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最新号・バックナンバー

立命館CLUB 【VOL.12】

立命館CLUB【VOL.12】

■□ 2012.9.28 ━VOL.012━
□■ 立命館CLUB-立命館の“今”を届けるメールマガジン-
■□ https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/

 立命館CLUB会員のみなさま、こんにちは。

  前号で紹介したダブルダッチの関西地区大会
 「Double Dutch Delight West 
    2012」において、本学のダブルダッチサークル、
 「Fusion of Gambit(以下:FOG)」と
 「dig up treasure(以下:DUT)」から
 出場した下記チームが、見事入賞を果たしました。

 【1位】戎(エビス)/FOG
 【2位】SAFARI(サファリ)/DUT
 【3位】BeCK‐MaN(ベックマン)/DUT
 【5位】DALE(デール)/DUT

 1位から3位までを見事、立命館大学が独占。レベルの違いを
 見せつけて、Double Dutch Delight 
 Japan 2012(10/21(日)サンケイホールブリー
 ゼ(大阪)で開催予定)への出場権を獲得しました。本大会の
 上位3チームが日本代表として世界大会に出場できます。
 世界大会に出場し、世界一の栄冠に輝くことを期待しています。

 それでは、今号も学生や教職員の情報満載でお届けしたいと思い
 ます。もちろん読者プレゼントもご用意しています。
 最後までお楽しみください。

▼学園ニュース▼

 【1】2012年度 司法試験に立命館大学から43名が合格

 法務省より新司法試験の結果が発表され、立命館大学法務研究科
 (法科大学院)修了者からは43名が合格しました(全国14位)。
 昨年度の合格者40名を上回る結果となりました。

 立命館大学大学院法務研究科長メッセージはコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/hoka/news/news_120911.htm

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 【2】世界で初めて「筋力余裕度計」の開発に成功

 吉岡伸輔スポーツ健康科学部助教は、日常生活に最低限必要な
 筋力に対して、どれほど筋力の余裕があるかを測定できる「筋力
 余裕度計」を開発しました。
 
 本研究では、椅子立ち上がり動作に必要な筋力を力学的な理論を
 もとに数値化し、筋力余裕度(各個人の筋力が日常生活に最低限
 必要な筋力に対してどの程度余裕があるのか)として世界で初め
 て示すことができました。開発した測定器「筋力余裕度計」は、
 一度、中腰の状態から立ち上がる動作を行うだけで測定可能なた
 め、体力が低下した高齢者でも簡単に測定することができます。

 今後、市販化を予定しており、家庭にある体組成計と同じような
  感覚で、手軽に筋力を測定し、筋力状態に合わせた効果的な
 トレーニングにつなげることができます。また、病院でのリハビリ
  やスポーツ分野などでの応用も期待されます。

 なお、本測定器「筋力余裕度計」は、9月14日(金)にテレビ
 東京系列の「ワールドビジネスサテライト」の人気コーナー
 「トレンドたまご」で紹介されました。

 
 詳しくはコチラ≫
 http://www.ritsumei.jp/news/detail_j/topics/10930/year/2012/publish/1
 
 動画でご覧になりたい方はコチラ≫
 http://www.youtube.com/watch?v=5aP8tGqbGAw&feature=youtu.be

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 【3】体育会バドミントン部が西日本学生選手権大会
        女子シングルス&ダブルスで準優勝


 8月29日(水)~9月6日(木)愛媛県松山市総合体育館で開
 催された西日本学生バドミントン選手権大会において、本学バド
 ミントン部が女子シングルスと女子ダブルスにおいて準優勝を
 獲得しました。

 女子シングルス準優勝  小高詩歩さん(文学部4回生)
 

 女子ダブルス準優勝   土居未紗さん(産業社会学部3回生)
                          安田若菜さん(産業社会学部3回生)
 
 小高さんは、決勝戦で昨年の全日本インカレ準優勝の東海学院大学
 の選手と対戦。第1ゲームを、22-20で奪取しましたが、不運
 にも2ゲーム途中から足の痙攣で失速。セットカウント1-2で惜
 しくも敗れ、初優勝とはなりませんでした。

 また、ダブルスの土居さん・安田さんペアは、準々決勝で優勝候補
 といわれた龍谷大学ペアに2-0で快勝して勢いに乗り、決勝へ進
 出。決勝戦では、京都産業大学ペア相手にファイナルゲームまで
 もつれる粘りを見せたものの、20-22で敗れ、惜しくも優勝を
 逃しました。

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その他学園ニュースはコチラ≫
(学園HEADLINE NEWS)
http://www.ritsumei.jp/news/index_j.html?year=2012

(学園PICK UP)
http://www.ritsumei.jp/pickup/index_j.html?year=2012&date=9
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▼EVENT(公開講座)▼

 掲載しているイベントや公開講座は、天候や諸事情により、
 延期または中止になる場合があります。問い合わせ先や
 イベントホームページをご確認ください。

 ※[事前申込制]の場合は、各問い合わせ先にご連絡ください。
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 【1】[@大分][事前申込制][有料]
    APU講座(全4回)


 「APU講座」は、開学前の1998年から年4回開催しています。

 この講座では、異文化理解や国際関係に関するテーマを主に、専門の
 教員が分かりやすく講演し、講座終了後は留学生との交流会も行います。

 どなたでもご参加いただけますので、ぜひお申し込みください。
 なお、全講座を受講された方には修了証の発行を予定しています。

 [講座日程]
  第1回 10月6日(土)13:00~16:00
  ・宇宙からインドネシアの森を見る~人工衛星データの利用~
   <講師>小林 祥子 (アジア太平洋学部助教)

  第2回 11月3日(土)13:00~16:00
  ・「気候難民」の実態:パプアニューギニアのカーテレット諸島民の例を基に
   <講師>立山 博邦(教育開発・学習支援センター助教)

  第3回 12月1日(土)13:00~16:00
  ・環境問題のローカルとグローバル
   <講師>銭 学鵬(アジア太平洋学部助教)

  第4回 1月12日(土)13:00~16:00
  ・アラブの春~なぜ今、一斉蜂起か~
   <講師>武藤 幸治(国際経営学部教授)

 [会 場]立命館アジア太平洋大学
     (大分県別府市十文字原1-1)
 [参加費]1回500円(高校生以下は無料)
      全4回一括申込み 2,000円
 [定 員]各回50名(先着順)
 [参加方法]
  申込用紙に<住所、氏名、電話番号、希望講座、講座終了後の交流茶話会
    への参加希望>を記入し、FAX、Eメール、または電話にてお申し込み
  ください。

  詳細はコチラ≫
  https://www.apu.ac.jp/home/society/index.php?content_id=6
    申込用紙はコチラ≫
    https://www.apu.ac.jp/home/uploads/fckeditor/userMenu/visitors/2012APU_Public_Lectures.doc

 申込み・お問合わせ先:
  立命館アジア太平洋大学内  株式会社クレオテック APU講座係
 TEL:0977-78-1162(平日10:00~17:00)
 FAX:0977-78-1163 E-mail:apukouza@apu.ac.jp
 主 催:立命館アジア太平洋大学(APU)
 後 援:大分県、大分県教育委員会、別府市、別府市教育委員会

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 【2】[@京都][事前申込制][無料]
 明日の京都 文化遺産プラットフォーム 第2回フォーラム
 「明日につなげよ、京の文化」


 今年11月、京都で世界遺産条約採択40周年記念の各種事業が
 行われます。40周年記念事業の基本概念は「防災、継続的発展」
 であり、人類共通の財産である世界遺産をはじめとする京都の文化
 や文化財について、府民・市民がその大切さを見つめ直し、新しい
 ものを付け加えつつ、次代に引き継ぐことの必要性とその方策に
 ついて考える機会として開催します。
 ご興味のある方は、ぜひお早めにご応募ください。

 [日 時]10月29日(月)
     13:00~16:00(開場12:10)
 [場 所]立命館大学 朱雀キャンパス ホール
 [入場料]無料(自由席)※要事前申込み
 [募集定員]430名(※応募多数の場合は抽選)

      当選者の発表は参加票(ハガキ)の発送をもって
      代えさせて頂きます。(応募締切後、3日前後)
 [応募締切]10月17日(水)必着
 [応募方法]詳細は下記URLをご覧ください。
      http://tomorrows-kyoto.jp/rdims/1029.pdf

 ◆講演
  千 玄室 裏千家前家元・ユネスコ親善大使
 ◆狂言 那須語
  茂山 千五郎 狂言大蔵流 茂山千五郎家 当主
 ◆パネルディスカッション
  <パネリスト>
  ・田中安比呂 賀茂別雷神社(上賀茂神社)宮司
  ・杉本歌子 公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会学芸部長
  ・土岐憲三 立命館大学教授 歴史都市防災研究センター長
  <コーディネーター>
  ・松浦晃一郎 前ユネスコ事務局長

 主催:明日の京都 文化遺産プラットフォーム
 共催:世界遺産条約採択40周年記念事業京都実行委員会
 特別協力:京都新聞社
 後援:京都府、京都市、京都仏教会、京都府神社庁、
    京都商工会議所、京都経済同友会、
    京都文化交流コンベンションビューロー

 お問合せ:明日の京都 文化遺産プラットフォーム事務局
     (立命館大学 社会連携課)
 TEL:075-813-8166(平日9:00~17:30)
 FAX:075-813-8167
 E-mail:info@tomorrows-kyoto.jp

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 【3】[@福島][事前申込不要][無料]
  福島漢字探検隊-漢字あそび大会2012-


 「漢字で元気に!」子どもも大人も、みんなで漢字と遊ぼう!
 漢字カルタや漢字カードなどを使って楽しく漢字を学ぼう!
 漢字グッズ満載のクイズ大会・ビンゴ大会もあるよ!

 [日 時]10月7日(日)12:00~17:00
      10月8日(月・祝)10:00~16:00
      (この間のお好きな時間に会場にお越しください)
 [会 場]福島テルサ3階・大会議室「あぶくま」
 [対 象]どなたでもご参加いただけます
 [参加料]無料・事前申込不要 

 詳しくはコチラ(チラシPDF)≫
 https://www.ritsumei.ac.jp//image.jsp?id=68069

 主催:立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所
 共催:国立大学法人福島大学
 後援:福島市教育委員会
 協賛:平凡社、太郎次郎社エディタス、
    スリーエー・ネットワーク、フォーラム・A

 お問い合わせ:
 立命館大学 社会連携課 TEL075-813-8209
 E-mail:toyomoji@st.ritsumei.ac.jp

 ※この催しは、子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振
 興機構)の助成活動に認定されています。

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 その他の公開講座はコチラ≫
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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼

 【1】[@京都][当日受付][無料]
  茶道研究部 秋季茶会


 京都御所の隣にある梨木神社にて、本学茶道研究部の秋季茶会
 を開催します。参加費は無料です。ぜひお越しください。

 [日程]10月14日(日)9:00~15:00
 [場所]梨木神社 
     京都市上京区寺町通広小路上る染殿町680

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 【2】[@滋賀][当日受付][無料]
  アコースティックギターサークル 秋期演奏会


  今年、結成16年目を迎えたアコースティックギターサークル。
 恒例の秋期演奏会です。様々なジャンルの曲をアコースティック
 ギターで奏で、歌います!ぜひお気軽にお越しください。

 [日程]10月14日(日)12:00~17:00
 [場所]びわこ・くさつキャンパス
     セントラルアーク 1階 ドリームクロスラウンジ

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 その他のスポーツ・スケジュールはコチラ≫
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 その他のイベント・スケジュールはコチラ≫
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▼立命館LIFEのススメ▼

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 現代の多様な生き方に対応した家族法をめざして
                  二宮周平 法学部教授
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 立命館の学び・研究を通して、日常生活をより豊かに、楽しく
 するコーナー。
 
 今回ご紹介するのは、法学部の二宮周平教授です。
 
 「家族の多様化」と「個人化」という現実に対応した、家族法の
 仕組みづくりについて研究されている二宮先生。どのような家族
 法が必要なのか、法律が果たす社会的な役割や法律を学ぶ魅力に
 ついてお話を伺ってきました。


 Q:先生の研究テーマについて教えてください。

 社会における「家族の多様化」と「個人化」という現実に対応し
 た、家族法の仕組みづくりについて研究しています。ただ、家族
 法という法律はありません。民法の中の「親族編」「相続編」、
 それから「戸籍法」、「家事事件手続法」に関わる部分を講学上
 の用語として家族法といいます。民法にとどまらず、より広い目
 で見ると「社会保障法」や「税法」の家族に関わる部分も家族法
 に含まれると思います。「人の生き方」「家族のありかた」が多
 様になってきた現代において、民法を中心としながら関連領域も
 含め、現状をきちんと支えられる制度を作れないか、ということ
 を研究しています。


 Q:先生が家族法に興味を持たれたきっかけを教えてく
   ださい。


 学生時代に法律相談部に所属していたこともあり、民法に触れる
 機会も多く、さらに大学院で5年間勉強しているうちに、民法の
 ことが本当に好きになりました。民法のなかでも家族法の領域に
 興味を持ったのは、当時の恩師に言われた「家族法というのは人
 間の勉強であり、人間に対する興味・関心がないといけない」
 という言葉がはじまりです。私は、人間について興味がありまし
 たので、家族法を研究してみようと思いました。

 法律は、紛争解決の一つの基準として役に立ちます。単にトラブ
 ルを解決するためではありません。誰の利益を実現するために解
 決するのか、その解決が社会にどのような影響を与えるのか、と
 普遍的に考えることも求められます。目の前の事例ひとつひとつ
 は個別性が高いのですが、最終的には判例が残り、他の事例にも
 基準として活用されます。そういう意味で、小さな事象を大きな
 視点から考えることが求められます。法律というのは、個別に対
 し追求をし過ぎて全体の不整合を起こしてはいけませんし、全体
 ばかりを考えて実際に困っている人を救済できなくてもいけませ
 ん。一定のバランス感覚のような力が身につく学問であることが
 魅力であり、興味を持った理由でもあります。

 ちなみに、大学院時代の研究テーマは「事実婚」です。自分たち
 の意思で婚姻届を出さずに共同生活する人達がいることを知り、
 個人の生き方の多様性に合わせた制度を作らなければいけないと
 課題意識を持つようになりました。


 Q:なぜ、個人の生き方の変化に合わせて法律を変える
   必要があるのでしょうか。


 現実社会との乖離がうまれてしまうと、人を守るべき法が上手く
 機能しなくなるからです。現在の法律は、夫が外で働き、妻の仕
 事は家事、という家族形態を前提としたものになっています。こ
 れを前提に、法律はじめ税制や社会保障が組み立てられています
 ので、現在の社会とうまく合致しない部分が生じてきています。
 例えば、労働者の仕事と家庭との両立をより一層推進するための
 「育児・介護休業法」という法律があります。民法でも「夫婦は
 互いに同居し、協力し、扶助しなければならない」と規定して
 います。しかしながら、妻も夫も家事と仕事を両立することが難
 しいのが現実です。

 その理由は、本当の意味で「家庭と仕事を両立でき、女性も男性
 も安心して働ける仕組み」が作られていないからです。保育所や
 介護施設の拡充など社会基盤を整備するとともに、家族法自体も
 柔軟に変化させていかなければ、良い相乗効果を生み出せないの
 です。法によって人が守られ、法改正とともに企業・官庁はじめ
 社会全体の意識や仕組みが変わらないと根本的な解決には繋がり
 ません。

 時代の変化とともに、個人・家族の生き方は必ず変化します。よ
 りよい社会を実現するためには、その変化に合わせて柔軟に法律
 を変える必要があるのです。


 Q:特に力を入れている領域はありますでしょうか。

 1996年に「民法改正案要綱」がまとめられましたが、様々な
 意見もあり、いまだに成立に至っていません。この要綱案の事例
 について研究し、成立が実現できるように努力しています。
 この法案には、「選択的夫婦別姓」「婚外子の相続分差別廃止」
 「5年以上の別居で離婚を可能にする」といった内容が盛り込ま
 れています。

 近年、離婚協議の際に夫と妻の間で、子どもを奪い合う紛争が非
 常に増えています。この状況をどう解決するかという問題に対し
 て、「親権者をどちらか一方にする」のでなく、「離婚後も『共
 同親権』にし、お互いに父母として子に対して責任を持ち、離婚
 後の親子交流や養育費の負担を決めていく」という家族形態を前
 提に離婚を認めるというケースも必要になってきます。

 この十数年で、多くの諸外国が、「家族の多様化」に即した法改
 正を行っています。日本も法改正を急がなくてはいけないと思い
 ます。「子どものために何ができるのか」が重要です。親は大人
 ですから、離婚しても様々な困難に対して、自分で乗り越えてい
 く力を持っているはずです。しかし、子どもには父母のサポート
 が必要不可欠です。

 どのようにしたら子どもにとってよりよい「夫婦の別れ方」にな
 るか、それを実現できるような仕組みを作っていかなければなり
 ません。


 Q:離婚するケースは、増えているのでしょうか。

 いま、1年間で約24万件の離婚があります。両親の離婚を経験
 する未成年の子どもも24万人近くいます。この数は年々増え続
 けており、誰でも身の回りで、誰かの離婚と遭遇する可能性があ
 ります。

 また、今は婚姻する人の約4分の1が再婚者です。再婚の場合、
 連れ子がいる可能性もあります。そういう家族形態においても、
 良好な関係性を作る必要があります。子どもにとっては、親の再
 婚相手である新しいお父さんやお母さんと、また、離れて暮らし
 ている実父や実母とどのように交流すればよいのか、難しい問題
 です。これからは、「親が何人いてもいいんだ」と、「子どもを
 大切に思う親が3人、4人と、多くても良いのだ」という発想に
 変えていかなければいけません。


 Q:昔と今では「離婚」のイメージが変わってきている
   のでしょうか。


 離婚のマイナスイメージは低下してきていると思います。

 離婚する辛さ・苦しさは今も昔も変わりませんが、意識として、
 「破綻して実質空洞化している婚姻であれば、夫婦は別れてそれ
 ぞれの新しい生活に踏み出すのも一つの選択肢である」という考
 えが一般化しつつあるのが一つの証だと思います。

 離婚する、しない、というような「選択の自由を保障する」とい
 うのが21世紀のキーワードだと思います。もちろん、選択でき
 るだけの力を身につけないといけません。「貧困や差別がない」
 という大前提のもと、選択できる力を身につけられた場合、自分
 の希望・意志に従って、ライフスタイルや家族のあり方などを選
 べることが基本だと私は思っています。


 Q:日本の民法の改正は、諸外国と比べて遅れているの
   でしょうか。


 そうですね。様々な社会基盤のシステムが「夫婦と子ども」を基
 本に作られており、選択の余地が非常に少ないです。例えば、結
 婚をした時に「夫婦同姓」となるのは日本だけです。他の国は夫
 婦同姓、別姓が選択できる制度です。韓国のように別姓が原則の
 国もあります。婚外子の相続分差別も日本だけです。

 この遅れの原因は、やはり固定観念です。夫婦や親子のありかた
 について、「家族一体」という意識が強く、モデルが一つしかな
 いからです。基準を一つにするから、そこから外れる人達が不利
 益を被るわけです。例えば、婚外子に対する法的差別に加えて、
 社会的な偏見もあり、「妊娠した」という理由で愛情の深さと関
 係なく結婚し、結局、若年者の離婚者数を増やす結果にも繋がっ
 ています。


 Q:海外はどのような状況なのでしょうか。

 日本だと嫡出子(婚内子)・非嫡出子(婚外子)、という言い方をし
 ますが、海外では、嫡出子という言葉自体がもうなくなっていま
 す。姓の選択もできます。ただ、夫婦別姓の国では、同じ姓にで
 きないという逆の悩みや辛さはあるようです。

 しかし、自分の姓をずっと生まれた時から使用していますので、
 不都合もありませんし、日常生活でも慣れています。姓を強制的
 に変えさせられることはありませんので、選択の自由が制限され
 たという問題も起こりません。

 このように日本の家族法は、他の諸外国と比べて遅れています。
 世界が「自由を尊重して、個人で選択し、責任を負う」方向に着
 実に進んでいるのに、日本ではいつまでたっても「夫婦、親子は
 一体」「同じ姓を名乗って、お父さんは仕事、お母さんは家事」
 といった家族像がなかなか壊れません。

 2010年の国勢調査の「日本の世帯形態」の速報値ですが「夫
 婦と子ども」「夫婦のみ」「一人親」「一人暮らし」「三世代同
 居」という家族形態のなかで、一番多いのは「一人暮らし」の約
 32%です。「一人暮らし」という「個人化」が増えた背景には、
 高齢の一人暮らしと単身で仕事を頑張っている若い世代の急増が
 あります。次に「夫婦と子ども」が、約28%。その後は、「夫
 婦のみ(20%)」、「三世代同居(10%)」、「一人親(8%)」
 と続いていきます。ちなみに、1985年の調査では、「夫婦と
 子ども」が40%、「一人暮らし」が21%、「三世代同居」が
 19%、「夫婦のみ(14%)」、「一人親(6%)」です。過去の
 調査と比べ、現在は「家族の多様化」と「個人化」が進んでいる
 ことが分かります。

 この傾向が続くと、現在の家族モデル(夫婦と子どもで暮らし、
 夫婦で役割は分業)が少数派になってくる可能性もあります。に
 もかかわらず、その家族モデルを法律の基本に設定するというの
 は、現実に合っていないように思います。

 このような現実と向き合い、個人の生き方の多様性に合わせた制
 度が成立されるよう研究者として、取り組んでいきたいと考えて
 います。


 Q:読者の方へのメッセージ

 もし今回のインタビューを通じて、家族法に興味をお持ちくださ
 いましたら、拙著「家族と法―個人化と多様化の中で―」(岩波
 新書2007年)をぜひお読みください。自分で言うのは少し気
 恥ずかしいですが、エッセンスが詰まっていますし、伝統的な家
 族観という固定観念を捨てて、一度頭をほぐして現実を見てみる
 という内容になっています。

 編集者が書いてくれた「多様な生き方への励ましに満ちた家族法
 入門の決定版」というコピーは気に入っています。法律は、何か
 トラブルがあったり、悩んだりしたときに支えてくれるものであ
 る必要があります。そういう気持ちで書きましたので、ぜひご一
 読ください。

──────────────────────────
いかがでしたでしょうか。

家族のあり方や個人の生き方は、時代や社会の状況によって変化し
ていきます。規定の枠に収まる人だけが救われるのではなく、多様化
する個人に対応した法律を定めていくことの重要性を改めて認識した
インタビューとなりました。

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▼編集後記▼

先日、本学の情報理工学部が主催するプログラミングコンテスト「ICT
Challenge+R 2012」を見学してきました。本コンテストは、全国の高等
学校・大学にから次世代の情報化社会を担う若者を発掘し、主体的で
積極的に活動する学生のチャレンジの場を提供することを目的に、
高校生部門と大学生部門に分かれ、2日間に渡り開催されました。

大会当日は、協賛企業から派遣された審査委員と情報理工学部の教授陣
の前で、自らが考え、作成したプログラムについてプレゼンテーション
を行い、最優秀賞をめざして競いあいました。

高校生部門は、昨年に引き続き2回目の開催であり、全国各地から22作
品の応募作品が集まり、最終選考会には選ばれた10作品(17名)が臨み
ました。大学生部門は、本年が初開催ということもあり、本学の情報理工
学部や理工学部に所属する学生を中心に応募が集まり、最終選考会には、
9作品(12名)が出場しました。
 
当日の詳細や受賞作品は、下記サイトをご覧ください。

(高校生部門)http://www.ict-challenger.jp/announcement.html
(大学生部門)http://www.ict-challenger.jp/next.html#announcement
(学園記事) http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/11061/date/9/year/2012

スポンサーの各企業様からは下記のようなご感想をいただきました。

・出場者の技術レベルが高く、驚きました。高校生は、既成の枠に
  とらわれない独創的な作品が多く、大学生は、実用性に優れた作品が
  多いのが特徴的でした。

・プログラミングに興味のある学生にとって、自分の作品を発表できる
  場が少ないのが実情です。今回のようなコンテストを目標に、
  ぜひ積極的に挑戦してもらいたいです。

・エンジニアとして「何かが足りない」と思ったら、「自分で作って
  みよう」という意識が、何よりも大切です。プログラムを作る過程を
  通じて、つくる楽しみを知り、実際に使ってもらう楽しみ、ユーザー
  からの反応で更に進化していく楽しみを経験してもらえたらと思います。

エンジニアという仕事の社会的な価値を感じるとともに、Facebookや
Googleのように、世界の仕組みを変えるような新しいプログラムを作れる
エンジニアが輩出されるくらいレベルの高い大会になることを願っています。

(立命館CLUB事務局 森山)

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▼読者プレゼント▼

 ★第12号読者プレゼント★

 今回の読者プレゼントは、立命館LIFEのススメでご紹介し
 ました二宮周平先生の著書、「家族と法-個人化と多様化の中
 で-(サイン入り)」を1名様にプレゼントします。
 
 プレゼントをご希望の方は、下記必要事項を明記の上、
 立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。
 なお、プレゼントの抽選結果は次回号でお知らせします。

  <応募締切:10/8(月)>
 応募先:立命館CLUB事務局(rclub
st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項         
を@に変更して送信
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: (3)電話:
 (4)二宮先生へのメッセージ(簡単で構いません):
 (5)今回のメルマガ内容に関する感想(簡単で構いません):
 (6)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
 (否の場合はイニシャルで表記いたします。
  ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼第11号、読プレ当選発表▼

 第11号の読者プレゼント、当選者の発表です。
 今回も多くのご応募、ありがとうございました。

 ★★★★★★★★★★★★★★★★
 ★かいちゃん (京都府)   ★
 ★★★★★★★★★★★★★★★★

 おめでとうございます。
 プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。


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次回配信予定は10月12日(金)です。お楽しみに。
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