[ international ] の記事一覧

2015.07.19

アメリカ便り (39): The reason to study abroad

今回は、先週紹介した ニューヨーク大学 (NYU)で
言語学の博士課程に在籍している Yohei さんに
お聞きしたアメリカ生活について紹介したいと思います。
彼は、日本の国立大学での学部・修士課程を経て、
現在、NYU の博士課程の2年生で、MorphLab に所属しています。


(画像は、MorphLab の HP より引用; http://www.psych.nyu.edu/morphlab/)

彼とは、5月の初めにメリーランド州立大学で開かれた学会でお会いし、
今回、留学生活について色々と話を聞くことをが出来ました。

耳の痛い話も多いのですが、実際に留学生活をしている学生目線の話ですので、
このブログを読んで頂いている受験生や大学生の皆さんにとって、
大変参考になると思います。

・なぜ留学しようと考えたのか
「留学しようと決めたには様々な理由がありました。
まず、自分の修士時代のアドバイザーがアメリカで博士号を取得していて、
アメリカのプログラムは本当に忙しいが、一流の言語学者を育成するために
できていることを聞きました。加えて、同じ分野の研究をしている大学院生がおらず、
仲間との会話は非常に重要な学びの機会ですので、仲間を求めてアメリカに来たのもあります。
また現行の日本の大学の雰囲気が嫌いでした。
日本の大学では勉強に力を注いでいると珍しがられますが、アメリカではそれが普通です。
そして何より、一流の研究者に指導して貰いたかったからです。」

・英語の勉強方法
「僕はテキストや参考書で自学自習するということが全く出来ないタイプでした(オススメはしません)。「読む・書く」は、自分の研究をしている内に自然と鍛えられました。
論文は英語で書いていましたし、参考文献も全て英語です。
「話す・聞く」は、勉強していません。
全て英語で行われている授業を取っている程度でしたし、
後はとにかくアメリカに来て、英語を話さなければいけない環境に身を置いて、
追い込まれた状況で修行しようと考えました。」

・どのような経緯で NYU に入学したか
「どの大学にも交換留学という制度があると思います。NYU に入学する前に、
僕はその制度を援用して大学院生として visiting student をしました。
ただ、TOEFLのスコアがそれなりに必要ですので、必要なスコアが取れない人も多く、
競争倍率がかなり低かったです。visiting student では、
授業は全て現地の学生と同じものを受けていました。
僕の場合、それと同時に研究をしてNYUに出願しました。」

・日本と海外の大学の違い
「経験から言うと、日本の大学の授業はゆるいです。
アメリカでは、同じ授業で週に最低2回授業があります。
それぞれの授業でものすごい量の課題が出ます。
そこらへんの研究者が読む論文を普通に読まされます。
これは課題とは別にです。学期末には論文を書かなければいけないので、
学期中に教員と何回かアポイントメントを取ります。例えば、
火曜と木曜に授業がある場合、火曜に出た課題と宿題をこなすのには水曜しかありません。
こちらの図書館は基本的に24時間空いているので、みな遅くまで勉強しています。
代返だとか、授業中の居眠りだとかありえません。
ただメリハリははっきりしていて、週末にはパーティーをしたりしています。
平日の真っ只中にダラダラと飲み会をしたりはしません。」

・NYU や NY での暮らし
「僕は言語の脳科学の研究室に所属していますので、
基本的に平日は毎日大学にいって研究します。
授業が無ければカフェに行って研究をしたりします。
住んでいる場所はマンハッタンではなく、クイーンズというベッドタウン(?)です。
通学は約1時間くらいでしょうか。ニューヨークの治安を気にする人がよくいますが、
僕は何も危険な目にあったことはありません。息抜きに色々と行く場所もあります。」

・高校生に対するメッセージ
「バイト・恋愛・サークル目的ではなく、
本気で勉強するために大学に行く人は留学することをぜひお勧めします。
今どうやら日本は「グローバル」な人材を求めて動いているようですが、
名前だけが一人歩きして具体的な政策が何も打ち出されていないのが現状です。
留学すれば、英語はもちろん徐々に板についてきますし、
少なくとも日本の大学で4年間ぼーっと過ごしたというレッテルも貼られません。
そして、日本が欧米の教育システムを本気で取り入れたいのであれば、
それを実際に経験して輸入する人材が必要です。」

立命館でも、交換留学制度がありますが、なかなかTOEFL iBT で
必要なスコアが取れず、留学できないという人が多いのが現状です。
TOEFL で高得点を取るためには、きちんと高校で英語を勉強することが必要ですので、
日々の勉強を頑張ってくださいね。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#39>>
上で述べたように、Yohei さんとは、メリーランド大学で開催された
Morphest という学会で初めてお会いしたのですが、
その登録 (registration) のページの最後に
"Do you need crash space?" という Yes / No question の項目がありました。
"crash space" とは聞き慣れない英語表現なので、
周りの院生に聞くと、「大体35歳以下の人が使うくだけた表現で、
"泊まる場所"との事」。いい大人 (笑) が使うときには、
"space to stay" を使う方が良いとのことでした。
英語って本当に面白いですね。

2015.07.12

アメリカ便り (38): NYU

あっという間に7月も半ばですね。
前期もそろそろ終了で、学生の皆さんは
英語の最終発表やペーパーを書くので忙しい時期ですね。

先日、New York University (NYU) の言語学科を
訪問してきましたので、今回紹介したいと思います。
http://linguistics.as.nyu.edu/page/home

NYU の言語学科は、マンハッタンのメインキャンパスから
2ブロックほど離れた所に、5年ほど前に移転しました。
建物の外観は、高級アパートのようです。
(写真の NYU の旗が立っている建物です。)



建物の中は、メリーランド州立大学カレッジパーク校とは異なり、
神経言語学は6階、社会言語学は3階のように、
言語学の研究分野毎にフロアに分かれて入っています。
今回、私は6階の神経言語学フロアを訪問したのですが、
非常にモダンで、オシャレな感じでした。
さすがにお金持ちの私立大学という所です。



NYU の言語学科は、メリーランド州立大学カレッジパーク校と並ぶ、
神経言語学 (Neurolinguistics) の研究が盛んな大学です。
私も、今回の在外研究で、メリーランドにするか NYU にするかで悩みました。
施設面でも、MEG (脳磁図計) があり、研究の環境面では申し分ありません。
ただ上で書いたように、分野ごとにフロアが分かれているので、
学生間や教員間の交流が少ないのかなとも感じました。
メリーランド州立大学の場合は、分野がバラバラの学生や教員が
お隣にいて、それこそ和気藹々という感じです。
より独立した、大人な雰囲気を楽しみたいなら NYU という感じでしょうか。
大学の個性を感じた訪問でした。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を。

<<街でよく見かける英語表現#38>>
NYU のモットーは、"Perstare et Praestare"
HP には、"The motto "Perstare et Praestare"—to persevere and to excel— ...
represent the continued pursuit of academic excellence. "
「モットーである "Perstare et Praestare" (英語では、維持し、優る) は、
学問的な卓越の絶えざる追求を象徴する」
(http://www.nyu.edu/library/bobst/research/arch/175/pages/seal.htm より) とあります。

また、NYU は、海外への進出にも積極的です。
現在、NYU Abu Dhabi (http://nyuad.nyu.edu/en/)と、
NYU Shanghai (http://shanghai.nyu.edu/) が、
2キャンパスがあります。
まさにグローバル大学です。

2015.07.07

タバタ式トレーニング本発売!

 先週、「タバタ式トレーニング」という本が発売されました!スポ健の学部長が長年研究された成果をまとめ、さらに、実践的なトレーニング方法も掲載された素晴らしい本です。皆さん、是非各書店にて見てみてください(下記写真)!


 先週、スェーデン・マルメで第20回ヨーロッパスポーツ科学会(Annual European College of Sport Science Congress)へ参加したお話をしましたが、スェーデンの街には日本とは少し違うことを発見したことをご紹介したいと思います。スェーデン・マルメは小さい街です(写真)!その歩道にはなんと、自転車専用と歩行者専用が明確に分かれていて、それがほとんどの道路に設定されています(写真)。日本も確かに分かれていますが、まだまだ完全ではない中で、スェーデンはすごい!と思いました。もう1つ、それはその自転車専用道路の各ポイントに下記の写真のような共用の空気入れが設置されています。これには驚きました!


 最後に…【忠】先生が昨日「スポーツ栄養学会第2回大会」の内容をアップされましたが、「その2」をアップできず申し訳ありません!裏方をしていたせいか、まったく写真をもっておらず、【ab】先生、すみませんっ!私も僭越ながら講演させて頂きましたが、とても勉強になった学会でした!運営に携わった先生、院生、学部生の皆さん、本当にお疲れ様でした!

Moto

2015.07.05

アメリカ便り (37): Independence Day!

あっという間に7月ですね。
日本ではそろそろ蝉の賑やかな季節でしょうか?

アメリカでは、July 4 は、独立記念日 (Independence Day) です!
この日を迎えるに当たって、いつも以上に町中に星条旗があふれています。

ワシントン D.C. では、この日、様々なイベントが行われます。
パレードに始まり、コンサート、そして中心部のナショナルモールで
盛大に打ち上げられる花火!まさにアメリカらしく建国を祝う一日です!


(写真は、http://washington.org/DC-guide-to/independence-day-washington-dc より)

全米各地で、当日は、独立記念日を祝う行事が行われていますが、
D.C. は首都ということもあって、全米一の規模で行われます。
ぜひこの時期 D.C. に立ち寄られる方に見てもらいたいです。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#37>>
1776年7月4日に出された Declaration of Independence (独立宣言) は、
D.C. のNational Archives (国立公文書館) にオリジナルが展示されています。
今回は、(少々長いですが、) その中の有名な一節を紹介したいと思います。

"We hold these truths to be self-evident,
that all men are created equal,
that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights,
that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.
--That to secure these rights, Governments are instituted among Men,
deriving their just powers from the consent of the governed,
--That whenever any Form of Government becomes destructive of these ends,
it is the Right of the People to alter or to abolish it,
and to institute new Government,
laying its foundation on such principles
and organizing its powers in such form,
as to them shall seem most likely to effect their Safety and Happiness."
「我々は、以下の真実を自明のものと見なす:
人間は平等に作られており、創造主により犯すべからざる権利を有していること、
この権利には、生命・自由・幸福の追求があること、
これらの権利を守るために、政府が樹立されたのであり、
政府の権力は、統治される人の同意に依拠していること、
いかなる政府であれこれらの目的を果たさない場合、
政府を変え、廃止し、新たな政府を樹立するのは人民の権利であり、
安全と幸福を最大限もたらすような原理と形に則り、その基礎を置き、権力を組織すること」

これを読むと憲法は国家を制約するためであり、
国民の権利を保障するためであることがよく分かりますね。


(写真は、http://www.archives.gov/exhibits/charters/declaration_transcript.html より)

2015.06.28

アメリカ便り (36): 895 Defense

日本では大雨が続いているようですが、
皆様いかがお過ごしですか。

先日、メリーランド州立大学カレッジパーク校の言語学科では、
895 Defense が行われたので、紹介したいと思います。

アメリカの授業は、頭にナンバーが付いています (Number System)。
それを見ると大体のレベルが分かるようになっています。
例えば、学部の入門クラスは100番台、専門だと300-400番台、
大学院だと600番台以降になります。
895 Defense とは、LING 845 Doctoral Research Paper という科目の
公聴会 (Defense) で、博士論文を執筆する前に
50ページ程度のペーパーを執筆し、発表をする感じといったら
イメージを掴んで頂けるでしょうか?

日本でも、博士課程の学生は中間発表という形で、
研究の進捗状況を毎年報告しますが、比較的短い場合が多いと思います。
こちらの場合、30分の発表の後、主査と副査からの質問があり、
フロアからも質問が出ます。この質問タイムは、
合わせて1時間ほどありますので、なかなかタフな時間です。
この発表を審査して、博士論文の執筆にゴーサインが出るかが決まります。

今回は、いつもお世話になっている Rachel が発表をしました。
Rachel は、New York University (NYU) 出身の D3 の学生です。

公聴会が終わった後はすぐにアメリカらしい砂糖たっぷりのケーキで
お祝いのパーティが開かれるのも新鮮で、楽しかったです。
こういうアットホームな感じがアメリカらしいですね。
(写真で、派手な色のケーキをカットしているのが Rachel です)



それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#36>>
今週アメリカでは、同性愛者の結婚に関する最高裁判決があり、
同性愛者の結婚が認められる判決が出ました。
"historic decision/victory" 「歴史的な決断/勝利」として、
ニュースでも盛んに取り上げられていました。
以下は、例です。
"A deeply divided Supreme Court on Friday delivered
a historic victory for gay rights, ruling 5 to 4
that the Constitution requires that same-sex couples
be allowed to marry no matter where they live."
「金曜日、真っ二つに割れた連邦裁判所は、同性愛者の権利にとって
歴史的な勝利をもたらした。5対4で、どの地域に住んでいようと、
合衆国憲法は、同性愛カップルが結婚することを認めることを
言い渡した。」
http://www.washingtonpost.com/politics/gay-marriage-and-other-major-rulings-at-the-supreme-court/2015/06/25/ef75a120-1b6d-11e5-bd7f-4611a60dd8e5_story.html

2015.06.21

アメリカ便り (35): First year in Big 10

今日は、父の日ですね。
皆様いかがお過ごしですか。

今日は夏至 (Summer Solstice) でもあります。
ワシントン DC ではないのですが、
NY では、本日、夏至を祝うイベントとして、
Times Square で、大規模な ヨガ (Yoga) の無料イベントが開かれる予定です。
http://www.timessquarenyc.org/events/solstice-in-times-square/index.aspx#.VYL52aaB2uk

今回は、それにちなんで運動に関する話題を紹介したいと思います。
以前、この項でお伝えしたように、メリーランド州立大学カレッジパーク校は、
これまで所属していた ACC リーグ (the Atlantic Coast Conference) から、
今年から Big 10と呼ばれるリーグに移籍し、いきなり7つの競技で優勝するなど、
大活躍を見せました。また女子ラクロスは強豪で知られており、
全米大学トーナメント (NCAA) でも連覇を果たしています。

日本では、新聞が特定の大学のスポーツ状況について
取り上げるのはなかなか無いと思いますが、
ワシントンポスト紙が、メリーランド州立大学チームの
今年一年を振り返る 記事 を掲載していましたので、
紹介致したいと思います。
"University of Maryland’s teams post a big first year in the Big Ten conference"
http://www.washingtonpost.com/sports/colleges/for-maryland-athletics-a-big-first-year-in-the-big-ten/2015/06/12/20db2680-0f17-11e5-9726-49d6fa26a8c6_story.html

今回、Big 10に移籍したことで、観客動員が15%増加したようです。
アメリカでは、大学スポーツは、プロスポーツ並みの人気を
誇っていますので、日本とは規模が違い、収入も桁外れです。
スポーツ担当の Athletic Department によると、
今年のチケット収入だけで、1490万ドル!
(1$=124円で換算すると、約18億4700万円!)
もちろんこれにテレビ放映権やグッズの販売、試合での
飲食代などが加わりますので、一大ビジネスです。

私は日本の大学スポーツの収支状況に詳しくないのですが、
これほどの収入を得ている体育会部門は日本にはないだろうなと思います。
逆にこれぐらいの収入があるからこそ、オリンピックが開催できるような
施設が大学に存在できるのだと思います。

日本でも、もっと大学スポーツに注目が集まって欲しいものです。
それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#35>>
フットボールのホーム試合になると、毎回
写真のような Tシャツを何千枚と配布しています。
(下手すると1万枚以上配っているかもしれません)
左のシャツは、生命科学部の修平先生の母校である
ミシガン州立大学 (MSU: Michigan State University) と
対戦した時のものです。
"BLACKOUT SPARTY" 「スパルタの奴らを黙らせろ」とは、
MSU のチームの愛称 "SPARTANS (スパルタ人)" から来ています。


2015.06.14

アメリカ便り (34): Maryland Day 2015

あっという間に六月も半ばですね。
これから梅雨本番で鬱陶しい時期ですね

少し前の話で恐縮ですが、
メリーランド州立大学カレッジパーク校では、
4/25 (土) に、オープンキャンパスである
Maryland Day 2015 が開催されました。

意外かもしれませんが、日本の大学と異なり、
アメリカの大学では、オープンキャンパスは珍しいようです。
何人かの学生や先生に聞いてみましたが、メリーランド州立大学に来て
初めてオープンキャンパスを体験したという人ばかりでした。
そういう環境の中で見てみると、Maryland Day は
非常に大規模で、珍しいイベントです。

Maryland Dayでは、日本の大学と同じように、
学部や大学院志願者用のブースもありますが、
それよりは一般の人や子供たちに、
研究や大学に関心を持ってもらおうとするイベントが
目白押しなのが特徴です。
(立命館で言うと、立命館デーとオープンキャンパスを
合体させたようなイメージです)

そのため当日は学内に子供連れの家族があふれていました。
写真は、金魚すくいならぬ、メリーランド州立大学の
イメージキャラクターの亀 (turtle) をすくう、亀すくいの写真です。
日本とは違って破れやすい紙ですくうのではなく、
思い切り網で豪快にすくいます (笑)



また研究に興味をもっともらおうとするブースでは、
言語学科のブースでも、世界の言語で、
「亀」をどう表現するのかという話を通じて、
世界にある言葉の違いや共通点などを、分かりやすく説明していました。
写真の手前に写っているのは、研究室が同室の
Allison (左) とシンガポール出身の Nick (右) です。



隣では、Language Science ということで、
言語学科 と Neuroscience and Cognitive Science Program が
共同でブースを出していました。
日本では、言語学科と神経科学科では、文系と理系に分かれて
随分遠いイメージですが、こちらでは言語は脳内に内在化されることから、
言葉の仕組みを神経科学の観点からアプローチする取り組みが盛んです。
写真に写っているのは、ポスドクの Allison (右) といつも陽気な Chris (左) です。



当日は、花曇りで大変寒かったのですが、
大学で楽しそうに走り回ったり、話に真剣に耳を傾けている子供たちを
見ながら、こうやって小さい頃からメリーランド州立大学や
研究への関心をを育んでいるのだなと実感できる時間でした。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を


<<街でよく見かける英語表現#34>>
今回の Maryland Day 2015 の標語は、
"Explore Our World of Fearless Ideas. 
Inspiration. Boldness. Curiosity. Passion."
「大胆なアイデアを持つ我々の世界 (大学) を探検しよう。
ひらめき、大胆さ、好奇心、情熱」でした。
今年の立命館のオープンキャンパス (8/1・8/2)が
どんな感じなのか楽しみです。
皆さんも、ぜひ体験してみて下さい。


2015.06.07

アメリカ便り (33): Career Symposium

あっという間に六月で梅雨の季節を迎えましたね。
皆様いかがお過ごしですか。

アメリカの東海岸でも、この時期には雨が良く降ります。
気温も下がり、今週は最高気温が20℃に行かない日がほとんどでした。
日本の梅雨とは違うのは、夕立のように一気に降る感じでしょうか?

先日の 6/3 (水) に、Neuroscience and Cognitive Science (NACS) Program 主催で、
大学院生向けのキャリアシンポジウムが開催されたので、参加してきました。



日本でも、博士号修得者の就職が問題になっていますが、
冒頭、NACS のディレクターが、
「25年前は、博士号を取得した学生の50-60%が
任期無しの大学教員 (tenure) に就けたが、
ここ最近は状況が激変している。
現在では、5%以下しか大学教員になれない分野も出てきている。
NACS の卒業生の場合、1999年の設置以来
1/3強の学生が任期無しの大学教員のポストに就いてきたが、
2/3 弱の学生は、それ以外のポストに就いていることから、
色々なキャリアがあるということをきちんと説明するために
今回のフォーラムを開催した」と説明がありました。

その後、8名のパネリスト達から、現在の仕事や
その職業に就いた経緯の説明がありました。
パネリストの職業は、企業化した CEO や、コンサルタント、
製薬会社の社員NIH でのマネージャーなど様々でした。
参加したのは、30名程の大学院生でしたが、
真剣にメモを取りながら、活発な議論が行われていました。



その中で、パネリストの一人が、企業で求められる10の資質という
Forbes の記事を紹介していました。
http://www.forbes.com/sites/susanadams/2014/11/12/the-10-skills-employers-most-want-in-2015-graduates/
以下は、上から順に最も重要だと考えられている10の資質だそうです。

1. Ability to work in a team structure (チームで働ける能力)
2. Ability to make decisions and solve problems (tie) (決断する、問題解決する能力)
3. Ability to communicate verbally with people inside and outside an organization
   (組織の内外の人とコミュニケーションできる能力)
4. Ability to plan, organize and prioritize work (仕事を計画し、組織化し、優先順位をつけられる能力)
5. Ability to obtain and process information (情報を得たり、処理する能力)
6. Ability to analyze quantitative data (量的データを分析する能力)
7. Technical knowledge related to the job (仕事に関する専門知識)
8. Proficiency with computer software programs (コンピュータソフトウェアの知識)
9. Ability to create and/or edit written reports (レポート作成および修正の能力)
10. Ability to sell and influence others (モノを売ったり、他人に影響を与える能力)

これを読んでみると、研究 (Academia) の世界も、
それ以外の世界 (Non-Academia) も、求められる能力は同じなのだなと感じました。
皆さんも、ぜひこういった能力を在学中に身につけてもらいたいと思います。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#33>>
パネリストの一人が、目標にたどり着くには
色々な道があるということを強調していました。
その際に、彼女が言っていたのが
 "One door closed, but another open."
「ある扉は閉ざされていても、別の扉は開かれている」
ついつい目の前の道しかないと思ってしまいますが、
色々な道があるものです。梅雨の中、
就活で頑張っている四回生や院生に贈りたい言葉です。

2015.06.01

つながり

先週の金曜日に、ニューメキシコ大学(University of New Mexico)から、Daisuke先生(Ph.D,ATC)が訪問してくれました。写真右の方です。ちなみに、名前はニューメキシコですが、アメリカにあります。アメリカのニューメキシコ州・アルバカーキです。

このニューメキシコ大学でATCを取得したHigashiさん(スポーツ強化センター、写真左2番目、帽子をかぶった方)のご紹介でお越しになりました。Daisuke先生は、順天堂大学をでられれてから、アメリカのいくつかの大学で学び、そして働いてきておられています。不思議なことに、本学の関係者との接点が非常に多いのに、本人もびっくりされていました。

大学院のマスターの時は、カリフォルニア州のフレゾノ大学で、Taka先生(当研究室で、VRを使ったバッティング練習装置を実験中)との知り合いでした。また、大学院のドクターのときは、アリゾナ州立大学で、本学部のAKNR先生の最初の指導教員のTAをしていたようです。

まさに、ワールドワイドなつながりです。知り合いの知り合いという風にたどれば、7人目までのところで大抵の人につながるとか。いずれにしても、ネットワークは大事です。

今回のDaisuke先生の訪問は、来年に学生を連れて、日本文化を学ばせるとともに、日本のいくつかの大学を訪問し、学生交流、研究交流を深めたいとのことです。実現すれば、来年の6月前後に、ニューメキシコ大学の学生が本学部を訪問してくれます。非常に楽しみです。そのときのニューメキシコ大学の学生とスポ健学生が「つながり」、未来のどこかでさらにつながることを楽しみにしています。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
3回生ゼミで、ある姿勢解析ソフトを使った実習を行いました。姿勢評価が100点満点で評価されます。最初のゼミ生が51点。その後、高得点を出すものもいるけれども、52点、53点と低い評価も続き、最後に私の姿勢が評価されて出てきた点数が、なんと50点。最下位の得点にがっくりしましたが、ゼミ生には大うけでした。秋にリベンジしたいと考えています。
【忠】

2015.05.31

アメリカ便り (32): Memorial Day

あっという間に五月も終わりですね。
皆様いかがお過ごしですか。

私のいるメリーランド州では、DST (Daylight Saving Time) で
1時間時間が早まっていることもあり、
夜の8:30過ぎまで明るくなり、かなり一日が長いと感じられます。

先週のブログで、5/25 (月) が、Memorial Day だと書きましたが、
もともと Decoration Day と呼ばれていた日を、
Memorial Day と変更したのが、リンカーン大統領ですので、
当日は、D.C. にある Lincoln Memorial を訪れました。



メモリアルの中には、これまでに写真か何かで
見たことのある人も多いと思うのですが、
リンカーン大統領像があります。
5m以上もあるかなり巨大な像です。



この建物では、1968年に、Martin Luther King, Jr 牧師による
有名な "I Have a Dream" 演説が行われ、数十万もの人が
建物の前の広場を埋め尽くしました。



建物の1階には、その時の演説の写真や、
人種差別撤廃への歴史が展示されていました。

建物は、ナショナルモールの西端にあり、
木に覆われた気持ちのよい散歩道が続きますので、
ワシントン D.C. を訪れられた際は、
ぜひ一度足を運んでみてください。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を。


<<街でよく見かける英語表現#32>>
Lincoln Memorial の側面には、リンカーン大統領による
有名なゲティスバーグ演説(Gettysburg Address) が彫られています。
今回はその最初の一節を紹介します
"Four score and seven years ago our fathers brought forth on this continent,
a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition
that all men are created equal. "
「87年前、我々の始祖たちが、この大陸に自由の中生み出され、
全ての人が平等に作られたという信念に捧げられた新たな国家を作り上げた。」
"score" はこの場合、「得点」ではなく、複数形で「20」を意味しています。