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2015.03.28

学びて厭わず、人を誨えて倦まず…

桜がちらほらと咲き始め、「新学期」を迎えるムードが整い始めました。
その一方、2期生が本学を巣立っていきました。入社式はまだとはいえ、社内研修が始まるなど、「社会人」としてのスタートを切り始めたことでしょう。

私が大学を卒業し、他大学の大学院に進学する際に、恩師からある言葉を送られたことがあります。
それは、「学而不厭(学びて厭わず)」という言葉です。
当時は、進学する私に学ぶことをいつまでも厭うことがないように…というぐらいにしか捉えていなかったのですが、後々調べてみると、これは、孔子の論語に書き記された言葉で、「黙してこれを識(しる)し、学びて厭わず、人を誨(おし)えて倦まず。」というものでした。
博学な私の上司は、よく使っています…(笑)

古代中国考古学の第一人者であり、孔子の研究や論語の解説書も記す貝塚茂樹先生によれば、「黙って覚え、学んであきず、他人に教えていやにならない」という意味なのですが、貝塚先生の注釈によれば、「識(しる)」という言葉は、「注意を集中してこれを記憶するまで頭にたたき込むこと」の意味であり、「誨(おし)える」という言葉は、単に「教える」という漢字の原義や一般的な概念ではなく、一つひとつの事柄を懇切丁寧に、そして具体的に指導するという意味とのことです。

人は、誰でも興味のあることにはエネルギーを注ぎ、自ら学ぼうとするわけですが、我々は、学ぶことだけではなく、学んだことや培ったことを、一つひとつ懇切丁寧に人に「誨える」ことはもっと大切なことなのだと、この孔子の言葉から考えさせられます。

卒業生は、社会人になって、がむしゃらに働き、様々なことを吸収することでしょう。時が経ち、後輩や部下ができ、その時、「黙してこれを識(しる)し、学びて厭わず、人を誨(おし)えて倦まず。」という言葉を思い出して、未来を生み出し、社会を切り拓き、そのような志を持った人を育ててほしいと思います。


ちなみに…
この孔子の言葉、「我に於いて何事かあらん」という言葉で締めくくられており…
孔子にとっては、黙って覚え、学ぶことを厭わず、人に教えることを嫌にならないのは、自分にとって何でもないことだ…ということです(笑)

私にはさすがに…とは思うのですが、大切な同僚で、他大学に異動されるma34先生が信条になさっている「子どもの躓きに寄り添う指導」の意を受け継ぎ、「人を誨えて倦まず」ということを実践したいと思います。

Jin



2015.03.27

進路選択

新4年生の就職活動が活発になってきています。と、同時に、一般企業に就職か教職に就くかを迷い始める学生が増える時期でもあります。

今日も一人、悩んでいる学生が来ました。一応、就活はしているけど、教職に就きたくて身が入らない。どうしたらいいか…と悩んでいます。
教員になりたい人にとっては、もっとも悩む時期かもしれません。周囲の友人たちは、就職活動を活発に進め、少しずつ内定が決まり始めると不安になる気持ちもよくわかります。スポーツ健康科学部の中で教員免許を取得する学生は少なく、またその中から採用試験を受験する学生はもっと少なくなります。さらには、1年目で合格する人はもっともっと少なくなります。そういう状況のもと、数年かけて採用試験に合格する!と決意することは容易ではありません。教育学部であれば、ほぼ全員が教員免許を取得し、何十人もの同級生が数年かけて採用試験に挑戦し教師になっていきます。卒業しても勉強会を開いたりすることも少なくありません。まったく異なる状況の中、「一人で」と言っても過言ではないチャレンジに躊躇することも当然かもしれません。

なぜ就活に身が入らないか?
なぜ教師になりたいか?
教師の魅力は何か?
本当に教師になりたいか?
数年かかるかもしれない覚悟はできるか?
それでも教師になりたいか?
それでも教師になりたい理由は何?

堂々巡りのような質問と回答かもしれませんが、これらのことを何度か話すようにしています。ぐるぐるぐるぐる巡って話しているうちに、あ~やっぱり教師になりたいんだと定まればGoです。不安も多いとは思いますが、採用試験に合格できなくても、講師として働きながら次のチャンスがあります。採用の少ない都道府県では、平均8~9年かかって採用に至ることもあります。

今日相談に来た学生は、少し話をした後で吹っ切れたようです。まずは、受けようと思っている市町村の過去の採用試験問題を探す。今年はダメと分かっていても様子を見るため受験する。週に時間を決めて勉強し、分からない個所を一緒に解決する。これを決めて帰って行きました。来た時より清々しい表情でした。

教員採用試験と就活を迷っている皆さん、どっちつかずにならないよう、しっかり決断してほしいと思います。


2015.03.26

今年度最終回です

博士学位授与式、卒業式、修了式という大きなイベントが先週末すべて終わり、輝かしい未来に向けて旅立ちの時を迎えました。既にブログ内でも紹介されたように、教職員や在学生が一体となり笑顔で卒業生を送り出しました。この学部・研究科の素晴らしさを改めて感じることのできる数日間でした。

卒業式やその日行われた卒業記念パーティーでは、卒業生や修了生とゆっくり話をすることができました。多くの卒業生は、4月から始まる新しい挑戦に向けての期待と不安が入り交じった状態であるように感じられました。4年間みっちりと教育を受け様々な経験(挑戦)をしてきたスポ健生、卒業式の時点で何かを指導する必要はありませんでしたが、「まずは続けてみること」の大切さを繰り返し説明しました。現時点では、目の前にある道はぼんやりとしてゴール(到達点)は見えないかもしれません。けれでも、走り続けることで、見える景色が変わってくるものです。新しい景色を見るためにも、我々は前に進まなければなりません。

卒業式の翌日、卒業生への激励と何よりも感謝の意味を込めて、ゼミ生に最後のメッセージを贈りました。その最後に、私からの約束(宣言)として以下の3点をあげました。

〇皆さんが将来、成長の様子を報告するため戻って来てくれた時に、最高の笑顔で迎える自信があります。
〇皆さんが将来、壁にぶつかり悩んだ時に、何らかのアドバイスができる自信があります。
〇ずっと皆さんのことを応援しています。

これは私だけでなく、教職員全員の共通した想いでしょう。そして、この約束を果たすことができるように、これからも学生とともに頑張っていきます。

さて、今年度毎週木曜日のブログを担当してきましたが、今回が最終回です。ブログを担当したのは2年目なのですが、前回と比べて教育に関わる内容の書き込みが大幅に増えました。もちろん今でも研究は頑張っているのですが、素晴らしい学生と出会い、学生の成長を間近で感じる中で「教育」に対する自分の強い思いを反映しているのかなと自己分析しています。

1年間ありがとうございました。次週からもさらにパワーアップした「あいコアの星」をお楽しみ下さい!!

2015.03.25

5年間、ありがとうございました。

皆様、おはようございます。
ma34です。

とうとう、最後のブログとなってしまいました。
スポーツ健康科学部設立から5年、
ブログを書かせていただくようになってから3年(でしょうか?)、
あっという間に過ぎてしまった気もしますし、
思い返せば、いくつもの素敵な出会いや経験をさせていただき、
大変充実した時間だったとも思います。

3月11日に開いていただいた送別会では
涙ながらに語ってしまいましたが、
スポ健の先生方、教職員の皆様、そして学生・院生の皆さんに
温かく支えていただき、かつエネルギーを頂いていました。
本当にありがとうございました。

また卒業式では、私の誕生日であったこともあり、多くの方に祝っていただきました。大変嬉しい一日でした。ありがとうございました!!

最後の今日は、学生からいただいた言葉をふりかえり、最後の〆の言葉としたいと思います。

本年度最終講義のときに、ある学生がワークシートに書いてくれた言葉がありました。

「先生が最後に語ってくれた先生の信念、『子どものつまずきに寄り添える指導者を育てる』ということ、
 非常に共感します。
 ぼくもそうした指導者になることを信念にして生きていきたいと思います。
 そして、そんな信念をもつ先生なら、新天地でも、どこでも、きっと大丈夫です。
 頑張ってください。応援しています。」

とりわけスポーツに一生懸命取り組み、成果を上げてきた学生たちから、
中途半端でくじけてしまったスポーツ経験しか無い私が
こんな有難いコメントをもらってよいのでしょうか。。。とても嬉しいお言葉です。
とくに、

自分に「信念」があることに改めて気づかせてもらったこと、
そしてそれを彼らに応援してもらったこと、
さらに彼らも共感して、そうした指導者を目指したいと言ってくれたこと、
 
これらの点がとても嬉しく、私の大切な「宝物」になりました。

わたしも学生に負けないように、色々と考え、感じながら、強い芯を持って生きていきたいと思います。

最後に、いつも読んでくださった読者の皆様、大変ありがとうございました。
皆様も、それぞれの場での益々のご活躍、ご発展を心よりお祈りしております。
そして、スポーツ健康科学部、研究科の益々の発展を期待しております。

桜の開花ももうすぐです。
素敵な新学期をお迎えください。

追伸:「スポーツと平和の写真展」もうすぐ開催終了です(~明日26日まで)。
    ぜひ感想をお寄せいただけましたら幸いです。そちらも宝物にします!!

ma34


 

2015.03.24

Tsubomi

Hassyです。

Jin先生や忠先生のブログにもありましたが、先週は様々な「卒業」がありました。

私の前任地で大変お世話になり、脂質代謝研究のきっかけを下さった兵庫県立大学の大隅隆先生がご退官の日を迎えられました。
その最終講義とパーティーに出席しました。

先生には、例えば申請書においても、言葉の定義をしっかりとさせ、決して曖昧にさせないこと!と、多くの赤ペンを入れてもらいご指導頂きました。
これは、先生の研究スタイルの緻密さにも通じるところであります。
また、講義では、「あすなろの精神」でこれまで研究活動をしてきたことをお話されました。
ただし、単に派手な研究に向かうのを嫌い、人があまり注目してこなかったことに丁寧に取り組まれ、その結果脂質代謝分野において大きな貢献をされたことを改めて認識致しました。
自分にまだまだ足りない多くの点を、先生の最終講義を通じて再認識させられましたが、お手本となる先生に出会えたことに感謝し、頑張っていきたいと思います。
長きに渡る研究・教育の場でのご精務、本当にお疲れ様でした。

また、GOTO先生のブログにもあったように、本学の学位授与式がありました。
今年度は40名が学位を取得しております。
(その内3分の1が留学生ということには驚きました)

そして、本研究科からはM君とN君が見事、学位を取得しました。
(写真左上段奥、お花の隣の2人)
今年度はたまたまですが、両人の副査を担当でき、非常に光栄です。
M君は、GOTO先生のブログにもあったように、学位取得者代表として非常に立派なスピーチをしておりました。
特に、印象的だったのは、故スティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大でのスピーチで、
将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。
ということを引き合いに出し、自分たちの科学研究でも、例えばひとつの論文発表で未来を変えるような大きな発信はなかなか難しいが、確かな1点を「現在(いま)」に刻み、それがやがて振り返ると確かな点と点をつなぐ線を構成するものとして存在し得るような、そうした研究をしていきたいと言っていたことです。

立命館憲章にも「未来を信じ、未来に生きる」という言葉がありますが、まさにM君が言うようなことが、「未来に生きる」ことなのかなと感じました。

M,N両君、本当におめでとう!!

そして、学部生、大学院生の卒業式に関しては、忠先生のブログに詳細があります。
社会人になる人、進学して研究を深めていく人、色々ですが、皆、写真の桜の蕾のような、鮮やかに花開くためのエネルギーに満ち溢れた状態だろうと思います。

桜のように一気に花開くことはなく、時間がかかるかもしれません。
けれど、慌てず、ゆっくりとでも前進していってください。
皆さんの咲き誇った様子を見ることを楽しみにしています。
本当に、卒業・修了、おめでとうございます!!

2015.03.23

新たな旅立ちへ

 Jin先生のブログにありましたように、先週土曜日は、学部2期生、そして研究科4期生の学位記授与式でした。卒業生、修了生の晴れやかな姿、達成感に満ちた表情をみて、教職員一同うれしさ一杯でした。

 

学部生の学位記授与式で祝辞を述べさせてもらいました。その内容はJin先生のブログで紹介してもらっていますが、少し長いですが下記に掲載させてもらいます。

 

 卒業生のみなさん、おめでとうございます!この4年間の学びとその修得に敬意を表します。みなさんの卒業にあたり一言お祝いの言葉を述べさせてもらいます。

 立命館大学スポーツ健康科学部は、「グローバルな視野とリーダーシップを備え、スポーツ健康科学への理解をもち、社会の発展に貢献する人材を育成」することを教学の理念にしています。そのため、総合的・学際的な学び、理論と実践、国際標準の学びを、カリキュラムの柱として教育してまいりました。

 みなさんは、この教育課程を見事に修了し、本日、めでたく卒業を迎えられました。卒業に至るまでの過程では、多くの教職員、友人、そして家族の支えがあったことでしょう。とりわけ、ご家族の皆様は、大学卒業という大きな節目、区切りを迎えられることをことのほか喜んでおられることでしょう。是非、みなさんからも心からのお礼と感謝を申し述べておいてください。

 

 さて、いよいよこれから巣立ち、旅立ちのときです。スポーツ健康科学部での学び、課外や大学生活で学んだこと、得たものを土台にして、それぞれの本格的なキャリアへ進まれます。そのスタートにあたり、今日、白い紙に、達成したい夢・目標を書いて、そこに至るまでのステップ(プロセス)を書いてみてください。みなさんが白地図に、自分の航路、自らの望むところを書いてください。皆さんは間違いなく夢・目標を達成できます。

 ただし、その達成までには、スムーズなときもあれば、行き止まりに出くわし、立ち止まったり、進路を確認したりすることがあるでしょう。そのときは、これまでに身につけたこと、仲間、先生方を思い出し、しっかりと適切な判断で前進してください。そのときに適切な判断ができる力を皆さんは身につけたと感じています。

 ただ、時には大きな岩や壁に掛かって身動きできないことがあるかもしれません。そんなときは、遠慮なく、スポーツ健康科学部へ一休みしにきてください。スポーツ健康科学部はファミリーです。皆さんはスポ健ファミリーの一員です。

 

 授業の中で、みなさんには、「創造できる人」になって欲しいとお願いしました。これからのキャリアで、いろんな仕事、活動があるでしょう。そのときの成果を高めるためには、能力を磨き、努力する必要があります。この能力と努力に加えてもう一つ大事なものがあります。それは、考え方です。みなさんが、自分の白地図に掲げた、夢・目標をどのような考え方、ビジョンで達成させるのか。そこが大きな意味を持ちます。

 その考え方の中に、「世のため人のため」、もう少し違う言い方をすれば、「未来の世のため、未来の人のため」、という考え方をしっかり念頭に入れて、大きな成果、明るい未来をつくってもらいたいと願っています。みなさんの今後益々の発展を心から願っています。

 

 最後になりますが、スポ健を卒業した皆さんが、運動不足で、生活習慣病になるとは思いませんが、くれぐれも身体には気をつけて、これからの未来を拓いてください。

 

 簡単ではありますが、卒業生の皆さんへの祝辞とさせてもらいます。

 

 卒業、おめでとうございます!

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

卒業式・修了式のあと、大津プリンスホテルで、卒業記念パーティが催され、多くの卒業生、修了生、教職員、関係者が集まり、喜びに満ちた素晴らしい会となりました。何よりも驚いたのは、冒頭のパフォーマンスです。導入映像とリンクさせて、3名の美人ダンサー(卒業生2人と事務職員のKさん)。素晴らしいダンスで盛り上げてくれて、そのあとに卒業生と先生方の雄志もヒゲダンスを披露してのオープニングです。スポ健ならではです。

 今回のブログの写真2枚は、いずれも卒業生のSyuuki君による撮影です。4年間、学部カメラマンのごとく各イベントごとに素晴らしい写真を撮ってくれました。多様な学生に彩られている学部です。

【忠】





2015.03.22

アメリカ便り (23): Congratulations!

二期生の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
保護者の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。

二期生の中には、頻繁に研究室に来てくれた学生が多く、
おかげさまで楽しいスポ健生活を送ることが出来ました _ mm_

おやつを(しばしば) 食べに来てくれた R さん、M さんとお友達達、
金沢のお土産をよく持ってきてくれた Y さん、
英語 P0 の作成に力を貸してくれた S さん、Tくん、
いつも海外に行くとマグネットのお土産を買ってきてくれた M さん、
(適当に見えながらも) ESとして授業はきちんと導いてくれた M くん、

他にも感謝しないといけない学生さんが沢山いるのですが、
リストが延々になるので (笑)、これぐらいにしておきます。
心から感謝しています。本当にありがとうございました。

卒業生の皆さんは、これから様々な人生を歩んで行かれることと思います。
その際には、人を役に立つかどうかで判定する「人材」としてではなく、
良い面・悪い面含めて多面的な「人間」として、
皆さんの有する素晴らしい「人間力」を持って、
卒業後の人生を切り開いていってもらいたいと思います。

卒業しても、また研究室を覗いてみて下さい。
皆さんに会えるのを楽しみにしています。

それでは、また。失礼いたします。
心よりのお祝いまで。

<<街でよく見かける英語表現#23>>
今週は、メリーランド州立大学は、一週間の
Spring Break でお休みでした。
学生達も、地元に帰ったりしていて、がらんとしていました。
大学のシャトルバスには、写真のように
"HAVE A SAFE SPRING BREAK!" と表示されていました。
こういう何気ない一言が、アメリカ社会の良いところですね。


2015.03.21

卒業式・修了式…

本日、立命館大学びわこ・くさつキャンパス内の7学部8研究科の卒業式と修了式が行われました。

卒業生、修了生のみなさん、ご卒業、本当におめでとうございます。
スポーツ健康科学部の2期生ならびにスポーツ健康科学研究科の4期生が、立命館大学びわこ・くさつキャンパスから巣立ちました。

学習、研究、課外活動、アルバイト、恋愛…
4年間、または2年間のキャンパスライフは、いかがだったでしょうか…
楽しいことやうれしいことばかりではなく、悲しいことや辛いことも数多くあったことでしょう。


祝辞で【忠】先生が「今日、家に帰って白い画用紙に目標とその目標をどのように達成するのかというプロセスの2つを書いて下さい。」ということを述べられていましたが、大学を巣立って、どういう人になりたいのか、またそのような人になるために、どのようなことに手掛け、何を積み重ねるべきなのか、それを今日、すぐに描き、画用紙に書き留めてほしいというメッセージでした。

閉式後、【忠】先生から聞いた話なのですが、イエール大学が大規模な卒業生に対する追跡調査をしているらしく、「1. 卒業後の目標を描いている」「2. その目標を成し遂げるために必要な手段やプロセスを理解し、明確にしている」「3. それを紙に書き記している」という3つの質問に全て“Yes”と答えた人は、調査対象者のわずか3%にしか過ぎないらしいのですが、その3%の人たちが社会で活躍し、確かな成功を収めているということでした。わずかなことですが、これをするかしないかで、これから歩む人生に大きな違いが生じるということ、明日への扉を開くために、ぜひ卒業生と修了生のみなさんは、【忠】先生のメッセージを真摯に受け止めてほしいと思います。

また【忠】先生のはなむけの言葉の中には、立命館大学が“creativity”を大切していること、そしてそれを社会へと巣立つ卒業生に強く求めたいとメッセージされましたが、これは、「+R 未来を生み出す人になる」という我々が学生を育てるための拠り所にしていることです。

大胆かつ慎重に、そして積極的でありながら、さりげなく謙虚に…
卒業生、修了生のみなさんの大いなる飛躍を期待しています。

Jin




2015.03.20

教員採用試験での英語能力待遇

大阪市教育院会が、今年夏の市立小学校の教員採用試験で、英語能力の高い受験者に「大幅」加点して優遇する制度を導入すると発表しました。英語能力の高さは、一定以上の英語の資格で判断するということです。小学校教員400人前後の採用に対し、1次、2次試験の両方で、英検の級、TOEIC、TOEFLなどの成績に応じ、総得点に20~60点を上乗せする方針です。英検1級であれば60点、準1級であれば40点、2級であれば20点の加算ということです。

小学校教員採用試験の場合、1次試験(筆記・面接)の総得点は600点、2次試験(筆記・実技・面接)は870点で、このそれぞれに対し20~60点の加点は非常に大きな意味を持ちます。他自治体と比較しても、全国最大規模の加点幅となるようです。

もちろん、この背景には小学校段階での英語教育を担う優秀な人材を集めたいというねらいがあります。大阪市は、2013年度から小学校英語の事業を開始したり、英語圏出身者が小中学校に配置され、生きた英語を教える取り組みを進めています。

そこで、英語教育ご専門のma34先生のお話しが思い出されました。小学校でもすでに英語嫌いが出始めていると。。。また、小学校では大阪市が進めているように、音声重視で、歌ったり会話したりする楽しそうな授業風景が見られますが、学年が上がるにつれ、あるいは中学校に入学すれば、突然その形態が読み書き・文法重視に変わります。この突然の変化に拒絶反応を示す子どもたちが多くないことが今の課題となってきているのだと思います。小学校英語導入が大切なのではなく、小学校から何をどのように導入して、それがいかに繋がっていくかこそが大切なはずです。早期に導入すればいいというだけでは英語嫌いの子どもをつくるだけのように思います。

二週間後には新年度がスタートします。本学部では、英語に力を入れていますが、新入生の皆さんがどのような英語教育を受けてきて、どのような感想を持ち、それらのことと英語の能力の関係を知りたいと思いました。

ma34先生の、「つまづくのは当たり前」という言葉が何度も思い出されます。何に「つまづいている」かを見つけられることが、次へのステップの足がかりとなるのだとも思います。新年度は、つまづきを一緒に考え、見つけることに視点を置いてみたいと思います。


2015.03.19

いよいよ

明日、朱雀キャンパスにて博士学位授与式が開催され、本研究科初となる2名の博士学位授与者が誕生します。スポーツ健康科学研究科が設置されて5年、研究科としても記念となる瞬間がまもなくやってきます。

博士学位授与者の一人であるM嶋くんは、明日の博士学位授与式において代表の挨拶を行います。彼は博士課程前期課程(修士課程)の修了時にもBKCキャンパスでの修了者総代として挨拶を行いましたので、代表の挨拶は2回目となります(非常に珍しいケースです)。今日は2人で予行練習を行いましたが、彼の人柄がよく伝わる、彼の想いが詰まった内容でした。これまで、論文、申請書の作成など様々な文書作成の指導をしてきましたが、今回の挨拶原稿には私はほとんど手を加えていません。正確に言うと、手を加える必要がありませんでした。本当に立派に成長してくれました。次のステージに向け、新たなスタートラインにつく準備は十分に整いました。

博士学位を授与される両名は、次年度からそれぞれ海外留学先(日本学術振興会・特別研究員)、国内の研究機関においてポスドクとして、研究者としてのさらなるトレーニングを積むことが決まっています。結果的に標準年限で博士学位を取得することになりましたが、ここに至る道のりは決して順調ではなく、たくさんの悔しい思いをしてきました。けれでも最後まで強い意志をもって努力を続け、明日の博士学位授与式に臨む両名に改めて拍手を送りたいと思います。

先ほど、M嶋くんからハードカバー製本された博士論文を受け取りました。「学位授与式前に直接、先生に渡したかった」という彼の言葉が嬉しかったです。

明日はこれまでの5年間の歩みを思い出しながら、学位授与式に出席いたします。