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2011.10.06

全ての出来事をポジティブに!

あっという間に10月になり、授業が本格始動です。

突然、肌寒くなりましたが、みなさま、体調管理は大丈夫でしょうか?


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先週末、JOCの合同ミーティングがあり、味の素ナショナルトレーニングセンター国立スポーツ科学センタ−(JISS)に行ってきました。来年のロンドンオリンピックに向けて、新体制が組まれ、2年間、科学サポートという立場から協力させて頂くことになりました。私に何ができるか...選手の役に立てること、出来る事を陰からサポートしようと思っています。






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ロンドンオリンピックに向けて、着々と準備が進められています。


選手がいなかったのでトレーニングルームを撮影できました(^^)
自主トレなどで活用できます。








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久しぶりの現場の空気を感じ、有益な情報交換の場となりました。JISSのIto先生が、あるトップアスリートが言った言葉を最後に、ミーティングが終了となりました。「何があっても、どんなことが起こっても、全てをポジティブに捉えられることが大切!」


スポーツに限らず、生きて行く上で「全ての出来事をポジティブに!」という考えはプラスになります。

自分の心を自身でコンディショニングできる選手、自身でコントロールできる選手が本当に強いアスリートであり、強い人間なのかもしれません。例え、あらゆる批判や、意外に身近なところで陰口をたたかれることがあったとしても、それだけ自分の存在と能力を認めてくれている証拠だとポジティブに捉えることが大切?と考えた週末でもありました。 


さて、もう1つ、どうしても書きたいこと!今週、ノーベル賞が決定しました!

毎年、ワクワクするのですが、2011年のノーベル医学生理学賞は私の大好きな研究分野でもある自然免疫の受賞で、さらにテンションがあがりました。「Toll Like Receptor; TLR」という細菌やウイルスを認識する受容体を発見した3名の先生が受賞されました

12月、ストックホルムで授賞式が行われます。

2006年秋...博士3年生の冬、大阪大学の審良静男先生が候補にあがっていたことを思い出します。(昨年も今年も京都大学の山中先生が注目されていましたが)私は純粋に腸管免疫系に魅力があったので、ポスドク先として、国内外問わず、運動・ストレスと腸管免疫系を研究しているラボを探していました。あれから5年、TLRの発見からは20年近くが経過しているでしょうか。きっとまた「運動とTLRの関係」が注目されるかも!?と密かにワクワクしています。(スポーツ科学では非常にマイナーな分野なのですが。。。)

博士課程でやっと実験のOKがもらえた2年生の時、審良先生や粘膜免疫の研究室にいらっしゃる竹田潔先生の研究に魅力を感じ、選手のコンディショニングという現場に関連するのではないか!?と、急にメカニズムの勉強に没頭し始めました。右も左も分からない免疫の世界に飛び込んで「腸管免疫系とアスリートのコンディショニング」にたどり着き、突然のスタートだったので、昼夜問わず研究活動にのめり込みました。

 数年前の国際運動免疫学会で、アスリートの上気道感染症(風邪)は、感染の症状であることが多く、実際にウイルス感染しているケースは意外に少ない、と報告されました。「なぜ?風邪は単なる風邪の症状??どうしてそうなるの???」という疑問から、消化器系、腸管への興味が深まりました。


運動免疫の研究でアスリートを対象とした疫学調査など、現場的な研究をしているグループがオーストラリア、ヨーロッパのグループに多く、現象は分かっているものの、メカニズムは不明です。さらに、免疫担当細胞(白血球)を自律神経系の指標としてコンディショニング指標として活用できるという試みがなされているものの、メカニズムは不明です。

現場で選手の状態から研究に繋がることは非常に多いと思います。メカニズムを明らかにすることは私のテーマ、運動免疫学を志している研究者のテーマでもあります。細菌やウイルスを認識するレセプターであるTLRがどこで運動やストレスと繋がってくるか!?非常に興味があります。現場に還元できるようにという気持ちを忘れずに、今後の情報の1つとして改めて視野に入れながら研究していこうと思っています。


今年は、博士課程の研究と最終学年での出来事を振り返らせてくれたノーベルプライズでした。将来を考えながら、純粋に自然免疫系、腸管免疫系はおもしろいけれど、顕微鏡で腸管の1つの細胞のメカニズムにターゲットを絞って研究していくとしたら???。「木を見て森を見ず」になって、スポーツ科学の分野に戻れないかもしれない、など、さまざまなことを考え、悩んだ時期でした。きっとM2のみなさんも、同じような悩みを抱えている方がいることと思います。その時は原点に戻って、自分の夢と目標を見つめなおすことが大切だと感じています。自身の目標に対して応援してくれる人もいれば、批判的な見方をする人もいると思います。だからこそ、改めて自分の夢に対する意識の強さを見つめ直すチャンスになります。批判的な見方をする方々のおかげで、世の中のバランスが保たれているのかも!とポジティブに考えたりする今日この頃です(^-^)香






2011.10.05

「揺れ動くものは、高鳴る鼓動か」!?

102()、孫たち3人を連れて、京都・宝が池球技場へ。立命館大学と天理大学とのラグビーの試合観戦だ。小学校3年生2人と4年生1人、皆ラグビーの試合は初めてだ。こう言う私も、久しぶりの観戦だ。

かつて縁あって、立命館大学ラグビー部の部長を17-8年務めたことがある。当時は、関西BリーグからAリーグを目指して何度も跳ね返されることを経験した。そして、Aリーグに上がった後もなかなか勝てずに、Bリーグ上位校との入れ替え戦で辛うじて残留するという状態だった。その間、学生からOB監督の更迭と力量あるコーチ導入の要求が突きつけられ、父母も巻き込んで紛糾し、「廃部」さえも意識すると言う時期もあった。その後、北海道・北見で充実した夏合宿が実施されるようにもなり、今日を迎えている。その間、53年ぶりの「関西リーグ制覇」も成し遂げ、「古豪」が復活した。もちろん、その時期には、私は部長を降りていたのだが。

部長をしていた時期、シーズン中は、毎試合ベンチに陣取って試合を極く間近で観戦することが出来た。しかし、その後は、なかなか観戦することも出来ずにいる。孫たちに見せたいという思いもあったし、このところ負けが込んでいた関西学院大学に緒戦で勝ったということで、その試合ぶりを見たいという強い思いが沸いてきた。が、何よりも観戦に足を運ばせたのは、昨年の基礎演習クラスの2人がレギュラーで試合出場しているようだし、今年の基礎演習クラスの1人もレギュラーだということを知ったからだ。

天理大学との一戦は、開始早々にトライを奪われゴールも決められてしまった。その後もトライを重ねられた。強力な両センターを軸にした「展開ラグビー」に力負けした感のあるゲームで、基礎演習クラスの3人の十分な活躍を見ることは出来なかった。しかし、教室の中では普通の学生が、グラウンドの中では鋭い競技者として成長した姿を見せてくれる。嬉しいものだ。

そして、グラウンドの間近で選手たちの鋭い動きに触れると、やはり、ラグビーの醍醐味に浸ることが出来る。今シーズンは、ラグビー場通いが復活しそうだ。その折には是非、「・・・命立つ新しい道を切り拓いて、喜びの歌を、今歌う立命」と、勝利を噛み締めて、何度でも高らかに歌い上げてほしいものだ。 mm

2011.10.04

ひと冬の成長。

<RecOだより 78>

高校球児への栄養サポート。
現在は院生Kさんの研究対象でもあります

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定期的に測定を行い、その成長を見守ります。
写真は滋賀県立HH高校の様子。2学年でも約60人。
教室一杯です。




身長・体重体脂肪測定の他、垂直跳びや握力、血圧などを測定。
院生の他にK先生からトレーニングを受けている学部生2人も手伝ってくれています。

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このブログでも何度か紹介しましたが、この高校では、私たちが監修し、地元のお弁当屋さんに作っていただいている夕食(通称「野球部食」)を定期的に提供しています。

写真はこの日のおかず。これにごはんと具だくさんの味噌汁がつきます。

これからトレーニング期に入る選手達。
冬を越した頃の彼らの成長が今から楽しみです。



 
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さて、昨年度の「野球部食」の取り組みが『食育フォーラム』という栄養教諭や学校栄養職員のみなさん向けの雑誌の今月号に15頁(!)にわたって紹介され、その関係から、この取り組みについてたくさんお問い合わせをいただいています。

 興味のある方、是非ご覧下さい。
(スポ健事務室にも置いています)





<今週の別腹>
 代表的な秋の味覚の一つ、秋刀魚の塩焼き。
 風味豊かな、内臓や皮も是非。
 身にはない栄養素もたっぷりです。
 こんな風に食べられれば、秋刀魚の生命力を、全ていただくことができますね。
 食べ方も大切。
 秋の恵みへの感謝の気持ちを表現できます。 
 ごちそうさまでした!
 




2011.10.03

運動会シーズン

秋の素晴らしい天気のもと、各学校、各地域で運動会が催されています。徒競走、リレー、大玉転がし、障害物競走、組み体操、集団演技など。

 

地域の運動会は、中高年にとっては、久しぶりの「全力運動」を体験し自らの体力の最大を知る機会でもあります。頭の中では、昔の一番体力のあったときのイメージがあり、でも実際の動きはかなりのギャップがあることに気付きます。そのため、思わず転んだり、よけきれなかったり。中高年の皆さんはくれぐれも準備運動をしっかりして、ケガの無いようにして秋の運動会を楽しんで下さい。

 

20111003.JPG各学校での運動会は、日頃の身体活動、体育授業の成果をみるものになります。小学生の運動会で、徒競走をみていると、それぞれが個性豊かに走っています。また、学年が進むにつれて、ダイナミックで力強い走りになっているのも感じます。小学校の頃は、手を「グー」で走るか、「パー」で走るか、あるいは「チョキ」が良いかなど友達同士で話して試してみました。それぞれバラバラで結論はでませんでしたが・・・。

 

「走る」は、全てのスポーツの基本ともいわれています。全身を合目的に活動させて、自らの体重を前へ推進させる単純な動作です。一方で、上肢と下肢の左右は対称的に動き、体幹はその動きをうまく伝播させているように見えます。スポーツバイオメカニクス研究の進歩で、一流スプリンターがどのように身体を使っているのかが分かってきています。ただし、それを真似するためには、その動作を実践するための身体づくりが必要になります。そのために、ジュニアで早い走りと世界のトップの走りは違うようです。「走りの動作」も奥が深いです。是非、その奥深さをスポーツ健康科学からアプローチしたい方は、本学部・大学院研究科へ!

 

《今週のちょっと、もっと、ほっと話》

1回目のスポーツ健康科学セミナーの時に、「ラルカディア・インテグレーションコアの誕生まで」のDVDを流しました。本邦初公開!この2つの建物を設計・施工をした(株)竹中工務店さんの製作です。短期間でよくこれだけ素晴らしい建物ができたのかが分かる内容です。このDVDを観れば、これらの建物に愛着と誇りが沸き、より大切に使ってくれるでしょう。観たい方は、各先生にお願いして下さい。

 

【忠】

 

 

2011.10.02

立命館 Plaza 福岡で、出張講義を行ってきました。

秋の始まりを感じるようになってきましたが、
みなさん、いかがお過ごしですか。

私は、このブログで、以前、お知らせしたように、
9/17 (土) に、立命館 Plaza 福岡 に、出張講義に行ってきました。


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左の写真は、キャラクターのりっくる君
右の写真は、立命館 Plaza 福岡の全景です





当日は、10代の受験生から、70歳まで、
幅広い年齢層の方に参加してもらえました。
学部説明と研究紹介の後、
入試説明会も行われました。

この機会を通じて、スポーツ健康科学部や、
立命館大学そのものに、興味を持ってもらえたら、
とても嬉しいです。

後期に入りましたが、まだまだ 入試関連イベント は、
全国各地で開かれます。ぜひ HP をチェックしてみて下さい。
一人でも多くの皆さんに、お会いできるのを楽しみにしています。

それでは、また。失礼致します。
              敦

(追伸)
今回、初めて、立命館 Plaza 福岡で、授業を行ったのですが、
本当に、職員の方にお世話になりました。
Plaza 福岡は、交通の便も最高ですし、
優しい職員さんばかりですので、
みなさん、気軽に立ち寄って下さい!



2011.10.01

日本プロ野球選手会インターンシップに参加して

今回は、日本プロ野球選手会のインターシップに参加した八方克哲(やかた かつのり)君(2回生)にお話を聞きました。八方君はこのインターシップに参加したい一心で本学を受験したそうです。他の大学には全く興味がなかったと。


IMG_0060.JPGこの夏念願かなって、最高に充実した時間だったといいます。活動の拠点は東京だったそうですが、名古屋ドーム、横浜スタジアム、甲子園などで各球団の選手会会長らとの会議に同席させて頂いたそうです。甲子園では鳥谷選手、名古屋では森野選手から直接お話を聞くことができたそうです。
特にプロ野球選手会は、選手の雇用に関すること、プロ野球を活性化させるイベント企画などを担っており、今回はイベント企画の会議で各球団を訪問したそうです。日本プロ野球選手会を通じて選手自身がプロ野球のファン作りに貢献したいという強い意欲が伝わってきたそうです。


また福島県相馬市にプロ野球OBの方々と訪問し、子供たちに野球指導をするといったイベントを実施したそうです。子供たちが、「もう野球はできないと思っていました。でもまた野球ができて本当に嬉しいです。皆さんに感謝します。」という挨拶を聞いた時は、感激し涙したそうです。
プロ野球は、毎日の試合ばかりでなくこういった活動を地道に展開し、野球ファンを増やそうとしています。しかし、まだまだ改善していく必要があるのではないかと八方君はいいます。新聞や雑誌でも報道されているように、いくつかの球団の経営状況が悪いことから、新たなファンを獲得する企画がさらに求められるそうです。


八方君は、今回のインターンシップでプロ野球を様々な業界が支えていることを学んだといいます。八方君自身、スポーツ健康科学部で学び将来日本のプロ野球をさらに活性化させる仕事をしたいと夢を語ってくれます。プロ野球の面白さや魅力を子供から高齢者にまで伝えることができればと。


そして、「スポーツ健康科学部の仲間は目標を持って毎日頑張っている。そんな仲間から多くの刺激をもらえるところがこの学部の魅力です。いつも頑張っている仲間を見て、自分も負けられない、夢を実現できるようもっと汗をかきたい」と話してくれました。
最後に大阪出身の八方君は、広島東洋カープのファンです。またカープの魅力を話してほしいですね。

【shine】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011.09.30

肥満学会、後期セメスター開始

Hassyです。先週台風一過した淡路島で肥満学会が開催され、院生の◯藤さんと生命科学部4回生で私が卒業研究を指導しているO9村君も積極的に参加しました。
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この学会は今年が32回目ですが、私は今回が初参加です。
私の取り扱う脂肪細胞が恐らく最も頻出するのがこの学会で、もっと早くに参加していればよかったと思いました。

◯藤さんが興味を持っている時間栄養学のセッションも充実していました。

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今回一番驚いたのが、小学校時代に塾に行っていたときの友達が京大医学部で大学院生をしており、近い分野で研究していたことでした。
ほんとに久々の再会が肥満学会ということで、かなり嬉しくなりました。
今後、研究面で何かご一緒できればと思っています。


さて、後期セメスターが始まりました。
ひさしぶりに会う学生も皆元気に挨拶してくれ、賑やかさが戻って参りました。

M1の大学院生さんたちは、研究構想発表会(ポスター)を行いました。もう既に予備実験を幾つかこなしている院生や、今後の展開をしっかり提示している者など、様々でした。◯藤さんもしっかり発表していました。積極的に質問に来てくれていた学部1回生に深謝致します。
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教員、院生、学部生からの様々なコメント、質問を整理して、次のステップにつなげ、素晴らしい修士論文作成に向け、いい研究をしていって欲しいと思います。

2011.09.29

恩師の背中から学んだ現場指導

先週土曜日、先生方が体育学会で鹿屋に出発された日、神戸の「しあわせの村」まで、駅伝観戦に行ってきました。

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今でこそ定番の駅伝なのですが、最初は六甲アイランド周回コースで開催されていました。大学4年生の時、阪神淡路大震災の影響で、「しあわせの村」で開催になりました。その時、走るはずもなかった最終区を走らせてもらえたことを懐かしく思い出しました。



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その最終区、立命館大学Aチームからは、スポ健2年生の加藤未有さんが選ばれ、立派に走っていた姿がとても印象的でした。前期のダンスの授業ではいつも笑顔でしたが、とても逞しい顔つきで走っている姿がかっこ良かったです(^^;)



東北大に行ってから、一度も関西の駅伝を見に来た事はなかったので、一人でこっそり観戦して、こっそり帰る予定だったので、スタート前に懐かしいグランドを見ながら歩いていると「こんにちは!」とか「先輩!」とか「おー!久しぶりだな!」とか...挙げ句の果てには、「まっちゃーん!豊岡先生も来られるで!」と研究室の大先輩でもある大体大コーチの足立先生から声をかけて頂きました。競技からも遠ざかり、現場指導に関わっているわけでもないので、敢えてこっそり見に行きたかったのですが、声をかけてくださることが本当にありがたい限りでした。


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グランドも周回コースの嫌な坂道?も全く変わっていませんでした。昔はもっと暑い中のレースだったような。。。恩師も全く同じことをおっしゃっていました。温暖化のはずなのに、涼しく気候には恵まれました。




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許可をいただき、初めて掲載させていただきました!右が恩師です。学生時代は全日本大学女子駅伝2連覇した時のお話をよくうかがいました。指導者は選手と同等、もしくは、それ以上のプレッシャーに打ち勝つ力が必要なのかもしれません。

大学院時代からお世話になっている大先輩、足立先生(左)は、豊岡先生からの襷リレーで指導者としてがんばっていらっしゃいます。

ちなみに、足立先生の奥様は水曜日の3時間目、インスのエアロビクスの授業に来てくださっています。来年度は、スポ健のみなさんもお世話になります!とても明るくて元気な先生なので、楽しみにしていてくださいね(^0^)


恩師の豊岡先生にお会いし、光栄にもスタートから、豊岡先生の解説つき?で一緒に観戦させていただきました。先生の独特の口調が懐かしかったです。当時は、朝から晩まで豊岡先生の隣の部屋(研究室)にいたので、先生が紙切れなどに、練習メニューを立てたり、駅伝前には何度も選手の名前とタイムを書いて、駅伝のオーダーを予測し、戦術を練っている姿を思い出しました。走っている選手のちょっとした変化をも見逃さない観察力は健在で、本当に素晴らしくて、「私は絶対にこの先生のもとで現場に還元できる研究がしたい!」と純粋に大学院進学を希望した頃の気持ちを思い出しました。

お話していて、変わったと感じたことが1つありました。トップアスリートばかりに目を向けていらっしゃった先生が、遅い選手(表現が悪くてすみません。私もその一人です)のことも、とてもよく観察されていることでした。第一線は足立先生に譲り、様々な市民ランナーの指導をされているとのことだったので、常に勉強されている姿勢にも感動し、恩師の背中からまた一つ学びました。「あの選手、お前と同じような走り方だな!」という言葉に、よく覚えてらっしゃるなあと驚きましたが、嬉しかったです。


現在は分子メカニズムの解明など基礎実験へと研究分野は若干、進化しています。これも私自身のオリジナルが加わったから?と都合良く考えるようにしています。恩師が敷いてくださったレールに乗って走り続けていると、自分の道を失っていくような気がしています。研究の柱は変えなくても、自分の道を創って行くこと、新しく創れなくても、自分の道に装飾していくことが大切だと感じています。私のオリジナルである「腸管免疫と選手のコンディショニング」という装飾を施して、いつか必ず、選手に還元できる資料として提供できる日を目指し、日々努力して行こうと改めて心に決めました。選手のゴールを見届け、先生と一緒に競技場を後にしました。昔は豊岡先生から最後に一言頂き解散。。。という絵図だったので、寂しい気がしましたが、足立先生に襷リレーしたのだから、いっさい口出ししないという意志は、現場の指導者として潔く、かっこ良く感じました。やっぱり名コーチです。


来月、私にとっての第2の故郷である仙台で全日本大学女子駅伝が開催されます。最初は大阪での開催だったのが、私が博士課程で仙台に住みはじめた時、仙台での開催となりました。仙台大学の陸上部の先生に「君は陸上選手のコンディショニングから離れられない宿命なんじゃないの?」と冗談混じりで言われたことがあり、ますます現場から遠かろうとしていました。当時は私の視野も狭かったのだと思いますが、研究者として生きるため、現場と離れる覚悟で博士課程に進学したので、後ろめたい気持ちがありました。

「運動免疫学」の道に進んで他人と違う方面から、選手のコンディショニングに還元できる研究をする!と新たな決断ができたのは、東北大学の恩師である永富先生のおかげだったと感謝しています。自分のバックグラウンドは大切に、将来の自分の糧にしなければいけない、と気づいた時期でもありました。

あっという間に時がすぎ、スポ健に赴任することになって今年、十数年ぶり!に関西インカレを見に行き、大阪体大の懐かしいグランドに足を運んでみたり...。昨年までトップアスリートとして活躍されていた大体大の後輩でもあるO塚先生から「関カレ、見に行った方がいいですよ!競技場行って選手見てたら元気もらえますよ!」という何気ない一言を頂いたことがきっかけでした。助手、助教部屋にもポジティブな風を吹き込んでくださったことにとても感謝しています。選手に近い(=若い!?)現場的な視点から新鮮な話を聞かせてくださったり、現場に還元したいという一心で、研究に取り組む姿や、被験者になってくださった選手に対する接し方を見ていて、改めて現場と正面から向き合う気持ちを思い出させてくださいました。(きっと、院生のみなさんにとっても何でも相談しやすく、頼れるお兄さん的な先生なのではないでしょうか(^^;))

私は「運動免疫学」の必要性を、いかにして選手やコーチに分かりやすく還元して行けるかが、目標の1つでもあるので、遠ざけてきた現場と素直な気持ちで向き合って行くため、再度、勉強しなおそうと思っている今日この頃です。(また書きたいことがあふれて、長くなってしまいました!すみません。。。次回からは注意します)香







2011.09.28

琴奨菊の実践とスポーツ科学

925日。大相撲が熱戦の幕を閉じた。日馬富士の「綱取り」の掛かった場所で期待が膨らんだが、序盤から負けが込んでしまって残念なことをした。2場所「最善」の調子を保つことが如何に難しいことなのかを改めて考えさせられた。一方で、昨場所大関昇進が叶わなかった琴奨菊は、連日鋭い出足で「堂々の」勝ちっぷりが続いた。横綱白鳳との一戦は恰も「横綱相撲」の感があった。

大関昇進のためには、直近3場所合計の勝ち星33勝が目安だった。先場所チャンスを逃した琴奨菊は、メンタルトレーニングに精を出したという。モチベーションを高く保ち、常に平常心で、なおかつ闘争心を研ぎ澄ます。言葉で言うことは簡単だが、その実践となると大変な困難が伴うことだろう。相撲に限らず、プロ選手と呼ばれる人たちの中でも、そうした精神力を持ち続けることは困難なことなのだということを、多くの場面で、多くの選手が教えてくれる。

先場所の「悔しさ」をバネに今場所見事な相撲に徹した琴奨菊。「ファンから愛される相撲取りを目指したい」との抱負をもっているとのこと。ここ数場所、とくに今場所のような相撲が続けられれば、その抱負は十分に叶えられるし、その先の「綱取り」も決して夢ではない。

大学の方は後期が始まり、キャンパスに賑わいが戻ってきた。基礎演習のクラスも始まる。後期は、専ら「ゼミナール大会」へ向けての「研究活動」が中心になる。彼らなりの「研究構想」を前期の段階で描いているし、2回生の研究入門も「佳境」に入ってきた。卒業研究を目指して、それなりの「研究構想」をもって、地道な準備作業が進められるだろう。

そもそも大相撲の中には「スポーツ科学の真髄」を見ることが出来るし、琴奨菊の実践は。そのことを良く示してくれている。スポーツ科学の深化とそれに伴うトレーニングとによって厳しく険しい「綱取り」の道程にも、随分と光明が差すことになるのだろう。学生諸君の研究活動の中からも、そこに繋がっていくものが出てくるのだろう。教育・研究の秋。ふと、そんなことを想ってみた。  mm生 

2011.09.27

夏野菜の歴史。

<RecO だより77>

今ではとても身近な夏の洋野菜、セロリとトマト
この夏、この2つの野菜の歴史に触れる機会に恵まれました。

ますはセロリ
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 写真のセロリは、大阪ガス本社ガスビル食堂で、昭和8年から現在までコース料理の必ず最初に出てくる一品(【K】さん撮影)
 これが、また、何もつけないのですが、本当においしい。
 昭和8年、当時の大阪ガスの会長は「本物の西洋料理にセルリー(セロリ)は欠かせない」と種子をカリフォルニアから取り寄せ、自らが栽培したそうです。






大阪ガス「ガスビル食堂」の歴史についてはこちらをご覧下さい。
http://www.osakagas.co.jp/gasbuil/leaflet/index.htm


次はトマト
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 写真は愛知県東海市、閑静な住宅街の中にある「トマト記念館」の玄関前にある、大きな石のトマトです。トマト記念館はカゴメの創業者である蟹江一太郎が、明治時代この地で初めてトマトを栽培したことを記念した、ミュージアム&レストラン。当時、色々な洋野菜が日本の食卓に取り入れられる中、トマトは中々受け入れてもらえなかったようです。




「トマト記念館」詳しくは http://www.tomatokan.jp/



 どちらも日本の洋食の歴史と文化を感じられる、貴重な、素敵な、そしておいしい空間。
 
 明治時代の食卓では、転校生のような存在だったセロリとトマト。今ではその味の特徴を含めて、知らない人はいない存在です。
 その分、苦手な人も多いのでは?
 セロリは食物繊維が、トマトにはリコペンが、と聞いても食べる気がしない人も、原点でそれぞれの履歴に触れながら食べると今までになかった味わいを感じるのでは? 実際、それぞれが苦手な人が一人ずつ同行していましたが、おいしく食べられていました、よね? 【F】さん?【A】さん? 【abc.】

<今週の別腹>
 大阪ガスさんと一緒に企画した「RecOセミナー」。
 後期は10月4日からスタートです。
 後期の一回目は「ラーメン作り」から地球環境を考えます。
 一回だけの参加も受け付けています。
 詳しくは下記まで。お待ちしています。
 http://www.ritsumei.jp/news/detail_j/topics/8655/year/2011/name/cmsshs