[ ] の記事一覧

2011.08.17

「8月15日の甲子園」に寄せて

86日に始まった「甲子園」。全国の予選を勝ち抜いてきた高校球児たちが熱戦を繰り広げている。815日は、66回目の「終戦の日」。正午には、一旦プレーを中断して300万人にも上る戦没者への黙祷が。

今年は「太平洋戦争」開戦から70年目の1つの節目の年だ。そんな時、30年近くも前に読んだ一冊の本をふと引っ張り出してみた。猪瀬直樹氏の『昭和16年夏の敗戦』(世界文化社、昭和58)だ。

昭和16(1941)128日の「開戦」よりわずか4ヶ月前の823日、平均年齢33歳の「内閣総力戦研究所」研究生で組織された模擬内閣は、「わが国力の許す所ならず、との見解有力にして、閣議の一致を見るに至らず」(『昭和16年夏の敗戦』p.146)と宣言して「総辞職」していた。

この「総力戦研究所」は、「武力戦」の外、「思想」「政略」「経済」各分野に亘る全面的国家総力戦に関する基本的研究を行なうとともに、「総力戦」を実施するための官吏その他の者の訓練を行なうべき機関として、昭和15(1940)930日勅令第648号「総力戦研究所官制」が公布されて、内閣直属の機関であることが謳われていた。

「総力戦」は、単に「武力戦」だけでなく、経済力を含めた国力の差によって決定することになるため、「モノ」についての数字が鍵となる。彼ら研究生は、その数字を出身官庁や企業で毎日把握していただけに、冷徹に「日米戦争日本必敗」の結論に至ったのだった。

中国大陸での戦線は拡大の一途で泥沼化していた時期。昭和15(1940)422日には「生活必需品」が切符制となり、77日には「奢侈(ぜいたく)品」の製造販売制限制の実施、111日に「ダンスホール」の閉鎖など、国民は「総力戦」を実感していくことになる。そんな時期にあって、「敵性スポーツ」である野球だけが安穏と実施できたわけではなかった。

初戦からほとんどの試合をTV観戦している。どうしても、東北勢に肩入れしながら迎えた815日。サイレンの音を聴きながら、暫し「平和であればこその野球・スポーツ」に思いを寄せていた。  mm生 

2011.08.16

夏休み。

<RecOだより71>

 暑い日が続きますね。
 オープンキャンパスを終えて、RecOもしばし夏休みです。
 休み中に日頃出来ない掃除や、支度を調えます。
 
 今年4月からのRecOだよりを読み返してみると、O結びチャリティーにはじまり、色々な新しい試み、取り組みを確認することができます。
 これらの誕生に関わっていただいたみなさま、ありがとうございました。
 
 これからも8月24日に行われる「立命館の家+」にて、お菓子サークル「SWEET BOYS」による「あおばなスイーツ料理教室」開催等、新しい試みを続けていく予定です。
 どうぞ引き続き、よろしくおねがいいたします【abc.】

 <今週の別腹>
 嬬恋村から、こんなにたくさんの夏の便りをいただきました!
 ありがとうございます。
 
P1050070.JPG
  

 
 












2011.08.15

夢・目標の一つに

先週末で、夏のオープンキャンパス、学部・研究科のイベントである「サマースクール」、【香】先生が紹介してくれた「ひらめきときめきサイエンス」を終えて、ホッと一息つきながら、夏空を見あげています。ぼーっとしながら、ふと、2年前のことを思い起こしてしまいました。

 

立命館大学スポーツ健康科学部・大学院スポーツ健康科学研究科を開設準備中に、あるジャーナリストから、この学部の将来ビジョンは、と質問されたときに、「宇宙飛行士になるような学生が育てればいい」と答えたことを思い出しました。その理由は、宇宙飛行士になるためには、①健康・体力、②人間力・人格が優れていること、③コミュニケーション力(語学力、対人関係力)、④スペシャリストとしての能力、が求められます。このような人物像は、我々の教学理念である「グローバルな視野とリーダーシップを備え、スポーツ健康科学分野への理解を持ち、社会の発展に貢献する人材の育成」と非常にマッチし、目指すべき目標としてぴったりのイメージです。

 

上記のように答え、教学内容を説明したときに、そのジャーナリストは、「従来のスポーツ系、体育系にはない発想とプログラム内容ですね!」と驚きとともに理解を示してもらった。学部名称だけでは、なかなかイメージしづらい内容もあり、また同名の学部名でも大学によって特徴が随分違うようです。ですので、高校生の皆さんにとっては、学びたいことをしっかり見据えて選んで欲しいと願っています。このブログの一つの狙いは、パンフレット、HPだけでは伝えきれないことをできるだけ伝えたいと願って、連日ブログをアップしています。2年以上も途切れていないのも不思議なくらいですが、熱意ある先生方の賜です。

 

20110815.JPGまだ、学部・研究科開設2年目ですが、学生・院生を彼ら/彼女らが望むキャリアへ向けて発展できるように、教職員一同意識しながら熱を込めて教育しているところです。もちろん、卒業生の中から,未来の宇宙飛行士の誕生も願っています。

 

下の写真は、先日お会いした『宇宙飛行士の山崎直子さん』から頂戴した学部へのメッセージです。「スポーツ健康科学部」という切り口と宇宙飛行士とを結びつける新しい可能性に、期待もしてもらっています。メッセージには、「われら宇宙の子 宇宙へはばたこう!」と力強いメッセージを頂きました。

 

宇宙飛行士を目指す若者たちの入学も待っています。

 

 

【忠】
 
 
 
 
 

2011.08.14

樹義先生が、TV 出演します

八月も半ばになりましたが、
みなさん、いかがお過ごしですか。

スポーツ健康科学部の HEADLINE NEWS でも
取り上げられていますが、
樹義先生 が、8/16 (火) 20:00〜20:54 に
『たけしの健康エンターテイメント みんなの家庭の医学』
出演されます。
(予告編に、ちらっと樹義先生が映っています)

樹義先生は、この番組の中で、ゲストを相手に
「血糖値と筋肉」について、生活改善のアドバイスを行い、
実際に健康運動の指導をされます。
必見です! ぜひご覧下さい!

それでは、また。失礼致します。
                                            敦


2011.08.13

2回生の夏

私の研究室に時々訪ねて来てくれ、スポーツの熱い話をしてくれる髙市廉君(2回生)を紹介します。
彼は体育会軟式野球部に所属しており、授業が終わると衣笠の原谷グランド(衣笠キャンパス北側の衣笠山を越えた場所)に移動し練習しています。
昨年から試合には出場しておりますが、自らのエラーで負けた試合が忘れないと悔しさを語ってくれます。

 

この夏は、野球の練習だけでなくスポーツ健康科学部自慢の「プロ野球選手会」のインターンシップに参加し、スポーツビジネスについて学んでくるそうです。インターンシップは、実社会の仕事を経験するだけでなく多くの人の話を聞き社会で働く厳しさを考える機会でもあります。まずお世話になる多くの方々に感謝の気持ちを持って参加してくれることを願っています。

 

また髙市君は、T&Sスポーツ研究所(草津)の子供のスポーツ教室で指導をしているそうです。子供たちの体ばかりでなく、心の健康にも気を配るコーチです。スポーツを通じて子供たちのコミュニケーション能力が向上すればと願って指導しているそうです。

 

ところでこの暑い中、甲子園では熱い熱い戦いが続いています。彼らを見ていると暑さを感じないのかと、違った興味を持ちます。
この甲子園に出場してくる常連高校の中には、いろんなタイプの学校があります。私はその中でいつも興味を持つのは、この夏も出場している愛媛県立今治西高校です。

CIMG1416.JPGこの学校は愛媛県トップレベルの進学高校でもあります。練習と勉強との両立をどのように工夫しているのかいつも興味を持っています。
学校全体が、スポーツと勉強の切り替えを教えているのが特徴だそうです。
実は髙市君はこの学校の野球部のOBで、81回選抜高校野球(春の甲子園)に出場した主将で選手宣誓も経験しています。
立命館大学硬式野球部のキャプテン福岡君やサードの瀧野君もこの今治西高校のOBです。

 

髙市君は、スポーツがプロやアマを問わず社会に対して多くの勇気と感動を与えると語ってくれます。選手宣誓後、多くの方々から「力」をもらったという感謝のお手紙をもらったそうです。その経験から、スポーツの力を社会に発信するマスコミ界で頑張りたいと、また野球ばかりに偏らず、スポーツを様々な角度から観る力をつけたいと抱負を語ってくれました。

 

沢山のスポーツ話をする中で、「スポーツは野球ばかりではない。今年は、高校総合体育大会(インターハイ)が北東北(青森、秋田、岩手、宮城)で行われているけど、この被災地域の方々の支援によって全国の高校生が戦うことができるという事と被災地域の方々への感謝の気持ちをマスコミはもっと紹介してほしいね」と髙市君と語っていました。

【shine】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011.08.12

読書の夏

Hassyです。今年は短いですが明日からお盆です。スポ健も一部、教員、院生の帰省が見受けられます。

学部生、特に(恐らく)基礎演習の夏休み課題がある1回生諸君、課題は順調に進んでいるでしょうか。たっぷりと時間のある夏にこそ読書!
皆さん、メディアライブラリーで、教員お薦めの本を紹介しているのをご存知でしょうか。
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/lib/libraryriyou/recommend/osusume.html
先月末から私の推薦本コーナーが開設されましたので、是非手に取って、夏の課題の参考にしていただければと思います。本日も17時まで図書館は開いています。

IMG_1897.JPG
これは各学部の教員が順番に本を10冊、解説付きで推薦する企画です。本学部において、私はキムテツ先生からご指名いただきました。まだの先生はいずれ回ってきますのでご心配なく!



[香]先生のブログにありましたが、先日ひらめき☆ときめきサイエンスがありました。[香]先生と私はラットの長指伸筋の切片を作製してもらい、ミトコンドリアを染めることを体験してもらうお手伝いをしました。

IMG_2076.JPG
IMG_2070.jpg
筋切片の作製を熱心に聞く高校生とその実際の様子。皆、見事に作製していました。






hirameki2011.jpg
この見事な切片の染色画像を見て下さい。
今回の受講生による作品です。
濃く染まっている細胞(筋線維)ほどミトコンドリアが豊富です。
いわゆるタイプ1あるいは遅筋線維と呼ばれるものです。
逆に、大きくて淡い色の細胞(筋線維)はタイプ2(速筋)線維です。筋線維周囲の青いドットは核です。

IMG_2096.jpg
左は単に嬉しくてピースしているわけではありません。
上の素晴らしいミトコンドリア染色のミトコンドリアを身体で表現するとこのようになってしまいました。。。

切片画像をよく見て下さい。ミトコンドリアがまさにreticulumとして細胞内を縦横無尽に線状(蛸足状?イソギンチャク状?何と言っていいか、、、?)に張り巡らされているのがわかります。
教科書にあるカプセル状は実は真実ではないことがわかってきています。

今回、教科書に載せられるくらいの画像が取得できました。

今回の受講生とは是非、スポ健で学部生として再会することを願っています。

2011.08.11

続・育てる。

「研究者を育てる」私の夢の1つです。

 人には、それぞれの育て方がありますが、大事に育てても、放置していても、結局は勝手に大きくなって行きます。撒いた種が芽を出し、どんな葉をつけ、どんな実になるのか、水のやり方がとても重要だと感じます。植物は過保護に育てると水をやりすぎて葉が腐ったり、放置しすぎると枯れてしまったり、abc.先生からいただいた鉢植えを見ていて、腹八分目の状態で育てることが意外に難しいことに気づかされています。人間も植物や動物と似ているように思います。

 先週のサマースクールに引き続き、日曜日には科研費のイベントである「ひらめきときめきサイエンス」が行われました。高校生のみなさんが参加し、ミクロからマクロまで、たくさんのサイエンスにふれる機会となりました。高校生のみなさんのキラキラした目がとても印象的で新鮮でした。いつもスポ健の学生さんを見ていても感じることですが、5年後、10年後、どんな花を咲かせて行くのかなあと想像してみたり、それと同時に、私自身も研究を続けられる環境で生きていることは確信していますが、どこで生活しているのかなあ、と思いながら先週にひきつづき、見学させていただきました。


P8071166.JPG

「ひらめきときめきサイエンス」最初の講義はippo先生のリーダーシップ。高校生のみなさんはとても楽しそうに参加していました。私の方は、とても良い勉強になりました。心をほぐすことから始まる講義、私もアレンジして、授業で用いたいと思っています!「教員同士でやってみたらおもしろい!?」とHassy先生。いつも発想がとても豊かです(^^;)


 



P8071186.JPG







 

 


 

P8071187.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P8071188.JPG
5階の生化学部屋。DNAの抽出。(左上:Mori4maくん、左下;Ma2taniくん)みんな興味深々でした!

普段、目に見えないから神秘的です。

私も実験を初めた当初、DNAが見えた瞬間はすごく感動したことを思い出しました。






P8071223.JPG

P8071200.JPG









1階のパフォーマンス測定室。高速度カメラを使うとボールがどうなるの?!ということで、野球部の生徒さんにボールを打っていただきました。ものすごい大きな音が会場中に響き渡りました。高速度カメラで普段、何気なく見ているものを超スローで見てみるとボールにどんな力がかかわっているのかがよくわかりました。野球部さんの素晴らしい打球の次に、O塚先生、空振りのはずがつい。。。?

 バイオメカニクスの分野は私の頭の中も学部時代と修士の授業でストップしているのですが、すぐに目で動きがチェックできるので、イメージしやすく、昔習っていたバイオメカニクスの授業の印象が変わりました。

 こういうイベントに参加することによって、将来、研究者を目指す生徒さんが出てくることがとても楽しみでもあります。院生のみなさんにとっても、「教える」ということから「育てる」ということを考える日がくるのでは?!とも感じた瞬間でした










2011.08.10

「青い空は青いままで、子どもらに伝えたい」!!

86日の広島、89日の長崎。それぞれの被爆から66年目を迎えた。今年の「原爆の日」は、311日の東京電力・福島第一原発事故の影響から、放射能による新たな被爆が問題となる中で迎えたことになる。

核連鎖反応を制御しないがゆえに巨大な爆発を起こす「原爆」と原子炉内で核連鎖反応を制御することでエネルギーを持続的に生産する「原発」との「境界」を打ち砕いてしまったのが、チェルノブイリの原発事故だった。1986426日午前123(日本時間)チェルノブイリで、スリーマイル島原発事故をはるかに上回る史上最悪の原発事故が起こったその時、日本の原子力関係者は異口同音に「日本では絶対に起こりえない事故だ」(七沢 潔『原発事故を問うーチェルノブイリから、もんじゅへー』岩波新書、1996年、p.12)と言ったようだ。今やそのような「安全神話」は完全に崩壊してしまった。それどころか、私たちを途轍もないほど「安全文化」崩壊の瀬戸際に追い込んでいる。

 「放射能汚染」の稲藁を飼料とした肉牛の問題では、改めて国内の「食品流通」の広域性に驚かされてしまったが、従来からの野菜や穀物に限らず、私たちが食するすべてのものへと影響が広がっていきそうだ。「生きるうえでの原点」と言われる「食」をめぐる大きな不安をどのように解消していけばよいのか。

このような大きな問題に対して、それまでの「学校保健法」から2008年に改訂された「学校保健安全法」を拠り所とする学校保健・教育保健分野では、どのような取り組みをしていくべきなのか。とくに、改訂の際に「想定」された「安全」の中身とはどのような事柄だったのか。暑い夏空を仰いで、「・・・燃える八月の朝、影まで燃え尽きた。父の母の兄弟たちの・・・」と口ずさみながら、そんなことを考えてしまった。 

ところで、先日ある女子学生が、「夏休みに、仙台の親戚のところに行って来ます。」と明るく声を掛けてくれた。その時、私は、「コープふくしま」から送られて来た「放射能除染作業」ボランティア募集の「ポスター」を持っていたので、「被災地の様子を見てくるといいね。それと、こんなことも募集しているから、行ってみたら。」と誘ってみた。「それは別問題です。」と、あっさり断られてしまった。確かにそうだろう。わざわざ「不安材料」一杯の「放射能汚染地域」に出向くことなど憚られることではある。現に、福島県の子どもをもつ親は「ここに住み続けていいのか?」といった苦悩の日々を送ってもいる。三陸沿岸部の津波被害を受けた地域の人々とは違った心の「重み」を抱いている。

問題は、「食」や学校保健の分野に限らず、もっともっと大きな根底的な課題へと向かうのかもしれない。 mm

2011.08.09

選手のおやつ作り。

<RecOだより 70>
P1040982.JPG


  8月7日(日)のオープンキャンパス、RecOでは11時半〜12時の間「選手のおやつを作ろう!」というイベントが行われました。
 今回このイベントのリーダーは院生【Yamo】さん。メンバーは先週紹介した「手作り朝食」にも参加してくれた、同じく院生の【Koni】さんです。







 メニューも【Yamo】さんプロデュース
【Yamo】作「豆腐とジャガイモのポンデケージョ」
【Yamo】セレクト「ゴーヤしりしり」
 の2品。


P1040994.JPG


 ポンデケージョは、たんぱく質を豆腐から、糖質をじゃがいもから取ることで、市販のものよりも低脂肪になり、選手にとって、PFC(たんぱく質・脂肪・糖質)のバランスのよい生地になりました。
 また、栄養価以上に、モチモチの食感が癖になる、おいしい生地に仕上がりました。








 さらに今回は、ごま入りと青のり・桜エビ入りの2種類を作り、それぞれの乾物の栄養価もプラス。それぞれの素材の色が見え隠れして、見た目にも楽しいおやつになりました。
 【Yamo】さん【Koni】さん、何度も試作したかいがありましたね〜!

「ゴーヤしりしり」はもうすぐ発売される『野球食のレシピ』の中の【Yamo】さんお気に入りの一品。こちらもゴーヤの味が癖になる、ビタミンCと食物繊維がたっぷりの、沖縄に伝わる、夏のドリンクです。



P1050013.JPG
 どちらも相当おいしくできあがったのですが、「ゴーヤしりしり」、参加した高校生からは賛否両論。何度が飲むと美味しさがわかってくるのですが、実際に作ると、色とゴーヤの香りがまだ受け入れられない生徒さんも多かったようです。

 方や、保護者のみなさんからはとても好評!
 大人の味だったでしょうか?
 沖縄では子供も喜ぶドリンクのようですが、「内地の子供」には、ちょっと早かったのかもしれませんね(笑)【abc.】。

 





2011.08.08

キャリアデザイン・シンポジウム

先週の土曜日に、"輝く女性"を目指そうキャリアデザイン・応援シンポジウム「スポーツを通して拓かれる"輝く女性"のキャリア」を開催しました。

20110806.pdf

 
20110808-1.jpg今回のシンポジストには神事真規子さん(元WJBJバスケットボール選手)、川上麻子さん(EndorseYourLife合同会社代表)、田畑 泉先生(立命館大学スポーツ健康科学部学部長)をお招きして行いました。シンポジウム全体のコーディネイトとファシリテイターには、ippo先生にお願いしました。企画・立案には、【仁】先生に協力していただきました。

(写真)右から

 神事さん、川上さん、田畑先生

 

 

 

 神事さんは、ご自身のご経歴から自己紹介されました。小さい頃から背が高くて、中学校から強豪のバスケットボールチームで活躍され、高校卒業後は実業団チームに。でもその実業団チームは1年で廃部。悩んだ末に決断して、三菱電機女子バスケットボールチーム・コアラーズで5年間プレー。そして引退。結婚したのちに、ご主人の仕事関係(国立スポーツ科学センター)でスポーツ栄養学のAB先生(当時、国立スポーツ科学センター所属、現在は本学スポーツ健康科学部教授)と出会い、スポーツに携わるこどもたちに栄養でサポートしたい!、という動機から女子栄養大学短期大学部へ進学。現在、栄養士を目指して勉強中。同時に、「チームジャパン」の活動に参加して、東北大震災で被災した地域へ出かけてのバスケット指導を通じた被災者の皆さんへの支援活動を行っておられます。何度も人生の転機を迎えられ、キャリアチェンジを果たされてきています。それらの転機を迎えたとき、"このチャンスは二度と来ない!"と決断し、その後は、「決断した自分自身のためにも、チャンスをくれた周りの人のためにも結果を出そう!」と奮闘するようにしてキャリアを歩まれてきたことに感じ入りました。

 

 川上さんは、日本体育大学を卒業後に、体操研究所に入り、そこで職域、地域での健康づくりに携わるようになりました。その後、結婚、出産を機に仕事を中断。ただし、フリーの仕事は一定続けていた。ただし、息子さんの小児ぜんそくでたびたびの発作で病院への駆け込み、入院のためフリーの仕事を辞め、環境改善のために転居をする。そのおかげか、小児ぜんそくも改善。大手企業の福利厚生施設に転職。そこでの仕事を通じて、「従業員が元気をなくすことの損失の大きさ」を実感。また、人の見方を固定しない、運動指導はするが相手は人生の先輩、であることを意識できるような気づきを得る。そのため、運動指導に関するスキル、知識だけでなく、他の分野の人と話ができるように、文藝春秋などを読んで社会の情勢にも明るくしておく必要性を痛感。『インストラクターは運動のスキル・知識の伝達だけでなく、魅力ある人間になる必要がある』。その後、健康ビジネスのベンチャーに入り、現在は、EndorseYourLife合同会社を設立して代表として活躍中。「働く人の元気は日本の元気。元気があれば何度でもチャレンジできる。」を実現するために、会社と社員のサポートを心、身体、栄養からアプローチ。川上さん自身が元気印の見本のような人物で、人を引きつける魅力にあふれています。その秘訣は、"好きなことを真剣にやる!"。元気いっぱいの話に、参加者一同、元気をいただきました。

 

田畑学部長からは、この間、知り合われた"輝く4名の女性"についてお話をいただきました。そうそうたるメンバーのお話でしたが、田畑先生は「このようなすばらしい女性のおかげで自分は引き立てられた。男性は、女性から支えてもらう魅力を持たなければならない。」と語っていただきました。この世は男性と女性しかいません。お互いが輝くように、魅力ある人間になるようにしなければならない、とメッセージをいただきました。

最後のまとめとして、ippo先生が、幸せの4要素(ノーベル化学賞の根岸先生)のお話からシンポジウムを締めてくれました。その4つの要素は、①健康、②家族、③仕事、④趣味である。今日の皆さんのお話を聴いて、スポーツ、健康運動はこの4つを裏打ちし、リンクさせてくれる大きな力を持つことを感じました。そして、キャリアの発達に関わって男女それぞれが輝く社会の実現にもスポーツ、健康運動が関わることを知ることができました。とまとめてもらいました。

「キャリア」そのものについて参加者、私自身も深く勉強できたすてきなシンポジウムでした。

【忠】

PS 先週末は、「shine」先生、「敦」先生のブログにもありますように、大勢の方がオープンキャンパスにきてくれました。また、ひらめきときめきサイエンスも開催し、高校生に最先端のスポーツ健康科学を体験してもらいました。立命館大学スポーツ健康科学部の先生方、院生、学部生の活躍を身近に感じられる週末のイベントでした。