[ research ] の記事一覧

2019.07.06

ワールドカップキャンプ地視察


久しぶりに別府市に足を運びました。
今回は、APU経由で別府市役所の観光戦略部、ラグビーワールドカップ2019推進室をご訪問してきました。
別府市は9月20から日本で開催されるラグビーワールドカップの公認キャンプ地です。
大分県は準々決勝が開催される影響で、ラグビー強豪国からの注目も高く、最終的に
ニュージーランド、オーストラリア、ウェールズ、そしてカナダの公認キャンプ地となりました。
ラグビーワールドカップの開催まであと2か月ほどになりました。
事前キャンプ地である別府市にとっては、大変お忙しい時期かと思われますが
ラグビーワールドカップ2019推進室の方々に各国代表が利用するグラウンドやトレーニングジムをご案内いただきました。

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美しく管理された芝一面のグラウンドは、ご案内をいただいた日の夕方にポールを設置する予定であるとのことでした。
もともとはこれほどきれいな芝を備えていなかったようですが、キャンプ地になることを計画してから改修をされてきたそうです。
2017年には、この場所で練習するサッカークラブやラグビークラブの子どもたちや、
グラウンドゴルフを楽しむ年配の方々と一緒に芝を植えられたそうです。
施工工事を終えて、世界最高峰のラグビーチームが選んぶグラウンドとなりました。
今は、目の前に迫ったワールドカップのために使用することなく管理されていますが、
これまでプロラグビーチーム、サンウルブズやその他トップラグビーチームがキャンプ地として利用しています。
また、ワールドカップ後は、市民に開放されるそうです。

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グラウンドの横には、トレーニングジムも新設されていました。
チームのリクエストを種々取り入れてご準備されてきたとのことで、70kgのダンベルが並んでいました。
ワールドカップ以降はこのトレーニング施設も市民が有効活用ができるよう計画され、
今後、2020年のオリンピック参加国のキャンプ地としても利用されるようです。

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写真はキャンプ時に利用されるグラウンドとトレーニングジム
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#海の見えるグラウンド
#今回も温泉には無縁
#最後は熊八さんにご挨拶

2019.06.28

Procrastinate と P

みなさん、こんにちは。嶋村です。相変わらず忙しいので今日もさっくり行きたいのですが、まあ2週連続で内容が薄いのもアレなんで、少しだけちゃんと書きます。。。


僕が担当している P は来週から発表になります。というわけで最近学生さんが僕の研究室によく来ます。授業の最初の方でも言ってたんですが、「ギリギリになって持ってこられても困るよ~」という人が結構います。あれだけ、「早め早めの行動を!」って言っていたのに何なんでしょうかね?それで今回は(忙しい中 笑)3つほどその理由を考えていました。1つ目は単純に他にクラブなど優先することがある場合です。まあここは大学なんで、僕としては到底受け入れられませんが、まあ理解できなくはないです。あとの2つはちょっと長めに書きます。それで今日は「その2」を書きたいと思います。


その2:単純な Procrastinate

Procrastinate の意味は「引き伸ばす」ですが、我々言語学者(生成文法家)はしばしば「先延ばし」の意味で使います。というのも僕がやっている生成文法の 90 年代の理論的枠組みで Procrastinate という名前の原理が文法モデルで使われていたからです。具体的には、「統語操作において顕在的 (overt) な素性照合 (feature checking) は、 照合される素性に随伴 (pied-pipe) して XP 全体の Agr などの機能範疇 F の指定部 (Spec-FP) への移動を誘発するため、非顕在的 (covert) に XP の素性のみを移動させて素性照合した方が経済的である。よって、素性照合はできるなら構造は音声的に排出(Spell-Out)する後まで先延ばしにして、非顕在的に実行する方が経済性の原理 (Economy Principle) に合っている」というものです。何のこっちゃ?(笑)


まあとりあえず、統語(文法)操作はあとの方がいいよって話です。こんなこと言うと他の研究者に怒られそうですが、このブログを読んでる言語学者なんて多分いないので、こんな感じでいいです。1995 年当時のチョムスキーという言語学者の文法モデルでは(今日の写真)、辞書 (Lexicon) で単語を選んできて統語(文法、Syntax)部門で構造を作って、Spell-Out という操作でそれを PF(音、つまり発話)と LF(意味、つまり解釈)に送るって感じです。ここでのミソは LF へ送ってもその後音には反映されない文法操作ができちゃうってことです(LF は統語の一部と考えられているので)。でさっきの話はなるべく発話では表現されない文法操作をしましょうっていうことなんですが、つまり、実際に我々が耳にする発話とは合わないとような文構造を Spell-Out 後に何かしらの文法操作で作っても大丈夫なんです。で、90 年代に(今でもですが)、「まあね僕の理論は言語現象を解釈をうまく説明できるけど、実際の発話の語順とはあわないんだよね。だから LF やってんじゃね?」的な仮定が様々な論文で乱発し、LF(PF も)は分析でうまくいかなかった部分のゴミ箱的な存在になってました。。。まあ今はもう少しマシだと思います。


それで、まあ以上のことを P 風に言うと「P の研究内容や英語を先生に見てもらうのは、先生に見てもらう原稿とともに自分の身体を随伴した先生の研究室への移動を伴うため、メールで見てもらうファイルを送った方が経済的である。さらに細かく分けて送るよりも最後に一気に送った方が、オレさま(アタシ)の手間が省けてより経済的である」的な原理が働いているのでしょうってことですね(笑)。ただし、これは僕の負担がすごく大きなって大変困ります。


ちなみに先ほどのゴミ箱の話にもつながりますが、「やはり統語構造の派生(derivation)が経済的と言っても、LF や PF で修正してくれるって仮定すること自体がまずいんじゃないの?」って、だいたい 2000 年代になって研究者が気づいたので、大きく文法モデルが変わりました。で大雑把にいうと「構造を細かく分けて LF/PF に送ろうぜ!」ってことなんですが、その細かい単位を位相 (phase) と言います。なんで、P も derivation by phase でやって欲しいですね(笑)。


ここまで書いて「僕、何やってんだろう?」ってなったので、これでやめます。多分疲れてますね。じゃ、自分の論文に戻ります、てか家に帰ります。。。

2019.06.24

研究科パンフ作成中

先日、大学院スポーツ健康科学研究科のパンフレット作成ための座談会がありました。

   

写真にあるように、
院生3名(博士後期・学振1名、博士前期・ストレートマスター1名、博士前期・社会人1名)
が協力してくれました。

院生の他に、ippo先生、聡先生も交えての座談会で、コーディネータをさせてもらいました。

テーマはまさに、
立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科の魅力は何か!?

HPなどでは伝わりづらいところを、座談会形式の中で、院生、教員の本音まで掘り下げて話をだしてもらう、というmoto先生の企画の進行役を任されました。

私の率直な感想は、
「本当に楽しい座談会!」であり、
「スポ健の院生、先生が集まるとこんなにも熱く楽しく、スポーツ健康科学を語れるのか!」
です。

    

スポーツ健康科学研究科の魅力は、間違いなく、教員、院生です。
知識、技能は、ネット環境の中である程度、学べますが、問いを立て、議論をして、新しい解決・知を生み出すには、仲間(議論する相手)が必要です。

これからの時代、学びにとって、
『誰と学ぶのか?誰と研究するのか?』
が極めて重要になってきます。

その意味でも、本研究科は間違いなく、魅力満載です!
そのことが伝わるパンフレットに仕上がるはずです。もうすぐ手に取れるようになりますので、遠慮なく、パンフレットを請求してみてください。

また、直接、院生、教員と触れる機会として、オープン研究室も企画しています。
こちらも存分に活用下さい。

日程:6 月 29 日(土)、7 月 20 日(土)、8 月 3 日(土)、10 月 26 日(土)、11 月 30 日(土)
詳細は、下記まで
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=418510

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>> 
今日から出張して、NATAのコンベンションに参加してきます。スポ健出身者、ならびにGATに協力してもらっている方々とも会えるのを楽しみにしています。
【忠】 

2019.06.19

院生の研究交流

6月はジューンブライドの季節でもあり、本学では色々な発表会も多い?季節です。

立命館科学技術振興会主催のアスターフォーラムが大津プリンスホテルで開催されました。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/center/consortium/aster/
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主に自然科学系の学生が研究成果を発表し、ASTER法人会員と交流して、新たなビジネスマッチング・コネクション構築を企図するものです。
院生の国際学会発表に関わる渡航費の一部も、ASTERに支援いただいています。
院生はそれに対して成果発信の形で還元しています。

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すると会場には、去年修士課程を修了したOkaさんの姿が!
今年から大津プリンスホテルで仕事をされています。
色々勉強することが多く大変だということですが
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この笑顔が充実ぶりを表現しています♪
おや・・・?ちょっとズームインしてみましょう。。
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これはホテル30th記念バッジ!?
なんと、0のところがビールジョッキ・・ではなく、ホテルのタワーになっています。
オシャレですね。

私たちのも負けていません。(でも、バッジはいいなあ〜。よし、つくろう!)
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これは先日の私大ブランディング事業の報告会での院生ポスターです。
本学の特長として、工学、薬学、経営学、そしてスポーツ健康科学など異分野の融合・融学が盛んなことが挙げられます。
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企業の方も興味津々に質問されています。

こうした発信や対話によってケミストリーが生まれ、次に展開されます。
特に院生のエネルギーが人を惹きつけるのだと思います。
そして未知なる展開への興味・関心・期待が私たちを駆動させるのです。

Hassy

2019.06.17

Chisakiさん (食マネジメント学部一期生)

先週は、嬉しい学生の訪問がありました!

Chisakiさん、食マネジメント学部の2回生。すなわち、食マネジメント学部の1期生です。

  [aikoa]20190617

お昼休みに突然の訪問でしたが、
「私の家族の古い知り合いの大塚さんから、先日、立命館大学の伊坂先生にお会いしたのでごあいさつしてきてたら!」 と勧められて訪ねてきてくれました。

お話しを聞いてみると、先日、私が出席したある企業主催の学生も招待した大きなイベントがあり、そのときに、大塚さんは来賓としてお越しの方でした。近くのテーブルに座っておられましたので、ご挨拶させてもらい、名刺交換をさせていただきました。

大塚さんは非常に素敵な、凛とした女性で、「歴代の総理の秘書官として・・・・」と司会の方からご紹介されていました。Chisakiさんとの縁は、Chisakiさんの祖母が東京でアパートを経営されていて、基本は男性にしか貸さないのを、特別にアパートを貸したところから縁が結ばれ、家族ぐるみでのお付き合いが始まったようです。祖母はすでに他界されたようですが、大塚さんから、「私を祖母のように思い、私の故郷の新潟をあなたの故郷のように使ってください」と素敵な言葉もかけてもらっているようです。

そのような素敵な縁に、私もつないでもらい、大変感激しています。

Chisakiさんに、東京出身なのに関西にきたのは? と尋ねたところ、

「そのような質問は高校の同級生にもたくさんされて、不思議がられていました。でも私は、食のことを学びたくて、そしてその食の学びから世界へ発信していきたくて、またイタリアにも留学できる制度があるのを知り、立命館大学の食マネジメント学部を熱望して来ました!」とのこと。

 思わず感激で一杯になり、向かいの長積学部長にすぐに報告に駆けだしてしまいました!

 やはり、『この学びがある』『面白いことができる』『極められる』など、学び、研究のコンテンツが大学の一番の魅力です。

 そのことを、キラキラしている食マネジメント学部一期生のChisakiさんから再確認させていました。

 今は、ピザ釜でピザを焼くのが楽しくてしかたないようで、イタリアへの短期留学も楽しみに学生生活をイキイキと過ごしています。こんど、ピザの試食もさせてもらえそうなので、それも楽しみです。
 
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>> 
Chisakiさんとのやりとりで、おもわずキャッチコピーを考えました。如何でしょうか?

     学生の数だけ学びがあり
     学びの先にチャレンジする
     大海が広がっています
     Beyond borders Ritsumeikan

第1回彗ひろば(バイオメカニクス研究会)が開催されました。日本バイオメカニクス学会主催です。企画提案してから約3年。じっくり時間をかけましたが、若手研究者にとっても、学会発展のためにも礎となる研究会となることを実感しています。来年も6月に開催します。スポ健から多くの発表申し込みを期待しています。ただし、この研究会は、事前に申込論文の提出、審査の上、発表者が決まりますので、発表できることが、誉れのひとつになります。是非、チャレンジを!
http://www.ic.fc.ritsumei.ac.jp/keihiroba/index.html
【忠】 

2019.06.14

先週の問題の答え

こんにちは、嶋村です。なんか最近曇りの日が多く、さらにやることがたくさんあって気分も沈んできそうですが、この前何と初めてドクターイエローを見ました!!新幹線電気軌道総合試験車のことですが、いつどこを走っているのか知られていないので見ると幸運が訪れるなんて言われたりもします。まあ全体を見たのではなく、チラッと一部を見ただけですが、何かいいことがあればいいなあ。。。


さて先週は、「現在のフランス国王はハゲである」が偽であるか、あるいはそもそもそんな人物はこの世に存在しないのでこの命題は何も意味をなさないのか考えてください、っていう無茶振りで終わった気がします(笑)。しかしこれは論理学・言語哲学にとって重要な問題で、真であるか偽であるかの2値に依拠する意味研究では、排中律が前提となっていて、「現在のフランス国王はハゲである」はこの考え方にとってちょっとした脅威なんです。排中律は、Law of Excluded Middle と言いまして、要は真か偽の真ん中はないってことです。もう少しフォーマルに言うと、ある任意の命題 P はそれが成り立つか成り立たないかのどちらかしかない 、P ∨ ¬P (P or not P) だっていうことなんですね。 例えば、「立命館大学スポーツ健康科学部は BKC キャンパスにある」という命題は真ですね。その否定は「立命館大学スポーツ健康科学部は BKC キャンパスにはない」は偽ですので排中律を満たしています。そうすると「現在のフランス国王はハゲである」は何が問題なのでしょうか?この世の中にフランス国王は存在しないので仮にこれを偽であるとしましょう。さてその否定形はどうでしょうか。「現在のフランス国王はハゲではない」は真ですか、それとも偽ですか?真と言えないですよね、だって「現在のフランス国王」は存在しないのですから。。。とういうことは偽になってしまい、排中律にとっては問題となるわけです。論理学者・言語学者たちは「えらいこっちゃ」となるわけですね。


上述の問題に関して「現在のフランス国王はハゲである」は「現在のフランス国王」という確定記述(definite decription のことで、要は定冠詞が付くような指示対象が一つに決まる名詞表現)を持っていますが、これに関して哲学者のバートランド・ラッセルは当該命題は以下の三つの意味を表していると言いました。


(1) フランスの国王が少なくとも一人存在している。

(2)   フランスの国王が多くても一人しかいない。

(3)   フランスの国王であるものは全てハゲである。


ということなんですが、以前存在を表す記号を紹介した時に ∃ と書いたと思います。「~が(少なくとも)一つ・一人存在する」という意味ですが、この存在をたった一人(一つ)にすることで確定記述を表現できます。 三つの意味を論理式で書くと:


(4)    ∃x[KF(x)]

(5)    ∀x.∀y[KF(x) ∧ KF(y) x=y]

(6)    ∀x[KF(x) B(x)]


となります。KF は「現在のフランスの国王」を表し、B は「ハゲである」を表します。ということで (4) は「 KF である個体 x が(少なくとも一人)存在している」を意味し、(5) は、「全ての個体 x と y に関して、x が KF でありかつ y も KF であるならばは x = y は同一である」を意味し、全ての個体(人間)について検討しています。そしてどんな全ての個体も KF であるならそれは全て同じであるということで KF が一人しかいないことを表現しています。そして最後に (6) ですが、「全ての個体 x に関して、x が KF ならば、x はハゲである」を表しています。これらを全て合わせると:


(7)    ∃x[KF(x) ∧ ∀y[KF(y) x=y] ∧ B(x)]


みたいな感じになります。なぜかは説明しませんが、こうなります(笑)。さて (7) は 「ある個体 x が(少なくとも一つ)あって、x は KF であり、かつ全ての 個体 y に関して、y が KF なら x と y は同一であり、かつ x はハゲている」と読みます。それが「現在のフランス国王はハゲである」の意味です(笑)。日々私たちは「現在のフランスの国王」みたいな表現をこのように解釈しているんですね(笑)。これがラッセルの確定記述なのですが、これのエラいところは排中律に合うというところです。つまり、(7) を否定すると:


(8)    ¬∃x[KF(x) ∧ ∀y[KF(y) x=y] ∧ B(x)]


となりますが、これは x の存在を否定しているので真になり、排中律が保たれるのです。このラッセルの考え方とは違った考え方もあります。ストローソンという哲学者は「現在のフランス国王はハゲである」はそもそも前提がおかしいから真偽値を持たない文であると言っています。まあどっちも正しいと思いますが、どっちかというと僕はストローソン派です。皆さんはどっち派ですか?(笑)


というわけで、もう今日は十分だと思うので続きはまた来週。

2019.06.12

国際学会の様子後編

はい、、言っていたように後編です。
有言実行、大事ですね!
先週は10th記念ロゴの国際学会デビューにまつわり、院生を中心とした学会発表の様子でした。
後編は学会の別の様子です(写真多いですが最後までお付き合いください)。

今年のACSMの基調講演は私の留学時代の先生だったBrooks博士でした。
一昔前までは肩こりの原因や疲労物質と誤解されていた「乳酸」ですが、その概念を変えてきた博士です。
私の成果もいくつか若かりし頃の顔写真付きで紹介されました。
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その後は、博士の講演記念パーティーが演者に用意されたホテルのスイートルームで開かれ、
招待されたので私も院生らを連れて参加しました。
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学会雑誌であるMSSE(https://www.ritsumei.ac.jp/shs/blog/archive/detail/?date=2019-05-15)の編集委員長のGladden博士や、本大会のHonor awardを受けたPowers博士(右奥)
などが参加していました。

 (th)20190612-ACSM3
その院生どうしで色々会話が弾んでいました。
非常にいい経験になったと思います。

先週お伝えできませんでしたが、ポスター会場では、以前、本学に来ていただいた、
循環系の運動生理学の大御所のRaven博士やそのお弟子さんで宇宙飛行士の
Pawelczyk博士(2010.10.24 敦先生ブログ参照)もポスターに来てくれました。
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さらに、運動生理・生化学の大御所の故Holloszy博士を偲んだ企画が本大会で開催されました。
It's me先生の留学時代の先生であり、本学の開設記念式典にも基調講演(上記URLの2010.10.23ブログ参照)でお話いただいたのですが、残念ながら他界されました。
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そのお弟子さんら(Booth博士やBaldwin博士など)錚々たるメンバーが懐古されていましたが、
そのメンバーからしてHolloszy博士が分野に残された功績が推し量れます。
なかでも1984年のHolloszy&Coyleの論文は引用数が2150と・・・すごい数値です。。
まさに分野の基盤を築かれたのだと思います。

こうした分野を代表するリーダーたちに本学部は講演しに来ていただいているんですよね。。
(改めて実感・・・)
今後はそうした人財を輩出する機関として、歩んで行きたいですね。

ーーかなり番外編ーー
今まで何回か行きましたが、今回のフロリダは本当に熱く、夕方でも灼熱でした。。。
夕方、学会の緊張をほぐし、宿舎付属のプールでしばしリラックス・・・
水に浮かんで空見ながら大の字になることが好きです。
 (th)20190612-ACSM10
鼻や肩など、少し出ているところがよく焼けると言いますが、
今回ショックだったのは、、お腹がとても焼けていました。。。
ん?

2019.06.11

学生にどう働きかけるのか

こんにちは。かわいです。


先週のブログで記した大学教育学会では、10年近く前から交流のある先生方とラウンドテーブルを持ちました。


 (kawai)20190604_1


ラウンドテーブルは、「経験学習型教育実践で 学生にどのように 働きかけるのか 〜学生への働きかけをめぐる実践知についての省察〜」

というタイトルです。


おもしろかったことは、登壇者の三人ともにかなり学生に寄りそって、問いかけていたということです。

例えば、私の場合、学生さんがいろいろ粘り強く挑戦していると口にしたら「どんなことを粘り強く取り組んだのですか」

続けて、「ロボコンの大会です」と答えたら、「そこでどんなことに粘り強く答えたのですか」と繰り返し、問いかける

ことを3名とも実践していました。


別の先生は、「なぜ〜をするのか」「何のために〜をするのか」「そもそも、なぜ〜するのか」と「なぜ」という

問いを繰り返し学生に渡していると実践の様子を報告してくださいました。また別の先生は、学生さん自身が感じたことを

一通り語ってもらった後、別の立場の人がどう感じていたか、その人からはどう見えていたかと複数の立場・視点を変え、

て言語化できるように働きかけていました。


言語化すること(あるいは現実それ自体)のもつ重層性を問いかけることでときほぐしていくような実践の様子が見えて

とても興味深かったです。


最後に、フロアの参加者の方々も含めて頭を悩ませたのは、

・「このような問いかけは重要だし有効だと思うが、過剰・過保護なのではないか」

・「学生が、自分たち自身でそれをできるようになるにはどうすればいいのか」

・「私たち(教職員)が与える側になることで、学生を受け取る側(受動的な立場)に固定しているのではないか」

という問題でした。研究としてはとても大切な問題を再確認できて有意義な時間でした。

実践としては、この問題を視界に収めて、日々の実践の中で悩んでいくしかなく、悩ましい限りです。


かわい

2019.06.08

調査員デビュー in 秩父宮ラグビー場

秩父宮ラグビー場で、今シーズン最後のサンウルブズ戦があり、観戦者調査のため、上京しておりました。
今回は、ゼミ生の2人も上京し、
調査員としていつも観戦者調査を運営してくださっている早稲田大学スポーツ科学研究科の院生たちに混じり
秩父宮ラグビー場で観戦者調査デビューを果たしました。
スタジアムでの観戦者調査の実施は、先週ご紹介した「調査方法論」で学ぶ一部の実践にもなるわけです。

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最初は早稲田の院生たちに、名前は聞いていたものの初めての秩父宮ラグビー場、国際試合と初めてづくしのなか
やや緊張していたようですが、院生たちのサポートもあり、きっちりと役割を果たしてくれました。
院生たちからもお褒めの言葉を頂きました。

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サンウルブズ戦の日は、「秩父宮みなとラグビーまつり」に神宮球場での早慶戦、
秩父宮ラグビー場でのサンウルブズ戦が開催されていたこともあり、とても賑やかでした。

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ゼミ生の2人と私は早めに集まって、これらのイベントの見学しながら外苑周辺を歩き、建設中の新国立競技場まで散策してきました。

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その間、様々なスポーツマネジメントの話をしながら、関西では見られない、都会のど真ん中でスポーツが中心となる街の華やかさや、
ワールドカップやオリンピック•パラリンピックに対する温度差を感じてくれたようです。

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外苑周辺は、私がまだスポーツを学問として学ぶなど一ミリも考えていなかった学部生時代に早慶戦の観戦に歩いた道であり、
社会人になって秘書としてボスの後ろについて何度も何度も歩いた道でもあります。
社会人大学院生として、年齢の変わらない恩師や若い研究仲間とともに調査研究の場として歩いた道でもあります。
そして、この道は今現在、ともに学ぶ学部生たちとともに歩くという、新たな経験を与えてくれました。


写真は秩父宮ラグビー場と外苑周辺
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。


#明治神宮野球場
#建設中の新国立競技所
#クーベルタン伯爵

2019.06.07

雨ですね。。。

こんにちは、嶋村です。今日は結構な雨ですね。。。今朝娘を保育園に送って行ったんですが、長靴を履いた時はやたらと水たまりに入りたがるのでかなり面倒です。


さて、あいにくの雨ですが今日はいろいろやることがあるので大学にいます。このブログも含めて。。。しかし特に何か書くこともないんですよね。まあこれから学会にちょこちょこ行ったりするのでまたその報告もできたらいいんですが、今のところのその準備や論文を書いたり読んだりなどで忙しくしています。まあとにかく書くことがないので、今日は前回に引き続き意味論の話をしたいと思います。今日のテーマは態度動詞にしましょうかね。態度動詞というのは「言う」や「思う」などの話者や主語がどのような信念を持っているかを表すために使います。例えば「太郎は、神が存在すると思っている」のような文の意味は、先週話した形式意味論的な考えに則れば太郎がそう思っているなら真ですし、そうでなければ偽となります。ところが、例えば、「山田さんが僕にご飯を作ってくれた」は、山田さんが存在して、彼が僕にご飯を作ってくれたという事実がある限り真ですが、「神が僕にご飯を作ってくれた」は突然胡散臭い文になります。もちろん奥さんのことを「神」と読んでいれば別ですが(笑)。この胡散臭さはどこから来るかというと、この文は「神」の存在を前提としているからなんですね。これは指示性の問題なのですが、「神が僕にご飯を作ってくれた」みたいな文を発する時に、名詞の指示対象は現実世界の中で評価されます。ところが、態度動詞の選択する文は、事情がちょっと変わってきます。すなわち、これらの動詞は可能世界への扉を開くことになります。このへんの事扱う意味論を可能世界意味論なんて言ったりしますが、クリプキやヒンティッカみたいなえらい哲学者によって考え出されました。話を「太郎は、神が存在すると思っている」に戻すと、この命題が真であるのは、現実世界の太郎が置かれている状況や彼の信念にとって「神が存在する」という命題が成立する世界に必ずアクセスできるようであれば、真となります。このため、命題はその命題が成立する世界の集合だということが出来ます。可能世界は様々です。例えばみなさんは今日どのような夜を過ごすでしょうか?晩御飯は唐揚げかも知れません。ブリ大根かも知れません(季節的にはどうかと思いますが)。タコライスかも知れません。いろんな可能性があるわけですが、どの世界でも「神が存在する」が太郎にとって成立する命題なら「太郎は、神が存在すると思っている」という文は真になります。


さて上で見たように、態度動詞を使わない環境ではデフォルトで現実世界が真偽の評価の場になるので、存在しないようなものに言及すると意味がおかしくなります。例えば「現在のフランスの王様はハゲだ」という言語学・哲学ではよく使われる例文があるのですが、これはそもそも「現在のフランスの王様」が存在しないので、へんな文だと思います。さてここで質問です!この文は偽でしょうか?それともそもそも存在しないものを語っているのでナンセンス(意味がない)なのでしょうか?ちょっと考えてみてください。


続きはまた来週。