[ education ] の記事一覧

2018.02.05

修士論文口頭試問

先週は、修士論文口頭試問がありました。
 大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程を修了するための最終関門です。
 事前に、主査、副査2名が、修士論文を熟読してきます。その審査委員の前で
 20分のプレゼン、さらには、その後に口頭試問を25分程度受けます。
 論文の内容を含め、口頭試問でのやりとりも含め、修士号を授与するに相応しいか審査されます。

 私の研究室からは、今年4名のM2が口頭試問に臨みました。

 この2年間の研究科での学びで、4名とも力をつけてくれました。
修士論文をまとめる過程において、研究背景を十分に整理し、研究課題を抽出し、具体的な実験検証、解析、論文執筆と進みます。そして、最後の関門が口頭試問での質疑応答です。

審査結果はまだですが、口頭試問では、この間培った能力を発揮したと感じています。
(写真は終了後の晴れやかな顔です。手のサインは、右手座標系です)

   

この後は、2月11日朝9時から夕方までの公聴会(インテグレーションコア1F アカデミックラウンジ)での発表となります。公聴会ですので、どなたでも聴講可能です。

博士前期課程は2年間です。その間に、中間発表が3回、ならびに毎週の合同ゼミでの複数の教員による研究指導があり、かつ国内外での学会発表も含め、この2年間で、ぎゅーっ、と成長する印象があります。

ただ、修士論文を出して終わりにしないように、残りの期間で、投稿論文にまとめ、広く社会に発表して、この分野のアカデミアに貢献するよう指導を続けています。おそらく、4名全員がその課題をクリアして、修了式を迎えてくれるでしょう。

 <<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
 先週、理事・評議委員会の懇親会がありました。そこで、文化・芸術・スポーツで活躍している学生の紹介がありました。
   
 理事長、総長、APU学長とならんで、本学部の学生たちが写真に収まってくれました。彼ら、彼女らは、学園理事・評議員のまえで、堂々とスピーチを披露してくれました。各分野で、ある水準まで極めた学生は、その分の成長を示してくれます。嬉しいですね。
 もうひとつの写真は出張中の富士山です。春間近のすっきり、くっきりの写真です。
   
【忠】

2018.02.03

時々の初心

  大学院の口頭試問に備え、少し早めに床についたせいか4時に目が覚め、いつものようにラジオのスイッチを入れたら、いきなり時々の初心忘るべからずと生き方についてのインタビューが紹介されていました。初心忘るべからずは良く耳にしますが、時々の初心忘るべからずははじめて耳にしました。世阿弥の「花鏡」で述べられているとか(恥不勉強)。

  妙に気になったので、調べてみましたら(「教育名言辞典」寺崎昌男,東京図書)、年齢を重ね、上手になった後で慣れが出てくるのを戒めて初舞台の賢明さを忘れるなという言葉で有り、さらに、老後の初心忘るべからずでは、60歳を過ぎて名人と言われる域に達したとしても、絶えず初心に立ち返って精進がなければならないことを戒めたものである、とのこと。初心の大切さや懸命さを大切にして努力することの意義を説いたものではありますが、初心は常に不変である必要はなく、年齢や境遇の変化に応じて、自分自身を向上させるに応じて変化していくものであり、慣れで無自覚に過ごすことの問題点を戒めたものと勝手に解釈しました。その意味では、初心はいつでも無限の可能性を持つのではないかと思い、今からの初心もあり得るのではないかと思っています。

 3回生の後期試験の最終日であり、大学院の口頭試問が終わったので、この日の晩、ゼミ生としてのこの1年の振り返り、特にスポーツ心理を選択し何を自ら学んだかと、これからの覚悟(卒論&就活)=時々の初心について語りながら一時を過ごしました。(老ブロガー・ハル)

 以下は、学部生のゼミに積極的に加わり、この間ゼミ生としての勉強の仕方、過ごし方を示してくれた院生の少し感傷っぽい一文を紹介します。



   130日、修士論文の口頭試問を終えることができました。2年間の「学び」の成果を出し切ることができ、今は「やりきった」という気持ちでいっぱいです。今回の研究をベースに、投稿論文を今後書いていきたいと思っています。この日の夜には、3回生のゼミ生が飲み会を開催するとのことで、先生と参加しました。1年間、毎回ゼミに参加し、この日が最後・・・と考えると、感慨深いものがありました。ゼミでは見ることができないような個々人の表情を見たり、それぞれの話を聞き、非常に楽しい時間を過ごすことができました。ゼミ以外のこのような塲の大切さを改めて感じた時間でした。卒業するまで見届けられないのが悲しいですが、今年の4回生のような「頑張り」を見せて、無事に卒業してくれることを少し遠くから見守りたいと思います。

2018.01.27

厳しい寒さの中で

1年のうちで最も寒さの厳しい頃とされる大寒、その名に違わず今季一番の寒さどころか、数年に一度の大雪とか。郷里の新潟市内では、例年なら10数センチ程度の積雪が、今年は80センチもあり、雪下ろしをしないといけない程の積雪で「大変だわね」との連絡がありました。此方では、帰宅時の冷え切った夜、見上げると澄み切った夜空にオリオン座の輝がすぐに目に入り、白い息を吐きながら頬をほてらせ、つい星座に見とれてしまったりしています。

早いもので冬至を過ぎて一月ほどですが、日が次第に長くなっていることを実感でき、確実に春が日に日に近づいて来ていると感じさせられ、立春が待ち遠しくなってきます。

先週金曜日で今年度の講義が終わり、今は後期試験のまっただ中。琵琶湖線の車内、シャトルバスの中はもちろんのこと、キャンパス内はいつもの賑わいとは異なり、試験教室や図書館等に皆黙々と向かって歩いている感じがします。セントラルアーク内でも、普段なら談笑の場となって賑やかなのに、この期間はテキストやノートパソコンを広げ、食い入るように見つめながら何かメモをとったりしており、その真剣さが、コーヒーとクレープを味わいつつ休んでいる此方にも伝わってくるような感じがします。学年末試験=今年度の最後のふんばり、がんばれ!

勉強でもスポーツでも真剣に打ち込んでいる姿には、人を魅了するものがあります。将来の限りない可能性への挑戦であり、自らの成長への努力でありますが、それはまた、社会の一員として我が国の将来に明るい希望をもたらしてくれるものと確信しています。期待せずにはおれません。(老ブロガー・ハル)


2018.01.25

超音波勉強会

こんにちは、shinoです。

今週は寒かったですね。
東日本では大雪だったので、こちらでも大雪になるかと覚悟していたのですが、
幸い大雪にはならず良かったです。

大学は今週、テスト期間となっています。
雪でうまく進行するかどうか心配していたのですが、本日までは順調に進んでいるようです。


さて、2週間ほど前になるのですが、1月中旬に勉強会に参加しました。

立命館のアスレチックトレーナーさん達が、行っているSPECという勉強会です。

本学のアスレチックトレーナーの方々を中心に、学生トレーナー、
近隣の他大学で活動しているトレーナーの方が集まり、年1~2回開催しています。

2年ほど前に私もこの勉強会でレクチャーをさせてもらったのですが、
今回は超音波のワークショップを企画させてもらいました。

最近、整形外科の分野では運動器に対する超音波の利用が注目されています。
超音波はレントゲンみたいに放射線を使うこともないですし、
MRIのような限られた施設でのみ使用することができないということもありません。
もちろん、高価な機器が必要なのですが、患者さんに対して侵襲もなく、
簡単に行うことができるので、整形外科の分野では必須のツールとなってきています。
医師だけでなく、理学療法士さんなどのコメディカルの方々にも当然のように使用するべき機器に超音波はなってきつつあります。

スポ健でも研究の評価として使用しているのですが、
私は、スポーツの現場で実際にフィールドワークをしているアスレチックトレーナーの方々にも、運動器の評価に是非とも超音波を使用してもらいたいと思っています。

ということで、
企業さんから機器をお借りし、超音波に慣れてもらおうとワークショップを企画しました。

今回の勉強会では、
まずPNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)施術に対する講義とワークショップを行ったのち、

超音波の基礎という題で私が講義を行い、少しデモンストレーションし、
参加者の皆さんが被験者と検者を交代しながら、超音波を触ってもらいました。




少ない時間だったので、一部分しかできませんでしたが、
みんなでワイワイ言いながら、楽しく行うことができました。

私も皆さんといろいろ話をしながら、一緒に勉強することができました。

アスレチックトレーナーの方々にも、超音波を使いこなせるようになってもらって、
実際のスポーツ現場に役立ててもらいたいと思います。

第2回もまた企画します。

2018.01.23

教職自主ゼミの活動2

 滋賀県草津市では、昨日夕刻から結構多くの降雪がありましたが、夜半から雨に変わったために積もった雪はほとんど解けました。天候も回復して明るい日差しはありますが、北風が冷たく吹いています。夜間に路面凍結なども考えられますのでご注意を。
 定期テストが始まりまり、南草津駅からのバスに乗りますと、学生さんがノート片手に勉強している姿を見かけます。頑張ってくださいね。

 多くの先生のブログで紹介されてましたが、先週水曜日(1月17日)金森先生の最終講義があり、私も受講させて頂きました。自分が大学生の時の公衆衛生学の授業を思い出しながら先生の話を聞かせて頂きましたが、40年近く経過していますので、対応もずいぶんと進歩しており改めて大変勉強になりました。
 金森先生、有難うございました。
 そのような中、ふとインフルエンザの状況が気になり、国立感染症研究所のホームページを見てみました。2018年1月17日現在、前週と比較して流行が拡大傾向にあるとの事、特に西日本で流行している様ですね。滋賀県では、年末から「注意報」がだされ、年明けからは「警報」が出されています。注意をして下さい。

 本日の自主ゼミは、定期試験の影響でしょうか参加者が少なく、また試験の影響で教室が確保できないという状況もあり、個別面接の練習と振り返りを行いました。各自、教員への志望動機や受審する府県の教育課題について、また一般的に言われている教育課題に対して答える内容を準備しているので、面接試験形式で内容確認を行い、振り返りで回答を修正したり、別の視点を入れて考え直す作業を行いました。

 教育課題への共通した対応として、一人の先生として物事に対応するのではなく、管理職を含め教職員全体(チーム学校・組織全体)で課題に対応するという視点を持つ事、また地域や関係機関と連携協力することが大切だということを共有しました。
 
【司】

2018.01.22

成長を実感

 先週のブログにもたくさん取り上げられていますが、
 先週の火曜日と木曜日に、卒業論文の口頭試問がありました。

 まとめた卒業論文の内容を、5分のプレゼンテーションで、伝え、理解してもらい、かつその内容について、質問を受け、それに対して検証できた結果ならびに、自らの見解も含めて的確に答えることを求められます。

 発表、質疑応答から、ゼミ生が卒業論文をまとめ上げる過程の中で、しっかりと力をつけ、成長の証を示してくれました。教員として、その実感を得られたことは本当に嬉しい限りです。

 それと、自分の発表だけでなく、全ての発表を、集中して聴いていました。その集中と同級生のプレゼンを見守る眼差しと暖かさに、卒業間近の学生が、人間的にも成長しているのを感じさせてくれました。

    

 卒業論文は学部の学びの集大成です。卒業論文作成を通じて得たものをしっかりと持って、これからの未来を拓いて下さい。

    

   (こちらの写真は、3回生前期、ゼミが始まった頃のものです)

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
 今日は、修士論文の提出締め切り日です。来週は、修士の口頭試問です。しっかり準備して、「修士号」に相応しい質疑応答を楽しみにしています。
【忠】

2018.01.21

森の幼稚園(その2)

前回から引き続き、息子が通っていたデンマークの幼稚園についてご紹介したいと思います。デンマークの郊外にある森の幼稚園(Institutionen Stockholmsgave Centrum)は朝コペンハーゲン市内で園児をバスで迎えた後、9時から15時ぐらいまでが保育時間になります。
幼稚園はその名の通り大自然の中に施設があります。教室棟の中にも一定の遊具や教材は置いてありますが、子供たちは多くの時間を外で自然と共に学びます。園内には動物が飼育されていたり、様々な農作物が育てられておりそれらを栽培し収穫・食することもカリキュラムの1つとなっています。

午前と午後にスナックが提供され、昼にはランチも出ます。お昼ご飯はオープンサンドイッチやスープなどでシンプルです。
スナックは基本的にリンゴ、にんじん、きゅうり、オレンジや、バター塗ったライ麦パンなど提供されていました。

クラス構成としては縦割り保育で3〜6歳までが、一クラス20人がまとまって教育されています。1クラスにに対して先生が3人配置されているのもその特徴です。




日本の幼稚園のように、制服等は一切ありませんが、唯一用意しなくてはいけないのが雨ガッパと長靴です(雨の日でも外で遊べるように)。基本的には屋外で遊ぶ時間がとても長いのが特徴ですが、集団で学ばせることもあれば、個人が好きなことを自由に取り組む教育方法もコンセプトのようです。木を切って工作したり、動物達と触れ合ったり、昆虫を発見したりと様々なことができます。

個人的に面白いと思ったのはこの幼稚園には男性の保育士が大勢いたことです。息子のクラスの3人の担任のうち2人が男性でした。

またこの幼稚園では、スマホのアプリをつうじて幼稚園での活動・学びを画像とテキストで見ることができます。日報のような形で園児の活動を垣間見ることができるシステムです。もちろん、個別にIDとパスワードが配布されているので、園児の保護者しか閲覧することができません。

この幼稚園には安心して子どもを預けることができる、という評価にも頷ける気がしました。

satoshi

2018.01.20

それぞれの挑戦

 寒に入り、寒い日が続き、立春が待ち遠しく感じられる昨今、とかく部屋に閉じこもりがちな毎日ですが、週末にはこの時期を象徴するかのようなイベントがありました。受験生にとってはこれからの人生を左右するかもしれないセンター入試、地元の期待と栄誉を担って覇を競った全国都道府県対抗女子駅伝2018、いずれも一朝にして目標が達成されるものでないことは言うまでもありません。偉業を達成する、人より一歩先を進むためには、時には修行僧のようなストイックな日々の取り組みが求められるということを、月曜日、うっすらと一面に雪の積もった早朝のグランドに残された足跡を見て感じました。努力に即効性はなく、今日も明日も続けることの大切さは今も昔も変わらないと。

 そして、今日は卒業論文の口頭試問がありました。4年間の学びの集大成と力作を誇らしげに発表する学生。もっと頑張っておけば良かったと反省の思いが滲んだ内容の学生。それぞれの思いは異なっても、限られた時間の中でまとめ上げた集中力と気力でもって取り組んだ過程で得たものの大きさは、これからの人生に大いに役立つものと思います。ゼミ生の多くは日頃のクラブ経験で感じた身近な心理的な問題意識を基に取り組みました。以下はO君の感想です。

 

 私は,「試合展開における選手の競技不安が競技成績に与える影響-ソフトテニスプレーヤーの心拍数と競技不安尺度:STAIを用いて-」をテーマとして研究を行いました。競技不安は全てのスポーツ選手の抱える問題であり、“あがり”と共に古くて新しい問題でもあります。

 勝敗とファーストサーブの成功確率を競技成績と設定し,リードしている時、されている時、同点の時などの状況別に、サービス動作開始時間と競技不安,生理的反応の3つの要因との関係について調べました。その結果,競技不安を感じている方が高いパフォーマンスを発揮できることを見いだしました。このことは防衛的悲観主義にも関わることであり,現場に活かすには,「男子のソフトテニスのダブルスの試合に限り,最悪の場合を想定し,試合に臨むまたは進めることで良い競技成績に繋がる」ということを定量的(客観的)に示すことができました。最後に,卒業論文作成にあたり,実験参加者、貴重なアドバイスをしてくれたゼミの仲間に感謝します。


 

卒論作成といった土壇場でのゼミ生のつながりは貴重な財産になると思います。(老ブロガー・ハル)

2018.01.18

お疲れ様でした

こんにちは、shinoです。

先週末は雪が積もりましたね。
日曜日にラグビートップリーグのドクターで名古屋に行ったのですが、
新幹線が雪のため速度制限していました。
休み明けの月曜日もキャンパス内にはまだ雪が残っていました。

今週はいろいろありました。

水曜日に金森先生の退官記念講義が行われ、私も出席しましたが、たくさんの人が受講に来ていました。
本学の学生や職員だけでなく、
以前に勤めていた大学病院の方などが遠路遥々来られており、
金森先生のお人柄が改めて良く分かりました。

講義も金森先生の専門である衛生・公衆衛生学に関する内容で、
非常に面白かったです。
私も学生の頃に大学で公衆衛生の授業を受けていました。
その時は理解できず、あまり興味を持つことは無かったですが、
今回の授業を聞くと分かりやすく、興味深かったので、学生の頃に金森先生から教わりたかったなと思って聞いてました。




そんな感じで盛況のうちに講義は終了しました。

金森先生、お疲れ様でした。




さらに、本日午前中には、4回生の卒論口頭試問が行われました。
先日、無事に提出した卒論に関するプレゼンを行い、
2つのゼミが合同で行い、指導教官である私と金森先生から質疑応答を行いました。

以前にこのブログに書いた中間発表会とは違って、
卒論を書き上げるために、さらに理解を深めたことがはっきり分かり、
より充実した発表を全ての学生が行ってくれました。




我々教員からの質問にも、全員、適切に受け答えできており、
2年前のゼミに入ってきた時から考えると、
しっかり成長してくれたんだなと実感しました。嬉しかったです。




来年度から無事社会人として頑張ってくれそうです。

いつもゼミの授業内で学生に話をしていることなのですが、
せっかく時間をかけて苦労して研究を行い、論文を書き上げたのだから、
この知識が社会、日常生活に使えるように、
しっかり還元することが、重要なのだと思います。
卒論が卒論のままで終わらないようにして欲しいです。

豆知識的な、些細な事で構いません。
今回勉強したことを1つでも実際の現場に役立てるように、
知識を頭に残し、忘れないように活用して下さい。

4回生もお疲れ様でした。

2018.01.17

小さな賢人

月日は流れますね。ゼミっ子たちのことを考えていると、今頃〇〇の時期だなぁと数珠つなぎに想い出されていきます…。

さて、もう既に、少し前の話になってしまいました。ですが、書いておきたくなりました。1月6日は、Dia de los Reyes Magos(主顕節)、バレンシア/スペインのクリスマスでした。子どもたちは、三賢人のだれかにプレゼントをお願いをしておいて、6日を迎えた日の朝に届く、という子どもたちにとって大切な日でした。いま所属しているところの先生方も、お子さんたちに、サンタや三賢人を信じさせてプレゼントを渡すことには、いろいろと智慧を働かせ工夫している様子でした。どこの国でも同じですね。

その前日(5日)の夜から、街中は三賢人のパレードで大盛り上がりで、沿道にいる子どもたちにキャンディが配られ/投げられていきました。いい子にしていればキャンディがもらえる、という言い伝えによるものです(悪い子には炭!)。投げる側にも子どもが多くいて…。ということは容赦なく(!?)「どうだ!」と言わんばかりに、キャンディが顔面に直球で飛んでくるということもあるわけです…。でも、沿道の人たちは笑って、「いいぞ、いいぞ!」と盛り上がっていきます。

(沿道はヒト・ひと・人で埋まり、建物の2階にも!)

スペインのサッカー・クラブチームもパレードに参加していて、タオルや柔らかいボールなどが投げられると、歓声というより悲鳴のような声に変わっていくほどの騒ぎ…サッカー人気の凄さを感じました。
(Valencia CFのメインスポンサーBLU Products社も参加)

キャンディ争奪戦の凄まじさの中でも、なんやらほっこりする、微笑ましい光景も。
私の近くにいた3歳と5歳(くらい)の兄弟もがんばって、キャンディを集めていました。が、最初はなかなかうまく取れずにいて、私がたまたま拾ったキャンディを渡していました(私はキャンディより、いざというときのためのブログ用の写真!…!?)。パレードも終わりに近づいたころ、別の家族のお母さんが、自分の拾ったキャンディ袋からガバっ!とひと掴み。その子たちの手に握らせたのです。自分の子どもたちもいるのに、です。

そのキャンディを渡された兄弟は、戸惑いながらキャンディを受け取り…。
そのあと、弟くんが、私に「どうぞ」とキャンディを1個くれたのです。今度は私が戸惑いながら(この子は間違って手を伸ばしただけ?私の勘違い?この手は私のもっと先にいる人に向いている?など、一瞬にしていろいろと駆け巡りつつ)、ありがとうと言うと、「どういたしまして」の言葉付き。私にとって、6日のクリスマス賢人は、この男の子でした。幸せの連鎖とは、このことですね。

地域の人たちとの関わりの中で、互恵的な関係づくりを身体で覚えていくのだろうなと感じた出来事でした。

ippo