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          立命館CLUB 【VOL.273】
      
      2025年10月31日
    
  立命館CLUB【VOL.273】
立命館CLUB会員の皆様こんにちは。朝晩の空気がひんやりと感じられるようになり、秋の深まりを実感する季節になりました。日中との気温差も大きい時期ですので、体調にはどうぞお気をつけください。
さて、学校法人立命館は、2025年10月18日(土)、国立京都国際会館にて「立命館創始155年・学園創立125周年記念式典・記念イベント」を開催しました。同会場では、コロナ禍により中止となっていた卒業式・謝恩会を5年の時を経て実現した「2020年3月卒業生対象 2019年度リユニオン卒業式・パーティー」や、「オール立命館校友の集い2025」も同時開催され、当日は総勢3,000名が京都国際会館の地に集いました。
※記念式典の詳細については「学園ニュース【1】」もあわせてご覧ください。
  ▼学園ニュース▼
【1】立命館創始155年・学園創立125周年記念式典を開催2025年は、学祖・西園寺公望が私塾「立命館」を創始して150年、西園寺の精神を引き継いだ中川小十郎が立命館大学の前身である私立京都法政学校を創立して125周年を迎える年であり、これを祝して「立命館創始155年・学園創立125周年記念式典」を挙行しました。
記念式典の第1部では、はじめに一般財団法人100万人のクラシックライブ様のご協力により、大阪フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターの須山暢大氏と立命館大学交響楽団による「P.I.チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調op.35 第1楽章」の演奏がおこなわれました。続いて、華道家元池坊・次期家元の池坊専好氏によるいけばなパフォーマンスをご披露いただきました。中橋健太郎左衛門氏が指揮を務める立命館大学交響楽団の「P.I.チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ長調op.64 第4楽章」の響きと池坊氏の繊細かつ力強いパフォーマンスが見事に融合し、会場は一枝一花が生けられていく過程に魅了されました。
須山暢大氏と立命館大学交響楽団   池坊専好氏によるパフォーマンス
続いて、あべ俊子文部科学大臣からの祝辞を文部科学省文部科学審議官 矢野和彦氏が代読され、「立命館大学は『地域中核・特色ある研究大学強化促進事業』」、立命館アジア太平洋大学は『ソーシャルインパクト創出支援事業』と文部科学省の事業にそれぞれ採択されており、これらの取り組みにより『次世代研究大学』および『次世代探究学園』として飛躍されることを期待しますと述べられました。
    森島朋三理事長         ⽂部科学審議官 ⽮野和彦氏
次に、記念講演として彬子女王殿下より「京都で学ぶ 京都に学ぶ」をテーマにご講話いただきました。講演のなかで彬子女王殿下は、ご自身の京都の職人への取材の様子を紹介しながら、「伝統は残すものではなく残るもの。未来のために文化の保存だけでなく生かしていくべきであり、立命館で学ぶ皆さんには、生きた京都の文化の担い手として羽ばたいてほしい」と期待を述べられました。
彬子女王殿下 彬子女王殿下の記念講演の様子
仲谷善雄総長による挨拶では、立命館の歩みを支えてくださった皆様へ感謝を述べるとともに、「研究・教育・社会貢献が一体となって価値を創造する統合的なモデルこそが立命館が目指す研究大学の姿である」としたうえで、「立命館は、次の25年、創立150周年を迎える2050年に向けて、『世界最高水準の研究大学』を目指す」ことを宣言し、式典を締めくくりました。
    仲谷善雄総長
学校法人立命館と株式会社近鉄百貨店は、社会課題である人口減少を見据え、産学協働で地域課題解決や街づくり、人材育成に取り組むことを目的に、10月3日(金)に協定を締結しました。本協定は、近鉄百貨店が長年培ってきた地域との繋がりと「場」の力、そして立命館が持つ学術的な「知」と「実践」の力を掛け合わせることで、新たな価値を創造する交流拠点「知のノード」を形成し、地域社会の発展に貢献することを目指すものです。
締結当日、立命館大学大阪いばらきキャンパスで本協定に関する記者発表会を開催。登壇した森島朋三理事長は「教育機関と百貨店は、少子高齢化という構造的課題に直面しているという共通点があります。今回の協定により、異なる立場から既存価値を融合させることで、イノベーションを生み出し、地域に新たな社会共生価値を創造することにつなげていきたい」と抱負を述べました。また近鉄百貨店の梶間社長は「近鉄百貨店は、地域に根ざした百貨店として、世代を超えた交流と学びの場づくりに取り組んでいます。今回の協定を通じて、立命館の知見と実践力を生かしながら、地域課題の解決や人材育成、街づくりに貢献してまいります。2036年の創業100周年に向けて、地域とともに歩む“くらしを豊かにするプラットフォーマー”としての役割を果たしていきたいと考えています」と期待を述べました。
【3】宇宙戦略基金事業(第二期)「月面インフラ構築に資する要素技術」に採択
立命館大学は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する「宇宙戦略基金事業」(第二期)において、「技術開発テーマ/探査等(月面インフラ構築に資する要素技術)」(課題名:月面拠点建設を実現するための測量・地盤調査技術の確立)」に採択されました。宇宙戦略基金事業への採択は、第一期の「SX研究開発拠点」に続き、2年連続となります。
本大学が採択された研究テーマ「月面インフラ構築に資する要素技術」は、今後活発化が予見される国内外の月面活動を見据え、産学連携による技術開発を通じて月面環境の分析(アセスメント)および、重要技術の早期実証を推進することを目的としています。月の表面は「レゴリス」と呼ばれる微細な砂が厚く堆積していることが知られていますが、その深さや硬さ・強さなどの土質特性は未解明な点が多く、地形や地質にも多くの不確実性が残されています。地球上でのインフラ整備と同様に、月面においても「測量」と「地盤調査」は建設の出発点となります。本研究では、月面での建設施工や資源開発に必要な高精度の地形データを取得するとともに、レゴリスの土質特性や地層構造を把握するための「測量・地盤調査システム」を開発します。さらに、整地や造成、道路建設、地盤改良といった土木構造物の設計体系を確立し、月面基地建設の実現に貢献します。
【4】立命館大学 大阪いばらきキャンパス H棟が「2025年度グッドデザイン賞」を受賞
立命館大学 大阪いばらきキャンパスの「H棟」が、このたび2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。2015年に開設した大阪いばらきキャンパスは、敷地を取り囲む塀や門がなく、学生のみならず子供からお年寄りまで、幅広い世代の人々が行き来しやすい地域・社会に開かれた設計が特徴です。2024年春に映像学部・研究科と情報理工学部・研究科の移転に伴い新設された「H棟」は、多種多様な人々が学舎の中にまでアクセスしやすく、ヒト・モノ・コトが交流、触発しあうことを目指して誕生しました。このような従来の大学にはない斬新な建物全体の設計コンセプトやデザインが評価され、同賞の受賞に至りました。
【5】研究開発マネジメント人材に関する体制整備事業に採択
立命館大学は、文部科学省が公募する令和7年度「研究開発マネジメント人材に関する体制整備事業(体制強化機関)」に採択されました。「研究開発マネジメント人材に関する体制整備事業」は、我が国全体の研究開発マネジメント人材の量的不足を解消し、質の向上を図るとともに、適切な処遇・キャリアパスの確立を推進することを目的としています。今回、体制強化機関として採択されたことを契機に、高度な専門性と創発性を最大限に発揮できる「研究開発マネジメント人材の理想郷」の構築を目指します。魅力的な処遇・キャリアパスを実現するジョブモデルを構築し、多様な専門知を活かした研究戦略の立案・実行機能を強化するなど、次世代研究大学に相応しい「次世代研究開発マネジメント」の構築に取り組んでまいります。
【6】将棋研究会が「トリプルアイズ杯争奪 第21回全国大学対抗将棋大会」で3連覇
9月17(水)~19日(金)、さいたま商工会議所(さいたま市浦和区)で「トリプルアイズ杯争奪 第21回全国大学対抗将棋大会」が開かれ、立命館大学将棋研究会が優勝。大会3連覇を飾りました。本大会は代表校 10 校による総当たりリーグ方式(全9回戦)で行われ、各チーム5人が並行して対戦し、先に3勝をあげたチームが勝利となります。立命館は初戦の北海道大学と、4回戦の岡山大学に5-0で完封勝利するなど、波に乗り前半を勝ち進みました。ところが5回戦の東北大学戦で2-3と惜敗。続く6回戦の東京大学戦でも2.5-2.5と引き分けてしまいます。そして迎えた最終日、立命館は6回戦までで4.5勝1.5敗。1敗の慶應義塾大学との直接対決を控え、同じく1.5敗の東京大学には個人の勝ち点で2勝リードしている状況でした。立命館の優勝条件は残りの勝負を全勝かつ、東大との2勝差を守りきるというものでしたが、ここで立命館は勝負強さを発揮。7回戦の金沢大学に5-0、8回戦の京都大学に4-1で勝利します。優勝の行方がかかった最終戦も慶應義塾大学を3.5-1.5で下し、見事に優勝を収めました。
【7】硬式野球部 サヨナラ勝ちで立同戦に勝利!6年半ぶりのリーグ優勝を飾る
10月20日(月)、立命館大学体育会硬式野球部は「令和7年度 関西学生野球連盟秋季リーグ戦」の最終節2回戦で、同志社大学と対戦。延長10回でサヨナラ打を放ち、同志社大学との対戦に勝利しました。立同戦を2戦2勝で制した立命館大学は、秋季リーグ優勝を果たしました。リーグ優勝は、12季ぶり(コロナ禍で中止となった2020年春を除く)40回目の優勝となります。今後は関西学生野球連盟代表として、「第56回 明治神宮大会 関西地区代表決定戦」に出場します。
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▼EVENT(公開講座など)▼
【1】[ライブ配信][無料][要事前申込]【新時代を「デザイン・アート」で切り拓く】 第1回 デザインの「面白がり方」をひらく
[日時]2025年11月14日(金) 19:00~20:30
[会場]ライブ配信
[講師]小田 裕和(株式会社MIMIGURI マネージャー/デザインストラテジスト、立命館大学デザイン・アート学部/研究科着任予定教員)
[定員]1000名 ※先着順となっておりますのでお早めにお申し込みください
[詳細・お申込み]https://www.ritsumei.ac.jp/open-univ/course/detail/?id=400
【2】[ライブ配信][無料][要事前申込]
【新時代を「デザイン・アート」で切り拓く】 第2回 都をどりのデザイン
[日時]2025年11月18日(火) 18:30~20:00
[会場]ライブ配信
[講師]岡田 万里子(桜美林大学リベラルアーツ学群教授、立命館大学デザイン・アート学部/研究科着任予定教員)
[定員]1000名 ※先着順となっておりますのでお早めにお申し込みください
[詳細・お申込み]https://www.ritsumei.ac.jp/open-univ/course/detail/?id=402
【3】[@衣笠][オンライン][無料][要事前申込]
立命館土曜講座
京都の文化遺産と防災
企画:立命館大学歴史都市防災研究所
〇立命館土曜講座
・11月8日(土)10:00~11:30
京都小学校校舎の明治・大正・昭和
―災害からのコンクリート校舎誕生物語 ―
立命館大学衣笠総合研究機構 教授 大場修
[会場]衣笠キャンパス末川記念会館+ZOOMウェビナー
[参加費]無料・事前申込制
・11月22日(土)10:00~11:30
文化遺産防災のはじまり
立命館大学歴史都市防災研究所 特別研究フェロー 土岐憲三/立命館大学理工学部 准教授 金度源
[会場]衣笠キャンパス末川記念会館+ZOOMウェビナー
[参加費]無料・事前申込制
詳細はコチラ≫
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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼
【1】[@東京][無料・有料][申込不要]男子陸上ホッケー部 第74回全日本学生ホッケー選手権大会
女子陸上ホッケー部 第47回全日本学生ホッケー選手権大会
[日 時・場 所]
10月30日(木)~11月3日(月・祝)
男子:10月31日(金)14:30~(2回戦) 大井ホッケー競技場 メインピッチ
女子:10月31日(金)14:30~(2回戦) 大井ホッケー競技場 サブピッチ
[入場料]
1回戦~準々決勝:無料
準決勝、決勝・3位決定戦:大学生以上 一律1日あたり1,000円(当日販売)
※高校生以下は無料
[その他]
今年度のスローガンである「same old」を大切に、日本一という目標に向かって全員で戦います。
温かいご声援の程よろしくお願いします。
https://intercollegiate.hockey.or.jp/
[同時配信予定]
・ UNIVAS LIVE [公式サイト](無料)
※ 日付を選択の上、ご視聴ください。
・MY HOCKEY.JP [公式YouTubeチャンネル](無料)
11月2日(日)男女準決勝(各2試合)
11月3日(月・祝)男女決勝戦・3位決定戦(各1試合)
※ 本大会は11月2日(日)・3日(月・祝) のみLIVE配信が行われます。
【2】[@大阪府][有料][申込不要]
硬式野球部 第56回明治神宮大会 関西地区代表決定戦
[日 時]
10月31日(金)~11月3日(月・祝)
初戦:10月31日(金)13:00~ 対戦校:京都産業大学
[場 所]
GOSANDO南港野球場
[入場料]
当日券:一般1,000円/学生500円(球場にて販売)
※65歳以上・中学生以下は無料
[その他]
https://kansaibig6.jp/2025jinguketteisen/
【3】[@大阪府][有料][申込不要]
アメリカンフットボール部 関西学生アメリカンフットボールリーグDiv1 関西学院大学戦
[日 時]11月9日(日)14:00~
[場 所]万博記念競技場
[入場料]電子チケット1,300円/会場当日券(紙)1,500円
[その他]宿敵関西学院大学との優勝をかけた一戦。
今年1の多彩な攻撃と激しいタックルが魅力の守備にご注目ください!
詳細はコチラ≫
https://www.kansai-football.jp/schedule/schedule2025_autumn.html?
「アメフトライブ by rtv」で有料配信
【4】[@京都府・大阪府][有料][申込不要]
ラグビー部 2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグ
[日 時・場 所]
11月9日(日)14:00~ 関西大学戦 @鶴見緑地球技場
11月23日(日)14:00~ 摂南大学戦 @たけびしスタジアム京都
11月30日(日)14:00~ 同志社大学 @花園第2グラウンド
[入場料]
•自由席/一般:前売 2,000円(税込)、当日 2,500円(税込)
•自由席/高校生:前売 300円(税込)、当日 500円(税込)
•中学生以下:無料
※中学生、高校生は学生証をご持参ください。
[その他]大学選手権をかけたシーズンも残り3戦。4回生を中心に、最後まで粘り強く戦い抜きます。皆様の応援が選手の力になります。スタンドを黄色に染めて共に戦いましょう!
詳細はコチラ≫
【5】[@京都府][無料][申込不要]
男子陸上競技部 丹後大学駅伝 第87回関西学生対校駅伝競走大会
[日 時]
11月15日(土) 8:50スタート 12:50(予定)全チームフィニッシュ
[場 所]京都府丹後地域
スタート:宮津市民体育館/フィニッシュ:京丹後はごろも陸上競技場
[入場料]無料
[その他]
https://gold.jaic.org/icaak/convention/2025/20251115.html
【6】[@東京][無料・有料][申込不要]
空手道部(新生)森 健司選手 第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025
空手 男子個人形、男子個人組手(60kg以下)
[日 時・場 所]
11月23日(日)~11月25日(火) 東京武道館
[入場料]無料
[その他]
第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025 公式サイト
https://deaflympics2025-games.jp/#gsc.tab=0
▼輝く学生インタビュー▼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第237回 輝く学生インタビュー
継続の先に辿り着いた「K-1カレッジ」の頂
山口 上総さん(情報理工学部2回生)
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このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。
立命館大学情報理工学部2回生の山口上総(やまぐちかずさ)さんは、この夏、異色の挑戦を経て栄冠を手にした。キックボクシングの学生アマチュア大会「K-1カレッジ2025」65kgトーナメントにおいて、わずか2ヶ月の準備期間で優勝を飾ったのである。幼少期から続ける格闘技の道で、競技や環境の変化に直面しながらも、山口さんを突き動かしてきたのは、父の教えであり、自らの経験が証明する「継続」という揺るぎない信念だ。痛みに泣き、恐怖と葛藤しながらも、技術と精神力を磨き続けてきた彼の軌跡は、まさに「努力は報われる」という言葉を体現している。情報理工学部でAIや人工知能について専門的に学びながら、体育会日本拳法部に所属し、多忙な日々を送る山口さんにとって、K-1への挑戦は、自らの格闘技人生における集大成の一つとも言えるだろう。大学生活と部活、そして学業を両立させる中で、彼はどのようにして短期間でアマチュアの頂点に立ったのか。そこには、長きにわたる格闘技経験と、ここ一番で最大限のパフォーマンスを発揮する彼の強さが見て取れる。
●痛みに泣きながら歩んだ幼少期
山口さんの格闘技人生は、小学1年生のときに始まった。きっかけは、空手の選手として活躍していた兄の姿を見て、「自分もやってみたい」と口にしたことだった。しかし、その道のりは決して順風満帆ではなかった。幼少期ついて、山口さんはこう振り返る。「空手はもう、めちゃくちゃ嫌いでしたね。痛くて、すぐ泣いてしまって……」。
●転機となった日本拳法への挑戦と「ジャイアントキリング」
高校に進学した山口さんは、空手を続けながら、部活動として日本拳法を選択した。この競技転向には、父親の助言が大きく影響している。空手では全国レベルの成績を残せていなかった山口さんであるが、“テクニックで相手をかわし捌く”という格闘スタイルは、防具を着用し、ポイント制で勝敗を競う日本拳法にこそ適している――父はそう睨んだのである。山口さんは、この新たな舞台でその才能を大きく開花させた。未経験で入部した日本拳法部において、最終的には団体戦で全国3位という快挙を成し遂げている。
この成功の裏には、地道で並々ならぬ努力があった。入部当初、拳法経験者に比べて明らかに劣っていた山口さんは、「まずは部内の経験者2人よりも強くなろう」と決意し、練習に打ち込んだ。やがて、その努力が実を結び、日本拳法は彼にとって「好きな競技」へと変わっていく。こうして山口さんは、より深く競技に熱中していったのである。
●大阪いばらきキャンパスで孤軍奮闘した1回生
その後、立命館大学に進学した山口さん。高校が立命館大学の系列校であったことや、実家から通いやすい立地、そして自身の興味関心から、情報理工学部を選択した。理系学部における専門的な学びと部活動との両立により、多忙な日々になることが予想されたため、当初は大学で日本拳法を続けるつもりはなかったという。
入学後の学生生活は、情報理工学部での高度な学びと、部活動での厳しい環境との両立に苦心する日々であった。山口さんは大阪いばらきキャンパスに所属していたが、日本拳法部の練習は主に京都の衣笠キャンパスで行われており、大阪いばらきキャンパスの部員は山口さん一人だけという状況。平日に京都まで通うことは困難であり、定期的な練習場所を確保できないという問題に直面したが、それでも山口さんは諦めなかった。土曜日の合同練習には欠かさず参加し、平日は近所の道場に通い、母校を訪れて後輩とともに汗を流したりと、自ら練習環境を切り開いていった。この粘り強い努力が実を結び、厳しい環境下においてもレギュラーの座を勝ち取り、団体戦に出場し続けたのである。
●わずか2ヶ月での挑戦へ
大学2回生に進級し、学業と部活動の両立に励んでいた山口さんに、ある転機が訪れた。プロのキックボクサーへと転向していた兄から、大学アマチュア大会「K-1カレッジ」への出場を勧められたのである。「競技としては未経験でも、格闘歴は絶対お前のほうが長い。自分のやってきたことを信じて挑めば、きっと勝てる」。そう背中を押された山口さんだったが、すぐには決断できなかった。というのも、日本拳法は防具を着用し、顔面への打撃を制限する競技である一方、キックボクシングはグローブのみで、顔面への攻撃も当然認められている。これまで経験してこなかった“顔面への攻撃”に対する恐怖が、心理的な壁となって立ちはだかった。「正直、自信がなかったし、顔面にパンチが飛んでくるのが怖かったんです」。そう語るように、挑戦への不安は大きかった。
●極限の緊張を乗り越え、つかんだ優勝
わずかな準備期間で掴んだこの勝利は、山口さんの中に確かな誇りとして刻まれた。それは、これまでの経験と努力が間違いではなかったことの証明であり、「みんな本気で出てきている」アマチュアの舞台で、自身の勝負強さを最大限に発揮した瞬間であった。
●格闘技が教える人生哲学
山口さんが格闘技を通じて最も大切な教訓として挙げるのは、やはり「継続」という言葉である。「継続すれば、こんなに楽しいことがある」と語るように、嫌々ながら続けていた空手も、長く続けた結果、高校での日本拳法の基盤となり、その経験がキックボクシングでの優勝という大きな成果につながったのである。山口さんは、この「継続」を、自分がこれまで歩んできた道が正しかったことの証明だと信じている。
現在も情報理工学部での高度な学業と日本拳法部での活動を両立させている山口さん。理系の専門的な勉強は非常に難しく、友人と協力しながら何とか食らいついている状況だが、ここでも諦めずに続けることの重要性を強く噛み締めている。
彼が格闘技を通じて得たもう一つの重要な学びは、「ここ一番の勝負時」に自分の最高のパフォーマンスを発揮することである。試合のプレッシャーのかかる場面を何度も経験してきたからこそ、山口さんはこの能力を、学業やこの先迎える就職活動など、あらゆる「勝負時」に活かしていきたいと考えている。
苦難を乗り越えてきた者だけが持つ確かな自己肯定感と、未来へ向けた強い意志をにじませる山口さん。その歩みは、「継続こそが自らの可能性を広げ、最大の喜びをもたらす」という格闘家としての哲学を静かに物語っている。
▼第273号読者プレゼント▼
今回は、「立命館オリジナルマフラー」を3名様にプレゼントします!
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします
<応募締切:11/24(月)>
【パソコンの方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekcs-56c4828b83b7298508e5197dc24b61ce
【携帯電話の方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekbt-021bc76cab8b8dee6fb681ad47bb33dc
※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。
応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
応募必要事項
(1)名前: (2)プレゼント送付先住所:
(3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
(5)プレゼント発表時の氏名公開:可 否
(否の場合はイニシャルで表記いたします。
ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)
▼第272号読プレ当選発表▼
多数のご応募ありがとうございました。272号の読者プレゼントの当選者発表です。プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。
・チロさん(京都府)、忍玉さん(京都府)、Hidenさん(滋賀県)
次回のご応募もお待ちしています。
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次回の配信は11月28日(金)です。お楽しみに。
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