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立命館CLUB 【VOL.257】

立命館CLUB【VOL.257】

立命館CLUB会員の皆様、こんにちは。
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長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」の共同館主に、文筆家の内田也哉子さんが就任することが発表されました。内田さんの就任記者会見には、1997 年の無言館開設当初より連携を行ってきた立命館の森島理事長も出席しました。立命館は、無言館に対して理事・評議員の派遣を含む運営サポートをはじめ、教育研究連携や人的交流など、今後一層の支援を行ってまいります。
戦火に散った画学生に想いを馳せることができる「無言館」に、この夏、足を運ばれては如何でしょうか。
https://mugonkan.jp/

▼学園ニュース▼

【1】THEインパクトランキング2024で国内私立大学で1位タイを獲得ーSDG1(貧困をなくそう)で2年連続日本一ー
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イギリスの大学評価機関Times Higher Education (THE)が6月12日(水)に「THEインパクトランキング2024」を発表し、立命館大学は総合評価で世界「201-300位」にランクインし、国内の私立大学で1位タイの最高位の評価を受けました。
THEインパクトランキングでは総合評価のほか、目標(ゴール)別の順位も発表されています。本学は「SDG1:貧困をなくそう」で2年連続全国1位(世界15位)、「SDG2:飢餓をゼロに」で全国5位(世界90位)、「SDG6:安全な水とトイレを世界中に」で全国3位(世界81位)、「SDG14:海の豊かさを守ろう」で全国4位(世界63位)、「SDG15:陸の豊かさも守ろう」で全国4位(世界86位)となり、5つのゴールで世界100位以内にランクインしました。「THEインパクトランキング」とは、国連サミットで採択された持続可能な17の開発目標(SDGs)に関する大学の社会貢献活動や研究活動に対し、THEがスコアと順位を付けたものです。各大学の強みに合致したゴールを選んでエントリーできる仕組みで、2024年は、前年よりも561校増加の2,152校が対象となり、日本の大学は74校が参加しました。
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【2】「QS世界大学ランキング2025」で世界順位「641-650位」、国内私立大学3位に
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イギリスの大学評価機関 Quacquarelli Symonds(QS)が6月5日(水)に「QS世界大学ランキング2025」を発表し、立命館大学は世界順位「641-650位」にランクインし、国内の私立大学では3位となりました。
「QS世界大学ランキング」は2010年から公表されており、今年は106カ国・地域の5,663校が対象となり、うち上位1,503校がランク付けされました。ランキングは、学術者評価、雇用者評価、教員一人あたりの論文被引用数など9つの項目で評価され、立命館大学は世界順位が「641-650位」となり、参加大学が増えて競争が激しくなる中、国内順位でトップ15入りを果たしました。なお、項目別の評価では、「雇用者評価」世界148位(国内12位)が最も高く、次いで「サステナビリティ」で世界371位(国内14位)、「外国籍教員比率」で世界505位(国内4位)となりました。
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【3】駐日ドイツ大使が仲谷学長と懇談
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6月11日(火)、クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ連邦共和国大使が衣笠キャンパスにご来学。国際平和ミュージアムにて、仲谷善雄学長、中戸祐夫副学長、君島東彦国際平和ミュージアム館長、出口雅久法学部教授と懇談されました。立命館大学は、2024年4月時点で、ドイツの25大学・機関と教育に関わる国際協定を締結しており、毎年多くの学生を派遣・受入しています。今回、長年ドイツで研究活動をしていた出口教授とのご縁により、ゲッツェ大使のご来学が実現しました。
懇談の中でゲッツェ大使は、世界を取り巻く情勢について語られ、仲谷学長からは、そうした国際社会が直面する課題を踏まえ、立命館の教学理念「平和と民主主義」とその取り組みを紹介しました。その後、環境問題や学生交流、産業育成など、多岐にわたる分野において意見を交わす貴重な機会となりました。
 なお、当日は「ドイツと日本~21世紀の課題を克服するためのよきパートナー~」と題し、ゲッツェ大使による特別講演を開催。特別講演にはメラニー・ザクシンガー在大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事も同席され、集まった約60人の参加者は、真剣な様子で講演に耳を傾けました。
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【4】産業社会学部創設60周年記念プレ企画 孫石煕客員教授講演会開催
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2025年に創設60周年を迎える産業社会学部は、6月1日(土)、孫石煕客員教授による講演会を開催しました。米中の覇権戦争、東北アジアの平和や安全保障問題などの課題について、会場に集まった約350名に向けて語りました。
講演会の冒頭、黒田学・産業社会学部長は孫客員教授をお招きした経緯とともに「授業・研究活動など、様々な形で孫先生にご活躍いただけることを願っている」と期待を込めました。
講演会は、孫客員教授が1年間、11カ国を巡り世界的なオピニオンリーダーとの対談をもとに制作された韓国のドキュメンタリー番組『三つの戦争』を上映しながら進行。新型コロナウイルスとウクライナ戦争以降の世界的な変化に注目し、とりわけ戦争に対して「政治的な矛盾が極限化され、爆発すること」との独自の定義を解説。ニュース報道についても「多角化が大事」であることを強調しました。
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【5】第19回「平井嘉一郎研究奨励賞」、第8回「平井嘉一郎海外研究者支援奨励賞」、第1回「平井嘉一郎優秀論文賞」授賞式を開催
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5月31日(金)、衣笠キャンパスの平井嘉一郎記念図書館にて、第19回「平井嘉一郎研究奨励賞」、第8回「平井嘉一郎海外研究者支援奨励賞」、第1回「平井嘉一郎優秀論文賞」授賞式を開催しました。平井嘉一郎研究奨励賞の4名をはじめ、10名が受賞しました。平井嘉一郎研究奨励賞は、ニチコン株式会社の創業者として社業の発展に努められ、同社代表取締役会長、名誉会長として、地元京都はもとより、我が国の工業界の発展に貢献された 故・平井嘉一郎氏のご令室 平井信子様のご厚意にもとづき、本学法学研究科ならびに法務研究科の大学院生の研究を奨励することを目的として2006年に創設されました。これまでに、法学研究科75名、法務研究科19名、延べ94名の大学院生が受賞しています。また、平井嘉一郎海外研究者支援奨励賞は、海外に居住する研究者が平井嘉一郎記念図書館を利用して行う国際的な研究活動を奨励することを目的として2017年度に創設されました。
そして、2023年度に新設されました平井嘉一郎優秀論文賞は、志望進路を目指して日々勉学に励む本学法学部の学生を奨励し、これにより社会の発展に寄与する人材を育成することを目的として設けられました。式典では、仲谷善雄学長から受賞者に祝辞が述べられ、賞状を授与。平井信子様より副賞として目録が贈呈されました。その後、受賞者からの挨拶や平井信子様から受賞者に対する祝意と励ましのご挨拶をいただきました。
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【6】学生・教職員と地域の方々共同で、絶滅寸前種「フジバカマ」を挿し芽で増やす活動開催
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立命館大学の学生・教職員、近隣住民、京福電気鉄道株式会社の社員で構成される「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」が、フジバカマを挿し芽で増やす作業を行いました。「フジバカマ」は京都府のレッドデータブックで絶滅寸前種に指定されているキク科の多年草。秋に薄紫色の花を付け、アサギマダラなどのチョウが集まることで知られています。万葉集にも「秋の七草」の一つとして登場し、古来親しまれてきましたが、近年は環境の変化等でその数が激減。そこで、環境保全に地域連携で取り組みSDGsの達成を目指す(※)立命館大学と、沿線の緑化活動に取り組む京福電気鉄道株式会社が2021年から提携し、嵐電沿線フジバカマプロジェクトとして保全活動を行っています。当日は、立命館大学の学生・教職員、京福電気鉄道株式会社の社員、近隣住民など65人の参加者が、衣笠キャンパスに集まりました。参加者同士和やかに交流しながら、フジバカマの挿し芽を育苗ポットに植える作業を行い、約800個のポット(1600本の芽)を作りました。
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【7】学生・校友の活躍をご紹介!
<競技かるた「第56回全国女流選手権大会」で野添美依奈さん(理工学部2回生)が初の頂点に>
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6月2日(日)、福井県あわら温泉の「清風荘」で、第56回全国女流選手権大会A級の部が開催され、立命館大学かるた会所属の野添美依奈さん(理工学部2回生)が優勝に輝きました。全国女流選手権大会は、階級別にトーナメント戦を行い、競技かるたの女性日本一を決定。名人位・クイーン位決定戦、全日本選手権大会、全国選抜大会の3大タイトル戦に次ぐ位置付けの大会です。和装の女性選手たちが集い、その華やかさでも毎年注目を集めています。野添さんの出場したA級の部は、競技かるた界のトップリーグで、段位4段以上の実力が必要です。野添さんは62人の選手の中から勝ち抜き、見事初優勝を手中に収めました。

<学生がつくるアメリカンフットボールホームゲームをBKCで開催>
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立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)開設30周年を記念したアメリカンフットボール対関西学院大学が、6月9日(日)に開催されました。このイベントは、大学スポーツの応援文化を醸成することを目的に、学生主体で企画・運営されました。
試合は、終了まで残り時間わずかで8点差を追う厳しい展開でしたが、チームの底力と観客の応援により同点に追いつき24対24の引き分け、当日会場に詰めかけた観客に大きな感動を与えました。当日は、5500名の観客が集まり、学生団体のブースや新入生の出店、チアリーディング部の応援パフォーマンスなど、多彩な企画で盛り上がりました。さらに、「ASICS GREEN BAG PROJECT」として、使われなくなったスポーツウェアの回収と限定Tシャツの配布が行われ、環境保全にも貢献しました。

<体育会カヌー部が「第14回全日本学生カヌー長距離選手権大会」で男子カヤックペア・女子カヤックシングル優勝>
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5月10日(金)ー12日(日)、京都府久美浜湾カヌー競技場で開催された「第14回全日本学生カヌー長距離選手権大会」に、体育会カヌー部が出場。小山田香貴選手(スポーツ健康科学部4回生)・沼田蒼太朗選手(スポーツ健康科学部2回生)が男子カヤックペアで優勝、今西愛依選手(食マネジメント学部4回生)が女子カヤックシングルで優勝を果たしました。
男子カヤックペア(全日本学生の部)で出場した小山田選手・沼田選手は、1年ぶりの長距離レース。自分たちの持ち味でもあるスタートダッシュで先頭に出て、ペース維持を意識して漕ぎました。レース中、陸に上がってカヤックを運ぶポイントが複数あり、苦戦を強いられますが、早めにペースを持ち直すことができた結果、優勝につながりました。
また、女子カヤックシングル(全日本学生の部)では、今西選手が長距離レースに初出場。5周するコースを、先頭集団で順位をキープします。荒天のなか、向かい風で強みを見せ、ラスト1周でトップに立ちます。全ての力を出し切る思いで、ゴールまで漕ぎ切り優勝しました。ともに頑張ってきたチームメイトの応援も励みとなり、ラストスパートで力を発揮して掴みとった1位となりました。
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その他学園ニュースはコチラ≫
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▼EVENT(公開講座など)▼

【1】[@バスツアー][@オンライン][要事前申込][有料]
【オンライン講義とバスツアー 本郷真紹先生の解説で古代史ゆかりの地を巡る人気企画第4弾!】
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立命館アカデミック・ツアーは、立命館オンラインセミナーに加えて、現地で「ほんもの」を見て・触れて・体験することで、さらに理解を深めることを目的にしたフィールドスタディ型ツアーです。 今シリーズでは、日本史探究で人気の本郷真紹先生(立命館大学文学部)が同行し、日本古代史にゆかりの地を訪問します。 オンライン講義とフィールドスタディ型ツアー(バスツアー)で、日本古代史の実相を学びましょう。
※お申込みには立命館アカデミックセンターの会員登録が必要です。
※バスツアーをお申込みの方は全員、オンライン講義を受講できます。 (バスツアーの受講料にはオンライン講義の受講料が含まれています。)
※お申込みにあたっては「お申込み・受講にあたっての注意事項」をお読みください。
詳しくは以下HPを必ずご確認ください。

詳細はコチラ≫

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【2】[@衣笠][オンライン][無料][要事前申込]
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<7月のテーマ> 
漢籍の東西伝播
(企画:立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)

[日時・テーマ・講師]
◆7月6日(土)
平安貴族の読書 ―藤原道長はどうして漢籍を蒐集したのか
慶應義塾大学 名誉教授  佐藤 道生

◆7月27日(土)
敦煌文献に見る漢籍の伝播
立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所 研究員  髙井 龍
いずれの日程も、
[時 間]10:00-11:30
[受講料]無料
[開催方法]衣笠キャンパス+ZOOMのハイブリッド
詳細はコチラ≫
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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼

【1】[@京都]
硬式野球部【令和6年度 関西学生野球連盟 前期チャレンジリーグ】VS京都大学
[日 時]7月6日(土)
[場 所]柊野総合グランド
詳細はコチラ≫

【2】[@京都]
サッカー部 【関西学生サッカーリーグ(前期)】
1)VSびわこ成蹊スポーツ大学  2)VS京都橘大学
[日 時]1)7月7日(日)17:00  2)7月14日(日)17:00
[場 所]原谷グランド
詳細はコチラ≫

【3】[@滋賀]
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ホッケー部(男子) 【高円宮牌2023ホッケー日本リーグ】VS BlueSticksSHIGA 
[日 時]7月6日(土)15:00
[場 所]OSPホッケースタジアム 
[入場料]前売 \1,800
詳細はコチラ≫

【4】[@奈良]
ラグビー部(男子) 【2024 関西大学春季トーナメント】VS関西大学
[日 時]7月6日(土)14:00
[場 所]天理親里ラグビー場
詳細はコチラ≫

★課外団体の開催予定のイベントは以下のHPで随時公開していきます。
ぜひご確認ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/sports-culture/all/schedule/

▼研究者インタビュー▼

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研究者インタビュー
 ー『立命館・毒きのこ拠点:Ritsumeikan Poisonous Mushrooms Base, R-PM base』の設立を目指してー
    薬学部薬学科
  井之上 浩一 教授
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今回の研究者インタビューは、薬学部の井之上先生にお話を伺いました。分析化学をご専門とする井之上先生ですが、研究対象は幅広く、その中でも現在は「きのこ」の分析とその活用に興味をお持ちです。「毒キノコから新薬を創り出す」ことを目指して精力的な活動を続けておられる井之上先生のお話をお聞きください。

Q.ご経歴を教えてください。
千葉県千葉市の出身です。大学2年生から一人暮らしを始め、星薬科大学のある戸越銀座に10年暮らしていました。大学時代は小学校から続けていた野球部に所属し、研究室配属とともに実験の方にシフトチェンジしました。研究室は薬品分析化学教室であり、国立の研究所(国立公衆衛生院:今は改組・廃止されました)から来たばかりの教授(中澤裕之 先生)のもと、当時、日本中を騒がせた環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)のヒトばく露評価に関する分析手法開発やモニタリング調査を行っていました。このときは、実験結果が行政施策や社会を揺るがすことに繋がり、日々、胃が痛くなる思いでした。そのなかでも「医薬品・医療用具等安全性情報」として日本中に情報提供された点滴チューブ(特にフィーディングチューブ:生まれたての赤ちゃんが鼻から栄養を摂るときなどに使う医療用チューブ)から溶出するフタル酸エステルの測定とリスク評価が最も胃が痛くなる取り組みでした(以下にリンク)。それ以外にも、今では薬剤師国家試験にも出題されているビスフェノールA、ノニルフェノール、有機フッ素系化合物のヒトばく露に関する分析法開発を博士課程と助手時代に行っていました。
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               星薬科大学 薬品分析化学教室在籍時の1枚

医薬品・医療用具等安全性情報(厚生労働省医薬局 2002年)
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/10/h1031-1a.html#12

Q.先生が研究者を目指されたきっかけを教えてください。
正直、目の前のことを精一杯やっていたら、大学の助手になっていました(当時は「120%がんばります!」と言っていました)。それでも「きっかけは?」と問われると2つあります。
1つは、自分の検討した分析法で測定した結果が素晴らしいと評価してもらったことです。2000年、厚生労働科学研究で日本中の衛生研究所の著名な先生方が集まり、班会議が行われました。その会議の中で、私がヒトの標準血清からビスフェノールAを測定し、その結果を発表するドキドキなプレゼンをしました。そのプレゼンの後、多くの先生方が、分析結果を出す信頼性とその裏にある努力を絶賛してくれて今でもその感動は忘れられません。もう1つは、博士課程のとき、実験をさぼって図書館の地下に隠れていたとき、ふと古臭いジャーナル(1920年ごろ)を見て「この人は恐らくもうこの世にいないけど、著者としての名前は残っているのか」と思い、誰からも読まれなくても自分の論文が世界中の図書館に残ることは、生きていた証になると感じてしまったことです。今では100報以上を手掛け、その気持ちも薄れてきましたが、論文が受理されるたびに思い出す出来事です。

Q.先生のご専門、そのなかでも特に力を入れておられる事について教えてください。
私の専門は、分析化学を基盤として食にまつわる様々なリスクを排除していくことです。食は私たちにとって最も重要な生活様式である一方で、すべてが安全とは言い切れません。食の安全や安心に係わる事例として、農薬や食品添加物などが挙げられます。いずれも、分析することで安全と安心を与えることができます。現在、私たちの研究室でも残留農薬や食品添加物の分析法を手掛けています。
立命館大学に着任してから、少し面白い研究を手掛けることになりました。これは大学の風土なのか、チャレンジング精神なのか分かりませんが、2019年にクラウドファンディングを行い「毒きのこデータベースの開発と創薬への挑戦」というテーマを立ち上げました。毎年、日本では毒きのこによる食中毒が発生しています。その食中毒は重症なことが多く、死亡する事例も報告されています。しかしながら、毒きのこは数百種類以上も存在しており、未だに分からないものもあります。また、「毒薬変じて薬となる」ということわざがあるように、薬学では毒性学と表裏一体であることを学び、毒から薬ができることは珍しくありません。つまり、最新の分析技術を使って、日本中の毒きのこにスポットライトを当ててみたくなりました。誰もこんな奇妙なことはやりません、世の中の人は食べられるきのこしか興味がないからです(多くの人は、ベニテングダケよりもマツタケの方が大好きです)。

Q.毒キノコに関連する研究に携わってこられた中で、面白いエピソードがあればお願いします。
カキシメジという毒きのこがあります。この写真のきのこは、大学構内(BKC)で採れたものです。実は、BKCには色々な毒きのこが生えています。カキシメジというきのこの毒は、ウスタリン酸と言われています。私たちの分析装置でウスタリン酸を測定することができます。そこで、BKC産カキシメジを分析するとウスタリン酸が検出されません!例えば、他の地域(和歌山で採取したもの)はウスタリン酸が含まれています。この結果から、日本中では生えている場所や地域で、毒の成分が異なることが分かりました。これは育った環境が違うのか、そもそも違う種類なのか、その原因は分かりません。ただ、これも最新の分析装置で誰も興味を持たない毒きのこを調べたから分かったことです。近年の地球規模の環境変動により、知らず知らずに毒きのこが変化している可能性があります。森や森林を守ることは毒きのこの多様性にも影響を与えていたのですね。
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              カキシメジ(毒きのこ)

Q.立命館大学、そして立命館で学ぶ学生の印象は如何でしょうか?
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私は「機器分析化学」という1回生の講義を担当しています。その講義の初め(講義の枕【まくら】と言っています)、毒きのこの話をすることがあります。薬学部の学生たちはみんな知っていると思います。このときばかりは、全員が講義スライドに注目して、声を出して感動や笑いが起きるときです。講義のレポートにみなさんが感想を書いてくれます。恐らく、立命館大薬学部の学生たちは卒業しても「毒きのこが好きな先生いたよね!?」と忘れられない講義だと自負しています(笑)。『学生の印象』はどうですかね、積極的に手を挙げて質問することはないのですが、このようなレポートなどの自由記載をすると、本当に面白く志のある学生が多くみられます。学生のみなさんは表には出さないけれど、心のうちは積極的で色々なことに興味があるんだなと感じますね。
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      講義のレポート感想

Q.最後に、先生の(ご研究の)今後の展望を教えてください。
『立命館・毒きのこ拠点:Ritsumeikan Poisonous Mushrooms Base, R-PM base』を設立したい!「毒きのこなら立命館」と日本中の愛好家、企業、消費者、子供たちまで幅広く知ってもらえる何かを作りたいです。例えば、鳥取大学では菌類きのこ遺伝資源センターがありますが、菌株の収集・保存・提供など、基礎研究に重点を置いている機関だと思います。しかし、私の考えるのは、実装型で応用への展開です。例えば(これが一番実現したいこと)、毒きのこから新しい薬を作り出すこと。これは今年から本格的に始動しています。あとは、製薬・食品・化粧品の企業などに提供できる毒きのこシーズや科学情報を構築すること。それと、地域の人や子供たちが興味を持ってくれる毒きのこミュージアム、観察会、一緒にやれる遺伝子判定(種別判定)など。まさに「食べるだけでない」を追求することは競争相手のいないブルーオーシャンさながらです。今まではコロナ禍という状況もあり、きのこ狩りや実験なども殆どできなかったのですが、昨年ぐらいから少しずつ進めるようになってきました。
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        キノコ狩りの風景(2023年9月下旬)

2024年度の研究室メンバーです。最初の写真(星薬科大学 薬品分析化学教室)と比べて欲しいですが、まだまだあそこまでの所帯ではなく、当時の研究レベルにも追いついていません。いつか、自分の師匠(中澤裕之 先生)を超えられる日が来れば良いのですが、とりあえずは学生たちと日々、楽しみ、ときには泣きながら(胃が痛くなっては困りますが)、実験したいですね。
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       2024年度の研究室メンバー

▼輝く学生インタビュー▼

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第222回輝く学生インタビュー
「夢、目標の実現を目指して今を生きています」
産業社会学部3回生 木村星陽さん
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今回の輝く学生インタビューは、「京都でゼロから学生起業〜金もコネもアイデアもない学生による起業の始め方〜」を出版した木村星陽さんのお話をお届けします。夢、目標の実現に向けて、今出来る事、すべき事に邁進する木村さんのエナジー溢れる声をお聞きください。

Q.自己紹介をお願いします。

愛知県の出身です。産業社会学部に入学後、元々教育に興味のあったことから学習塾でアルバイトを始め、しばらくしてからアルバイト先の会社から話をいただいたので、学習塾の教室長を務めました。その後、複数の教育系会社の運営補助、コンサルティング等で生計を立てつつ、京都、滋賀、奈良で飲食、補助金などの新規事業の創設に携わっています。私の場合は、お金起点のアルバイトでは無く、将来の目標の「学校を持つ」、将来と言ってもざっくり40歳頃なんですが、これを起点に考えが始まりました。

Q.学校を持ちたいというモチベーションはなんですか?
現在の日本では、高校生の約75%が普通科に所属しています。私が高校生の時に先生に、「高校は義務教育じゃないんだから、自分で選んだんだから」と言われたんです。その時に感じたのは、「高校って自分で選んだという自覚がないな」という事です。義務教育ではないと言っても、実質的には普通科にそのまま進学する人が大多数です。では、なぜ普通科を選ぶということに当事者意識を持っていないんだろうと思ったんです。そう考えると選択肢がないんですよね。ですので、普通科と比べても遜色ないような選択肢を提案できる学校を用意すべきと考えました。この選択肢があることによって初めて「普通科を自分で選んだ」と言えるなと思ったんです。ですから、高校卒業時のバリューとしては普通科の学校と似たようなものだとしても、その過程が違うものを作るとは社会的な意義につながるなと考えました。日本に今ある学校のなかでは、「神山まるごと高専」という高等専門学校がイメージに近いです。「15歳から、テクノロジーとデザイン、起業家精神を一度に学ぶ」をキャッチコピーに、日本全国の起業家たちがお金を出し合った高専で、デザイン、テクノロジー、起業の三つの分野から、5年40人全寮制で学ぶというところです。実際にヒアリングに行って、「こういう展開だったら差別化できるな」と凄く刺激をもらいました。私が教育関係者や起業家界隈の人に「学校を作りたいです」という話をしたら、2年くらい前までは「すごいね」「頑張って」という感じでしたけど、話をすると半分くらいの確率で、「神山って知ってる?」と返ってくるんです。これまでに無い考え方の学校で本当に注目を浴びているので、この流れというか、考え方を自分なりにブラッシュアップして、さらに良いものが造れたらなと考えています。

Q.「40歳で学校を持つ」ために、どういうことに今実際に取り組まれていますか?

そうですね。僕だけじゃない話ですが、正課や熱中している課外活動に限らないことを経験したほうがいいと思うんです。というのも、20歳そこそこで自分の持っている手札が全部オープンされることはないんですね。いつ自分の持っている手札がオープンされるかは分からないので、ひとまず自分の興味とは全然違う経験というのをどんどんしていくことで、「あ、実はこれ、得意なんだな」というのが見えてくると思うんです。
逆に言うと我々の年代で視野を狭めてしまうと、小さくまとまってしまって本来のポテンシャルを発揮できないとも思っています。ですので、今、意識して取り組んでいることは、「いまの取り組み」に固執せず、できるだけ幅広く活動していくことです。「自分はどういう手札を持っているんだろう」、「自分はどんなカードで勝負できるんだろう」を見つけるための経験を意識的に行っています。

Q.では、将来的には「学校を持つ」というプランが変わる可能性も?

あります。就職でも、起業でも、学校をつくるでも、何でもですが、動詞になっているものは、目的ではなくて手段なんです。私も「学校をつくりたい」と言ってはいますけれど、別にこれに拘ってはいなくて、私の目的は「普通科を何気なしに選ぶのではなくて、そこに対して当事者意識を持って、中学時代、高校時代の学びに対して意欲的になってくれればいい」なので、これに向けて他の方法があるなら、そちらの方策に取り組むつもりです。実際に、最近では、卒業後のリスキリングとして勉強する方法もあるんだろうなとも思ったりしています。あと、簡単に言っちゃいますけど、私は「夢」と「目標」は明確に使い分けています。私にとって、叶え方がなんとなく分かったら、あとは実行するだけのものを「目標」と言っています。

Q.では、木村さんの「夢」を聞かせてもらうことはできますか?
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壮言になりますが、日本に小さなシリコンバレーを100個つくることです。何かというと地方産業、地方の自治体であるとか、その地方が地方のみで産業が回っていくような仕組みをつくりたいと考えています。一つの地方でできたらそれがモデルケースとなって、いろいろなところに広がるんだろうなと思っています。
僕自身、故郷の愛知が好きなんですが、例えば、大学の選択ひとつとっても非常に限定的なものになっています。実際、立命館の学生数3万人のうち、2,000人くらい愛知県だったりするんですよ。15人に1人が愛知県、逆に言うとそれくらい立命より魅力的な選択肢が愛知県には無いと思っています。愛知でこれですから、これがほかの都道府県だったらどうなってしまうんだろうと危機感を持っています。
あとはどこでも、地方の産業が国庫の支出金ばかりに頼ってしまっていれば、結局じり貧なわけで、投資効率がやっぱり100%以上にならないと、地方が見切られてしまうと思うので、これを回避する方策として「シリコンバレー100個」の夢を持っているわけです。

Q.立命館は如何でしょうか?
立命館という学校は本当にすごく多くの選択肢があるんですよね。また、学生が頑張ることに対して本当に温かい目で見守ってくださいますし、実際に様々な制度があります。この規模の大学で、ここまでしていただけるのは、他の学校にはあまり無いのではと感じています。
エクステンションセンターの資格講座はその象徴だと思います。立命の学風をすごくよく表している、多様な選択肢を学生に与えてくれている制度だなと思います。実際に、OB、OGの方とお話をしていても、すごく寛容で、好意的に機会を与えてくださるので、いい学校に来たなと心から思っています。
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Q.卒業後、いわゆる勤め人になるのか、そういうことを経験せずに、また違う自力で歩き出すのか、どう考えておられますか?
これは勤め人になる、ほぼ一択です。何故かと言うと、ある一部の人を除いて、個人で仕事をするとなると絶対的に経験できないことがあって、それは大きな資本を動かすことだと思うんです。大きな資本を動かす事や組織全体として動いていく様子というのを見ていないと、個人で仕事をする際にも大資本側の視点が理解できないと物事を進められないと思うので。
別の観点では、小さなシリコンバレーを100個つくりたいと言っているので、全国に対してインパクトを残すのなら、すでに全国にインパクトを残しているような企業に入って、そこで経験を積ませてもらわないとお話にならないというか、「ビジョンだけ持っていても実力がないですよね」と言われたら、「そうですね」と言うしかないので、まずそこに共感できるような企業理念であるとか、事業をされている企業に入って、そこで「意外に自分のやりたいことが実現できるかなと」思ったらそこにいればいいですし、業界内が見えてきて別の企業に転職するのでもいいし、独立するのでもいいですし。

Q.最後に将来への思いをお願いします。
消費する以外のことで、いろいろな人が楽しいなと思える世の中になったらいいなと思っています。例えば大学生になってお酒を飲むのが楽しいとか、何か空き時間にお金を使ってカラオケに行くとか、旅行に行くとか、それも勿論素敵なんですけれど、これらの「消費」からの楽しみだけでなく、「生産」から楽しみを得られる世の中にしていきたいです。「学ぶ」ことや「つくる」ことは本来、自分のやりたいことを起点に動かし始めるわけですから、消費することよりも面白いはずなんですが、現状、これを当事者として思えている人は少ないのが実感なので、プロダクティブな営みを「面白い」と思える人が増えれば、すごく素敵な世の中になるのかなと思います。
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▼第257号読者プレゼント▼

今回は、な、なんと、「立命館オリジナル目覚まし時計」を3名様にプレゼントします!
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プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします

 <応募締切:7/22(月)>

【パソコンの方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekcs-56c4828b83b7298508e5197dc24b61ce

【携帯電話の方はコチラ】
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 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
  立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼第256号読プレ当選発表▼

多数のご応募ありがとうございました。256号の読者プレゼントの当選者発表です。
プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

・ranaさん(京都府)・プリンさん(大阪府)・H・Mさん(山口県)

次回のご応募もお待ちしています。

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次回の配信は7月26日(金)です。お楽しみに。
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