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立命館CLUB 【VOL.201】

立命館CLUB【VOL.201】

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■□■ 2021.3.12立命館CLUB-立命館の“いま”を届けるメールマガジン-
■□■ https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/
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立命館CLUB会員の皆様、こんにちは。

少しずつ春めいてきました。
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北野天満宮の梅

3月11日(木)、東日本大震災から10年を迎えました。立命館大学では災害復興支援室が中心となり、2013年から毎年、3.11追悼「いのちのつどい」を開催してきました。今年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、追悼式典・シンポジウムをオンラインで行ないました。これからも復興への歩みを進める地域に寄り添っていきたいと思っています。

3月14日(日)、「名古屋ウィメンズマラソン2021」が開催されます。校友の田中華絵選手(経済学部2012年卒)大森菜月選手(スポーツ健康科学部2017年卒)が出場します。新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、沿道での応援や観戦は自粛が要請されていますので、テレビの前から熱いエールをお願いします。
[日 時]3月14日(日)9:10スタート
[テレビ放映]フジテレビ系列にて9:00~11:50生中継

3月19日(金)から、「第93回選抜高校野球大会(春のセンバツ)」が開催されます。大会3日目第二試合には、八木啓伸監督(産業社会学部2000年卒)率いる福岡大学附属大濠高等学校が長崎県立大崎高等学校と対戦します。さらに、第三試合には、川崎絢平監督(産業社会学部2004年卒)率いる明豊高等学校が兵庫県立東播磨高等学校に挑みます。大濠高校は4年ぶり、明豊高校は3年連続のセンバツ出場です。ご声援、よろしくお願いします。

今号も学生や教職員の情報満載でお届けします。

読者プレゼントは、「防災食共同開発企画『KINOBUYA PROJECT』さんまの缶詰 実山椒・梅のセット&立命館オリジナル一筆箋」です。

応募方法は最後にお知らせします。それではお楽しみください。

▼学園ニュース▼

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【1】災害に見舞われた地域に心を寄せてー「つむぐ思い出」フォト投稿の募集

立命館災害復興支援室は、2021年4月で10周年を迎えます。この10年間、多くの立命館の学生・生徒・児童・教職員が、災害に見舞われた地域に足を運び、地域の皆様のご理解のもと、復興支援活動を通じてさまざまな学びを得ることができました。
立命館に関係する皆様を対象に、「あの日とわたし」をテーマに、災害に見舞われた地域に関連する写真とエピソードを募集します。これまで立命館の活動でお世話になった地域の写真を集め、地域の皆様への感謝に加えて、これからも復興の歩みに寄り添う思いを再確認することを目的としています。
応募作品は“立命館災害復興支援室10周年特別サイト”に掲載します。是非ご応募ください。


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【2】立命館大学の活動制限レベルを「レベル2」に引き下げ

「新型コロナウイルス感染症に対する立命館大学の行動指針(BCP)」の活動レベルを3月1日から「レベル2」に引き下げました。また、2021年度春学期の授業や課外活動などについても、「レベル2」を想定することとします。
しかしながら、引き続き予断を許さない状況が続いています。本学では春学期も感染防止対策を徹底し、できる限り、キャンパスで学習・研究・課外自主活動に取り組む環境を維持していきたいと考えています。

2021年度春学期の授業・課外活動について詳細はコチラ≫

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【3】橘由里香・総合科学技術研究機構助教が第24回「日本ミステリー文学大賞」新人賞を受賞

橘由里香・総合科学技術研究機構助教(筆名:茜 灯里)が、著書『馬疫(ばえき)』※(光文社、2021年2月発行)で、第24回「日本ミステリー文学大賞」新人賞を受賞しました。
橘助教は、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)のセンター・オブ・イノベーションプログラムにおける、横断的課題の対応を行なう構造化チーム「学生&若手・共創支援」のグループリーダーを務めています。研究者としての知見・経験を活かして執筆した理系ミステリー小説が、今回、日本ミステリー文学大賞新人賞という形で実を結びました。
※受賞時タイトルは『オリンピックに駿馬は狂騒(くる)う』。改題し、『馬疫』として出版。

<橘由里香助教のコメント>
文部科学省革新的イノベーション創出プログラムで科学コミュニケーションを研究・実践する私にとって、本作は「小説で『科学と人間』を描く」試みでもあります。創作活動にご理解・ご支援をいただいているアクティブ・フォー・オール拠点の関係者各位に心から感謝申し上げます。これからも「現代の世相を反映して、ありうる未来を描く」作品を通して、私独自の科学コミュニケーションの在り方を追求し、科学と社会を結びつけていきたいと思います。

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【4】文科省「先端研究設備整備補助事業(研究施設・設備・機器のリモート化・スマート化)」に採択

立命館大学は、文部科学省の令和2年度「先端研究設備整備補助事業(研究施設・設備・機器のリモート化・スマート化)」に採択されました。
先端研究設備整備補助事業は、新型コロナウイルスが拡大する社会においても研究が滞りなく進められるように、基盤的及び先端的研究施設・設備・機器のリモート化・スマート化を図る文部科学省の支援事業です。全113機関の応募のなかから40機関が採択され、そのうち私立大学は4機関でした。
本学では、SRセンターの研究環境をさらに高度化すべく、走査型X線光電子分光分析(自動化対応)を導入し、学内外・産官学の研究活動の推進を図ります。

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その他学園ニュースはコチラ≫
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▼EVENT(公開講座など)▼

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【1】[@大阪・京都・滋賀・オンライン][無料][出席者限定]
2020年度立命館大学卒業式・大学院学位授与式
2020年度および2021年度立命館大学・大学院入学式

 
立命館大学卒業式・大学院学位授与式、立命館大学・大学院入学式を十分な感染防止策を講じ、出席者を限定したうえで、各キャンパスにて対面で実施します。
同時に、式典の様子をインターネットでライブ配信します(ライブ配信の映像は、式典終了後もオンデマンドで視聴可能です)。

◆2020年度立命館大学卒業式・大学院学位授与式
<大阪いばらきキャンパス・朱雀キャンパス>3月20日(土・祝)
<衣笠キャンパス>3月21日(日)
<びわこ・くさつキャンパス>3月22日(月)
※出席者は卒業生・修了生に限定します。

時間などの詳細はコチラ≫


◆2021年度立命館大学・大学院入学式
<すべてのキャンパス>4月2日(金)
※出席者は新入生に限定します。

時間などの詳細はコチラ≫


◆2020年度入学生(新2回生)立命館大学・大学院入学式
<すべてのキャンパス>4月4日(日)
※出席者は2020年度入学生に限定します。

時間などの詳細はコチラ≫

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【2】[オンライン][有料][要事前申込]
立命館オンラインセミナー

「立命館オンラインセミナー」は、どこからでもアカデミックな講義を受講いただけます。「未知の世界を知りたい」「専門家やプロフェッショナルの知識に触れたい」など、皆様の学びのニーズにお応えする講義を展開します。
※見逃し配信(期間中、いつでも何度でも視聴可能)に対応しています。

[日時・テーマ・講師]
 ◆3月27日(土) 14:00~15:30
「庭園観察―早春の平安神宮を巡る」
講師:小川勝章 植治 次期十二代(御庭植治株式会社 代表取締役)
<申込締切:3月25日(木)23:59>

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[受講料]1,500円/1回
[定 員]各回200名 ※先着順です。お早めにお申込みください。
[開催方法]オンライン(Zoom)※見逃し配信(ストリーミング配信)あり

詳細はコチラ≫

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【3】[@京都・オンライン][無料][要事前申込]
明日の京都文化遺産プラットフォーム 無形文化遺産シンポジウム
「人類とミクロの世界~新型コロナ禍を契機に考える~」


バイオテクノロジーを駆使し、新型コロナウイルスとの戦いを支援する事業でも活躍する仲尾功一氏(タカラバイオ株式会社 代表取締役社長)と、ゴリラの生態研究からスタートし、広い視野から現代文明を論ずる山極壽一氏(京都大学名誉教授)に、それぞれの専門分野から「人類とミクロの世界」について語っていただきます。

[日 時]3月28日(日)13:30~16:10
[場 所]立命館朱雀キャンパス 大講義室
[参加費]無料
[申込締切]
◆会場参加を希望の場合:3月17日(水)必着 ※応募者多数の場合は抽選
会場参加のお申込みはコチラ≫

◆ライブ配信視聴を希望の場合:3月23日(火)
ライブ配信視聴のお申込みはコチラ≫

詳細はコチラ≫

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【4】[オンライン][無料][要事前申込]
オンラインシンポジウム
「東日本大震災。百年経ったら―記憶・継承・忘却―」


本シンポジウムは、東日本大震災直後の福島市でおこなわれた《プロジェクトFUKUSHIMA!》の映像記録を、制作に関わった大友・藤井両氏とともに10年後の現在に見直し、「災害/緊急事態とアート」という喫緊の課題、さらに「出来事とアート」という普遍的な問題を思考します。

[日 時]3月17日(水)15:00~18:00
[開催方法]オンライン(Zoom)
[参加費]無料

詳細はコチラ≫

お申込はコチラ≫

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その他の公開講座はコチラ≫
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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼

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【1】[@大阪(テレビ放送)][無料][申込不要]
陸上競技部「第1回 全国招待大学対校男女混合駅伝競走大会」

6区間20kmの特設コース(3km・2km・5km・3km・2km・5km)を男女3名ずつが走ります。関西からは立命館大学をはじめ11チーム、関東からは8チームが参加します。
※当初は2月21日(日)に開催予定だった大会です。

[日 時]3月21日(日)12:10スタート
[場 所]長居公園内特設コース(周回道路) 全長20km
[放送予定]関西テレビ(関西エリア)・BSフジにて、12:00~13:30生放送

詳細はコチラ≫
【関西学生陸上競技連盟】
【関西テレ公式HP】

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【2】[@京都][無料][申込不要]
準硬式野球部「令和3年度関西六大学準硬式野球連盟春季リーグ」

昨年は中止となった春季リーグですが、今年は開催されます!
昨年の秋季リーグでは3位だった準硬式野球部。優勝目指して頑張ります。
※状況により無観客での開催となる可能性があります。詳細はHPをご確認ください。

◆関西大学戦
[日 時]3月18日(木)14:00~、3月19日(金)11:30~
[場 所]わかさスタジアム京都(京都市右京区西京極新明町29)
[入場料]無料

◆神戸大学戦
[日 時]3月25日(木)11:30~、3月26日(金)9:00~
[場 所]わかさスタジアム京都
[入場料]無料

◆関西学院大学戦
[日 時]4月1日(木)9:00~、4月2日(金)14:00~
[場 所]わかさスタジアム京都
[入場料]無料


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▼輝く学生インタビュー▼

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  第170回 輝く学生インタビュー
    「フィードバックをもらったら、すぐに反映」を繰り返す
     ~利用者の声がモチベーション
                    理工学研究科 大抜 倖司朗さん
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このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。今回ご紹介するのは、大抜倖司朗さん(理工学研究科博士課程前期課程1回生・静岡県出身)です。新型コロナウイルス感染拡大防止として、研究室の入退室管理システムアプリ「DEIRI(デイリ)」を作成されました。開発までの取り組みや大学院での研究についてお伺いしました。
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撮影のためマスクを外しています

Q.「DEIRI」について教えてください。
理工学部では昨年6月から新型コロナウイルス感染拡大防止のため、研究室・実験室の在室状況を把握し、理工学部事務室に報告書を毎日提出することが義務づけられています。そこで、在室状況を自動で簡単に確認できるアプリ「DEIRI」を開発、現在は10研究室にシステムを導入いただいています。
各研究室に設置されたカードリーダーに学生証や教職員証をかざすことで、入退室の時間を記録することができます。
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Q.このアプリを使用するメリットについて教えてください。
1つは、在室状況に関する報告書の作成が不要となりました。元々指定された書式があるのですが、研究室によっては手書きで作成したり、先生が何十名という学生の入退室の記録を報告書に記入しなければなりませんでした。しかし、このアプリを使用することで、入退室の情報がデータ化され、事務室に共有するだけで報告書の代わりとなります。
また、一番のメリットは「新型コロナウイルスの感染者が発生した時に同じ時間帯・研究室にいた教員や学生を簡単に検索できること」だと考えています。紙媒体の場合、毎日何十という研究室から提出される報告書を一枚ずつ確認する必要がありますが、「DEIRI」を使ってデータ化をすれば、そのような場合においても短時間で接触者を特定することができます。

Q.開発に至った経緯について教えてください。
私が所属している宮野尚哉先生の研究室には、約25名の学生が所属していて、先生や教員秘書の方が報告書を作成していました。そのような状況を知って「自分が培ってきたプログラミングの技術を使えば、業務負担を減らすことができるのではないか」と思い、自主的にアプリ開発に取り組みました。
実は、大学1回生の後期に授業でプログラミングを学んで以来、趣味でホームページを作成したり、手書きの数字を読み取るような機械学習システムを作っていました。その経験もあり、約3日間で試作品を開発することができました。秘書の方は「えっ、もうできたの?」と驚きながらも「在室状況がデータ化されて、報告書作成の手間が省けて助かった。本当にありがとう」と喜んでくださいました。

Q.他の研究室への導入はどのように進んだのですか?
宮野先生が「是非このシステムを導入してもらいたい」と他の先生方に話してくださった結果、まずは3研究室で導入することが決まりました。そこから1カ月半ほど改良を重ねて、「DEIRI」が完成しました。
アプリを完成させるにあたっては、「使用者の目線に立って、使いやすいものを開発する」ということを心がけました。実は一番初めの試作品は、自分の一番好きな色である黒色を画面の背景としていたのですが、同じ研究室のメンバーからは「字が読みにくい」といった声があがりました。他の研究室に導入するにあたり、「自分がかっこいいと思うもの」から「使用する人がわかりやすいもの」に作り変えようと画面の背景を白色に変更したり、入力ボタンの位置を修正しました。また、より業務負担が軽くなるように、事務室とのデータの共有方法を再検討しました。
アプリの開発中、「完璧なものができた」と思って、次の日に研究室に行くと文字などが表示されず、真っ白な画面になっていることが何度もありました。原因を追究して、プログラミングを書き直し、上手くいったときに「やった!」と達成感を得る、その繰り返しでした。「大変だ」「苦労した」という感情はほとんどなく、ただただ楽しかったですね。
試行錯誤を繰り返し、1カ月半後の12月初旬にはアプリが完成して3研究室、現在までに10研究室に導入することができました。学生間でも話題となり、「私の研究室にも欲しい」と先生に働きかけてくれて、導入が決まった研究室もあったと聞いています。自分の知らないところで評判となり役立っていることを知って、とても嬉しかったですね。

Q.アプリの開発を通して、学んだことについて教えてください。
完璧なものを作ろうと準備を入念にすることも必要だと思いますが、「とりあえずやってみる」「フィードバックをもらったら、すぐに反映をする」ことも重要だと改めて気づきました。実は、大学時代は「鳥人間コンテスト」の出場を目指す飛行機研究会に所属していました。本格的に設計に関わった2回生の時は、応募に落選して本選に出場することができませんでした。集大成の3回生の時は、本選に出場することができましたが、台風のため、残念ながら大会自体が中止となりました。しかし、飛行機研究会での取り組みを通して、ものづくりにおいては「失敗から学びを得て、すぐに改善するというサイクルをできるだけ速く何度も繰り返すこと」が完成度を高めるために重要であるということを学ぶことができました。今振り返ると、まさに飛行機研究会で学んだことが今回のアプリ開発に活かされていますね(笑)。
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学部時代、飛行機研究会に所属

また、「本当に便利だね」「導入して良かった」と多くの先生や学生から声をかけていただきました。自分の取り組みが周囲の方々の役に立ったと実感できたことが一番のやりがいです。大学院での研究では、パソコン上でシミュレーションを繰り返すことが多く、実社会との繋がりを感じる機会があまり多くはありません。一方、今回のアプリ開発では、「背景の色で文字が読みにくい」「入力のボタンがわかりづらい」といった利用者の指摘を改善すると、「ここのデザインを変えたんだね。使いやすくなった」とすぐに反響がありました。実際に利用者の反応を肌で感じられたことも、今回の取り組みの面白かったところです。

Q.「DEIRI」の今後の展望について教えてください。
まずは自分の所属している機械工学科の全19研究室に導入してもらうことを目標にしています。データで管理することで事務処理の負担や各研究室の在室状況を簡単に把握することができ、先生方の負担を減らせることはもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大予防にもつながります。また、現在はシステムが導入された研究室のパソコンからのみ、在室状況を把握することができますが、例えば、スマートフォンを通して家から研究室の使用状況がわかるようにすれば、「今日は密だから行くのをやめておこう」といった使い方もできるかもしれません。個人情報の取り扱いなど、留意すべき点は様々ありますが、利用者の声を大切にして、可能な範囲で改善を続けていければと思います。

Q.ものづくりに興味を持ったきっかけについて教えてください。
高校時代、クラス対抗の「無言劇」を学園祭で披露する機会があり、ものづくりの楽しさに気づきました。高校の3年間、毎年、クラスの監督として、劇の構成や道具・背景の作成に携わりました。この劇はまさに言葉の通り、出演者は無言で8分間、自分たちが作成したストーリーを観客にわかるように表現しなければなりません。高校3年生の時は、視覚に訴えやすい、かつわかりやすいことをコンセプトに「蚊取り線香の煙と蚊」をテーマに取り組みました。大きな渦巻き状の輪を自分たちで作成して蚊取り線香に見立てたり、火がついて灰色になっていく様子を緑色と灰色の衣装をきた演者が工夫して表現したりしました。
「工夫しながら表現していて面白かったよ」「道具を上手く活用していてストーリーもわかりやすかった」と他のクラスの先生や友人からは大好評でしたが、結果は約10クラス中3位でした。ストーリーのわかりやすさを追求するあまり、上位のクラスと比べて舞台上での華やかさに欠けていたため、1位を逃してしまったのだと思います(笑)。
しかし、この無言劇を作り上げていくなかで「限られた条件のなかでも工夫を凝らすことで可能性が広がるものづくりの奥深さ・楽しさ」に気づきました。また、もともと理系であったこともあり、数学や物理の知識を応用してものづくりに関わりたいと思い、立命館大学理工学部機械工学科に進学しました。
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高校時代、監督として無言劇に携わる

Q.研究テーマについて教えてください。
宮野尚哉先生の知能マイクロシステム研究室に所属、数学とコンピューターを用いて「カオス」という現象を研究しています。「カオス」とは、元はシンプルで非常に簡単な式から複雑なものが生まれる状態のことを指します。天候の変化も身近な例の1つです。雨が降るメカニズムは解明されていますが、「いつ」「どこで」「どのくらいの量」が降るかは完全には予測できません。最終的には予測できるような計算式を構築することが目的ですが、まずはどのような現象が起こっているのか、分析すること自体が研究になっています。
私が取り組んでいるテーマは、「カオスを暗号技術の世界に応用すること」です。インターネットを通じて情報を送受信するときに複雑なカオスを経ることによって、より強固な暗号システムができるのではないかと考え、研究を進めています。
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Q.今後の研究と将来の夢について教えてください。
学部時代はパソコン上でシミュレーションを行なう基礎的な研究に取り組んでいましたが、修士論文ではその研究結果をもとに実際に通信実験を行なって、カオスを暗号化に応用する実証実験を行なう予定です。
就職活動においては、研究で培った知識を活かして、情報のセキュリティ・暗号化に関する仕事に携わりたいと考えています。また、今回のアプリ開発を通して、社会や利用者の課題を直接解決できるような仕事が自分には向いているのではないかと考えるようになりました。この3月から就職活動が解禁されたところですので、今後自分が何をしたいのか、しっかりと考えながら取り組んでいきたいと思います。
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「理工学部に入学したことで、実際にものづくりがしたいと思い、飛行機研究会に入りました。仲間と協力して、試行錯誤しながら一つのものを作り上げていく貴重な経験をすることができました。ものづくりとプログラミング、どちらの知識・経験もあることが、自分の強みだと思います」と力強くおっしゃっていた姿が印象的でした。自らの武器を活かして、社会課題を解決したいという熱い想いを持った大抜さんから、これからも目が離せません。

▼編集後記▼

今回は、「きっかけ食堂」代表理事・原田奈実さん(産業社会学部2017年卒・京都府出身)をご紹介します。学生時代、東北や震災について考える“きっかけ”をつくりたいと、毎月11日にのみ開く「きっかけ食堂」を始めました。「きっかけ食堂」に込めた思い、これからの目標をうかがいました。

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産業社会学部現代社会専攻で、東北の課題解決に取り組むなかで「まずは、たくさんの人に東北へ行ってもらいたい」と、多くの学生と一緒に毎月のように東北を訪れていました。しかし、「震災を風化させたくない」という強い思いはあるものの、お金や時間など様々な理由で思うように東北へ行けない方々がいることを知り、改めて京都と東北との距離に気づかされた瞬間でもありました。「東北に行かなくても、東北のためにできることはないか」と考えていたとき、同じ産業社会学部の先輩・山崎達哉さん(産業社会学部2011年卒)から、誰でも店長になれる、日替わり店長の店「魔法にかかったロバ」の話をうかがいました。大学2回生のときに思い切って始めたのが東北酒場「きっかけ食堂」でした。東北の食材を使った料理やお酒を提供し、その味を通して、東北や震災について考える「きっかけ」をつくりたいと、毎月11日の1日だけオープンするお店です。旬の東北の食材を味わい、東北の生産者とテレビ電話をつないだ交流をはじめ、毎時11分にはお客さん同士で東北について語り合う「きっかけタイム」など、月に1度だけでも東北を思い出す時間を作る場を目指しました。私が店長をしていた3年間で延べ1,000名を超える方々との交流が生まれました。
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大学時代の「きっかけ食堂」。一番右が原田さん。

卒業後は東京で就職。そのときは、まさか再び「きっかけ食堂」をオープンすることになるとは考えてもいませんでした。東京で「きっかけ食堂」をオープンしようと思った理由は二つ。一つ目は、「きっかけ食堂」が2018年の復興庁「『新しい東北』復興・創生顕彰」に選んでいただいたことです。震災から7年が経ち、ハード面での復興が進むなか「新しい東北」というテーマのもと、「きっかけ食堂」を認めていただいたことは嬉しく、何か期待をされているのではないかと感じました。二つ目は、「きっかけ食堂」でとてもお世話になった大好きな魚屋の方が引退されたことです。「近くに大きなスーパーができたから店を閉めようと思う」と聞いたとき、「何かもっとできることがあったのでは…」と、とても悲しく無力感を覚えました。そんな思いから「大好きな東北に関わり続けたい。生産者の魅力を伝えたい」という思いが再燃、東京でも「きっかけ食堂」をオープン、そして2020年2月にNPO法人化しました。現在、京都府・東京都をはじめ、全国9カ所で開催しています。
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旬の食材を使ったご飯や東北の地酒を味わえます。

東北と向き合い、あっという間に10年が経ったと思う反面、この1~2年の間に「やっと酒蔵が再開しました」「水産加工工場をやっと新しくできました」といった話も聞きます。これから事業を軌道に乗せるには、さらなる努力が必要です。そういった生活と密に関わる部分は、まだまだやらなければいけないことが数多くあると思います。これから10年・20年、学生時代と変わらず東北に関わり続けたいと考えています。東北を応援したい、好きだという気持ちを伝え続ける“きっかけ”を「きっかけ食堂」が提供することが使命だと感じています。食から楽しみたい、観光で実際に行ってみたい、震災を思い出すきっかけが欲しいなど、いろんな思いに応える「きっかけ食堂」にしていきたいと思っています。
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東京での「きっかけ食堂」
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試行錯誤しながらも東北を知る・震災について考える“きっかけ”作りを続けている原田さん。コロナ禍でもオンラインを活用しながら「きっかけ食堂」の開催を続けているそうです。「東北や震災のことを風化させない」という強い意志とともに、「東北が大好き」という気持ちが伝わるインタビューでした。「きっかけ食堂」で東北の魅力をじっくりと聞きたくなりました。

(立命館CLUB事務局)

▼第201号読者プレゼント▼

今回は、「防災食共同開発企画『KINOBUYA PROJECT』さんまの缶詰 実山椒・梅のセット&立命館オリジナル一筆箋」5名様にプレゼントします。
京都の料亭「京料理 木乃婦」×宮城の水産加工品メーカー「木の屋石巻水産」×立命館大学校友会×学校法人立命館の共同プロジェクト『KINOBUYA PROJECT』を発足し、日頃から防災への備えを考えるきっかけを込めた「防災食(さんまの缶詰)」です。
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プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、当選者の発表は、プレゼントの発送をもって代えさせていただきます。

 <応募締切:3/22(月)>

【パソコンの方はコチラ】

【携帯電話の方はコチラ】

 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼第200号読プレ当選発表▼

多数のご応募ありがとうございました。200号の読者プレゼント(立命館オリジナル マグカップ)の当選者発表は、プレゼントの発送をもって代えさせていただきます。プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

次回のご応募もお待ちしています。

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次回配信予定は3月26日(金)です。お楽しみに。
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