[ 2025年06月 ] の記事一覧

2012.07.17

先週の火曜日

ちょうど一週間前、磐田まで行ってきました。
目的は、ヤマハスポーツ振興財団との実習の話し合い。

スポーツ健康科学部では、色々な実習プログラムをしていますが、
その連携先の一つです。

ヤマハスポーツ振興財団では、様々なことをしていますが、
その中でヨットスクールへ学生が行って、指導力を向上させるプログラムを、7月末に行います。

小学生から中学生まで、今年は13人参加するそうですが、その手伝いしてきます。
水上での練習になりますから、色々と規律などをしっかりとしなければならないとのことで、
ちょっとやんちゃな小学生もいるようです。

どうなるのやら。




さて、それはおいておいて。。。

さて、スポーツ健康科学部では、様々な団体などと連携をしますが、なぜだと思いますか?

それは、
運動を通じて健康であり続ける、そのためにスポーツの楽しさを多くの人に伝えていく!
という大きな目標があるからです。

立命館大学のある地域や学生が参加することによって楽しさの増すプログラムなど、
色々なプログラムを持っています。
その中であるのは、楽しさをしってほしい!伝えていきたい!という熱い想いです。
色々な相談も受けますが、共通してあるのは、
楽しさをもっと多くの人に知ってほしい!という想いです。
そのために、色々なプログラムを組んで、学生が自分たちの手で伝える喜び、
そして変わって行く現実を見て欲しい、と思っています。

インターンシップやサービスラーニングなど、実習プログラムを維持して発展させるのは、
けっこう大変なことですが、そんなこんなで、がんばっています。

ではでは。

PS:今週で前期の講義終わるなぁ。
学生たちに夏休みの野望をしゃべってもらわなきゃ。

2012.07.16

スポーツ健康科学サマースクール

先週は、各地で大雨が降り多くの被害がでました。皆様の関係者にも被害がでていないか心配です。先週末からは蒸し暑い典型的な日本の夏になっています。熱中症も出始めていますので、ご用心下さい。

 

さて、立命大学スポーツ健康科学部・大学院スポーツ健康科学研究科では、

728-29『スポーツ健康科学サマースクール』を開催します。

昨年から、実施しておりますが、1泊2日の泊まり込みで、『スポーツ健康科学』を理論と実践から学んでもらうことを目的としています。

また、お集まりの学生,院生,社会人,若手研究者の皆さん、ならびに本学の教員スタッフ、院生との交流を通じて、未来への夢、「スポーツ健康科学」への貢献を語り、さらには今後のネットワーク構築してもらうことも大きなねらいです。

poster_201207298-29Ver2.pdf

 

昨年は、学生、院生、若手研究者、企業の方など多方面の参加があり大好評!
 密度の濃い実習内容、講義、充実の施設と講師陣、そして手作りで栄養満点の食事!などなど。昨年のダイジェスト映像は下記にありますので、是非一度ご覧下さい。

http://www.ic.fc.ritsumei.ac.jp/rink_data/ibento/20110730-31school.html

詳しくは下記をご覧下さい。7/20まで募集しております。ご検討下さい。

https://www.ritsumei.ac.jp/~isaka/

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

7/15()の午後に、第9Ritsumeikan Athletic研究会が開かれました。本学部の松生先生が、スポーツコンディショニングについての講演をしてくれました。また、スポーツ強化オフィース所属のATCで、かつ大学院博士前期課程(M1)の陰田さんも、女子陸上部の活動報告を行いました。また、学生トレーナーたちの報告もあり、この方面での拠点基地として情報発信が行われました。

【忠】

 

 

 

2012.07.15

BKC・理系デモ・デイに3研究室が参加

7月14日(土)、午前9時30分~16時過ぎまで、BKC・理系デモンストレーションデイが開催されました。これは、附属校の1つ立命館守山高校が、「高校1年生を対象に理工系学部の学びと研究の魅力を知り、これからの社会における理系の役割を知る機会にするため」、高大連携事業の一環として実施するものです。

 

 参加したのは立命館守山高校1年生(約300名)と提携校の育英西高校立命館コース1年生(約80名)。参加協力した学部は、理工学部、情報理工学部、生命科学部、薬学部、スポーツ健康科学部。各々の学部は、合計で25の研究室を公開してこの事業推進の趣旨に応えました。スポーツ健康科学部からも、今回は、インテグレーション・コア内にある、後藤研究室、塩澤研究室、橋本研究室の3つの研究室が公開してくれました。

 

 当日は午後1245分頃から訪問セッション1(約25分間)が始まり、1530分頃まで4セッションが続きました。希望する学部・研究室を事前に決め、順番を調整し、研究室内容の学習や質問事項の整理等々を事前に行い、1415名ずつのグループに分かれて研究室を訪ねていました。

 

SIMG_Goto7747.jpg

 後藤研究室では、常圧・低酸素の条件の下でトレーニングすることの効果について、特にアスリートの競技能力を高める目的と一般人の健康増進の目的の場合に分けて分かり易く説明してくれました。この実験研究を成立させている物的基盤でもある、低酸素トレーニング室(3F,応用スポーツ実験室内)にも高校生達は、実際に神妙な顔付きで出入りしていました。



SIMG_Shio7744.jpg

 塩澤研究室では、1F,スポーツパフォーマンス測定室で、人間の運動を肉眼で観察あるいは実際に体感することがらと力学的な分析結果とのズレや一致点等について、フォースプレートとリアルタイムのデータ表示を使って平易に説明してくれました。また、ハイスピード・カメラを使用して、打突時にバットとボールが接触し離れる様子が示されると、驚き顔を一瞬示したのが印象的でした。



SIMG_Hashi7751.jpg

 橋本研究室では、5Fの運動生化学実験室で、「健康を維持増進させる大きな狙いの一歩は脂肪を燃焼させること」、「そのためには筋運動、筋肉内で脂肪を燃やす工場はミトコンドリア・・・」、したがって運動の効果を細胞内で確かめるために、組織切片を作成し顕微鏡観察する方法を紹介。また、実験動物(ラット)に高脂肪食を摂取させ、運動とサプリメントを与えた効果をみる実験を分かり易く説明してくれました。日常会話に出てくるダイエットやサプリのイメージと「その開発や適用に寄与する基礎研究」との間のちょっとしたズレに戸惑っている様子が一瞬見られました。

 

 高校1年生ですからあどけなさと真剣さとがかわるがわる顔に湧き出てきます。私たちが日常気軽に体験するスポーツ活動、あるいは運動・食事と健康との関わりを会話する内容等について、スポーツ健康科学という分野が、「本当に基礎的・基本的な研究を進めているのだ!」、「そうだったのか、オモシロイ!!」と彼らが感じていてくれたら、狙いの8割以上は達成させたと言えます。

 3研究室の先生方、そしてお名前は挙げませんが研究室の核を形成する院生の皆さん方、分かり易くかつ親切な対応は、豊富な内容を入れ込む「大きくて美しい器」だと感じさせました。大変ありがとうございました。

 

【善】

 

 

2012.07.14

運動後専用のスポーツウェア

今週もたくさんの研究を行っています。研究室の大学院生は連日総動員です。また、今年度から新たに加わった学部3回生のゼミ生もよく手伝ってくれています。


今週からは、大学院のMoriさんの研究が予備的に進行しています。彼女はトレーニング後に着用するコンプレッションウェア(適度な着圧のあるウェア) の疲労回復促進に着目した研究を計画しています。本格的な研究開始は秋以降ですが、今週から少しずつ測定の練習や予備実験の準備を始めています。疲労軽減やパフォーマンス向上を目的として着圧のあるタイツを
運動中に着用することは一般的です。実際に、現在多数のタイツが各メーカーから販売されています。


これに対して彼女が着目しているのは、
運動後(リカバリー中)に着用するウェア&タイツの疲労回復促進効果です。運動(トレーニング)が終わった後、速やかにこのウェアを着用し、睡眠中も含めて翌日のトレーニングまで連続着用するのです(入浴時は当然脱ぎます)。ここ数年、欧米のグループがこの【運動後専用コンプレッションウェア】着用の効果を研究しています。私達も、コンプレッションウェアの疲労着用の効果を今年度のアメリカスポーツ医学会において発表しました。そして、今回、これらの研究をさらに発展させるべく、斬新な視点で新しい研究プロジェクトを始動させることになりました。


着ているだけで疲労回復が促進される・・・・夢のような話ですが、私達の研究結果では、特に上肢の筋群では激しいトレーニング後数時間のコンプレッションウェアの着用により筋力の顕著な回復促進がみられています。スポーツ競技の現場では、1日に何度も試合や練習を行うことは珍しくありませんので、その試合や練習間に着用することで、より高いパフォーマンスを実現できるかもしれません。研究成果がトレーニング現場に直結することもあり、このプロジェクトにはとても期待しています。


さて、木曜日は立命館守山高校にて、2年生約300名を対象に、スポーツ健康科学部での学びに関して講義してきました。スポーツ健康科学部の特徴、1〜4回生までの段階的な学びを説明した上で、【最新のトレーニング科学】というテーマでコンプレッションウェアや低酸素トレーニングに関して紹介をしました。ランチ後の眠くなる時間帯でしたが、しっかりと話を聞いてくれていました。今回出会った生徒達の中から、将来、今度はスポーツ健康科学部のラルカディア(講義を行う建物の名称です)にて続きの話ができる瞬間をイメージしながら、大学へと戻りました。


そして、金曜日は【エクササイズプログラミング論】の授業において、本学スポーツ強化オフィスの湯浅さんにゲストスピーカーとしてお話頂きました。湯浅さんはトレーニング指導者の資格であるCSCSやJATI-AATIなどを保有されているほか、本学ではアメリカンフットボール部(PANTHERS)において100名以上の選手のトレーニングプログラムを立案されています。今回の講義では、年間を通した緻密なトレーニングプログラムを具体的に説明いただきました。PANTHERSは全国屈指の強豪チームとして有名ですが、それを支えるスタッフの力量の高さを知ることができました。これまで授業内で私が説明してきた理論と実践を繋ぐ、大変意味のある講義になったと感じています。


GOTO



2012.07.13

代表選手の挨拶

ロンドンオリンピックまでもうすぐ。各地で代表選手の壮行会や激励会が開催されています。本学(BKC)でも、一昨日シンクロナイズドスイミングの乾友紀子選手(経営学部4回生)、小林千紗選手(2010年経済学部卒)の壮行会が開催され、最初に川口総長からの激励のビデオメッセージが紹介され、続いて種子田先生を交えた座談会風の催しが行われました(残念ながらこの後所用の為退席したので内容については?)。是非、晴れの舞台で最高の自己表現を期待します。

 最近はメンタルトレーニングの一貫で、インタビュー等のマスコミ対策も取り入れられているようで、以前に比べれば自分の言葉で語ることのできる選手が多くなったP1020409.JPGと感じますが、よく選手のインタビューで耳にする言葉で違和感を感じるのが、「感動を与えられるよう」「楽しんできます」といった類の挨拶です。感動は受け手が感じることで、選手の試合で無心になって自己の最大限の力を発揮する闘いの姿によってのみ自然と伝わってくるものではないかという"偏見?"を持っていると、もう少し別の表現があるのではないか。与えよう、伝えようといった意識に捕らわれ,

余計なプレッシャーとならないようにと願っています。(老ブロガー・ハル)

2012.07.12

トライアスロン中のエネルギー消費量の簡便な予測

Hamaです。

先週紹介した、個人の酸素摂取量や運動中の心拍数の測定のための特別な測定機器が必要です。そこで現実的で簡便なエネルギー消費量の算出方法、つまり、個々人の体重と運動強度(走行スピード)を基にエネルギー消費を求める方法を用いてみます。

 

今回の選手の水泳中の平均スピードは3.4km/時であるのでエネルギー消費は平均で811kcal、自転車競技中のスピードは32.7km/時であるのでエネルギー消費は4139kcal、マラソンのスピードは10.4km/時であるのでエネルギー消費は2887kcal、合計で7837kcal0.19kcal/kg/min)となります。

この方法を用いても、先週計算した値7689kcalと同じような値がでますね。

 

1991年琵琶湖トライアスロンに参加した男性選手を対象にしたエネルギー消費量の概算によれば、三種目合計の平均エネルギー消費量は9847kcalです。

体重当たり1分当たりのエネルギー消費は0.23kcal/kg/minとなり、1994年の値よりも高くなりますが、これは選手や気象条件の違いによるものでしょう。

 

 ちなみに、9847kcalをすべて脂肪をもやしてまかなったとすると、体重(脂肪)は約1.4㎏減ることになります。すごいですね!!

 

皆さんもやってみますか??

 

[ 引 用 ]

岩根久夫, 浜岡隆文 「運動とエネルギーの科学. スポーツにおけるエネルギーの出納」21章 トライアスロンにおけるエネルギーの出納 杏林書院 より抜粋

 

【今週の1 shot!!

イギリス・エジンバラで開かれた生理学会2012に参加した際の五輪マーク!!
gorin.jpg
























2012.07.11

教養ゼミの授業ご紹介。

おはようございます。ma34です。
 
前期の授業も今週で14週目。
残すところまとめの一週間を残すのみとなってきました。

今日は衣笠で開講している教養ゼミでの授業をご紹介します。
9日は、同じ時限に開講されている「教育課程論」(荒木寿友先生、文学部)の授業に参加させてもらい、「ワールドカフェ」を体験しました。
world cafe.jpg



(実は荒木先生は私の大学院時代の先輩で、
 同じ時限に同じ建物で授業があるんだったら、合同でやってみない?というお誘いを
 いただいたのでした。ありがとうございました!)

ワールド・カフェというのは、1回生の基礎演習の後の時間のサブゼミで
AAさんも企画されてやっていましたが、
堅苦しい雰囲気ではなく、カフェのようなくつろいだ、リラックスした雰囲気のなかでこそ、
「対話」がうまれ、そこから創造的なアイディアが生まれてくる・・・という実践です。

今回は教職をめざす学生さんの集まりであったので、
「10年後、こうなっていて欲しいという未来のために、学校教育が貢献できることは何か」
というテーマで、和やかなムードのなか、話し合いが進められました。

普通、このような難しいテーマを授業であつかっても、
あまりアイディアはでてきませんよね。

でも、難しいテーマだよね、、、とつぶやきが聞こえつつも、
例えば私が加わっていた班では、
「ちょっとくらい変わった経歴の先生がいてもいいよね」
「先生が輝いて、楽しそうに生きていたら、子どもたちも学校が楽しくなって、生きることが楽しくなるよね」
という意見だったり、
「お父さんが頑張って働いている姿を見せられるような、そんな授業があってもよいね」
「普通科でも、自分たちで野菜を育てて販売したり、ジャムを作って販売したりできたら
 社会に出る前に社会の仕組みを体験できてよいよね」
という意見も出ていました。

受講生の感想を見ると、
これまでゼミや授業で習ってきたことや、自分自身の体験を踏まえて、
色々な人と考えを交流できたことがとても楽しかったようです。

私自身、授業方法として得るものも多かったうえ、参加していて楽しかった貴重な時間となりました。
後期の教養ゼミ(BKC)でも、やってみようかなあ。。

【追記】
先週の基礎演習では平和ミュージアム見学の感想について、一人ひとりに語ってもらう時間(1-2分でしたが)をとりました。それぞれが自分の目で見たことを自分の言葉で語っていました。
友人の感想に、みな、耳を傾けていた様子が印象的でした。
私は、「まずは平和ミュージアムを知ってもらいたい」と話したのですが、
ある一人が「ミュージアムに行っただけでは意味がない。」「何か行動しなくては何も変わらない」と発言してくれたことに、嬉しく思いました。

「スポーツと平和って、ぜんぜんつながらんやん...」と最初につぶやいた人も、
「つながりを探していくことが大事」と話していました。

思った以上に皆が自分の身近な問題として感じてくれたようでした。
今後も考えつづけていってほしいテーマだと思います。

ma34.



2012.07.10

草津市教育委員会とのサービスラーニング

さて、先週ドラッカーを、といっていた覚えもありますが、
今日の話題は、サービスラーニング。

サービスラーニングは聞きなれない言葉かと思いますが、
最近特に重視されています。

インターンシップと言う企業での業体験と似たようなものなのですが、
内容が大きく違っています。

インターンは、企業と関わるのですが、
サービスラーニングは地域と関わっていきます。
そして地域で自分がんでいくことによって、
学んできたことや、学びそのものを深めていきます。
一種のボランティアに似たようなものでしょうか。





実際にスポーツ健康科学部では、サービスラーニングに取り組んでいて、
そのもっとも規模の大きなものが草津市教育委員会とのサービスラーニングです。

このサービスラーニングのプログラムでは、
小学校の教育現場に実際に行って、先生方のサポートをします。
例えば水泳授業のサポートや新体力テストのサポートなど、
色んな実際の現場での取り組みを行います。

ただし、それだけではありません。
昨年より始まったのですが、草津市では、小学校6年生のスポーツ大会をしています。
ジュニアスポーツフェスティバルKUSATSUというのが正式名称ですが、
およそ1200名あまりの小学校6年生が、立命館大学のグランド(クインススタジアム)まで来て、
実際に長縄大会をして、大学生と一緒に体験して、すごさを見る、いったことも行います。

この大会に向けたサポートもサービスラーニングの重要な一つです。
動好きのこどもになっていくように、スポーツって楽しい!という実感を、
サービスラーニングの受講生が作って行きます。
長縄も、すごいんだ!という気持ちになってもらうために、
昼休みに受講生が一所懸命練習をしています。

今年も10月に大会をしますが、それに向けて、がんばれ!というところでしょうか。

では今週はこのへんで。

PS:今年は小さい字コーナーのネタがないなぁ。
ある時だけにしようかなぁ。。。

2012.07.09

ISBS

 

20120709-2.JPG国際スポーツバイオメカニクス学会が、メルボルンで先週開かれました。

バイオメカニクスは、生物から人まで、臓器から全身までを対象にした幅広い分野ですが、ISBSは「スポーツ」にフォーカスを当てています。

 

20120709-1.JPG立命館大学スポーツ健康科学部の関係者では、助手の大塚先生、栗原先生、R-GIROの客員研究員の野澤さん、それから今年の3月に修士課程を修了した橋本君が社会人として参加して、国際学会のデビューを果たしました。 緊張していたようですが、海外の研究者との議論、意見交換も頑張ってやり取りしていました。学会後の食事の時には、「来年もまた発表したくなりました」と嬉しい感想を述べてくれました。来年は、台湾で、7月7-11日の予定で開催されます。次回も立命館大学スポーツ健康科学部から多くの関係者が発表することになるでしょう。

http://isbs2013.org/aboutconference.php

 

20120709-3.JPG

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

標記の学会で、助手の大塚先生が若手研究者に贈られるNWEW INVESTIGATOR AWARDのファイナリストに選ばれ、最終日のバンケットで第3位に入賞しました。
おめでとうございました!

 

【忠】

 

 

 

2012.07.08

エラー修正

先週のこと、いつもより少し遅めの午前8時半過ぎ、いつもの高速道路インターチェンジから登り車線に続く、大きくカーブする進入路を走っていると、何と、前方から車が1台ジグザグにバック走行してくるではありませんか。

 私と続く3台位の車は何とかすり抜けましたが、次の車は急停車、結局バック走行車は左後部をガードに接触させ、停止した模様でした。一瞬の出来事で、詳しいことはあまり記憶にありませんが、その後の通勤途中に頭に浮かんでいたのが標題の「エラー修正」ということがらでした。

 その車は、目的地が「大阪、西宮方面」にあったのでしょう。名古屋方面への進入路を通過中に何処かで間違いに気づき、時間的にひとつ手前の分岐点に遡ってエラー修正を試みていたのだ、と思われます。日常生活場面での移動では、道を間違えれば元に引き返すか、回り道をして目的地に達します。

 目的を達成する(目的地に着く)ためには、それにつながるいくつもの下位目標を通過する(分岐点での選択、決定)必要があります。歩いている時や自転車に乗っている時には、ある時点での分岐点での決定に誤りが生じると、一つ手前の分岐点に引き返し、そこから修正することは、人びとの自然な行動であると思われます。とりわけ新奇な事態への対応を十分リハーサルしていない人が「少しの危機場面」に接すると、エラー修正の方向が「通常の慣れた手段」をとっさに適用する、という傾向が見られます。

SIMG_7740.jpg

写真は、私の居住地近くのインタに設けられた「逆走警告」の看板です。逆走は、元々の間違い、バック走行はエラー修正の方向間違いの問題です。

 

 一般に高速道路は、目的地への人やモノの高速移動が目的となる、特殊な環境である、と考えられます。みんな同じ方向を向いて移動する、対面や逆走は無い、だから車間距離が十分で並走しなければ極めて安全な環境だ、と仮定されています。だからドライバーは、その特殊な環境への適応を準備して、そこへ立ち入ることが求められます。一般街路から高速道に入るインターチェンジ内は、特に両者の移行空間です。向かう目的地とのずれに気づき、エラーを修正しようとしても、周囲はすでに新たな環境への適応を自らに求めているのだ、と瞬時に近い将来での自らの姿をイメージしていくことが重要なのです。

 

目的を追求するシステムは、一般に、①目的・目標があること、②エラー検出を行う働き、③エラー修正を行う働き、④フィードバックを働かせること、等の4つを大きな構成要素にしています。歩きや自転車による日常での移動や一般街路での自動車運転による移動とは、かなり質的に異なったレベルで下位目標群の統合を行わなければなりません。

2つの運転環境間の移行段階に生じる、人びとのエラー修正に関する研修プログラムはどうなっているのか、興味がわく問題です。急斜面におけるスキー滑降技術と緩斜面での技術は、身体運動・動作の全体的な統合という意味では相対的に独自な体系をもって教えられますが、総合滑降ではまさに移行段階での安全、楽しさがテーマとなっています。それと同型の問題が運転技術学習にもあると推察されます。

 

【善】