が、BKCにできれば、本当に素晴らしいと感心しました。

 

写真でしかお示しできませんが是非ご覧下さい。

 

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

20120730-8.JPG7/28-292日間に「スポーツ健康科学サマースクール」を開催しました。多くの参加者にお越し頂き、協力してくれた院生ならびに先生方にとっても、好い刺激を得た催しとなりました。詳細は後日に紹介します。

 

【忠】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012.07.29

多様なスポーツの理解

30回オリンピック競技会ロンドン大会が、27日夜の開会式を皮切りに、26競技302種目で17日間の競技をすでに繰り広げています。ロンドンは、1908年、48年に引き続き世界で初めて3度目の開催地となっています。イングランドの中南部、ロンドンを中心とする近郊のいくつかの街で「近代スポーツ」が発祥したこと、特に協会式蹴球(サッカー)および陸上競技トラックとフィールド競技などの競技ルールの成立史と組織発展史は、近代スポーツ史として学んでも面白い内容を含んでいます。学生時代を少し思い出しています。


オリンピックは現在では、最大かつ最高と誰もが認める、スポーツ・イベントです。立候補した世界の複数都市から、IOC(国際オリンピック委員会)が前もって開催地を決定。その都市(実際は開催国)が5年以上をかけて準備する、国策事業ともいえる規模になっています。施設建設および付帯建築・土木工事を含めた開催費用は93億ポンド(約11400億円)と報じられています。これとは別に、テレビ放映権料、広告・協賛事業費用、物品生産・販売権料等々で、国を越えて動くカネとモノ、人の総量は、途方もなく巨大なものと想像されます。


オリンピックの価値はいかにして創られたのでしょうか。これに関して、JOC(日本オリンピック委員会)のHPからは、「オリンピズム」の発展や継承に関する平易な説明に触れることが可能です。オリンピック憲章とそれに基づくオリンピック・ムーブメントです。

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写真は、ロンドンタワーブリッジに到着した聖火(728日付、朝日新聞から転載)

「フェア・プレイやスポーツマン・シップ」は、スポーツ・イベントのもつ競技性(ルールの公正性、条件の平等な競争)のシンボルです。その価値実現のイベントへの参加可能性の拡大に重点を置くのが、後者のムーブメントです。民族、宗教、政治に関する国家間あるいは国内の諸紛争は、これを阻害する大きな条件です。教育、文化、科学、経済上の地域間格差、国家体制間の差違など

は、個々人の発展可能性を阻害する大きな条件です。したがって、今回も報道されているように、主催者もメディアも参加国数や女性競技者の参加数等に関心が向くのです。


日本は、ハンドとバスケを除く24競技に293選手が出場予定と発表されています。すでに我が国では、「スポーツ基本法」が制定され、「スポーツ振興基本計画」が策定されたのは、周知のことがらです。今回はそれから初めてのオリンピック競技への参加選手団の派遣ということになります。現在では、スポーツが国策として重要な位置を占めるに至っている、スポーツはすでに国際的、国内的に多様な広がりをみせている等々が、上記の法案や施策の論議の根底にありました。

オリンピックがスポーツの最高、最大のイベントであるなら、現代スポーツの多様な広がりを典型的な形で、かつ全貌を露わにしていると思われます。「する人」、「観る人」「テレビ放映と解説」が多様なスポーツを象徴するほとんどである、と素朴に理解するだけでは、今後スポーツの多様さを理解するのは極めて困難になるでしょう。


「スポーツ教育」の課題が、「運動の生理的な効果を科学的に理解し、よりよく生理的運動刺激を自発的に与える運動習慣の形成」ということだけでなく、文化の担い手の育成(市民形成)にも同等の重点をおくならば、現代スポーツの多様さのいかなる点にもっと注目すべきでしょうか?

今回のオリンピック大会の様々な断面が、貴重な教材になると想像されます。そのような眼でオリンピック報道や関連番組を漁ってみてください。

例をあげれば、開会式の内容、プロデュースの背景にある考え、観客の応援の仕方、各競技における勝敗結果とは別の「感動するプレー」、経済的サポート体制、科学的サポート体制、等々であろうか。後期の「専門演習」や「研究入門」等では、大いに話題になることを期待しています。

 

【善】

 

 

2012.07.28

学会に参加しています

昨晩から第20回日本運動生理学会に参加するため筑波大学に来ています。筑波は大学院在籍時やその後も含めて約6年半を過ごした思い出の土地です。久々に学内を歩き回りましたが、東日本大震災の際に体育館が大きな損害を受け、現在でも実技授業の運営に苦労をされていると伺いました。改めて震災の被害の大きさを感じています。


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さて、学会の方では午前中に「長時間運動前における糖質ゼリー飲料摂取の影響」に関するトピックで口頭発表を行いました。学部の授業の中でも取り上げていますので、スポーツ健康科学部の学生にとってはおなじみのテーマですね。発表後には、幾つか質問やコメントを頂きました。この研究内容は現在論文審査中

ですので、無事に採択されましたら、このブログでも報告させていただきます。さて、今から京都大学名誉教授久保田 競先生による「運動と前頭前野の関係(エクササイズで心肺機能が高まれば、記憶能力が高まり、健康で長生きする!)」に関する特別講演です。しっかり勉強してきます。


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