[ Thu ] の記事一覧

2016.08.11

夏季一斉休暇

立命館大学は本日8月11日(木)から8月18(木)まで夏季一斉休暇,いわゆるお盆休みに入っています.特に大学に来てはいけないというわけではありませんが,ほとんどの事務室や生協が閉まってしまいますので,極端にキャンパス内の人が減ります.

いつも賑やかなキャンパスなのですが,本日は,とても静かです.
下の写真の通り,スポーツ健康科学部棟のインテグレーションコアの周りも,あまり人が歩いていません.







と思っていたのですが,インテグレーションコアの中を見てみると意外と人がたくさんいました.お盆休み+祝日(山の日)なのに,インテグレーションコアは稼働中です.

私は本日は打ち合わせなどもありませんので,普段なかなか時間が取れずにできなかった学会誌の編集の仕事とスマホアプリの開発を行っていました.スマホアプリといっても趣味でゲームを作っているわけではなく,現在開発しているスマートウェア用のアプリケーションで,この秋に色々なところでスマートウェアを使ってもらう予定ですので,その準備です.

スマートフォンというと大きく分けるとiPhoneとAndroidがあります.iPhoneの方はバージョンの違いはありますが,Apple社しか作っていませんので,あまり種類はありません.一方でAndroidは色々な会社から出ていますので,色々な機種があり,微妙に機能が違います.とはいえiPhoneとAndroidも現在予定しているアプリケーションを開発する上では仕様上大きな差はありません.

そこで本日,いくつか簡単なテストプログラムを作って試していたのですが,今のところAndroidの方が開発予定のソフトウェアの機能との相性が良さそうです.iPhoneユーザーも多いので,後々開発することになるとは思いますが,とりあえずAndroidから始めてみようと思います.



完成すれば,このブログでも紹介したいと思います.

では.

naru


2016.08.04

夏の勉強会

私の研究室の研究の特徴の一つとして,”ものづくり”があります.”もの”といっても色々なものがあり,スポーツ健康科学分野の装置であったり,システムであったり,ソフトウェアであったり,様々です.ものを開発するためには,色々な知識や技術が必要になってきます.


そんな理由もあり,今週の月曜日から木曜日まで4日間連続で朝から夕方まで研究室3回生の勉強会を行いました.最初の2日間が電気電子回路,後の2日間がプログラミングについて勉強しました.これまでの毎週勉強会を開いて勉強してきたものですので,その集大成ということで短期集中型で勉強会を行いました.どちらも学部の講義ではあまり行わない分野ですが,私の研究室の専門分野では,よく使います.ただし苦労した学生もいたようです.


電気電子回路の勉強会では,実際に筋電図計測用の回路を製作しました.筋電図というのは,筋肉に力を出させるときに発生する微小な電気信号です.この小さな電気信号を計測するためには,特別な装置は必要になります.筋がどれくらい力を出しているのかを知ることができるので,筋電図はスポーツ健康科学分野でよく使います.電気回路の素子は普段は見慣れないものばかりですが,何とか2日間で筋電図が計測できる回路を完成させることができました.


プログラミングでは,C言語を使って実際にソフトウェアの開発を行いました.開発したプログラムは,無秩序にならんだ数値が入っているデータファイルから数値データを読み込み,それを昇順,もしくは降順に並び替えるというプログラムです.



一見簡単に感じるかもしれませんが,無秩序にならんだ数値を並び替える作業は人間が手作業で行おうとするとかなり手間がかかります.また,曖昧な命令はパソコンは受け付けてくれませんので,論理的な思考も大切になってきます.人間相手だったら,「大きいもの順に並び替えて下さい.」といった命令で済むかもしれませんが,プログラミングでは,その手順を正確に記載する必要があります.例えば,「まず1番目のデータと2番目のデータを比較して,1番目のデータの方が大きければ,順番を入れ替えて,,,」といった具合に一つ一つの細かな手順をプログラミング言語で書いていく必要があります.さらに,それをできるだけ少ない簡単な命令(手順)だけで記述することを考えるとかなり工夫が必要になります.全員,一生懸命取り組んでくれました.最後には,お互い教えながら,全員が時間内に完成させることができました.



これで基礎力はバッチリ(?)です.これから,学生と色々な”もの”を作って,社会に出していきたいと思います.

naru

2016.07.28

求是荘

今週は,COI拠点として立命館大学と協同してスマートウェアを開発している滋賀県の堅田にある東洋紡株式会社の総合研究所を訪問しました.

スマートウェアは本気で実用化を目指していますので,大学での基礎研究だけでなく企業の力は必須です.ここでは詳細は書きませんが,色々なお話を聞くことができ,大変勉強になりました.

これらの打ち合わせは研究所の「求是荘」という施設で行いました.建物が琵琶湖湖畔にあり,琵琶湖を見渡す景色は絶景でした.





この「求是荘」は歴史のある施設で,名前の由来は,「修学好古 実事求是」(事実に基づいて物事の真相,真理を求めたずねる)という漢書の一節から命名されたということです.研究をする上で一番大切なことです.



この施設は,様々な国際シンポジウムや国内外の若い研究者の交流の場として活用されてきたとのことです.こういったグローバルな視点はスポーツ健康科学部と通じるものを感じました.

訪問者が必ず記帳する気帳簿があり,私も記帳させていただきましたが,何十冊にもわたる記帳簿の最初のページをみると湯川秀樹先生のお名前が,,,




本当に貴重な場所で,貴重な体験をさせていただきました.

naru

2016.07.21

ジャンプ!!!

毎週火曜日に,私の研究室で3回生対象のゼミがあります.3回生のゼミでは,主に4回生時に行う卒業研究の準備として,文献調査や予備的な実験を行っています.卒業研究の課題は一人一人異なるため,調査する文献や予備実験もそれぞれ異なります.

今日は,面白い試みをしてくれたゼミ生がいたので,紹介しようと思います.

その彼が最終的に挑戦しようとしていることは,「スポーツパフォーマンスを向上させる装具やウエアを開発すること」です.スポーツパフォーマンスといっても色々ありますので,とりあえずはジャンプ動作に着目してジャンプ力を高めるにはどうすればいいのか考えてもらっています.実際には競技スポーツのルールなどの縛りがあって,できること,できないことがありますが,ファーストステップの段階ですので,今はそういったことは無視して,「とにかく高くジャンプできるようにする」を目標に色々なことを試してもらっています.

本当は,理論を考えて,シミュレーションを行って,実際に確認するために,人間で実験するのが研究としての王道だとは思いますが,まだ始めたばかりですので,その難しさを知ってもらうために,「とりあえずやってみよう」ということになりました.

彼が考えたのが,下図に示すように,膝関節をゴムで強化するということです.写真では見難いですが,膝関節の全面に関節を跨ぐようにゴムを設置し,両端をテーピングで固定しました.ジャンプ前に膝関節を曲げると,ゴムが伸ばされエネルギーが蓄えられます.ジャンプしようとしたときには,そのエネルギーが解放され,大きな力を発揮します.直感的にはこれでうまくいくように感じるかもしれません.実際,ゴムの出力はかなりもののはずです.ファーストステップとしては十分!よく考えられています.





実際ジャンプしてみると,,,(下図)



残念ながら,最高到達点ちょうどで写真は撮れていませんが,ゴムをつけても,あまり変わりませんでした.残念ながらファーストチャレンジは失敗ですが,色々な課題は見えてきました.今回の失敗は物理的に考えても説明はつきますが,それよりも一番の課題は,固定方法です.大きな力を発揮するゴムを体に固定するには,かなりの工夫が必要になります.今回は,彼自身も痛くて1回のジャンプ後すぐに取り外してしまいました.物理的に考えること,そして固定方法,この2つが解決すれば,ゴムを使って研究室の高い天井でもタッチすることはできるはずです.

2つの課題の解決は彼の夏休みの課題です.ジャンプの後も色々な面白いアイデアも話してくれました.さらにどんな答えを思いつくか楽しみにしています.皆さんも夏休みの自由研究に考えてみるのも面白いかもしれません.

naru

2016.07.14

スポーツ科学特殊講義

立命館大学は来週の木曜日から前期の定期試験期間になりますので,補講などがない限り,木曜日の講義は最終講義になります.

本日,私が担当した「スポーツ科学特殊講義」も本日が本年度最後の講義になります.この講義は,本年度から始まった新しい講義で,スポーツ健康科学部の4つのコースの中の1つである「スポーツ科学コース」の講義で,スポーツ科学領域の最新の研究や知見を学び,ディスカッションなどを通じながらスポーツ科学領域の全体像を理解することを目的としています.毎回,スポーツ科学コースの教員がそれぞれの研究分野について最新の研究論文の紹介をしたり,それに関するディスカッションを行ったりすることで,スポーツ科学コース分野全体の理解を深めます.何となくこの講義で対象としている分野が想像できるように,各回の講義のキーワードを抽出すると以下のようになります.

キーワード

有酸素性運動,レジスタンス運動,心臓,血管,脂肪,骨格筋,ホルモン,トレーニング科学,競技力向上,トップアスリート,スポーツサイバネティクス,スポーツバイオメカニクス,身体運動の制御,筋・腱の力学的特性,筋たんぱく質代謝,筋肥大,レジスタンス運動,機能性食品,学際性,チーム編成,研究マネジメント


キーワードを並べてみるだけでも幅広い分野であることがわかります.

本日は,まず私の研究分野を紹介しました.この紹介の中で,少しの時間でしたが,本日のアシスタントをしてくれた私の研究室の大学院生の鶴見君の研究紹介も本人から行ってもらいました.



また,本日は最終講義ということで,これまでこの講義で学んだスポーツ科学を振り返って,全体像をディスカッションしてもらうことを目的として,スポーツ科学コースのキャッチコピーをグループ毎に考えてもらいました.

↓それぞれの班で真剣にディスカッションし,考えてくれました.


うまいキャッチコピーを考えるためには,対象をよく知っている必要があります.
最後に発表してくれたキャッチコピーも魅力的なものばかりでした.
学部のパンフレットなどで採用してもいいかもしれません.

別途,最後のレポート課題として,スポーツ科学についてまとめるような課題を出していますので,今から出来が楽しみです.

naru

2016.07.07

+Rな人

知っている方も多いかもしれませんが,
立命館大学HPで「+Rな人」が公開されています.
+Rな人 URL: https://www.ritsumei.ac.jp/features/r_na_hito/

この「+Rな人」では,『立命館大学でキラリ☆と輝く学生や教職員をはじめ,アジア太平洋大学(APU)の学生や教職員,立命館中学校・高校,立命館宇治中学校・高校,立命館守山中学校・高校,立命館慶祥中学校・高校,立命館小学校の生徒・児童など,現役で立命館に関わっている人はもちろん卒業生も含め「立命館らしく」がんばっている人たち』が紹介されています。

先週と今週は,スポ健の学生が紹介されました.毎年,スポ健の学生が取り上げられることは多いですが,特に今年度は,17回の記事の中で5回がスポ健の学生や卒業生が取り上げられています.それだけスポ健は活発で目立っている学部・研究科だという証拠だと思います.

↓ちなみに先週は,私の研究室の院生の鶴見君が紹介されました.


内容の詳細は「+Rな人」に譲りますが,鶴見君は,このブログでも何度か紹介したスマート ウェアの開発に携わってくれています.その研究内容や研究に対する想いなどが紹介されています.ぜひご覧ください.


↓また今週は2回生の原田君が紹介されています.

原田君は,今夏開催されるU20-世界陸上競技選手権大会の男子三段跳日本代表に選出されています.競技を始めたきっかけや競技の対する想いなどが紹介されています.こちらも是非ご覧ください.原田君の記事は現在,大学HPのトップページでも紹介されています.

今後も学生の皆さんが正課,課外とも活発に活動できる学部・研究科でありたいと思います.

naru

2016.06.30

世界報道写真展

現在、びわこ・くさつキャンパス内のエポック立命21エポックホールでは「世界報道写真展2016」が行われています。



この「世界報道写真展」は1955年にオランダのアムステルダムで世界報道写真財団が発足したことにより、翌年から始まったドキュメンタリー、報道写真の展覧会です。毎年、1月から2月にかけて主に前年に撮影された写真を対象にした「世界報道写真コンテスト」が開かれ、国際審査員団によって入賞作品が選ばれます。今年の「第59回 世界報道写真コンテスト」には、128の国と地域、5,775人のプロの写真家から、合計8万2,951点の作品が応募されました。その中から入賞した8部門41人の受賞作品が展示されています。1年を通じて、世界の45か国約100会場で開かれる本展は、約350万人以上が会場に足を運ぶ世界最大規模の写真展です。
(世界報道写真展HPより http://www.asahi.com/event/wpph/



今年の大賞は、ポスターや立て看板の写真などでご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、警備員にみつからないよう月明かりの下、セルビアとハンガリーの国境を越えようとする難民の男性と子供を撮影したもので、写真からは、緊迫した様子が伝わってきます。

ここに展示されている写真は、世界を駆け巡ったニュースや現代社会が抱える問題、スポーツの決定的瞬間など、世界中で実際に起こった昨年の出来事であり、遠い過去などではなく、場所が違うだけで同じ時を過ごしていた事実であるということに衝撃を受けます。写真一つ一つに日本語と英語で説明が書いてあります。普段あまり目にすることが少ない現実を見ることができる貴重な機会だと思います。少し見るのが怖い写真もありますが、きれいだったり、おもしろかったりするような自然現象や動物の写真などの写真も展示されています。
日本では、6月3日に立命館大学衣笠キャンパスにある国際平和ミュージアムで開幕し、現在はこちら、びわこ・くさつキャンパスにて開催されています。このあと、大分、福岡、大阪、東京、埼玉を巡回する予定です。びわこ・くさつキャンパスでは7月8日(金)まで見ることができます。まだご覧になられたことがない方や興味をお持ちになった方は、ぜひ足を運んでみてください。

naru

2016.06.23

スポーツ健康コモンズ見学

現在,スポーツ健康科学部がある立命館大学びわこ・くさつキャンパスでは新しい施設「スポーツ健康コモンズ」の建設が行われています.
このスポーツ健康コモンズは,プール,アリーナ,トレーニングルーム,アクティブスペースなどが入る新体育施設です.建物の周りにも遊具を設置するなど,周囲でも人が集い,運動ができるよう工夫する予定です.よくある体育館とは,かなり違った施設になりそうです.

スポーツ健康コモンズは後期から使える予定です.このブログで紹介した立命館大学のCOI拠点でもイベントを企画しています.
図面では何度もみている施設ですが,本日は,上記の企画などのイメージを膨らませるために「スポーツ健康コモンズ」の建設現場に入らせてもらいました.

外観は,↓こんな感じです.まず建物を完成させ,その後で周囲の開発を行います.




↓アリーナです.


バスケットボール2面とれる広さです.また,上部の窓には雨センサーが設置されており,普段は換気のために開いていますが,雨が降ると自動的に閉まります.また,COI拠点でも開発されている超音波スピーカーが設置される予定です.この超音波スピーカーは必要な範囲にだけ音が聞こえるように制御できます.広いアリーナでは,音楽などの音が必要なスポーツとそういった音がない方が良いスポーツが同時に使用することがあります.そういったときに超音波スピーカーがあれば,必要な人にだけ音楽を聞かせることができます.その他にもCOI拠点では,運動やコミュニティをキーワードに色々な取り組みをしていく予定です.



↓リラックススペース(?)です.


また内装工事中ですので,写真からはイメージしにくいと思いますが,最終的には人工芝を敷くなど,寝転がってリラックスできるようになります.また,外の木製のデッキにも出ることができます.飲食ができるようなお店も入れることも検討しているようです.



次にプールです.
プールは25mの屋内プール(下図左)と50mの屋外プール(下図右)があります.



もうほとんどできているので近々水を入れる予定とのことです.「プールに水を入れる」と文字にすればこれだけなのですが,当たり前ですが,お風呂にお湯や水を張るのとは規模が違います.水が十分に入るまでには数日から1週間ぐらいかかります.

その他にも色々な施設を見学させていただきました.
今回は,中心となるスポーツ施設を中心に紹介しましたが,今後,特徴的な部分が順次完成していきます.
それらの部分の完成が近づいたら,また見学に行ってみたいと思います.

今から完成が楽しみです.

naru


2016.06.16

【続】OB訪問

先週の木曜日には,スポーツ健康科学研究科の卒業生で,理学療法士(Physical Therapist, PT)として,そして研究者として,がんばっている増田さんを紹介しました.

知っている方,お世話になった方もたくさんいると思いますが,理学療法士というのは,リハビリテーションの専門職です.動作能力の回復,維持,悪化の予防を運動療法や物理療法など通じて行います.PTになるためには,養成校で勉強して,国家試験に合格する必要があります.



前回紹介した通り,スポーツ健康科学と理学療法には共通点があり,スポーツ健康科学部に入ってくる学生の中にも理学療法士に興味をもっている人が毎年います.

そこで増田さんに少しインタビューをしてみましたので紹介します.

Q.在学当時を振り返って?
A. 学生と社会人の両立は大変でした.しかし,大学院で学んだことをすぐに仕事にフィードバックでき,PTとしても,研究者としても成長できてよかったと思います.そして,今後も大学院で研究していた「子どもの腰痛」についてさらに発展させていきたいと考えています.

Q.理学療法士の魅力は?

A. 直接介入できるというところです.コーチは怪我や痛みに直接接しにくかったりしますが,理学療法士は直接介入できます.場合によっては,スポーツのフォームに原因がある場合,フォームを指導して痛みをなくすことができたりします.そういったところが面白さでもあります.

Q.PTになったきっかけは?なぜ子供を対象とした研究を行っているのか?

A. 最初は,多くのスポーツ健康科学部/研究科の学生と同じで,スポーツに携わっていたいと思い,この仕事を選びました.実際に仕事をしていく中で,トップアスリートが求めるリハビリと一般的な整形外科でのリハビリとは全く違うことを知りました.例えば,痛みの原因がフォームにある場合,フォームを直せばいいと普通は考えます.しかし,レベルが高くなればなるほど,少しフォームの変化が与える影響は大きく,むやみなフォームの修正はパフォーマンス低下につながります.一方で,成長期の子どもの場合は,まだフォームも固まっていないことが多く,ケガしにくいフォームに改善する余地がトップアスリートと比べて大きいです.子どもたちに,傷害が起こりにくいフォームを教えるなど,直接介入していく中で,子どもを対象にした取り組みに魅力を感じるようになり,PTとして子どもに携わっていきたいと思うようになりました.

Q.現在の研究テーマをどんなことにつなげたい?
A. 怪我する子どもはとても多いのですが,怪我をしてもほっておいたら治ると考えている事も多いです.でも実際は掘り下げてみるとおとなと変わらないような原因で痛みが起こっていたりします.その意識を改革し,みんなで気を付けてあげてみていければいいなと思っています.

Q.スポ健の魅力は?

A. スポーツ健康科学部では,幅広い分野の先生がいます.その先生達がそれぞれの観点から情報をいただけたり,協力してくれたりします.そんな幅の広さが一番の魅力だと思います.


インタビューの内容をみても,スポーツ健康科学と理学療法はオーバーラップしている部分があることがわかります.ただし,お互い得意なことがありますので,一緒に研究をするメリットは大きいです.

これからも増田さんと一緒に色々な研究ができればと思います.


naru

2016.06.09

OB訪問

今週の水曜日に,2013年度にスポーツ健康科学研究科博士課程前期課程(修士課程)を修了した増田さんが研究室に来てくれました.増田さんは,理学療法士(PT)として仕事をしながら,修士号を取得しました.現在も,PTとして活躍しています.加えて,継続的に研究を続けていて,現在は,本学の客員協力研究員としても頑張ってくれています.



“なぜPTがスポーツ健康科学?”と思うかもしれませんが,実は,理学療法とスポーツ健康科学は共通点が多いです.スポーツ健康科学の領域はかなり広いですので,その一部をサポートしているといったイメージです.学部や研究科の授業をみても,整形外科系,解剖学系,バイオメカニクス系といったPTにとっても馴染みの深い講義も数多くあり,増田さんの他にも本研究科にはたくさんのPTの在学生/卒業生がいます.

増田さんの修士論文のテーマは子供の腰痛とその原因についてでした.子供と腰痛というのは,なかなかピンとこないかもしれません.増田さんは,PTとしての経験から,腰痛を訴える子供は,一般的に考えられているよりも多いのではないかと考え,調査によって見事にそれを証明しました.特に原因として子どもが多くの時間を過ごす学校生活に注目し,腰痛と関連が強いとされる座位姿勢についても調べました.座位姿勢にも色々あるのですが,その中では日本特有の体育座りにも注目しました.体育座りといえば,まさに体育の領域にもなります.そういった理学療法,バイオメカニクス,日常生活,体育といった色々な観点から調査と考察を行い,修士論文を完成させました.まさにスポーツ健康科学部/研究科が掲げている学際領域の研究です.このテーマの研究は今も続けています.

スポーツ健康科学部/研究科は理学療法士から興味を持たれるだけでなく,学部生の中でも理学療法に興味を持っている学生もいます.スポーツを経験している学生が多いため,スポーツ中のケガの治療のときに,理学療法士のお世話になり,それが興味を持つきっかけになることもあるようです.
しかし,学生に話を聞いてみると,理学療法士のことを詳しくは知らない人も多いようです.

そういったこともあり,本来の増田さんの訪問の目的は,現在執筆している論文についての打ち合わせでしたが,このブログのために少しインタビューをしてみました.ここまで少し長くなりましたので,次回以降のところで理学療法士の説明と合わせて紹介したいと思います.

では.

naru