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2015.02.06

博士論文審査会

今日は他大学の博士論文審査会に出席してきました。公開の審査会で誰でもが参加できます。
学内から3名、学外の異分野から1名の計4人の審査委員の方と学内外から10数名の参加者でした。
午後1時から、論文執筆者から15分程度の概要説明があり、その後、各審査委員の方からの質問というスケジュールでした。1人の審査委員の持ち時間が約30分あり、続いて参加者からも質問を受け付けられます。

各審査委員から2~3つの質問がなされたのですが、1つの質問に対するやり取りが10~15分程度ありました。発表者の方は緊張した面持ちで答えておられました。人文系の論文ですが、質問の中心は、研究の方法・手続きに関することでした。また、言葉の定義や使い方についても質問もありました。例えば、データを「解釈」することと「分析」することはどう違うのか。「~における」という言葉の使用が的確なのか。など、その他にも言葉に関する質問がなされました。さらには、論文の体裁についても言及がありました。論文の内容を読者に的確に読みやすく伝える体裁についても指摘がありました。見ているこちらも緊張しましたが、とても勉強になりました。

審査委員の質問が終わる時には、すでに2時間が経過しようとしていたのですが、参加者からの質問が受け付けられ、2名の方から質がありました。その質問に対する回答が終了した後、審査委員の方がコメントをされました。質問者の方の質問が的確であることを含めてのコメントでした。このような質問があるから、公開審査とし質問も受け付けるようです。結局、2時間20分ほどの審査時間でした。

終わった後すぐに審査委員の方は別室に移動し、審議が開始されました。発表者の方は緊張の糸が切れたようにほっとしていました。生きた心地がしないだろうなと思いながらご挨拶をして別れました。

いろいろな意味でとても勉強になりました。発表する側の発表の仕方と審査する側の態度も大きな学びでした。同時に、改めて言葉の大切さを実感しました。何気なく言葉を使ってしまうとその言葉は生きてこない可能性がある。その言葉の意味を最大限に発揮させるためには考えて使わなければならないことを学びました。当たり前のことのようですが、句読点や接続詞の頻用などもよくよく考えてければならないことの一つだということも改めて感じました。有意義な半日を過ごし、気持ちのいい一日の終わりでした。

2015.02.05

大学院生の海外での修行

今週月曜日から、研究室に所属する博士課程後期課程のYOSHIさんが約3週間の日程でギリシャに滞在しています。博士課程の大学院生を対象に海外での研究活動を支援する予算枠があり、この制度を利用して渡欧が実現しました(本学では、大学院生の海外での研究活動に対する助成が非常に充実しています)。昨年、アメリカスポーツ医学会(ACSM)での発表の際にディスカッションをした先生と学会終了後も交流があり、今回、YOSHIさんの受け入れを承諾して下さりました。

本人にとっては、初の海外での本格的な研究交流です。研究室の見学(ただのお客さん)で終わらないように、大学院で実施してきた研究内容をプレゼンテーションする機会を設けていただけるよう予め先方にお願いをしています。短期間ではありましたが練習を繰り返し、約20分間の英語でのプレゼンテーションができる状態で出発しました。初めて訪れる国で、見知らぬ場所で周りに日本人(アジア人)が誰もいない中でプレゼンテーションをする・・・大きなチャレンジです。日本で練習した時のように上手に発表することはできないかもしれませんが、逃げずにチャレンジしてくれるとを願っています。

来月には、同じく博士課程後期課程のMORISHIさんが次年度からの共同研究実施の打ち合わせのために渡米します。研究指導をする立場として、大学院生が世界に目を向け、次々と行動を起こしてくれる姿は本当に頼もしい限りです。そして、彼らをしっかりと後押ししてあげなければと心に誓っています。長年、一緒に頑張って来た大学院生、本心はずっとこの場に居て欲しい(笑)、けれども、自分で未来を切り拓く力をつけるために、いつか次のステージに進まなければなりません。準備万全でそのスタートラインにつけるよう、私なりのやり方でしっかりと指導を続けていきたいと考えています。

大学院生は着実に成長しています。5年後、10年後、そして20年後、インテグレーションコアで育った学生が国内外で活躍する瞬間がやってくると私は確信しています。

2015.02.04

JAおうみんちのお弁当

こんにちは、ma34です。

今日は、月曜日にいただいたお弁当をご紹介します!

月曜日のお昼に、以前スポ健の助教をされていたma20先生が
研究の一環でスポ健に来られるということを知り、
お昼ごはんをご一緒しましょう!ということとなりました。
海老先生にもお声がけさせていただいたところ、
こんな素敵なお弁当を手配してくださることとなりました。


これは、JA近江富士さんのファーマーズマーケット「おうみんち」さんのお弁当です。
海老先生が研究等で繋がっていらっしゃり、
いろいろな取り組みも進められているそうです。

お弁当には、滋賀県の郷土料理がふんだんに取り入れられ
(アイノイオの混ぜご飯おにぎり、赤こんにゃく。。。)
いちばんの驚きであったのは、なんと、材料は「ごま」を除いてすべて地元で採れたものであるということ。
味付けも、地元のお母さんたちの普段の味付けで、とてもほっこりとするお味でした。

お弁当を作られた担当の方々、そしてma20先生が研究でタッグを組まれているカルビーの担当の方とご一緒しながら、色々なお話を聞くことができました。
郷土料理やお野菜の話、お野菜のプロデュースや商品化の話、カルビーの「フルグラ」の話も・・・
大変興味深いお話の連続でした。

最後には、おうみんちさんの特製ジェラード(ミルク味)にフルグラをトッピングしたデザートも。
このコラボレーションは秀逸でした。普通のアイスクリームでは甘さがくどくなりますが、
ジェラードにはピッタリ。ぜひみなさんもお試し下さい。

おうみんちさんでは、ランチバイキングでたくさんの地元のお野菜を生かしたお料理が食べられるとのこと。
近いうちにぜひお邪魔しようと思います。

スポ健では、それぞれの先生方がとっても素敵なつながりをお持ちです。
そのつながり同士がどんどんとつながって、さらにいろいろな可能性が生まれていく。
昨日のお弁当タイムでは、それを間近で見せていただいた貴重な時間でした。
お話もお弁当もお腹いっぱいの、充実した時でした。

ma34.

2015.02.03

牛乳

こんにちわ、Hassyです。

先週の怒濤の博士・修士論文審査が終わり、ほっと一息・・・はつけなく、定期テストの採点などに追われています。

さて、修士論文口頭試問でab先生の研究室のMa238さんの研究内容は、「乳製品による高カルシウム摂取が、脂肪分解を促し、運動中の脂質利用を高め得る」というものでした。
食事性カルシウムが脂肪分解活性に作用する機序を学ぶことができ、非常に興味深い内容でした。

そんななか、三条市では、学校給食から牛乳を廃止する試みが試験的に実施されていますね。
http://www.city.sanjo.niigata.jp/kyouikusoumu/page00092.html

私の小学校時代は、毎週水曜日がご飯の日で、その時の牛乳に違和感を感じたのは確かです。
(でも、欠席者がいて余った牛乳を獲得するためのいわゆる「牛乳ジャンケン」には、ご飯の日であっても毎回参加し、熱くなっていましたが・・・)

Ma238さんから、以下のコメントを頂戴しました。

学校給食で牛乳を提供することには賛否両論あると思います。
ごはんにお味噌汁というような伝統的な和食の場合、
それに牛乳という組み合わせは確かに合わないような気もします。
しかし、「学校給食実施基準」における摂取基準でも、
「日本人の食事摂取基準」の推奨量の50%近くは
学校給食で摂取することが設定されています。

現在、試験的に実施されているように給食から牛乳をなくし、
代わりにその他のカルシウムを多く含む食材を
積極的に取り入れることで補う工夫がされています。
しかし、牛乳は、1回あたりに摂取できる量や
吸収率の面から優れたカルシウム摂取源であるといえます。

成長期である児童・生徒がこの時期に食事から
カルシウムをしっかり摂ることはとても重要です。
また、牛乳はカルシウムだけでなく、
たんぱく質やその他のミネラルも豊富に含んだ食品です。
給食の時間にごはんとの組み合わせが合わないのであれば、
間食のような形で取り入れることもひとつなのではないかと思います。

Ma238さん、ありがとうございます。
皆さん、色々ご意見をお持ちだと思いますが、骨量増加・筋肥大・脂肪減少に関わる可能性がある牛乳は、スポ健の研究材料として魅力的なものだと感じました。

牛乳は好きなのですが、すぐにお腹がゆるんでしまう自分の体質が悔やまれます・・・涙

2015.02.02

空閑先生、ありがとう!

先日、アドバンスト・コーチング(実習)プログラムの報告会がありました。英語の頭文字を取って、「ACP」プログラムといっております。

 

このプログラムは、「理論と実践」を教学の柱としている本学部における特徴的なものです。随意の実習プログラムで、参加要件として、スポーツ指導実習の科目を2クラス以上受講し、2つ以上の「AもしくはA+」の成績を持っていること、を明記しています。「スポーツ指導実習」でスポーツ指導の理論と実習を学び、よりその実践能力を高めるために、全学の共通基礎科目である「スポーツ方法実習」に、実習生として授業に入ります。事前学習から始め、15回の授業参加、そして報告会と密度高く、実践経験と指導力量を高めるプログラムです。2012年からスタートしたプログラムで、このプルグラムを運営するにあたって、中心的な役割を果たしていただいたのが、写真の空閑先生です。

 


空閑先生の指導を2年間受けた学生もいました。その学生は、先生から本当によく指導を受けていて、後半のところでは「指導者らしく」授業の中で、受講生を前にして指導できるまでに育ちました。ACPの実践的な学びのおかげもあったのか、見事に教員採用試験もクリアしてくれました。今後も、『空閑門下生』から、先生のように、メリハリの効いた授業実践ができる先生がつぎつぎと誕生することが期待されます。

 

空閑先生には、多くのACP実習生がお世話になり、最終報告会では多くの修了生が集まって、感謝の色紙を手渡しておりました。空閑先生、本当に長い間お世話になりました。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

先週参加したあるセミナーで、チャンスをつかむための能力開発として、『将来予測する訓練』を積んでおくことが良いという話を聞きました。その前後に、オムロン(株)の方と打ち合わせする機会があり、懇談の中で、創業者の未来を描く「SINIC理論」についてお話しを聞きました。詳しくはHPにも載っていますので、そちらをご覧ください。話題もつながる時はつながりますね。

【忠】

 

 

 

 

 

2015.02.01

アメリカ便り (16): Super Bowl

いよいよ今日から立命館でも、全学統一方式が始まります。
受験生のみなさんが、平常心で、自分の学んだことを
発揮されることを心からお祈り申し上げます。

アメリカでは、本日 2/1 は アメリカンフットボールリーグ (NFL) の
No.1 を決定する Super Bowl が開催されます。
日本人にとってはあまりぴんと来ませんが、
Super Bowl は、視聴率が50%近くあり、
アメリカ人の多くにとって、一大関心事です。
ハーフタイムに開催されるハーフタイムショウーも
有名アーティストが行うとあって、非常に注目が集まります。

今年は、ニューイングランド・ペイトリオッツと
シアトル・シーホークスで争われるのですが、
ペイトリオッツが、準決勝のインディアナ・コルツ戦で使用した
ボールの空気圧が低かったのではないかという
疑惑が持たれています。
http://www.bbc.com/sport/0/american-football/30960969

空気圧が低いと、クオーターバックがボールを投げるにも、
レシーバーが受け取るにも、都合が良いということで
大問題になっています。
一応、クオーターバックの選手は疑惑を否定していますが、
この事が、試合に水を差さないことを願っています。

それでは、また。失礼いたします。
受験生のみなさん、くれぐれもお体ご自愛ください。

<<街でよく見かける英語表現#15>>
「(ボールの空気圧)を低くする」という英語表現ですが、
"deflate" で表されます。経済状態が、縮小することを
"deflation" (デフレ) と言いますが、その動詞形です。
逆に、「空気を入れる」は "inflate" です。その名詞形が、
"inflation" (インフレ) です。

2015.01.31

就活は3月解禁なのか?

2016年卒業、つまり、現在の3回生から就職活動のスケジュールが変わります。
経済団体連合会に加盟する企業は、「採用選考に関する指針」に基づき、昨年まで12月から解禁していた説明会や採用広報を3月からスタートし、4月から概ね8月までに選考するという「後ろ倒し」のスケジュールで新入社員の採用に取り組みます。実際のところ、どうなのでしょうか?

もともと採用スケジュールの「後ろ倒し」に前向きだった商社やメガバンクは、指針通り3月から活動を解禁するでしょうが、それ以外の業界では表だった動きは難しいものの、就活イベントや説明会“もどき”のようなことを実施し、学生との接点を持とうとしているようです。特に、採用数が多い大手建設会社やB to B(企業間取引)の企業などは、指針通りでは十分な人材が確保できないと人事の方が嘆いてらっしゃいました。

学生に聞いたところ、「中堅の人材派遣会社などは、普通に選考していますよ」とのこと…。
大手人材派遣会社でもインターンシップを実施し、リクルーターが目を光らせ、めぼしい学生を選別する実質的な「青田買い」に近いこともしているとのことでした。

その一方で、学生に聞けば、「去年の夏からインターンシップを皮切りに、就職活動しているような気分になっている友達は、既に“就活疲れ”状態で、夏まで持たないといってヤツもいますよ」ということでした。また「現時点で、いち早く内定をもらうことに必死で、そんなヤツを見ていたら、内定をもらうことが目的になって、何のために就活しているのかよくわかりません」ともいっていました。

我々としては、どっしりと構えていろ…なんてことは到底助言することができず、大手企業については、企業研究などの情報収集とエントリーの準備をするようにと伝えています。また経団連の採用指針に則らない企業についても採用情報をチェックして、いつ何時にでも活動が進められるように、エントリーシートの作成のみならず、SPIや面接対策など、コツコツと活動するようにと伝えています。

“就活3月解禁”というのは、名ばかりなのでしょうか…
後期試験も終わり、少しだけ春休みを満喫する!という想いは、少し抑えて、キャリアセンターに足を運び、情報収集するとともに活動を始めてもらいたいと思います。

Jin


2015.01.30

修士論文審査会

昨日と今日、修士論文の審査会が行われました。大学院の構成については、昨日のブログでGOTO先生が説明してくださっていますので、省略します。昨日、私は2名の論文審査に副査として出席しました。私が担当したお二人は、いずれも堂々とした発表でした。プレゼンテーションの方法、資料の見せ方などとても分かりやすく丁寧でした。また、質疑についても適切に回答しており、さすがだなと関心しました。
どちらのテーマも私の分野とは大きく異なるため、実際には内容そのものの深い理解と質問を行うことは難しいので、そちらは主査と周辺領域の副査の先生にお任せしました。私の関心は、基礎的な研究であればあるほど、①どのようにその結果をフィールド(人)に還元するのか②ある一点、かなり深い部分の発見が、これまでのトレーニングやその他様々な既存のもののどこを変え得る結果になるのか③人以外の対象を用いた場合、どの程度人に通用するのか④修士論文研究の結果により現時点でフィードバックできることは何か を質問しました。これは、どの研究に対してもいつも持っていなければいけない観点ではないかと思っています。この点においては、卒業論文も修士論文も、また私たちの研究も同じことが言えるのではないでしょうか。

堂々としていい発表を2つ審査し、なんだか清々しい気持ちになりました。お二人とも博士後期課程進学が決まっており、引き続き楽しみながら進んでほしいと思います。


2015.01.29

博士学位本審査

本学スポーツ健康科学研究科(大学院)は、2年間の前期課程(修士課程)と3年間の後期課程(博士課程)から成り立っています。前期課程修了時には「修士論文」を執筆します。また、後期課程に進学し博士の学位を取得するためには、「博士論文」を執筆し、所定の審査に合格することが必要となります。

昨日、博士論文の本審査会が開催され、2名の大学院生が審査会に臨みました。今回の審査委員会は主査1名、副査3名から構成され、2名の大学院生は60分間の公聴会(30分間のプレゼンテーション+30分間の一般参加者との質疑応答)と30分間の口頭試問(主査、副査との質疑応答)を行いました。私は1名の主査を担当したのですが、本研究科にとって初の博士学位取得者となることもあり、公聴会には審査委員以外の教員や大学院生が多数出席して下さいました。また、博士学位申請に必要な膨大な手続きをサポートして下さっている職員も、プレゼンテーションを聞いて下さった点が大変印象的でした。教員・職員が力を合わせて学生を支えよう、育てようとする本研究科の特徴をよく反映している光景でした。

さて、今回の公聴会に出席した大学院生は何を感じ取ってくれたでしょうか?本審査会に臨んだ両名はいずれもインパクトの高い国際誌に原著論文が掲載されており、国内外の学会での研究発表の経験も豊富です。プレゼンテーションや質疑応答もスムーズであり、特に、下回生の大学院生は「自分との力の差」を感じたのではないでしょうか?それと同時に、「あの2人のようになりたい」という一種の憧れの気持ちも抱いたことと思います。

私達は結果を残した人間や圧倒的なパフォーマンスを披露する人間を目の前にすると、その華やかな部分に目を奪われがちです。時には、「きっと特別な能力があったのだ」「そもそも自分とは、基礎能力に違いがあるのだろう」と自分なりに解釈をしてしまう例もみられます。けれども、今回本審査会に臨んだ2人は、決して入学時に特別な能力を持っていたわけではありませんでした。スポーツ健康科学の基礎(例:最大酸素摂取量とは?)から、コツコツと知識を蓄積させ、主体的に数多くの研究に取り組んできた2人です。5年間前を見て走り続けてきた2人です。来る日も来る日も大学で、夜遅くまで努力を続けた2人です。そして、良き友人や仲間に恵まれ、プレッシャーにも負けず、研究を楽しんできた2人です。

これから博士の学位取得を目指す下回生は、先輩達の華やかな業績よりもむしろ、彼らの実直な取り組みや絶え間ない努力に注目するべきでしょう。「才能」も重要、けれども最後に笑ってゴールできるのは「努力を続けた人間」です。

ここBKC(びわこくさつキャンパス)にスポーツ健康科学研究科が誕生して約5年、いよいよ一つの区切りを迎えようとしています。

2015.01.28

草津市の小学校での校内研究と卒業研究

こんばんは。Ma34です。

 

今日は午後から草津市の小学校の校内研究会に参加し、その後、そこで卒業研究(参与観察、アンケート調査による授業研究)を行った学生と合流し、お礼を伝えてきました。

 

この小学校との出会いは、スポーツ健康科学部と草津市教育委員会の連携で行っているJSF(ジュニアスポーツフェスティバル)の企画を通して、今研究主任をなさっているT先生とご一緒させていただくことから始まりました。今は、校内研究の柱の検討、研究授業の講評といろいろな側面でこちらも大変に学ばせていただいております。とくに私の専門とする教育学は、学校現場の実態を踏まえた議論にならねばならず、一方で現場の視点をより発展させる、あるいは解決する糸口を提言できなければなりません。「指導講評」という堅苦しい立場ではどうしても「上から」「理論の押し付け」になってしまうようで、いつも心苦しさ、力量不足を感じております(どの現場でもそうです)。そういう思いから、実は昨日は「一参加者として参加させてください」ということで、飛び込みで参加をお願いさせていただきました。先生方のグループに入れていただいて、同じ立場で議論ができて、算数の系統性の議論、子どもへの支援の方法など、必ずしも全体協議のなかでは取り上げられない、しかしながら実はとても大事な視点、ご意見を伺うことができました。

 

そして、卒業研究のお礼では、4回生のU村さんが「これを手渡し、コメントをいただくまでが卒論なのです」と素敵な言葉を胸に臨みました。授業をずっと見せていただいていたT先生のコメントを緊張しながら待っていると「よくここまでまとめてくれました。すごいですね。自分がいろいろな模索をしながら、あるいは無意識に声かけしているようなことを、整理して重要な軸として位置づけてくれることがとてもありががたいです。」というお褒めの言葉をいただき、わたしも、U村さんもほっと安心。そして校長先生が卒業して社会に出る学生への励ましの言葉もお話いただき、わたしも、U村さんにとっても大変充実した時間となりました。

 

卒業研究では、参与観察として三週間にわたって、週2回、登校して朝の会から全部の授業を観察、そして終わりの会、そして一日が終わってからの振り返りという子どもたちの学びの「全体」に貼り付き、メモを取らせていただきました。(学生がメモをとったノートはぎっしりと、先生の発言・板書、子どもの発言、表情、ノートへの記述・・・と溢れていました。これは私にもできないことです)

 

なによりも、学生の受け入れをしてくださり、貴重な時間を裂いて学生の気づきを共有してくださったり、コメントや考え方、教師としての思いや大切にしていらっしゃることをお話してくださったことが学生の研究でいちばんの軸となり、卒業研究が本当に実のあるものになりました。大変感謝しています。

 

そして、学部を通した企画で、このような縁に巡り会えたことも大変感謝しています。仕事というのは、「縁」であり、その「縁」を作り出しているのはやっぱりその人の「人間性」なんだ、というお話をちょうど校長先生もお話してくださりました。本当にそうだと思います。昨日はその「縁」を頂けたありがたさを噛み締めて一日を終えた、とても充実した日でした。


1月ももうあっという間に終わりますね。のこり2ヶ月の今年度も毎日が昨日のように充実した日々になるようにしたいと思います。