[ international ] の記事一覧

2015.08.21

深夜特急2

前回のブログに引き続き、沢木耕太郎さんの「深夜特急2」を読みました。舞台はまずマカオからバンコクに移ります。旅行のテーマが「インドのデリーからロンドンまで路線バスで旅する」という事なので、依然として寄り道状態ですが少しスタート地点のデリーに近づいています。ここでもローカル電車を使い、地元のタクシーの運転手と懸命な値切り交渉を行い、土地の空気を存分に味わいながら旅を続けて行きます。行く先々で友人が出来、楽しい思いをしたり刺激を貰ったりしていて羨ましくも思いました。とはいっても筆者にはタイでの旅はあまりしっくりこなかったとの事で、タイをどんどん南下し、マレーシアを突っ切ってシンガポールに進んでいきます。

私はタイとマレーシアはいつか行ってみたいと思いつつまだ訪れた事がありません。特に近年はマレーシア(クアラルンプール)で学会等が開催される事も増えているので、いつか機会を見つけられればと思っています。

シンガポールは2010年に World Congress of Biomechanics が開催された際に訪れる事が出来ました。学会には勿論学術的な発表や情報収集をしたり、人的なネットワークを作るために参加するのですが、世界各地を見て回れるというのも大きな楽しみです。学会では1週間くらい一つの土地に滞在する事も少なくありません。行動半径は大きくは出来ないですがその地区については歩いて回ることが出来ます。シンガポールに行った際は学会のセッション終了後の夕方から夜に掛けて様々な名所に行きました。丁度真夏の時期に行ったのですが、猛暑の日本よりも涼しかったのも印象的でした。大学院生の方々は国際会議で発表することも楽しみの一つにして研究に励むと良いと思います。

深夜特急の話に戻ります。シンガポールでも様々な人に出会い、多くを考え、筆者は次にカルカッタを目指します。デリーとカルカッタ、勿論同じインドの中にありますが地理的には結構離れています。ここでも大きな寄り道になるわけです。私の場合は海外旅行というと目的地と日程が決まっている事がほぼ 100% ですので、ここまで来ると珍しいお話し、という感じですね。

この本に触発されたわけではありませんが、先日神戸に旅行に行って来ました。立命館に着任するまで6年半程神戸に住んでいたので、家族で久しぶりに行ってみました。神戸在住時はしなかったことをという事で、六甲山の上のホテルに宿泊してみました。素晴らしい眺めでした。お値段もリーズナブルでした!他にも神戸牛のお店とか洋食屋さんとか、色々とお勧めの所があるので神戸に行く機会のある方は是非お問い合わせください。


今月で旅行や学会も一段落、9月はBKCに落ち着いて実験を進めたいと思っています。何事にもメリハリが大切ですね。


2015.08.17

TAZ君

皆さんは夏休み、如何お過ごしですか? 受験生にとっては、最後の追い込みをかける毎日と思います。くれぐれも体調管理を大事にして頑張って下さい。スポーツもそうですが、夏にしっかりと仕込めると、その成果は必ず現れます。大学生は、まとまった長期休暇ですから、海外渡航、合宿、帰省、インターンシップなど思い思いの過ごし方でしょう。良い思い出、経験を積んで下さい。

今回紹介するのは、テキサスから来てくれた高校生のTAZ君です。アメリカ生まれ、アメリカ育ちの日本人です。アメリカの学年暦でいえば、8月下旬が新年度になるので、今度高校3年生になります。アメリカの高校も夏休みが2ヶ月ほどあります。TAZ君は、小学生、中学生の頃、アメリカの夏休みの前半は、日本の学期と重なるので、その期間、日本の学校に通っていました。毎年1ヶ月ほどになるでしょうか。そのため、日本語の読み、書き、話すは全く問題ありません。まさにバイリンガルです。


そんなTAZ君から、7月初め頃にメールをもらいました。親御さんの実家が滋賀にあるということで、そこを拠点にしながら、将来のキャリアを考えて、何かしらの経験をつみたい、できればインターンシップのような機会を与えて欲しい、という内容でした。その文章が、本当にしっかり書けていて、体裁、内容ともに高校生とは思えない内容でした。もちろん、喜んで受け入れると返事をして、日本到着早々に研究室に来てもらい、お話をしました。第一印象は、「しっかりと物事を考えていて、まっすぐとした良い眼を持っている好青年」です。研究室紹介、施設紹介を終えて、将来のキャリアについて話をしましたら、大学進学は医学部か生物学部を考えているとのこと。Hassy先生がポスドクをしていた難関大学も検討しているとのこと。であれば、しっかり勉強してもらおうと、ポスドクのSUGさんにお願いして、現在、研究を進めている実験に参加してもらい、主に筋電図解析をしてもらうことにしました。写真はそのときの様子です。アメリカに戻っても、解析を続けたいとのことで、引き続きやってもらい、論文発表までのプロセスも経験してもらおうと考えています。

インターネットの世の中は、「門を叩く」ことを容易にしてくれています。一昔前であれば、誰かに紹介してもらい、手紙でやりとりして、という段取りをいくつも経て、ようやく会えることになります。もちろん、その段階を踏む、というのも重要な経験です。一方で、いまや直接にコンタクトがとれ、即時にやりとりができる時代です。もちろん、メリットだけでなくで、使い方を間違えるとデメリットにもつながりますが、今回のケースのように、自分の成長、キャリア形成に「一歩踏み出す」ためには、強力なツールです。それにより慣れている若い世代の人たちが大いに活用して、自分の成長につなげて欲しいと願っています。ただし、TAZ君のように、礼儀正しく、かつ想いを伝えられるメールの文章が重要になることは言うまでもありません。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
1.この間、案内しています、ちらっと出演する(「凄(すご)ワザ」)が放映されます。
今週(8/22)と来週(8/29)の土曜日午後8:15-8:43、NHKです。良かったら見て下さい。
2.今月上旬に、初めてASB(アメリカバイオメカニクス学会)に参加してきました。4日間、朝8時から夕方まで濃密なスケジュールで、この分野の研究動向をしれた刺激一杯の学会でした。
3.ASB参加の折りに、飛行機から撮影した富士山です。清涼剤としてご覧下さい。
【忠】

2015.08.16

アメリカ便り (43): Alumni

今日は、京都では、五山の送り火ですね。
皆様いかがお過ごしですか。

卒業生のことを英語で、"Alumni" と呼びますが、
今回は、メリーランド州立大学カレッジパーク校の生んだ
卒業生を紹介したいと思います。

我々の生活に深く関係している卒業生としては、
Google の共同創業者である、セルゲイ・ブリン氏 (Sergey Brin) や
スポ健の学生には馴染みの深いアンダーアーマー (Under Armour) の創業者である
ケビン・プランク氏 (Kevin Plank) などがいます。


(写真は、http://www.bizjournals.com/baltimore/news/2014/09/29/kevin-plank-rockets-past-steve-bisciotti-on-forbes.htmlより)

先日、ケビン・プランク氏が、2500万ドル (約30億円) を
建物の改修に寄付したという記事が出ました。
昨年度だけで、大学への寄付が1億9500万ドルに上ったという記事です。
http://www.diamondbackonline.com/news/umd-exceeds-s-fundraising-goal-by-million-with-private-donations/article_66d780b2-30bd-11e5-9cd1-0f66263723aa.html

これらの多くの著名な卒業生の中でも、世界中に大きな影響を残した人物が、
ジム・ヘンソン氏 (Jim Henson) です。
「ジム・ヘンソン」と聞いても、? が浮かぶ人も多いと思いますが、
彼は、世界中で放送されているセサミストリート (Sesame Street) の
マペット(操り人形) を生み出した人物です。
特に、カエルの Kermit the Frog は有名で、
よく子供を対象とした言語習得の実験で、Cookie Monster と共に用いられます。

生協の建物である Union の前に、彼の功績を称え、
彼と Kermit the Frog の銅像が建っています。
(写真は、言語学のテキストである Minimalist Program を持たせています)



メリーランド州立大学が輩出した著名な卒業生のように、
スポーツ健康科学部からも、世界中に大きな影響を与える人物が
育ってくれることを願ってやみません。
それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#43>>
今回は、ジム・ヘンソン氏の言葉を紹介します。
"When I was young, my ambition was to be one of the people
who made a difference in this world.
My hope is to leave the world a little better for having been there."
 (http://www.brainyquote.com/quotes/authors/j/jim_henson.html より)
「私が若かった頃、私の夢は、この世界を変える人物の一人になることだった。
私の希望は、私がこの世に存在したことで、
この世界を少しだけでもより良いものすることだ。」

2015.08.14

深夜特急

沢木耕太郎さんの「深夜特急1」を読みました。この本は「新潮文庫の100冊2015」に選ばれています。私の良く行く書店でも大々的にディスプレイがされており、中身をパラパラ見たところ面白そうだったので買ってみました。

沢木耕太郎さんの著書は以前にも「敗れざる者たち」等を読んでおり、スポーツライターという印象を持っていました。「敗れざる者たち」の中ではマラソン、野球、ボクシング等様々な分野の選手にスポットライトを当て、その光と影を描いています。現在 Number 等の雑誌で見られるスポーツエッセイのジャンルの傑作と言える一冊だと思います。是非一度手にとって見て下さい。

「深夜特急」はそれとは異なり、紀行文のジャンルの作品です。インドのデリーから出発し(デリーまでは飛行機で行く)、乗り合いバスだけを使ってロンドンまで行く、というテーマだそうです。地球の広さを身体で実感するために、飛行機も鉄道も高速バスも使わない、とのこと。自分にはこの様な旅をした経験はありませんので(今後も無いだろうと思います、、、)珍しさもありのめり込むように読み進めて行きました。

文庫本としては6冊のシリーズで、私は現在2冊目を読んでいる所です。1冊目は何とデリーに行く途中に立ち寄った香港とマカオで数週間ブラブラしてしまった、という話。2冊目では次に立ち寄ったバンコクで同じ様な日々が始まります。流石の観察眼と文章力で、香港の喧噪やマカオのカジノの張り詰めた空気感までもが伝わって来る様です。この作品、以前から知っては居たのですが6冊の大部ということで読むのを躊躇していました。ですが今回読み始めて良かった、面白い作品に出会えたと嬉しく思っています。皆さんもまずは出だしだけでも読んでみてください。

そして読み始めると自分も旅に出たくなるでしょう。学生の皆さん、時間の沢山あるうちに世界を歩いてみてください。


2015.08.09

アメリカ便り (42): Research University

先週に続いて、ジョンズ・ホプキンス大学 (Johns Hopkins University)  を通して
研究大学 (Research University) について書きたいと思います。
ジョンズ・ホプキンス大学が、「研究大学」であることを先週お伝えしましたが、
実際にどんなふうに研究が重視されているかを、
認知科学学科に所属されている Akira 先生にお聞きしました。



Akira 先生は、学部時代に、マサチューセッツ州立大学 (UMASS) に
交換留学で1年間留学され、アメリカの大学院に進もうと決心されました。
メリーランド州立大学 の言語学科で博士号を取得され、
現在は、ジョンズ・ホプキンス大学で、Assistant Professor をされています。

Akira 先生のお話では、ジョンズ・ホプキンス大学は
アメリカの研究大学の中でも研究が最も重視されている大学の一つで、
最初のスタートアップの研究資金として、かなりの額が支給されたそうです。
そのおかげで、1台500万円ほどする eye-tracker を2台と、
研究アシスタントを2名雇用でき、順調に研究を立ち上げることが出来、
大変感謝しているとのことでした。

実験用の大きなスペースも与えられ、Akira 先生の Lab は、
アシスタント用の部屋(写真奥左手)、子供用の実験部屋(写真中央奥)、
大人用の実験部屋(写真奥右手)、おもちゃのある前室からなっています。


また研究室のデザインも自分で決めることが出来、
子供を対象にした実験ができやすいようにレイアウト出来たとのこと。
本当に至れり尽くせりで、聞いていて彼我の余りの違いに気が遠くなりました (苦笑)。

ただ大学からスタートアップでかなりの金額をもらえるのは、
大学自体が、研究を投資と考えていて、それを元に研究成果を出して、
NSF (National Science Foundation) や NIH (National Institute of Health) などから
大型の研究費を獲得することが目的との事です。
ジョンズ・ホプキンス大学では、獲得した研究費の 62%! は、
間接経費として大学に徴収され、この還元された研究費を用いて、
さらに大学全体で研究を進めて、さらに大きな研究費を獲得するという好循環が出来ています。
(ちなみに全米一間接経費が高いのは、Stanford 大学で、65% との事でした。)

先週、「研究大学」を定義するならば、
「教育よりも研究が中心で、学部よりも大学院が中心の大学」と書きましたが、
授業の負担は最低限で、各学期で、学部の授業が1コマ、大学院が1コマのみとの事でした。
これはメリーランド州立大学の言語学科も同じですが、
日本の大学でこういう環境を揃えるのはなかなか厳しいと思います。
ちなみに認知科学学科の院生は、毎年3名程度で、
これまでほぼ100%アカデミックキャリアについているそうで、
さすがジョンズ・ホプキンスと思いました。

ただ研究大学ならではの厳しさも相当あって、全米一位のメディカルスクールでは、
診療も授業も担当せず、医学研究に専念している先生が多数おられるのですが、
その先生は、大学から給与は一切!支給されず、
自分の給与は獲得した研究費から払っているそうです。
そのため研究費を取れなくなると、別の業界に行くか、
他大学に移籍するしかないという、
日本の大学では考えられない厳しさです。
いかにも競争の厳しいアメリカらしいと感じました。

日本の大学も、大きな変革の時を迎えています。
日本を外から見ることで、その方向性が正しいかのどうか
非常に参考になる訪問でした。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#42>>
初代学長のギルマンが就任演説で、ジョンズ・ホプキンス大学の目的について語った言葉です。
“The encouragement of research . . . and the advancement of individual
scholars, who by their excellence will advance the sciences
they pursue, and the society where they dwell.”
「(ジョンズ・ホプキンス大学の目的は) 研究の奨励およびその卓越性により科学を追求し、
彼らが生きる社会を前進させる個々の研究者の向上(である)」
( https://www.jhu.edu/about/ )
こういう言葉にアメリカ最初の研究大学の自負が感じられます。

2015.08.07

映画のススメ

楽しみながら英語のリスニング力を高めるやり方の一つとして、映画鑑賞をお勧めします。字幕無しで見られれば一番ですが、英語の字幕付きでも良いトレーニングになると思います。「リスニング」の練習をしようとする時に、何はともあれ量をインプットする必要があります。書店に行くとリスニング用のテキスト+CDのセット等が多数売られていますが、それらを1部または数部購入しても量的には十分では無いと思います。最初の導入の際は役立つでしょうが、ある段階以降は経済的かつ楽しく続けられるやり方で継続的にトレーニングするのが良いでしょう。

リスニングがそれほど得意でない方でも、映画を字幕無しで見てみると意外とストーリーが掴める事に気づくと思います。映画は2~3時間の間に起承転結の流れがあります。また実際には言語だけではなく、登場人物の表情、効果音、カメラワーク等、様々な手掛かりによって視聴者にメッセージを伝えてくれています。それらをキャッチして頭の中で咀嚼して、意味の流れを掴む事は非常に良いトレーニングになります。最初は英語の字幕を表示しても良いでしょう。リアルタイムに字幕を読んで内容理解の手助けにする事自体、実は結構英語力を要求されます。まずはこのレベルを目指して取り組んでみるのが良いかも知れません。

アメリカに住んでいた頃、近所の映画館では学割で4ドルくらいで映画を見ることが出来ました。元々映画が好きだったことも有り毎週のように観に行っていました。アメリカに行って一番最初に観た映画は「リーサル・ウェポン4」です。シンプルなストーリーのアクション映画ですので非常に解り易く楽しむことが出来ました。全般的にアクション映画は解りやすいですね。逆に当初比較的解りにくいなと思ったのはサスペンス物とか裁判物の映画でした。

DVD とかケーブルテレビとかで是非試して見てください。週に1本、1年間続けることが出来たらまずまずのレベルアップが出来ると思います。「そんな暇は無い」と思うかも知れませんが継続は力なりです。語学の力は一朝一夕には付きませんので、1年後のためと思ってトレーニングしてください。


2015.08.02

アメリカ便り (41): Johns Hopkins University

本日は、立命館大学オープンキャンパスの二日目ですね。
一人でも多くの受験生・保護者の方に参加して頂き、
スポ健の魅力について知ってもらえればと思います。

私は、先日、メリーランド州のボルチモアにある私立の名門、
ジョンズ・ホプキンス大学 (Johns Hopkins University) を訪問してきました。

ジョンズ・ホプキンス大学は、1876年にボルチモア-オハイオ鉄道会社の大株主であった
ジョンズ・ホプキンス氏の遺言により創設された大学です。
肖像画は、40歳代のジョンズ・ホプキンス氏です



ジョンズ・ホプキンス大学は、メディカルスクールのランキングで
全米一位の評価を受けている名門大学です。
これまでに関係者のノーベル賞受賞者の数が、なんと36人!
また卒業生も著名人を多数輩出しており、
前NY市長のブルームバーグ氏 (Michael R. Bloomberg) もその一人です。
これまでに10億ドル以上!(日本円で1200億円) 寄付をしており、
公衆衛生のプログラムは、Bloomberg School of Public Health と命名されています。
また、国際連盟で有名な第28代アメリカ大統領の
ウッドロウ・ウィルソン(Woodrow Wilson) も卒業生です。

中に入ってみると、メリーランド州立大学カレッジパーク校と比べると
キャンパスは小さいのですが、アイビーリーグ (Ivy League) を思わせる雰囲気の良さでした。



アメリカ最初の大学は、Harvard 大学ですが、
ジョンズ・ホプキンス大学は、「アメリカ最初の研究大学」と呼ばれています。
それまでのアメリカの大学は、古典教育を中心とした教養を身につける事を
目的とするリベラル・アーツ大学 (liberal arts) だったのが、
ジョンズ・ホプキンス以降は、Harvard などの上位大学は、
急速に「研究大学」へと舵をきることになりました。

「研究大学」を定義するならば、
「教育よりも研究が中心で、学部よりも大学院が中心の大学」と言えます。
また大学院生から学費を取るのではなく、逆に奨学金を与えて、
研究環境を整えるのも、ジョンズ・ホプキンス大学が始めたことです。

日本でも、国立大学を中心に大学院重点化で、
大学院を中心に据え、アメリカ流の研究大学を目指そうという動きが行われました。
しかしながら、残念なことにアメリカ流の研究大学の恵まれた環境には
なかなか到達していないように思えます。
実際に研究大学での研究環境がどのようなものかについては、
次週お伝えしたいと思います。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#41>>
上で述べたブルームバーグ氏の言葉です。
Bloomberg said. “Each dollar I have given has been well-spent
improving the institution and, just as importantly,
making its education available to students
who might otherwise not be able to afford it.
Giving is only meaningful if the money will make a difference
in people’s lives, and I know of no other institution
that can make a bigger difference in lives around the world
through its groundbreaking research—especially in the field of public health.”
「ブルームバーグ氏によると、私が寄付した全てのお金は施設を充実させることと、
同じくらい重要なのだが、この寄付がなければ経済的に不可能であった学生に
教育の機会を与えることに使われてきた。
寄付自体は、人々の人生に変化をもたらして初めて意味があり、
ジョンズ・ホプキンス以上に、特に公衆衛生の分野において、
画期的な研究を通じて世界の人々の暮らしに
より大きな変革をもたらすことの出来る機関を私は知らない。」
(http://releases.jhu.edu/2013/01/26/michael-r-bloomberg-commits-350-million-to-johns-hopkins/)

2015.07.31

夏の思い出

毎年この時期になると思い出す事があります。初めてアメリカに住んだ時の事です。

20代の半ば頃、私は博士号を取るためにアメリカに留学する事を決意しました。当時はインターネットを通して情報を得ることも出来ず、何もかも手探り状態で進めて行きました。幸いにして出願する大学については、先週のブログでも触れた国際学会(International Society of Biomechanics)を東京で開催した際に色々な先生方に相談に乗って頂く事ができました。その結果幾つかの候補を絞ることが出来ました。

修士2年目の7月~11月に掛けてTOEFLやGREといった試験を受け、書類を用意し、お世話になった先生方に推薦状を書いて頂き、、、といった手続きを経て出願をしました。12月にはやるべき事は済んでいて、後は次の連絡が来るのを待つばかりとなりました。その間修士論文を作成したり公聴会があったりし、連絡を受けたのは3月頃だったと思います。メールで「電話で面接をするので○日の○時に取ってくれ」と言った内容で、ついに来たか、と思いました。

当時私は留学どころか海外に行ったことも無い(パスポートすら持っていませんでした)状態で、リスニングのテストの練習はしていましたが「ネイティブの方と電話で会話」というのは初体験だったと思います。通常の対面の会話では想像以上にボディーランゲージに助けられています。ここが勝負時と前日は一睡もせず朝の電話を待ちました。面接は上手く行き、財政支援(3年間TAをやりました)の話もまとまり、第一志望だったアリゾナ州立大学へ行くことになりました。

アリゾナ州立大学の新学期は8月から始まります。1年以上全力で準備をし、待ちに待った大学院での生活を始めた時の事を、毎年夏の暑さと共に思い出します。とは言えアリゾナの暑さは日本のそれとは異質でした。西部劇の舞台になった砂漠の大地、強烈な日差し、サボテンだらけの乾いた土地、という所なので日本の基準で想像するのは難しいです。サングラスなどは日本から持って行った物では用を為さず早速買い換える事になりました。着いて1~2週間で大分日焼けしました。


今までの人生の中で、アリゾナ州立大学での出会い、学んだことはかけがえの無い物となっています。日々の生活も勉強も研究も、何もかもが大変でしたが全身全霊で取り組みました。本当に素晴らしい時間を過ごすことが出来、大学や先生方は勿論の事、友人、一緒に格闘技をした仲間、大学のある街、そしてアリゾナ州に今でも感謝しています。またいつの日か、必ず訪れようと思っています。関連分野の学会等見つけられた方は是非教えてください!


2015.07.26

アメリカ便り (40): Flat tire

7月もあっという間に終わりですね。
皆様いかがお過ごしですか。

私は、普段大学まで車で通っているのですが、
今週の21日に、高速を降り、大学まで2マイルという所で、
タイヤに何か付着したような異音がしました。
路肩が無く通勤ラッシュで急に止まるわけにもいかず、
もうすぐだからとそのまま走っていたら、
急に「バン!」という大きな破裂音がして、パンクしました。



(動揺していたので写真撮るの忘れました (^ ^;;)
写真は、http://www.thecarconnection.com/news/1056190_buy-michelin-tires-get-free-roadside-assistance-and-towing より)


何とか大学の駐車場にたどり着き、保険会社に連絡して
タイヤ交換してもらったのですが、
(釘が刺さっていました!)
タイヤの空気圧の警告ランプが消えず、
今度はディーラー行きとなりました。
そこで新品のタイヤに交換してくれと頼むと、
「一時間かかる」と言われて、時間をつぶして戻ってきたら、
ディーラーが提案してきたタイヤの在庫が無く、
「別のタイヤならあるがどうする?交換はこれからだから、
さらに時間がかかるけど・・・」と言われ、
「それなら早く連絡してくれたら良かったのに・・・」と
アメリカンウェイにやられたトホホな一日でした。

高速を降りていたので、何とか無事でしたが、
仮に高速の最中だと思うと、本当にぞっとしました。
アメリカの高速道路では、所々で車が路肩に止まっていて、
その数は日本よりも遙かに頻繁です。
「大変だなぁ〜」と見ていましたが、自分もそうなりました。
本当に気を付けないといけませんね。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を。

<<街でよく見かける英語表現#40>>
日本ではあまり見かけませんが、アメリカでは
道路の舗装がえぐれていて、結構な深さの穴が開いている所があります。
そういう穴を、pothole と言い、そのため車やタイヤにもダメージがあるようです。
舗装しても舗装しても車が通るために穴があくようで、
修繕することが財政的にもかなりの大きな問題となっています。
以下のニュースでは、pothole によるダメージの補償を求めることができるというニュースです。
http://www.myfoxdc.com/story/28423774/vehicle-damaged-by-a-pothole-drivers-can-file-claim-against-govt-for-reimbursement

2015.07.20

ISB2015 Glasgow

先週は、表記の学会に参加してきました。
本学部からは、写真の6名+栗H先生の7名が参加しました。

この国際バイオメカニクス学会(International Society of Biomechanics)は、2年に1回開かれます。前回は、ブラジルのナタールでした。今回は、AKNR先生のゼミ生(学部4回生)の2人(赤Bear君とK藤君)が、口頭発表しました。時間をかけてしっかりと練習したプレゼンは堂々としたもので、日本から参加の他大学の先生も感心しておりました。本研究室のSpring本さんは、長期間のゴルフトレーニングが体幹筋の左右差、上下差にもたらす影響について、ポスター発表を行いました。持ち時間の1時間半、ひっきりなしに質問、コメントをよせる参加者に対して、丁寧に対応して議論していました。

ポスドクのF谷さんは、反動動作として用いられるストレッチ-ショートニングサイクルのメカニズム解明の研究成果を口頭発表し、カナダ留学の英語力とこの間の論文の成果をいかんなく発揮していました。AKNR先生の口頭発表は、「さすが!」とほれぼれするものでした。ボクシングのパンチングにおける力学指標を定量化する方法を発表され、会場との質疑応答の中で、なぜこの研究を行っているのか、最終目標は何なのか、そこへ向けての今回の研究の意義はこれこれである、というように筋道をたてた説明に、会場全体が得心したやり取りでした。

その他の学会の内容については、金曜日のAKNR先生がまた詳しく書かれますのでそちらをお読みください。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
グラスゴーは、イギリスのスコットランド地方にあり、年に400回は雨が降る、というほど雨が多いところです。ところが意外にも!?私の滞在中1回しか降りませんでした。雨男、返上か、と思いきや、金曜日の早朝、関空に降り立った頃は、台風による大雨。ダイヤの乱れは翌日まで続きました。土曜日から始まったサマースクールも遅れてくる参加者が何人もでてしまいました。私のせいではないのですが、タイミングが合って!?しまいます。
今週末(7/26日)は、学部のオープンキャンパス(参加自由)です。申し込みは不要ですので多くの方に来て欲しいと願っています。予報では、天気は大丈夫そうです

【忠】