近くて遠い存在だったバルセロナに、ようやく行ってきました。実はまだ行っておらず、そこで、ゼミの学生たちと再会するために。
街の様子は、マドリードとも、バレンシアともまったく違い、いわゆる“都会”という雰囲気。もちろん、ガウディをはじめとしてさまざまな建築物が点在していますので、「芸術」的な雰囲気もありましたが。
スペインに来て半年も経ってから、初めて見たサグラダ・ファミリアにはやはり感動してしまいました。あの精巧さと聖堂内に差し込む光の色彩は、時間によってその印影が変わっていきます。スペインに来て、光の流れを感じるようになれたことはありがたい経験です。なんせ初めて見たので分かりませんが、ずいぶんと出来上がってきた感じなのでしょうか?
自然のものをモザイクで表現したり、建物全体で立体的に動きをつけて表現したり…(写真右上「カサ・バトリョ」)。観ていて、遊び心が散りばめられているようでおもしろく、それでいて心地よいデザインだと思いました。
街の中心あたりの様子は、「経済」力を反映しているかのように、企業やブランド店、ホテルなどが高級感を醸し出しながら立ち並んでいました。数カ月前にスペイン第1号店をバルセロナに出したというユニクロも。地元ではかなりのパワーをもって、生活や地域色に根差した展開をしている印象の他ブランドもあるので、今後どのように浸透していくのかフォローしてみたいと思いつつ、通り過ぎました。
バルセロナへの到着時間が遅くなったこともあって、小腹を満たそうと市場に出かけてみたときのこと。規模はバレンシアの中央市場よりも小さく、遅い時間にも関わらずかなりの賑わい、市場なのにきらびやかで、商魂逞しいという印象でした。私はその勢いに押されすぎて、他の場所でお腹を満たすことに…。街の色・特徴があるものです。
<サグラダ・ファミリアからみた街の風景>
カタルーニャ/スペインの「政治」的な動きは、今もなお、連日ニュースになっています。サグラダ・ファミリア近くの地元カフェでも、この内容がテレビで流れ始めると音量を上げ、お店のおじさんもお客さんもみんなそれに見はまり、何やらわいわい話しては静まり…でした。その風景をみると、「あぁ、ここがカタルーニャか」と。他のときには、そんなことは感じることなく時間は過ぎましたが。
「言葉」については、英語が通じるところが多く、日本人も多く、日本語のパンフレットや音声ガイド(私のは作動しませんでしたが…)が整っていました。同じものでもバレンシアとは異なる綴り・発音があり、やっと覚えたわずかな言葉だったのに…と思いつつ…スペインで使われる言語の面白さと言えばいいのでしょうか。言葉の壁は何度となくあり、残念なことに、すべての言語が混沌として崩壊中です。
<お店の番地とその商品が表現されているタイルが壁にある路地も>
スペインの都市・街はそれぞれをはっきりと区別ができ、印象付けられる特徴をもっています。きっとどこもそうなのでしょうけれど、みなさんはどこを、どの国を、好まれるのでしょうね。その中に息づいている人間の活動「芸術」「経済」「政治」「言葉」やその空気感のおもしろさにもぜひご注目を。
【表紙の写真】何とも美麗なガス灯。
ippo