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立命館CLUB 【VOL.270】

立命館CLUB【VOL.270】

立命館CLUB会員の皆様こんにちは。
 1ヶ月に渡り開催される京都の夏の風物詩『祇園祭』。後祭山鉾巡行も無事終了し、残すところあとわずかとなりました。さて、今年創始155年・学園創立125周年を迎える立命館では、学祖・西園寺公望の軌跡を辿る記念シンポジウム・展覧会を開催します。立命館の歴史は、近代日本の代表的な政治家で国際人であった西園寺公望が、1869年に私塾「立命館」を創設したことに始まります。「自由主義」と「国際主義」を標榜した西園寺の精神を中川小十郎が引き継ぎ、1900年に立命館大学の前身である私立京都法政学校を設立しました。その後、建学の精神に「自由と清新」を掲げ、教学理念「平和と民主主義」のもと幾多の苦難を乗り越え、現在では2大学、4附属中学校・高等学校、1附属小学校において、学生・生徒・児童数約5万人を擁するダイバーシティに富んだ私立総合学園へと発展しました。
西園寺が生涯を通じてどのような国家造りをめざしたのか、そしてその理想の国家を実現するために、国民とどのように向き合ったのかをひもときながら、西園寺の求めた教育を担う存在として立命館が生まれ、125年を経た今も立命館学園に息づいていることをシンポジウム・展覧会を通じて感じていただければと思います。

○展覧会
「西園寺公望の思想と立命館展」
 東京 2025年9月25日(木)~10月6日(月) 於 丸善・丸の内本店 4階ギャラリー
 京都 2025年10月18日(土) 於 国立京都国際会館
 
○シンポジウム
「強い国にならなくてもいい、尊敬される国 日本になるべき~西園寺公望がみた未来~」
 日程:2025年8月31日(日)13:30~15:30(開場13:00)
 会場:ステーションコンファレンス東京 + オンラインライブ配信
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▼学園ニュース▼

【1】立命館大学体育会ラグビー部、春季トーナメント優勝!
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6月22日(日)、天理親里ラグビー場で開催された「2025年度関西大学ラグビー春季トーナメント」決勝において、立命館大学体育会ラグビー部が京都産業大学を29対12で破り、2016年度の開始以来、初の優勝を飾りました。試合は京都産業大学が先制するも、立命館は主将であるNo.8島正輝選手(経営学部4回生)がトライを奪い反撃しました。さらにWTB三浦遼太郎選手(スポーツ健康科学部3回生)が左サイドを突破して追加トライを挙げ、逆転に成功。その後も三浦選手はCTB中村颯汰選手(経済学部4回生)からのキックパスに反応し、前半を19対12でリードして折り返しました。後半開始直後から立命館はスクラムで主導権を握り、後半13分には再び中村選手からのパスを受けた三浦選手がハットトリックとなるトライを決めました。京都産業大学の反撃を安定したディフェンスで終始抑え、後半は10対0と圧倒し、最終スコア29対12で勝利を収めました。
島主将は、選手・スタッフが一丸となって初の優勝を勝ち取ったとし、この結果に満足せず、秋季リーグでの関西制覇を目指しますとコメントしました。

【2】英国で開催の「第2回UK駅伝」にて立命館大学が初優勝
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6月20日(金)、英国の駅伝大会「第2回FT日経 UK駅伝」がロンドン郊外のウィンザーで開催され、初出場した立命館大学が見事優勝に輝きました。UK駅伝は、英国で駅伝文化の普及を目指すこと、そして、2024年1月に100回目を迎えた箱根駅伝を祝うために2024年6月に始まった大会です。駅伝競走(通称:駅伝)は日本発祥の競技です。UK駅伝も日本のそれにならい、ウィンザー城を望む公園をスタート地点に、テムズ川の遊歩道「テムズ・パス」を抜け、レディングで折り返すなど、英国の象徴的なスポットをつなぐ全10区・約114kmのコース設定となっています。第2回となる本大会には日英の大学や企業など合計31チーム・310人が参加しました。大学対抗部門では男女混合チーム10人(男女各5人)で競い、立命館大学はキャプテン・土屋舞琴選手(スポーツ健康科学部4回生)が8区、アンカーを荒田悠良選手(スポーツ健康科学部3回生)が務め、みな力強い走りを見せました。普段は走らない芝生や舗装されていないトレイルが多いコースでしたが、立命館大学チームは6時間54分49秒のタイムで優勝しました。

【3】野球日本代表 侍ジャパン 大学代表に、有馬伽久投手が選出
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7月8日(火)~7月13日(日)に北海道、新潟、東京で開催された「第45回日米大学野球選手権大会」に立命館大学硬式野球部から有馬伽久投手(産業社会学部3回生)が出場しました。有馬投手は令和7年度関西学生野球連盟春季リーグ戦で最優秀投手賞を受賞するなど、今後の活躍が期待される投手です。「野球日本代表 侍ジャパン 大学代表候補選手 強化合宿」へは、2024年度に続き二度目の選出。選考合宿を経て、候補選手の中から見事、代表選手として選出されました。有馬投手は7月13日(日)に明治神宮野球場で開催された第5戦に2番手投手として出場。試合は6対5でアメリカ大学代表に勝利し、有馬投手は見事勝利投手となりました。侍ジャパン大学代表は本大会5戦全勝で、2004年の第33回大会以来3回目となる完全優勝を果たしました。

【4】東京2025 デフリンピック日本代表に森健司選手が選出
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「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025(東京2025 デフリンピック)」の空手日本代表に、体育会空手道部の森健司選手(産業社会学部3回生)が選出され、6月22日(日)に味の素トレーニングセンターで開かれた内定証授与式に参加しました。本大会は4年に1度開催されるデフアスリートを対象とした国際総合スポーツ競技大会で、今年はデフリンピック100周年の記念すべき大会となります。11月15日(土)~26日(水)の12日間にわたって行われ、70~80カ国・地域から参加した約3,000人の選手が21の競技に臨みます。空手競技は、11月23日(日)~25日(火)の3日間、東京武道館で開催され、森選手は男子個人形・男子個人組手(60kg以下)に出場。森選手は2024年12月にマレーシアで行われた「World Deaf Karate Championships 2024」でも、日本代表として二つの銅メダルを獲得するなど、素晴らしい活躍を残しています。世界を舞台にメダル獲得が期待される森選手への応援をよろしくお願いします。 

【5】THEインパクトランキング2025において立命館大学が総合順位201-300位
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6月、THEインパクトランキングが発表されました。このランキングは、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)に対して、大学が研究や社会貢献活動を通じていかに取り組んでいるのかをTHEが毎年ランク付けするものです。
今回で第7回目の発表となる2025年版ランキングでは、世界の2,526校が対象となり、立命館大学は総合順位201-300位にランクインし、国内の私立大学で2年連続1位タイを獲得しました。また、このランキングでは総合評価に加えてSDGs別ランキングも発表され、本学は「SDG1:貧困をなくそう」で世界35位(3年連続全国1位)となり、世界トップ100にランクインしました。また、「SDG2:飢餓をゼロに」、「SDG6:安全な水とトイレを世界中に」、「SDG15:陸の豊かさも守ろう」で世界トップ200にランクインしました。立命館大学はこれからも、SDGsの達成や国際社会共通の課題の解決に積極的に取り組んでいきます。

【6】古気候学研究センター長 中川 毅 教授(RARAフェロー)が、日本文化財科学会「業績賞」を受賞
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中川 毅 立命館大学 総合科学技術研究機構教授/古気候学研究センター長/RARAフェローが、日本文化財科学会「業績賞」を受賞しました。日本文化財科学会賞は、日本文化財科学会の活性化並びに文化財科学の啓発と普及、人材の育成、社会貢献などを目的に、文化財科学および関連諸分野の業績を賞するためのもので、このうち「業績賞」は、機関誌『文化財科学』をはじめ国内外で発表された文化財科学研究に関する複数の論文・著書等の個人の業績を対象とするものです。中川教授は、福井県水月湖の年縞堆積物の研究を行っています。水月湖の湖底から、約45m、約7万年にも及ぶ縞状の堆積物「年縞」を採取し、分析を行い、分析結果は、その精密さから、地質学的な年代を決める世界標準の「ものさし」である「IntCal」に採用されています。また、年縞に含まれる花粉や葉、火山灰、脂肪酸などを分析し、その時代の気候や環境、自然災害などの復元、気候変動の解明に取り組んでいます。

【7】全日本大学ホッケー王座決定戦で体育会ホッケー部(男子)が二連覇
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立命館大学体育会ホッケー部(男子)が、7月13日(日)に行われた「第44回全日本大学ホッケー王座決定戦」の決勝戦で、山梨学院大学を3-0で破り、2年連続・10回目の優勝を飾りました。前年度優勝校として大会に挑んだ立命館大学は、初戦の準々決勝・福井工業大学戦を2-0で勝ち上がりました。東京農業大学との準決勝では、3-2で接戦を制し、決勝戦に進みました。決勝戦の相手は、強豪・山梨学院大学。第1Q、第2Qと立命館大学は、複数回のチャンスを得ましたが、得点につなげることができず、0-0で前半を折り返しました。後半に入ってもスピーディーな試合展開が続く中、第3Q終了間際に重山大雅選手(#9 経営学部3回生)が、PC(ペナルティコーナー)からのヒットシュートで先制点を決め、均衡を破りました。厳しい暑さの中、立命館大学は第4Qに入っても運動量が下がらず、積極的な攻撃から相手の反則を誘いPCを獲得。樋口雄翔選手(#11 経営学部2回生)、佐々木翔吾選手(#19 総合心理学部2回生)が、それぞれ追加点をあげて、3-0で勝利し、2年連続・10回目の優勝を飾りました。大会の最優秀選手には、主将の川原大和選手(#1 政策科学部4回生)が選出されました。

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▼EVENT(公開講座など)▼

【1】[オンライン][無料][要事前申込]
【日本史探究】法王道鏡の軌跡(全2回)
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古代最後の女性天皇となる称徳天皇(孝謙太上天皇)は、764年に恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱を経て重祚しました。彼女は歴代天皇のうち唯一の「出家天皇」であり、尼の身分のまま即位し、仏教の師と仰いだ道鏡を大臣禅師から太政大臣禅師、そして法王と、空前の地位につけたのです。称徳天皇の崩御後、皇嗣を目論んだというかどで下野薬師寺に左遷される道鏡、本講義では、法王道鏡を生みだした背景と、道鏡に関する情報の虚偽、評価の妥当性について、再検討を試みます。
[日時]2025年7月26日(土)・8月23日(土) いずれも10:00~12:00
[会場]オンライン
[講師]本郷 真紹(立命館大学文学部 特命教授)
[定員]各回200名 ※先着順となっておりますのでお早めにお申し込みください
[詳細・お申込み]https://www.ritsumei.ac.jp/open-univ/course/detail/?id=377

【2】[ハイブリッド][無料][要事前申込]
【立命館創始155年・学園創立125周年記念シンポジウム】強い国にならなくてもいい、尊敬される国 日本になるべき ー西園寺公望がみた未来ー
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「昭和100年」にあたる本年、あらためて「最後の元老」といわれ、立命館の学祖でもある西園寺公望の軌跡を辿り、現在のような時代だからこそ生きる西園寺公望の思想・哲学を問うためのシンポジウムを開催します。西園寺公望の生きた昭和初期と現代とが「相似形」に見えるという切り口から、現代人がこの状況をどう捉え、どう考えるべきか、「歴史」「外交」「教育」の視点で、縦横に語ります。
[日時]2025年8月31日(日)13:30~15:30
[会場]ハイブリッド(会場+オンライン) 
    会場:ステーションコンファレンス東京(サピアタワー5F)メインホール
[講師]
 <スピーカー>
  磯田 道史(国際日本文化研究センター 教授)
  西園寺 裕夫(公益財団法人五井平和財団理事長)
  薮中 三十二(学校法人立命館理事・元外務事務次官)
 <コーディネーター> 
  本郷 真紹(立命館大学文学部特命教授・学校法人立命館理事補佐)
[定員]会場 400名/オンライン 1000名 ※先着順となっておりますのでお早めにお申し込みください
[詳細・お申込み]https://www.ritsumei.ac.jp/open-univ/course/detail/?id=374

【3】[@衣笠][オンライン][無料][要事前申込]
立命館土曜講座 
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<8月のテーマ> 
戦没画学生と対話する ―無言館とは何か―
企画:立命館大学国際平和ミュージアム      

8月23日(土)10:00~11:30
「若き表現者」たちが遺した「若き表現者(あなた)」へのメッセージ  
戦没画学生慰霊美術館 無言館 館主 窪島 誠一郎       
[会場]衣笠キャンパス末川記念会館+ZOOMウェビナー
 
8月30日(土)10:00~11:30
無言館と立命館をつなぐもの
立命館大学国際平和ミュージアム 名誉館長 安斎 育郎
[会場]衣笠キャンパス末川記念会館+ZOOMウェビナー

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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼

【1】[@北海道][無料][申込不要]
準硬式野球部 文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会
[日 時]8月19日(火)~24日(日)
     初戦 8月21日(木) 12:30~ 対戦校 同志社大学or愛知学院大学
[場 所]札幌市モエレ沼公園野球場
[入場料]無料
[その他]
弊部はこの度、9年ぶりに全日本選手権の切符を掴み取りました。我々の特徴は、硬い守りを活かし接戦をものにする所です。また、予選トーナメントでは、豊富な投手陣と強力な上位打線で相手に隙を与えない試合運びを展開してきました。4年間の集大成を発揮し、初優勝を目指して精一杯頑張ります!応援よろしくお願いいたします!
詳細はコチラ≫
一球速報にて全試合速報をご覧いただけます。
https://baseball.omyutech.com/CupHomePageMain.action?cupId=20250000028
準決勝、決勝はYouTubeにてLive配信があります。
https://youtube.com/channel/UC_N8XRoRTiqtkrcdabHsGag?si=BJxdk-4fIiiUst1M
本大会に向けてクラウドファンディングを行っています。よろしければご支援のほど、よろしくお願いいたします。
https://www.instagram.com/rits_junko_official?igsh=Mm13b3hqbm05NW9i

【2】 [@長野県][無料][申込不要]

軟式野球部 第5回 全日本大学軟式野球選抜大会 SUMMER CUP 2025
[日 時]8月17日(日)~22 日(金)まで ※ 雨天順延、予備日8月23日(土)
     初戦8月18(月)10:00 対戦:佛教大学
[場 所]県営上田野球場
[入場料]無料
[その他]
初めまして、軟式野球部です!今大会では、全国大会三連覇を目指し、持ち前の粘り強さと結束力を武器に戦います。熱い応援、宜しくお願いします!
詳細はコチラ≫

【3】[@東京都][無料][申込不要]
弓道部 第73回全日本学生弓道選手権大会
[日 時]8月18日(月)~8月20日(水)
[場 所]近的大会・日本武道館
[入場料]無料
[その他]
本大会の見どころは緊張する中での自分との戦いや会場全体に響き渡る的中音です。
選手全員で優勝を目指しますので、応援よろしくお願い致します。
詳細はコチラ≫
YouTube 全日本学生弓道連盟チャンネルにて配信予定

【4】[@京都府][無料][申込不要]
サッカー部(男女)立同戦 対戦校;同志社大学
[日 時]8月19日(火) 17:00
[場 所]同志社大学京田辺キャンパスグラウンド
[入場料]無料
[その他]
立同戦の季節が今年もやってきました。昨年度に引き続き、勝利できるよう頑張ります。
ぜひ会場に足を運んでいただき、応援の方よろしくお願いします。

▼輝く学生インタビュー▼

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第234回 輝く学生インタビュー
覇道を拓く主将の魂:立命館ラグビー、歴史的勝利の軌跡

 島 正輝さん(経営学部4回生)
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このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。

2025年春、立命館大学ラグビー部は、創部史上初となる関西リーグ春季トーナメント優勝という快挙を成し遂げた。その歴史的瞬間を牽引したのは、主将を務める島選手(経営学部4回生)である。チームを勝利に導くまでの彼の道のりには、数々の苦難と深い思考、そして勝利への揺るぎない信念が刻まれていた。彼のラグビー人生を紐解き、その裏に秘められた真の強さに迫る。
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●大分から関西へ-ラガーマンの原点

島選手のラグビー人生は、小学5年生の終わり、たまたまテレビでラグビーを見たことがきっかけで始まったという。何気なく「やってみたい」と漏らした一言を、父親は真剣に受け止め、ラグビースクールへ連れて行ってくれた。それまで柔道に打ち込んできた彼は、ラグビーの楽しさに魅了され、そのまま競技を続けた。大分県内にはラグビースクールが少なく、中学時代も引き続きスクールでプレーしたという。

中学校を卒業すると、ラグビーの強豪校である大分舞鶴高校へ進学。30年以上続いていた全国大会出場記録を途絶えさせるという悔しい経験も味わったが、3年生の時には、全国大会の舞台を踏むことができた。高校卒業後は就職しようと考えていたが、親からの「大学には行っておけ」という強い勧めもあり、進路を再考。その中で、大分舞鶴高校から立命館大学へと進学した関係者からの紹介が縁となり、立命館大学の練習に参加する機会を得、スポーツ推薦で立命館大学に入学することとなった。

●大学ラグビーの洗礼-壁と成長
立命館大学に入学後、島選手は早々にその才能を開花させる。1回生同士の最初の練習試合で活躍し、その後すぐにAチームに昇格。1回生の春季トーナメント2回戦、同志社大学戦で早くも初スタメンを飾り、そこから現在まで継続して試合に出場し続けている。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。高校時代から抱えていた腰の怪我に加え、シーズン中に手首も負傷し手術も経験したという。特に2回生の頃は、怪我からの復帰後すぐに試合に出ることになったものの、チームメイトを信頼させる、納得させるようなプレーができていないと感じ、「精神的にしんどかった」と当時の心境を語った。
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高校ラグビーと大学ラグビーの最大の違いは、「思考力」であると島選手は断言する。高校時代は目の前のプレーに集中していればよかったが、大学では80分間を通して試合全体を考え、相手の戦術まで読み解く力が求められる。自身のフィジカルだけでは足りないと感じた彼は、この「考える」という部分を磨くことに注力した。それは、単なる身体能力を超えた、ラグビーという競技の本質を理解し、自己を成長させようとする彼の貪欲な姿勢の表れであった。

●主将就任-停滞を破る決意
3回生になった島選手は、チームの中心として活躍し、順調なシーズンを送っていた。しかし一方で、チーム全体に蔓延する「勝ちに対する雰囲気」の希薄さに、もどかしさを感じていたという。関西の強豪である京産大や天理大との試合前でも、「相手は強豪やし、負けても仕方ないか」という諦めのムードが選手に漂っていることに、彼は強い危機感を抱いていた。
そして、3回生秋のシーズンが終わり、彼らの代へと引き継ぎの時期が訪れる。主将は新4回生での投票によって決められ、島選手が選出された。実は、投票が行われる前に同期の中村選手と新チームについて話し合いをしており、中村選手から「お前がやった方がうまくまとまるんじゃないかな」と後押しされたことも、彼が主将を引き受ける大きな要因となった。彼は、みんなが受け入れて支えてくれるならやりたいと、前向きにその重責を担うことを決意した。

●マインドセット-勝利への執念
主将として島選手が真っ先に変えようとしたのは、チームの「試合に対する勝ちへのマインド」だった。彼は「勝ちにこだわるチーム」を軸にチーム作りを進め、そのために具体的な行動を起こしてきた。特に重視したのは、上級生である4回生の意識改革である。1回生が新鮮な気持ちで入部してくる前に、彼らが従来の立命館の「ネガティブなマインド」に染まらないよう、4回生で徹底的に話し合った。そして、「1回生の気持ちが一番大事」という認識のもと、2・3回生にも呼びかけ、これまでのような負の雰囲気を決して見せないことを確認し合ったという。この粘り強い働きかけこそが、チーム全体のマインドセットを変えるための第一歩となった。
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2025年春シーズンに向けては、これまでの「とりあえずやってみよう」という姿勢を捨て、相手を徹底的に分析し、秋のシーズンさながらの準備で臨んだ。戦術的な部分は、幹部選手が主体となって考えることを意識した。また、主体的な行動は、組織心理学の専門家である山浦 一保教授(スポーツ健康科学部)がチームに関わり、学生が自ら考えることを促してくれたことも大きく影響している。自ら考え、行動する主体性が、チームに新たな風を吹き込んだのだ。

●歓喜の瞬間-歴史的勝利の舞台裏
春季トーナメント決勝の相手は、長年のライバルである京都産業大学であった。同志社大学戦での敗戦を経て、龍谷大学戦から着実に自信を積み重ねてきたチームは、京産大戦前には「行けるかもしれない」という確かな自信を感じていたという。
京産大戦では、「接点で引かないこと」と「ポゼッションを大事にすること」という二つの大きなテーマを掲げて臨んだ。試合序盤は硬さから失点し、先制トライを奪われたものの、それが逆にチームを吹っ切らせ、自分たちのラグビーを展開するきっかけとなった。後半に入ってもディフェンスラインの出足が落ちることはなく、タックルの精度も高かった。京産大のフォワードが徐々に疲弊していく中、立命館の選手たちは誰も疲弊する様子を見せず、それが「俺ら行ける」という精神的な余裕と確信につながったと島選手は振り返る。準備の差、そして精神的な強さが、歴史的な勝利を引き寄せたのである。
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試合後、彼はマスコミに対し「立命館の歴史を一つ作れて嬉しい」とコメントした。「記者さんに誘導されました 笑」とはにかみつつも、初の優勝を素直に嬉しく感じ、主将としてチームのマインドを変え、結果を出せたことへの喜びを噛み締めていた。

●秋を見据える-さらなる高みへ
春の優勝という輝かしい結果にも、島選手は慢心することなく、既に秋のシーズンを見据えている。春の優勝後、練習の雰囲気から「春で満足してしまっている選手が出てきている」と感じ、再びチームを引き締める必要性を感じたという。秋に向けては、一つ一つのプレーの精度向上や、接点での課題克服が必須となる。

島選手は、自身の性格を「負けるのが嫌、負けても仕方ないという姿勢が何より嫌だ」と語る。負けるにしても全力を尽くして負けるなら仕方ないが、努力もせず負けてヘラヘラしているような雰囲気は我慢ならないという。この価値観は、幼少期から勝負事にこだわり、親から「ハナから勝負しない姿勢で負けているのはダメだ」と強く言われてきた影響が大きいという。彼の厳しさは、チームを勝利へ導くための、彼の揺るぎない信念に基づいているのだ。
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●ラグビーを通じた成長-これからの展望
大学ラグビーを通じて最も成長したと感じるのは、やはり「思考力」であると島選手は語る。高校時代は思いつきでプレーすることが多かったが、大学に入ってからは、プレーはもちろん、主将としてチームを運営する中で、「なぜ?」を常に考える力が身についた。多様な意見の中から何を取り、何を捨てるべきかを判断する経験は、物事を深く考える力を彼にもたらした。
卒業後もラグビーを続け、社会人チームでプレーすることが決まっている。その舞台でも、「誰にも負けない選手」という根本は変わらず、派手なプレーではなく、泥臭く、貪欲に、ひたむきにプレーする“自分らしいスタイル”を貫きたいと抱負を語る。
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秋の目標は、もちろん関西大学Aリーグ制覇である。春の優勝は単なる通過点であり、本番は秋だと語る彼は、全チームに勝ち切り、全国大学選手権で結果を出すことを見据えている。島選手の強靭な精神力と深い思考力、そして勝利への執念が、立命館大学ラグビー部をさらなる高みへと導くことだろう。彼の挑戦から、ますます目が離せない。


▼第270号読者プレゼント▼

今回は、「立命館4キャンパスクリアファイル」を3名様にプレゼントします!
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プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします

 <応募締切:8/25(月)>

【パソコンの方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekcs-56c4828b83b7298508e5197dc24b61ce

【携帯電話の方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekbt-021bc76cab8b8dee6fb681ad47bb33dc

 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
  立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼第269号読プレ当選発表▼

多数のご応募ありがとうございました。269号の読者プレゼントの当選者発表です。
プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

・H.Hさん(京都府)、A.Iさん(広島県)、M.Aさん(京都府)

次回のご応募もお待ちしています。

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次回の配信は8月29日(金)です。お楽しみに。
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