2012.12.08
I Didn`t Want to Eat, But My Hormones Made Me!
現在、日本では成人男性の約30%がBMI(身長と体重から計算する体格指数)25以上の肥満に該当することがわかっています。肥満者増加の要因として、食習慣の変化(欧米化)や生活の利便化に伴う身体活動量の低下など複数の要因が考えられますが、その1つに【睡眠時間の短縮】が関わるのではないかと言われています。海外で行われた1000名以上を対象にした大規模調査(Taheriら、2004)では、日常の睡眠時間の長さ(横軸)とBMI(縦軸)との間にはU字の関係がみられています。すなわち、睡眠時間が適切(7-8時間)な人はBMIが低い傾向にあり、睡眠時間が短い(7時間未満)人ではBMIの高い傾向にあるようです。【寝る子は育つ】とよく言いますが、【寝ない子は太る】ということでしょうか。。。
さて、なぜ睡眠時間が短いと太りやすいのか・・・この質問に完全に答えることは難しいですが、1つのヒントとして【食欲の増加】が指摘されています。たとえば、Brondelら(2010)の研究では、睡眠時間を4時間に短縮した翌日の食事摂取量は、8時間眠った翌日に比較して約22%(約559kcal)高値を示すことが報告されています。559kcal・・・これは大きいです。仮に週末に夜更かしをして睡眠時間を削り、翌日に食べ過ぎてしまう生活が週1度続いたとすると、1年間を通して少なくても26,000kcalは余分にエネルギーを摂取することになります(これは、体脂肪3kg以上に相当します)。
それでは、なぜ寝不足になると翌日食べてしまうのか?実はこのことには体内でのホルモンの分泌が関わっています。これまでの研究から、睡眠時間を短縮すると、翌日にグレリンの量が増加することが明らかにされています。グレリンは直接的に脳に働きかけ空腹感を増加させるホルモンですので、食事量を増加させる1つの要因となります。ちなみに、このグレリン量、たった1晩、睡眠時間を7時間から4.5時間に減らすだけでも増加することがわかっています。
レポートや試験前夜遅くまで勉強した翌朝に、なぜかお腹が減ってたくさん食べてしまった経験があるかもしれませんが、実は体内のホルモン量の変化が深く関係していたのです。まさに、I Didn`t Want to Eat, But My Hormones Made Me(私は食べたくなかったけれど、ホルモンが食べさせたんだ!)です。食べ過ぎてしまった時の自分への言い訳として覚えておきましょう。
これらの話はスポーツ健康科学部の授業(トレーニング科学)でも取り上げていますので、スポ健生はぜひ楽しみにしていて下さい。
GOTO
