バイオメカニクス、バイオメカニズムともに共通するのは、ヒトの動き、動作制御に関して、あらゆる領域からアプローチをかけてメカニズムを明らかにする、ということです。今回参加したバイオメカニズムは、学会の成立過程がより工学分野の方が多かったこともあり、また義手の研究がスタートになっているところが特長といえます。
今回はのテーマは、「人工の手から50年・バイオメカニズムの温故知新」でした。
大阪大学の金子先生 「多指ロボットハンドにおけるものづくりの流儀」の特別講演は、学会の歴史をひもときながら、この学会の方向性を示す興味深いものでした。
特に、医療用の手術支援ロボット ダ・ヴィンチの指を考えたとき、人間の器用さには勝てない。つまり、医師に使ってもらうには、Beyond Humanにしないといけない、という発想になった。ロボット研究には、使えるもの、面白いもの2つの方向があるが、発明後の利用価値は、圧倒的に「使えるもの」になる。そのため、人間とおなじ指、という発想ではなく、人間の5指の機能からみれば、2指だけのクリッパーによるつまむという単純な機能であるけれども、極端に小さくすること、2つのクリッパーを操作することで、手術支援ロボット ダ・ヴィンチが医療現場で活躍できた。
つまり、ヒトや動物のすぐれた機能を単に模倣するだけではなく、利用目的(ゴール)を明確にしたもの作りがこの分野においても大事であることを示唆いただいた興味深い講演でした。
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富山も景色が良かったです。パノラマ、海の幸、人情。学会中には、懐かしい友人にも会えて、旧交を温めることもできました。
【忠】
