"チアリーダーって、どんなイメージですか?"
華やか、派手、エレガント、エネルギッシュ、笑顔が素敵、セクシー...
概ね多くの人たちは、そのようなことを問われれば、上記のような印象を抱くのではないでしょうか?
チアリーダーには、数多くの仕事と役割があり、NFLに代表されるように、チアリーダーは、スポーツビジネスを進める上で、球団のマネジメントには欠かせない存在です。
そのようなことを、【Joe】先生がコーディネートするプロスポーツビジネス論(NFL協定科目)で、本学の卒業生でもある小島智子さんがお話しくださいました。
小島智子さんは、本学経済学部の出身で、在学時代には応援団チアリーダー部に所属され、4年生の時にはキャプテンを務められ、フラッシュチアリーダーコンテストで大会史上初の2連覇を成し遂げられました。
卒業後、2003年にフロリダ州のタンパに渡米され、NFL Southに所属するタンパ・ベイ・バッカニアーズのチアリーダーに外国人で初めて選出され、以後、今シーズンまで8年連続でオーディションに勝ち抜き、チアリーダーを務められています。
そう、オーディションに勝ち抜き...ということなので、契約は1年ごと、毎年、オーディションにエントリーして、数十倍の競争を勝ち抜いて、8年連続でバッカニアーズのチアリーダーを務められています。現在は、NFL Cheerleading Squadのキャプテンに、日本人として初めて選出されたとのことです。
講義中にも学生たちに質問されていたのですが、チアリーダーが球団組織の中で、どのような部門やセクションに位置づけられていると思いますか?
タンパ・ベイ・バッカニアーズの組織は、大きく「プレイヤー」と「ビジネス」の2つに分けられるようです。プレイヤーの部門は、フットボールそのものの運営はもちろんのこと、メディカル・スタッフ、ビデオ編集、設備・用具管理といった選手やチームのパフォーマンスをサポートするセクションだけでなく、スタジアム内における飲食物の販売やチケットセールス、またイベント企画やイベント時におけるチーム運営などを司ります。
一方、ビジネス部門は、アカウンティング、サービス開発、人事、広報、広告販売、チケット運営、セキュリティ、そしてコミュニティ関連といったセクションに分かれており、球団組織の経営管理を司ります。
そのように考えると、「チアリーダー」は、プレイヤー部門のイベントの運営やエンターテイメントのセクションに属しているように感じますが、なんと!ビジネス部門の「コミュニティ関連」というセクションに属するようです。ちなみに...マスコットも同じ部署に属しているようです。
このコミュニティ関連のセクションにおける活動は、数多く、多岐に渡っています。
ピンクリボンのような募金活動、恵まれない人たちに家を建てるハビタット(habitat)・プロジェクト、小児病院への訪問、老人ホームへの訪問といったあらゆる慈善団体へのサポート、地元のお祭りへの参加、政府が統轄している"great American teach in"という学校へ訪問し、様々な職種とそこで活躍する人たちの姿を子どもたちに教えるプロジェクト、チームのイベントの告知やスポンサーのCMやセールスプロモーションへの参加、さらには、国内外に数多くある米軍基地への慰問活動...
このような多岐に渡る活動をほぼ1年中、行っているとのことです。
そして...ゲームでの応援。
ゲームにおけるチアリーダーとして、高いパフォーマンスとクオリティの高いエンターテイメントを提供するために、週2~3回の全体練習を3時間30分から、長い日には8時間も練習することがあるようです。
小島さんのお話の中で、「なぜチームがチアを持つのか?」という答えが明確に示されていました。
アメリカ文化を考え、今や世界一のプロスポーツビジネスでもあるアメリカンフットボールにチアの存在は、不可欠であるということだけでなく、チアリーダーたちの役割は、老若男女問わず、アメリカの人々を魅了するための重要なマーケティングツールとなっています。チアリーダーたちが数多くのコミュニティ活動に手がけるのは、コミュニティにチームを根づかせ、ビジネスの土壌を定着させるためのであり、彼女たちの活動がチームのブランドイメージを支える重要な役割を果たしているといっても過言ではありません。
チアリーダーの華やかな活動の裏には、当然、相当な努力が積み重ねられています。
チアリーダーになる条件は、高校卒業以上やダンス、またチアリーディングの経験が必要ということ以上に、自分の核となる生活があり、その上にチアリーディング活動をすることが条件で、社会におけるロールモデル(社会における模範者、見本...)でなければならないといわれています。
チアリーダーには、チアリーディングをするための技術以上に、チームで与えられた多岐に渡る役割をしっかりと認識するとともに、人間的にも尊敬されるような存在であることが求められます。
小島智子さんは、チアリーダーという役割に自信と誇りを持ってらっしゃるとともに、自らの経験からかなりのポテンシャルを持っているということも感じていらっしゃるようです。その"想い"については、また機会があれば、この"あいコアの星☆"でお伝えできればと思います...。