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立命館CLUB 【VOL.77】
2015年07月24日
立命館CLUB【VOL.77】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━VOL.77━━━■□■ 2015.7.24 立命館CLUB-立命館の“今”を届けるメールマガジン-
■□■ https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/
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立命館CLUB会員の皆様、こんにちは。
暑さもだんだんと厳しくなってまいりました。先日は台風が上陸しましたが、
皆様、影響などありませんでしたでしょうか。
京都は祇園祭の前祭の期間でしたので、雨の中の山鉾巡行となりました。本日の後祭
山鉾巡行は、晴天に恵まれました。
今号は、学生たちによる夏にふさわしいイベントの様子からお届けします。
7月4日(土)、滋賀県草津市立まちづくりセンターにて、本学草津天文研究会が
「夏の星座学習会」を開催。小学生・保護者54名の方々にご参加いただき、プラネタ
リウム公演や、七夕の笹飾り作りなどを行いました。
7月4日(土)~5日(日)には大津市にて、体育会ヨット部が「チャレンジヨット」
を開催。京都・滋賀の支援学校に通う児童・生徒を対象に、ヨットを体験してもらおう
というイベントで、今年は「八日市養護学校」「京都ダウン症児を育てる親の会」
「向日が丘支援学校」の3団体に参加していただきました。
7月9日(木)には、衣笠キャンパスにて、邦楽部が「七夕コンサート」を開催し、
夏らしく涼しげな浴衣姿の部員たちが、優雅な和楽器の音色を奏でました。
夏もいよいよ本番ですね。
それでは、今号も学生や教職員の情報満載でお届けします。
読者プレゼントは、「新深草うちわ『大文字の送り火』(立命館の判入り)」です。
応募方法は最後にお知らせします。それではお楽しみください。
▼学園ニュース▼
──────────────────────────────────────【1】経済産業省 平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」に採択
経済産業省による平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」に本学のプロ
ジェクトが採択されました。本事業は、学生・社会人を対象として、サービスに関
する経営人材を育成するために大学などが産業界(主にサービス事業者)と連携し、
実践的かつ専門性を有する教育プログラムの開発・実証を行う取り組みを支援する
ものです。当事業で開発された教育プログラムで学び、実践的かつ専門的な知識を
習得することで、サービスにおけるイノベーションを創出しうる能力を持つサービス
経営人材の育成を目指しています。本学のプロジェクトは、「食サービス分野におけ
る高度マネジメント人材育成」をテーマに据え、食に関わる文化・ビジネス・科学的
アプローチの3領域に精通し、食サービス分野の将来の発展を担う、グローバルな視
点を備えた高度マネジメント人材育成のための高等教育・リカレント教育のカリキュ
ラム開発に取り組みます。
詳細はコチラ≫
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【2】スポーツ健康コモンズ(仮称)新築工事 安全祈願祭を実施
6月30日(火)、びわこ・くさつキャンパス(BKC)において、「スポーツ健康コモンズ
(仮称)新築工事 安全祈願祭」を実施しました。長田豊臣・学校法人立命館理事長や
吉田美喜夫・学校法人立命館総長をはじめとする学園関係者ならびに設計・監理・施工
会社など工事関係者が集い、安全祈願の神事を厳粛に執り行いました。長田豊臣・学校
法人理事長は、「この施設は昨年制定した『立命館スポーツ宣言』をまさに体現する
高度な教育・研究拠点、そして地域社会との交流拠点であります」と述べました。
スポーツ健康コモンズ(仮称)は、アリーナ・プールなどで構成され、学生・教職員・
父母・校友や地域住民などのスポーツ・健康づくりを通して、交流・連携を図る場所
となることを期待されています。2016年7月に竣工、9月に供用開始の予定です。
(写真左)安全祈願祭会場の様子
(写真右)鋤入れを行う長田理事長
詳細はコチラ≫
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【3】本名純・国際関係学部教授が第31回大平正芳記念賞を受賞
この度、本名純・国際関係学部教授(国際地域研究所長、立命館グローバル・イノ
ベーション研究機構研究プロジェクトリーダー)が、著書「民主化のパラドックス-
インドネシアにみるアジア政治の深層」(岩波書店)で、第31回大平正芳記念賞を受賞
しました。本賞は、1985年に創設され、「環太平洋連帯構想」の発展に貢献する政治・
経済・文化・科学技術に関する優れた著書、環太平洋地域についての地域研究を表彰
する賞です。今回の受賞は、本名教授の著書が多数のインタビューを交えてインドネ
シアの政治を分析し、詳細な人間関係・組織関係の具体的な解説を通じて、民主化の
実態の正しい理解へ読者を導いた点が高く評価されました。贈呈式は、6月12日(金)
に東京都千代田区一ツ橋の如水会館で行われました。
(写真左)贈呈式の様子
(写真右)集合記念写真(後列左が本名教授)
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【4】土肥寿文・薬学部准教授が第4回GSC奨励賞を受賞
この度、土肥寿文・薬学部准教授が第4回GSC奨励賞を受賞しました。「GSC奨励賞」
は、公益社団法人新科学技術推進協議会(JACI)が、人と環境にやさしく、持続可能
な社会の発展を支える化学および化学技術であるGSC(Green & Sustainable Chemistry)
推進に貢献が期待できる業績を表彰するものです。今回、「GSC奨励賞」を受賞した土
肥准教授の研究テーマは、「酸化的カップリングにおける新規超原子価ヨウ素触媒法の
開発」というもので、環境調和の視点から医薬品などの合成において理想とされる酸
化的カップリング法を従来必要であった金属触媒を使うことなく実現することに成功。
日本の輸出可能な数少ない元素資源であるヨウ素の利用価値を飛躍的に高めたと同時
に、GSCの目的に適う環境調和型酸化反応の実現に資するもので、これらの点を評価
されての受賞となりました。授賞式は、7月7日(火)に一橋大学一橋講堂において実
施されました。
受賞した土肥准教授
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【その他学園ニュース】
学園HEADLINE NEWSはコチラ≫
学園PICK UPはコチラ≫
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▼EVENT(公開講座)▼
掲載しているイベントや公開講座は、天候や諸事情により、延期または中止になる場合があります。問い合わせ先やイベントホームページを
ご確認ください。
※[要事前申込]の場合は、各問い合わせ先にご連絡ください。
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【1】[@京都][無料][申込不要]
「ARC Week 2015」
立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)「日本文化資源デジタル・アーカイブ
研究拠点」は、2014年度より文部科学省 共同利用・共同研究拠点に認定され、学術
レベルでの日本文化資源のデジタル・アーカイブを促進する拠点として、研究活動を
行っています。
(第1部)祇園祭 デジタル・ミュージアム展 2015
[日 時]7月22日(水)~7月24日(金)
10:30~17:00(最終日は14:30まで)
[場 所]京都文化博物館 別館ホール
[入場料]無料
(第2部)「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」国際シンポジウム
[日 時]7月25日(土)13:00~17:25
[場 所]立命館大学 アート・リサーチセンター
[入場料]無料
(第3部)「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」workshop期間
[日 時]7月26日(日)~7月28日(火)
時間は開催日により異なります(下記詳細をご覧ください)
[場 所]立命館大学 アート・リサーチセンター
[入場料]無料
詳細はコチラ≫
また、立命館大学アート・リサーチセンターが協力する展覧会も開催されます。
「第19回 能装束・能面展 ~継承の美~」
[日 時]7月31日(金)~8月2日(日)
10:00~18:00(最終日は17:00まで)
[場 所]京都文化博物館6階
[入場料]無料
詳細はコチラ≫
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【2】[@大阪][無料][要事前申込]
大阪いばらきキャンパス開設記念シンポジウム
「関西を基点としたアジア・イノベーションの可能性」
立命館大学大阪いばらきキャンパスの開設を記念して、日本を代表する実務家・
研究者が、世界中から招聘された著名研究者と、関西を中核としたアジア・イノ
ベーションの可能性について語り合います。世界の議論の最先端に触れるこの機会
に是非ご参加ください。
[日 時]7月30日(木) 14:00~18:00(開場13:30)
[場 所]立命館大学 大阪いばらきキャンパス
立命館フューチャープラザ(B棟)・カンファレンスホール
[入場料]無料
詳細はコチラ≫
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【3】[@滋賀・京都・大阪][無料][要事前申込]
2015年度 ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ
◆高校生対象@びわこ・くさつキャンパス
(1)「スポーツ健康科学部夏期体験セミナー2015」
(伊坂忠夫・立命館大学スポーツ健康科学部教授)
[日 時]7月26日(日)
午前の部 9:35~12:00
午後の部 13:30~15:55
[場 所]立命館大学 びわこ・くさつキャンパス
[参加費]無料
(2)「量子力学の原理に基づく盗聴できない未来の暗号通信の体験」
(山下茂・立命館大学情報理工学部教授)
[日 時]8月3日(月)10:30~17:00
[場 所]立命館大学 びわこ・くさつキャンパス
[参加費]無料
◆小学生・高校生対象@大阪いばらきキャンパス
「ウソとまこと対決:『ウソ』が生まれて無くなるまで」
(宮脇昇・立命館大学政策科学部教授)
[日 時]8月2日(日)
10:00~12:30(高校生の部)
13:00~16:30(小学5・6年生の部)
[場 所]立命館大学 大阪いばらきキャンパス
[参加費]無料
◆小学5・6年生対象@衣笠キャンパス
『「見ている」ものから見えること~みんなで探ろう!<視線>のふしぎ~』
(岡本尚子・立命館大学産業社会学部准教授)
[日 時]8月8日(土)10:00~15:20
[場 所]立命館大学 衣笠キャンパス
[参加費]無料
詳細はコチラ≫
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【4】[@京都][無料][申込不要]
立命館土曜講座 公開講演会~戦後70年企画~
戦後70年と歴史認識について-「戦後70年」から何を学ぶか
[日 時]8月22日(土) 14:00~16:00
歴史に学ぶ、「戦争の気配」の感じ方
(加藤陽子・東京大学文学部教授)
8月29日(土) 14:00~16:00
永続敗戦レジームと戦後の終わり
(白井聡・京都精華大学人文学部専任講師)
[場 所]立命館大学 衣笠キャンパス 末川記念会館講義室
[入場料]無料
詳細はコチラ≫
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その他の公開講座はコチラ≫
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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼
───────────────────────────────────────【1】[@滋賀][無料][申込不要]
飛行機研究会「鳥人間コンテスト」
2年ぶりに鳥人間コンテスト出場を決め、今までの努力の成果を発揮させる時が
やってきました。今年、力を入れたのはデザイン。機体の翼に「人力飛行機で
世界旅行」という私たちの夢を表現しました。ぜひ応援よろしくお願いします!
[日 時]7月25日(土)7:30~
26日(日)6:00~
[場 所]滋賀県彦根市松原水泳場
[入場料]無料
※飛行機研究会のフライト時間は9時~11時頃を予定しています。
スケジュールは、当日の天候および気象条件によって大幅に変更になる場合が
ありますが、あらかじめご了承ください。
詳細はコチラ≫
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【2】[@京都][無料][申込不要]
男子ソフトボール部「第47回西日本大学ソフトボール選手権大会(男子)」
男子ソフトボール部の西日本大学選手権です。初戦は琉球大学との対戦です。
[日 時]8月8日(土)14:30~
[場 所]横大路運動公園第1グラウンド
[入場料]無料
詳細はコチラ≫
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【3】[@京都][無料][申込不要]
女子ソフトボール部「第47回西日本大学ソフトボール選手権大会(女子)」
女子ソフトボール部の西日本大学選手権です。初戦は岐阜経済大学との対戦です。
[日 時]8月8日(土)11:00~
[場 所]伏見桃山城運動公園多目的広場
[入場料]無料
詳細はコチラ≫
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【4】[@岐阜][有料][申込不要]
ホッケー部(男子)「高円宮牌2015ホッケー日本リーグ」
岐阜県グリーンスタジアムで、社会人チームとの対戦です。
暑い季節ですが、ぜひ現地にお越しください。
[日 時]8月8日(土)15:30~ Selrio島根戦
8月9日(日)13:20~ ALDER飯能戦
[場 所]岐阜県グリーンスタジアム
[入場料]1,000円(大人・大学生)
500円(高校生)※中学生以下無料
詳細はコチラ≫
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【5】[@京都][有料][事前申込要]
交響楽団 サマーコンサート2015
シベリウス「交響詩『フィンランディア』」・ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」
などの曲目を演奏します。
[日 時]8月9日(日)開場14:00 開演14:30
[場 所]京都府長岡京記念文化会館
[入場料]500円 全席自由(一部指定)
※誠に勝手ながら、未就学児のご入場はご遠慮いただいております
※チケット販売場所:チケットぴあ(Pコード269-374)・長岡京記念文化会館・
立命館大学生協プレイガイド・WEBチケット予約あり
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【6】[@埼玉] [有料] [申込不要]
JAZZ CLUB第46回 YAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST
学生ビッグ・バンド・ジャズの全国大会に、本学JAZZ CLUBの「R.U.S.H.」が出場
します。カウント・ベイシーのビッグバンドの楽曲から、「アヴェニュー・C」
「ハニーサックル・ローズ」「ワーリーバード」の3曲を演奏します。15日の3番目
に登場します!
[日 時]8月15日(土)~16日(日)開場10:15 開演11:00
[場 所]大宮ソニックシティ 大ホール(JR大宮駅より徒歩3分)
[入場料]
◆1日券:1,900円(前売券)2,100円(当日券)
◆通し券:3,400円(前売券)3,800円(当日券)
※全席自由
※小中高生割引(1日当日券のみ)1,000円(要生徒証)
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▼輝く学生インタビュー▼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第53回 輝く学生インタビュー
一生将棋に一直線 ~たくさんの人に将棋の楽しさを広めたい~
女流王将 香川愛生さん
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このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介してい
きます。
今回ご紹介するのは、立命館大学将棋研究会に所属し、2年連続で女流王将のタイトル
を獲得されている、女流棋士の香川愛生さん(文学部4回生・東京都出身)です。幼い
ころより将棋に夢中になって以来、毎日を将棋に捧げてきたという香川さん。若くして
プロになり、紆余曲折を経験しながらも、難局を乗り越え、充実期を迎えられています。
そんな香川さんの将棋にかける思いと、積極的に展開されている将棋の普及活動などに
ついても、お話を伺いました。
Q. まず始めに、将棋をはじめたきっかけについて教えてください。
私は良く喋り、気が強く活発で、どちらかというと男の子と遊んでいる方が多い子ども
でした。小学3年生の時、放課後に学童クラブで遊んでいたとき、まわりの男の子たち
が将棋で遊んでいたんです。それまでは一度も将棋をしたことはなかったのですが、も
ともとゲームがすごく好きだったこともあり、「面白そうだなぁ」と思って、メンバーに
加えてもらいました。その日は、誰にも勝てませんでした。それがすごく悔しくて、「勝
てるようになりたい」と思ったのがきっかけです。昔から負けるのが本当に嫌いで、特
に自分の好きなこととで負けるのだけは絶対嫌なんです。
Q. そこからは、将棋に一直線だったのですか?
本当に一直線、毎日を将棋だけに捧げました。もともと始めたらすぐ夢中になるタイプ
ですが、同時に飽き性でもありました。ゲームでも、最初の3ヶ月くらいはすごくはま
るんですけど、結局長続きしないことが多かったんです。だから、ここまで将棋を続け
ているのが自分でも不思議な感じです。
Q. どこで練習していたのですか?
将棋に夢中になってからは、千駄ヶ谷にある将棋道場に行くようになりました。あらゆ
る年代の将棋好きな人が集まって、フリーで対局する場所です。最初は土日に通ってい
ましたが、そのうち平日も通うようになりました。
Q. ご家族はどのような反応でしたか?
母は、私が小学生ということで心配して、毎回将棋道場まで送ってくれていました。初
めて将棋道場に連れていってくれた時は、盤がたくさん並んでいる道場で、皆が黙々と
将棋を指している風景を見て、めちゃめちゃ不安そうに、「ここであってるの?」と驚い
ていました(笑)。母とはけんかもしますし、趣味も全然合わないのですが、私には兄弟
がいなくて、母1人子1人の家庭だったので、本当に大事にしてもらいました。母のサ
ポートがなかったらここまで続けられてなかったと思います。それに、親がさせた
いことではなくて、私がやりたいことをやらせてくれたことに感謝しています。恥ず
かしくて直接は言えないですけどね(笑)。
Q. 「プロになりたい」と思ったのはいつ頃ですか?
小学校6年生の時、『女流アマ名人戦』という女性の全国大会に初めて出場しました。
決勝戦の相手の方は20代の、おそらく社会人の方だったと思います。そこで、初めて
「優勝」という結果を出すことが出来たのは、とても大きな変化点でした。それまで楽
しいだけでやってきたのに、「女性でアマチュアの日本一になった」ということは、自信
にもなりましたし、次に目指すところを考えた時に、「プロ」を意識し始めたのだと思い
ます。
Q. 将棋を始めてたった3年で、アマチュアで優勝。そこまでには努力と苦労があ
ったのでしょうね。
自分でも、結構頑張ったなと思います。将棋道場には、土日は必ず行っていましたし、
夏休みも始めから終わりまで、ほぼ毎日通いました。行った日によって相手が違って、
1日10~20名と対戦するという感じでした。将棋がとにかく楽しく、夢中になりすぎ
ていて、あまりその他のことをやっていた記憶はないですね(笑)。
Q. 道場には指導者の方がいたのですか?
道場には、プロの先生が指導しに来てくれて、先生1名に対して生徒3~5名というよ
うな規模でした。また、「子供将棋教室」というものもあり、塾のように、先生が子供
10~20名を教えていました。良い先生たちがいてくださったから、私も3年という短
い期間で結果が出せたと思います。
Q. 香川さんの強さの秘訣は何でしょうか?
組み合わせとか、運も大きかったと思います。あとは、「ここ一番」に勝負強かったのか
もしれないですね。「女流アマ名人戦」や「女流王将戦」など、実力通りだったら厳しい
かもしれないと思う勝負の時にこそ、良い結果を出せるということがわりと多いかもし
れません。
Q. プロ棋士になったときは、どんな思いでしたか?
プロ棋士になったのは、15歳の時です。「プロ」が重荷になって、辞めたいと思ったこ
ともあります。「将棋は大好きなのに、何で辞めなきゃいけないんだろう」と思い、辛か
ったです。高校生では若すぎて、向き合いきれなかった。でも、そういう経験があった
からこそ、今では辛いときも、「将棋が好きだからこそ」と、受け入れることができるよ
うになりました。しんどいことがあった時に、経験が少ないと、そこで倒れてしまうか
もしれない。だから、10代のときにいろいろと経験出来たことはとても貴重なことだっ
たと思います。
Q. 現在、女流王将2連覇中ですが、重圧はありますか?
女流棋士であること自体にも、「女流王将」のタイトルに対しても、重圧はあります。
「女流王将」であるということは、少なくとも1年間は将棋界のトップにいるということ
です。特に、初めて女流王将になった20歳の頃は、新人気分でいたのに突然、「これ
からあなたは将棋界の顔になるから、誰よりも高い意識を持ちなさい」と言われたような
もので、重圧はより大きかったです。今は、女流王将2年目を迎え、「女流王将戦」を運
営面で支えてくださっている方々への恩返しのためにも、「女流王将として」結果を残さ
ないといけないと思っています。また、一年目の時はなかなか出来なかったですが、重
圧と向き合いながらも、「自分自身が、何をどういうふうにしたいか」を考えてやってい
きたいと思っています。
Q. 立命館大学に入学を決めた理由は何ですか?
まさに、立命館大学の将棋研究会に入りたくて、入学を決めました。将棋がこれだけ強
く、楽しむことができるアマチュアの学生の皆に出会えたことは、財産だと思います。
今まで周りにいた同世代の人は、本気でプロを目指している人ばかりでした。アマチュ
アで将棋が好きな同世代の人たちと一緒に、将棋を純粋な趣味として楽しみながら、将
棋を指している人がいることが、とても居心地良いです。趣味でありながらも、全国レ
ベルの実力の持ち主もいて、皆すごく真剣に取り組んでいますよ。
Q. 将棋をやっていて、一番大変だと思うことは何ですか?
将棋はとても好きですが、"勝ち"か"負け"どちらかしかないので、「好きなのにうま
くいかない」という状況と常に向き合っていかなくてはならないときは、精神的にキツい
です。でも、今では負けたときの苦しさも含めて、好きだと思えるようになりました。
10代の頃は、過度に落ち込み、「辞めたい」と思ったことも何回もありましたが、今は、
「負けて終わりじゃない。現役である限り、常に次の試合が待っている」と、次に向け
て切り替えるようにしています。
Q. 気持ちを切り替えるために工夫していることはありますか?
負けた後は、あえて人に会うようにします。昔は引きこもって、「1人にしてくれ」って
感じでした。今も自分と向き合う時間はもちろん必要なのですが、なるべく早く切り替
えて、「前に進んでいる人」や「世界が開けている人」と会うようにしています。する
と、「こんなふうに立ち止まっている場合じゃないな」って気づかせてもらうことがで
きます。将棋がきっかけで繋がった人はもちろん、趣味であるゲームで繋がっている人
も含め、本当に人に恵まれていると思います。それらのご縁が、自分を高めてくれてい
ます。例えば、エンターテインメントやゲームを提供する立場の人たちに最近よくお会
いする機会があります。ものづくりをしたり、人を楽しませたり、そういう仕事をされ
ている方たちは、明るくてパワーがあって、とても刺激になりますね。
Q. 将棋は、集中力がかなり必要だと思いますが、そのために気をつけていることはあり
ますか?
「ONとOFFの切り替え」を意識しています。対局の時は、盤上にとにかく集中できる
ように、前日などはなるべく電子機器に触らず、将棋のことを考えて、一人で意識を高
めるようにしています。人とはあまり喋らない、映画は見ないとか。正しいかどうかは
わからないですが、そうした習慣には、結構気を使っていますね。
Q. 香川さんが関わっている、「西遊棋」という活動について教えてください。
関西所属の若手棋士の有志で、将棋をたくさんの方々に楽しんでもらうことを目的に、
2年前に立ち上げました。従来の将棋イベントは、スポンサーや主催者がいて、棋士は
招かれる形ですが、「将棋の楽しさ」をたくさんの人に伝えるには、若手が集まって、
自分たちで企画をつくったらいいんじゃないかと。ある種のサークルのようなノリでも
ありますが、活動はけっこう本格的なんです。最近も東京で開催しましたが、200名以
上の方々にご来場いただきました。100名規模のイベントも、これまでに何度か開催
しています。
一押しの企画は、盤と駒を使わずに、目隠しをして将棋をするというものです。将棋に
は"符号"というのがあります。例えば「7六歩」など、四角のマス目のそれぞれに住
所があるんです。その符号だけでやり取りして、頭の中で将棋盤を動かしていくという
ものです。解説者が、大きな盤をお客様に見えるように置いて、実際にはどうなってい
るか説明します。これが好評で、ニコニコ生放送でも配信していたところ、来場者数が
5万人にもなりました。イベント後のアンケートでも、90%以上の方々が「よかった」
と回答してくださったので、楽しんでいただけたのかなと思っています。
Q.「西遊棋」の活動は、これからどのように展開していきたいですか?
いまだに「将棋」といえば、古風なイメージが強いと思いますが、平成生まれの私とし
ては、同じ平成生まれの人たちにも楽しんでもらえるようなアプローチを考えたいと思
います。アイデアはいろいろありますよ。ただ、何かを仕掛けて、それを継続すること
は、主催者にはすごく労力が必要になりますので、慎重に計画性を持って進めたいです
ね。
Q. 香川さんにとって「将棋の魅力」とはどんなところですか?
将棋の魅力は多すぎて、語るのが大変です(笑)。なかでも、特に私が伝えたいと思うの
は、「将棋とは、人と人とを繋ぐ力があるゲームだ」ということです。長年将棋を続け
ていれば、強くなっていくことに加え、将棋を通じていろんな人と出会い、繋がりを強
めていくことができると思います。私自身も、将棋自体の楽しさと、人に出会えた喜びを
日々噛みしめています。将棋そのものにすごく感謝しているからこそ、ますます極めず
にはいられないですね。
Q. 将棋の普及活動について、どのような思いがありますか?
私にとって、「将棋を一般の人や世界に普及すること」が大きな使命の一つだと思ってい
ます。興味を持ってくれる方は多いと感じますが、それに応えられるものが、まだでき
ていないとも感じていて、もっと改善できればいいと思っています。今までは、「教室や
道場に将棋セットがあって」というのが主流でした。今後ももちろん、それが主軸で良
いと思っていますが、娯楽が多様化しているこの時代、「楽しい」と思えるのであれば、
私はどういうアプローチでもいいと思います。そのために、いろいろな「将棋の形」を
用意することができたら良いですね。自分でも将棋をやりながら、「多くの人に将棋を楽
しんでもらうにはどうしたらよいか」を常に考えているので、いつかそれらをうまく形
に出来たら嬉しいです。私は、将棋に人生を変えてもらったと思っているので、将棋に
はそれだけ力があるということを、ぜひ伝えていきたいですね。
Q. 香川さんの今後の目標は?
将棋には「女流王将」を含め、全部で6つタイトルがあります。なので、他の5つのう
ちどれかを取りたいと思っています。「女流王将として」というのが大事です。例えば、
「女流王将が女流名人戦に出た」となると、私の成績だけでなく、「女流王将戦」を主催
してくれている方々にとっても良いことです。難しいことですが、ぜひ挑戦したいです。
もう一つ目指すのは、常に同じ将棋を指さないということです。将棋を見ている方々に、
驚きや感嘆が起こるような将棋が指せたらいいなと思います。
Q. 香川さんと将棋との関係は、これからどうなっていくのでしょう?
私にとって将棋は、「離れられない存在」です。定年退職もないので、たぶん死ぬ間際ま
で将棋のことを考えているのでしょうね。好奇心とか向上心とか、そのエネルギーを受
け止めてくれるものが、私にとっての将棋です。将棋がなかったら、どうなっていたの
か想像もつきません。50~60年後も、絶対に将棋に支えられて生きていると思います
し、その中でいろんな出会いもあるんだろうなと思うと、楽しみです(笑)。勝負や競技
としての将棋も好きですが、自分が将棋を楽しみ続ける以上に、人にそれを楽しんでも
らうこと、その機会を増やすことに、思い切って取り組んでいきたいです。まずは、そ
のための材料を少しずつ集めて、何年後かには形に出来たらいいなと思っています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いかがでしたでしょうか。女流王将として将棋界を背負う重責は、計り知れません。
それを前向きに捉え、人と関わりながら前に進んでいくパワーを、香川さんの言葉から
感じることができました。さらに強くなって「他のタイトルを獲得する」ことと共に、
たくさんの人に将棋の楽しさを伝えるために、様々な「仕掛け」を考えているという彼女。
多才な香川さんの今後の活躍に、ぜひご期待ください。
▼編集後記▼
夏の甲子園に向けて、既に各地で高校野球の予選が始まり、熱戦が繰り広げられています。甲子園での熱い戦いを伝える番組「熱闘甲子園」(8月6日~20日・テレビ
朝日系)で、今年キャスターを務めるのは、野球解説者の古田敦也さん(1988年経営
学部卒・兵庫県出身)です。
兵庫県出身の古田さんにとって、とても身近な存在であるはずの「甲子園」。しかし、
高校時代は予選で敗れ、出場がかないませんでした。古田さんはその後、本学を経て
プロ入りを目指しますが、卒業時はまさかの「ドラフト外」。トヨタ自動車を経て、
翌年ドラフト2位でヤクルトスワローズに入団を果たします。主力打者そして捕手として、
「記録にも記憶にも残る」活躍をされてきた古田さんが、今年1月に野球殿堂入りを果た
したことは、記憶に新しいです。
古田さんの在学当時、コーチとして指導されていた、元野球部監督の松岡憲次さんに、
お話を伺うことができました。
彼は若い頃から、自分の考えを非常に強く持った選手でした。その考えを貫くためなら、
たとえ相手が先輩や指導者であっても、躊躇することなく自分の意見を主張してきたこと
が印象に残っています。彼は捕手として、咄嗟に正確な判断をする能力に長けています。
しかし、ある練習試合で、ファーストを守る一つ上の先輩が彼の判断についていけず、
失点したことがありました。このミスを彼は、先輩に対して迷うことなく指摘しました。
その甲斐あって、その後に行われた公式戦では、完璧な守備ができました。生意気と
捉えられがちですが、相手によって態度を変えない点もまた、彼の魅力だと思います。
古田さんの大会100年目のキャスター起用に、松岡さんは、「子どもたちに、甲子園に
かける夢とその魅力を伝えてほしい」と期待されています。プロ野球界では選手兼任監督
として活躍された経験もある古田さん。名捕手らしく、「球児のすべてを受け止める」と
いう心意気で、古田さんが伝えてくれる「夏の甲子園」。球児たちの熱戦を、ともに応援
しましょう。
(立命館CLUB事務局 井坂)
▼第77号読者プレゼント▼
今回は、「新深草うちわ『大文字の送り火』(立命館の判入り)」を5名様にプレゼントします。
うちわに描かれた絵は、幕末頃に「三本木丸太町」あたりから送り火を
見物している客の視点で描かれています。
立命館大学の前身「私立京都法政学校」開校時の仮校舎・清輝楼は、
この「三本木丸太町」にありました。立命館の草創の地から見渡す
送り火の景色を描いた貴重なうちわです。
プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。
<応募締切:8/3(月)>
【パソコンの方はコチラ】
【携帯電話の方はコチラ】
※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。
応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
応募必要事項
(1)名前: (2)プレゼント送付先住所:
(3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
(5)プレゼント発表時の氏名公開:可 否
(否の場合はイニシャルで表記いたします。
ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)
▼第76号読プレ当選発表▼
多数のご応募ありがとうございました。第76号の読者プレゼント当選者の発表です。
プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。
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★・秋岡 大喜さん (徳島県)★
★・山田 武彦さん (大阪府)★
★・勝野 恒彦さん (長野県)★
★・ドンさん (広島県)★
★・木村 春樹さん (北海道)★
★★★★★★★★★★★★★★★★★
次回のご応募もお待ちしています。
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次回配信予定は8月7日(金)です。お楽しみに。
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